絶剣を愛する転生者の物語   作:小木 琉山

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どうも小木 琉山です。

今回は倉橋先生との会話が終わった辺りから始まります。

では、本編をどうぞ。


遭遇

 

倉橋医師との話を終えた俺は病院を後にしていた。

 

話し込んだせいかいつも通り学校に行っていれば授業が終わり、下校しているくらいの時間になっていた。

 

「はぁー、もうユウキはプローブの電源切ってるんだろうなー・・・。仕方ない事とはいえ、ユウキとの学園生活が1日減ってしまった・・・」

 

ユウキと過ごせる時間が減った事に落ち込みながら駅に向かう。時々すれ違う人が怪訝な眼差しを送ってくるが気にならない程俺は落ち込んでいた。

 

ユウキと過ごせる時間は何よりも尊いのだ。

 

そして、駅に到着して切符を買い、電車に乗る。

 

そこまでは良かったのだが、慣れない事をしたせいか眠気が抗いきれないほど強くなっていてすぐ眠ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜

 

『次は〜星川駅〜星川駅です。右側の扉が開きますので、ご注意下さい。』

 

気持ちよく寝ていると、そんなアナウンスが聞こえてくる。

 

なんだよ、うるさいな。もう少し寝させてくれ。・・・にしても、星川駅って何処だった・・・け!?

 

「・・・は!?星川駅!?やっば、乗る電車間違えた!!」

 

明らかに、俺が病院に行く時に使った電車の通る駅に星川駅なんてなかった。

 

つまり、乗る電車を間違えて尚且つ眠ってしまった為、それに気づかずこんな所まで来てしまったということか。

 

・・・うん。

 

「やらかしたー!!てか、金足りるか!?結構寝てたから電車賃が大変な事に!?」

 

結果、金は足りた。だが、それに全て使ってしまったので帰りの電車賃が無い。携帯電話はあったので両親に連絡してみたが。

 

『『頑張って帰って来なさい(来てね)』』

 

との事でした。

 

まぁ、自業自得だからしょうがない、歩こう。

 

帰ったら何時になってるかなー。日を跨いでないといいなー。

 

淡い希望を抱きつつ俺ら歩き出した。

 

 

〜〜〜〜

 

しばらく歩いていると見覚えのある姿が目に入った。何故こんな所に、と疑問を隠せないが声をかける事にする。

 

「こんばんわ、明日奈さん。此処で何してんだ?」

 

「あれ?真也くん!?真也くんこそどうして此処に?」

 

『どうしたの、アスナ?』

 

驚いて声を上げる明日奈さん。そしてその肩にはプローブがありユウキの声も聞こえた。

 

うん、ラッキーどころじゃ無い。電車を間違えた俺。グッジョブ!!

 

「あー、俺は少し出かけてたんだけど・・・電車を間違えて歩いて帰る事になったからその途中。」

 

「そ、そうなんだ、大変だね。私とユウキはユウキの希望でユウキの家を見に来たの。・・・あ、紹介するねユウキ。この人は桐本 真也くん。同じ学校の一つ下でキリト君の親友?らしいよ。」

 

『へー、そうなんだ。ボクは紺野 木綿季です。よろしくねお兄さん!』

 

・・・何故親友の所が疑問形なのか気になるが取り敢えず置いておこう。

 

「こんばんわ、桐本 真也です。改めてよろしくな、木綿季。」

 

『・・・ボク、お兄さんと何処かで会ったことあるっけ?』

 

ユウキが怪訝そうに聞いてくる。

 

うん、リアルでは初対面だから仕方ない事とはいえ。こう、胸にグサッとくるな。

 

「え?・・・あぁ、成る程。ユウキ、真也君は迷宮区でキリト君と一緒に助けてくれたシンヤ君だよ。」

 

『そうだったの!?あの時はありがとう、シンヤ!』

 

明日奈さんの説明で理解してしくれたらしい。

 

相変わらずの元気な声でお礼を言ってくれた。これだけで生きていける気がして来た。

 

「い、いや、あれはキリトの発案だから礼はキリトに言ってやってくれ。」

 

『うん!それでもありがとう!』

 

「・・・お、おう」

 

思わず言葉足らずな返事をしてしまう。

 

ユウキからお礼を言われるのは破壊力が半端じゃ無い。尊すぎる。可愛すぎる。

 

「あ、キリト君が言ってた事やっぱり本当だったんだ。」

 

やっぱりとはなんだ、やっぱりとは。キリトの奴本当に言ってやがった。

 

というか、明日奈さんの肩にはユウキがいるプローブがあるわけでそんなこと口にしたら・・・

 

『?ねぇ、アスナ。何が本当だったの?』

 

ほら、ユウキが食いついちまった!!ま、まぁ、明日奈さんも現在進行形で恋をしている女の子だし。そう簡単にはバラさない筈。

 

「えっとね、真也君がユ「わーー!!わーー!!何でもない!!何でもないぞ!」」

 

俺の考えとは裏腹にサラッとバラそうとする明日奈さんの声に被せるように大声をだして誤魔化した。

 

正気か明日奈さん!?それは洒落にならないって!主に俺へのダメージとか!!

 

「冗談だよ。そのくらいの識別くらいできるよ。」

 

笑いながら言う明日奈さん。心臓に悪すぎる。

 

『むー、アスナとシンヤがボクを除け者にする!』

 

表情は見えないが、声から頬を膨らませて拗ねている様子がありありと伝わってく・・・る。

 

「ごめんごめん、真也君のこういう反応が新鮮でつい。・・・それで、真也君は何で悶えてるの?」

 

「・・・気にしないでくれ。」

 

どうにか、そう答えつつ心の中で叫ぶ。

 

(やばいやばいやばいやばい、拗ねたユウキの声可愛すぎる!!なんだよ、俺をキュン死させたいのか!?)

 

脳内でリピートされるユウキの声に悶えるのをなんとか抑える。これ以上ユウキの前で失態を犯すわけにはいかない。

 

その頃のどこかの神の心情「もう手遅れじゃろ。」

 

だまらっしゃい。

 

『そういえば、シンヤ。一つ聞きたいことがあったんだけど。』

 

唐突にそう言うユウキ。

 

聞きたいことって、何だろうか。ユウキが聞きたいと言うのであれば俺の知りうる情報を例外を除き、全てを提示しよう。

 

「どうしたんだ?」

 

『ボクとの決闘の時手を抜いてたよね?どうしてなの?』

 

ピンポイントで例外を引き当てたな。ユウキよ。それはまだ答えるわけにはいかない。

 

さて、どうやって煙に巻こうか。

 

「・・・あれだよ、体調が良くなかったからだよ。(棒)」

 

我ながら誤魔化し方が下手すぎて笑えない。こんなんで通るのなんて余程ちょろい人だけだろうよ。

 

『そうだったの!?あ、だからあの時いきなりログアウトしちゃったんだね。』

 

ユウキはちょろかった。

 

そして明日奈さん何故そんなに笑いを堪えている。そんなに楽しいか。今度キリトといちゃついてる時にやり返してやる!

 

俺もダメージ受けそうだけど!

 

そうこうしているうちにユウキのプローブがバッテリー残量が少ない事を知らせた。

 

『あーあ、もう時間切れかー。残念。』

 

「そうみたいだね。・・・ユウキ、明日も一緒に授業受けようね。」

 

『うん!約束だよ、アスナ!』

 

そして明日奈さんはユウキがいなくなった事を確認して、プローブの電源を切った。

 

「それで、シンヤ君はどうするの?私は駅に向かうけど。」

 

「あぁ、駅まで送るよ。あと、俺がユウキのこと好きなのユウキにバラそうとしないでくれよ。」

 

「だから、冗談だよ。そんなことしないから安心して。」

 

・・・安心しきれねぇ!

 

そして明日奈さんを駅まで送ったあと、俺は数時間を掛けて家に帰ることに成功した。

 

ちなみに予想通り家に着いたのは日を跨いでからだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





この様な駄文にお付き合いくださり、ありがとうございました。

次回からは原作沿いでオリジナル成分多めの話が何話か続くと思います。

駄文とは思いますがお付き合いの程よろしくお願いします。

この度は誠にありがとうございました。

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