絶剣を愛する転生者の物語   作:小木 琉山

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どうも小木 琉山です。

今回から予告通りBOB本戦に入ります。

ラストスパートで頑張りますのでお付き合いのほどよろしくお願いします。

では本編をどうぞ


BOB本戦(前半)

 

薄暗い森の中、俺は身を屈めてゆっくりと前に進んでいた。BOBが開始されてから既に30分は経過している。

 

最初こそ楽勝だろうと思っていた。だが、実際に不特定多数から狙われていると考えると中々な恐怖を感じる。まぁ、SAOに比べたらまだまだましなのだが。

 

「ん?あの崖の上にいる奴何やってんだ?」

 

しばらく歩いているとひらけた場所から堂々と崖の上に座るプレイヤーを見つけた。最初に目に付いたのは、なんと言ってもそのプレイヤーが砲台のように構えているいかにも凶悪そうな銃だ。確かミニガンだったか?

 

と、考えている間に無謀な他のプレイヤーが突っ込んでいった。

 

自分から死地へ飛び込んでいくとか根性あるなぁー。などと思いながら見ていると案の定ミニガンで蜂の巣にされていた。

 

 

 

 

 

 

・・・うん、逃げるが勝ちってことわざあるよね。

 

だがそうは問屋がおろさないらしく、逃げようとした俺は盛大にこけた。もう一度言っておくが現在地は森である。当然、落ち葉なども地面に敷き詰められているのだ。そんな所でこけたら盛大に音がなるに決まっている。恐る恐る崖上のプレイヤーの方を向くと弾道予告線で視界が真っ赤に染まった。

 

 

「うおおぉぁぁぁ!!?」

 

低い機械音を出しながら回転する銃身から放たれる銃弾を前に俺は、情けない悲鳴をあげながら森の方に逃げ込んだ。

 

幸い、弾は当たらなかったらしく、何処にも損傷は見られない。

 

「あ、危ねぇなおい。あんなのどうやって倒せと。」

 

スナイパーライフルでもあれば狙撃という手もあるがあいにく俺が持っているのはアサルトライフルと光剣のみ。

 

そういえばシノンさんがスナイパーライフル使っているとか聞いた気がする。だけど、ここだと敵同士だし。

 

うーん

 

 

 

 

 

 

 

「・・・あ、後ろから斬れるんじゃないか?」

 

これは名案ではなかろうか。見たところ前方180度はギリギリ稼働できるだろうがあの体制では後方がガラ空きだ。

 

作戦が決まれば後は早い。

 

俺は気づかれないよう崖の裏に移動して、罠がないか慎重に確認しつつ登っていった。登り切ると岩の段差に身を隠しつつ相手を確認した。

 

まだ、俺が下側の森に隠れていると思っているのかジッと下を見ていて後ろへの警戒心は全くなかった。

 

俺はゆっくりとアサルトライフルを構えると引き金を引いた。

 

 

ダダダダッと、いう発砲音とともに弾が発射され見事に命中して相手のHPを全損させた。

 

「よしっ!撃破!この調子でどんどんいくか!」

 

だが、やはり銃よりも剣の方が俺にあっている気がする。なんというか銃を使うと頼りないというか何というか。

 

シノンさんが聞けばムキになって銃の良さを語り出しそうな事を考えつつ俺は歩きだした。

 

 

 

〜〜〜〜〜

 

それから一時間と十分ほど経った。その間、敵を見つければアサルトライフルで牽制して光剣で斬る、という意外と効率の良い倒し方を見つけた俺は数回戦闘を繰り返し都市の近くの砂漠地帯に来ていた。

 

そういえばキリトとシノンさんと鉢合わせないな。一応数回前の《サテライト・スキャン》で二人が一緒に行動しているのは知っている。この近くの廃都市あたりにいたのでもしかしたらこの辺りにいるかもと思ったのだが違ったようだ。

 

「えーっと、そろそろ7回目の《サテライト・スキャン》だよな。さっきのスキャンでキリトとシノンさんがいなかったけどもう負けたのか?」

 

そして45分になった瞬間端末を取り出して表面に触れてマップを表示させた。既に殆どのプレイヤーが光点ではなくグレーのドットで表示されていた。そろそろ、この大会の終わりも近いということだろう。

 

「あれ?これキリトか。まだ残ってたのかよ。あとは・・・あ、今二人消えた。残りは俺とキリトと闇風か・・・死銃はどうなったんだ?まぁ、取り敢えずキリトのとこ行くか」

 

 

何故か表示されてなかったキリトが表示されていることに驚きつつ俺はキリトの元に向かった。

 

 

〜〜〜〜〜

 

「おっす!キリト、シノンさん。まず、最初に言わせてもらうけどその空気読めよ的な視線をやめて欲しい。」

 

キリトとシノンさんが隠れていた洞窟に着いた俺は二人のジトーッとした視線で出迎えられた。

 

「人が結構本気で覚悟決めて戦いに臨もうとしている時にそんなテンションでいるお前を殴りたいと思うよ。」

 

キリトが割とマジな目でそういった。シノンさんもシノンさんで無言でこちらを睨み続けている。いや、睨むというより冷ややかな目でこちらをずっと見ている。

 

どちらかというとシノンさんの方が結構効くからやめて欲しい。

 

「と、取り敢えず何がどうなっているのか説明してくれ。さっきのお詫びになんでも協力するからさ!」

 

耐えかねた俺は無理やり話題を変えようと現状を聞いた。

 

二人も溜飲を下げてくれたのか大きなため息を吐きつつこれまでの経緯を説明してくれた。

 

死銃が複数犯でこちらでの共犯者のアクションを合図に現実で致死性の毒で相手を殺害しているのではないかということ。そして、これからの作戦を聞いた。

 

「俺はシノンさんの護衛ってことでオーケー?でも、相手がスティーブンなんだったら俺もそいつに借りあるからちょっとやり返したいんだけど・・・」

 

「すまんシンヤ、だけどこれは俺がやらないといけないことだと思うんだ。」

 

・・・はぁ、しょうがないか。このモヤモヤした感情は今度神にでもぶつけよう。

 

神「な、なんじゃと!?」

 

安定のスルーで行こう。

 

「・・・お前が負けそうになったら強制的に交代するからな。」

 

「分かった。そうならないようにするから安心してくれ。」

 

いや、俺としてはそうなって欲しいんだが。

 

そんなこんなで俺たちは行動に出た。キリトは死銃の相手をするため砂漠のど真ん中に。シノンさんと俺は狙撃のため岩山に潜伏した。

 

 

 

 





この度もこのような駄文にお付き合い下さりありがとうございました。

あと1話から2話でファントムバレット編も終了です。

正直マザーズロザリオ編に入るのが楽しみで楽しみで仕方ありません。

この度は誠にありがとうございました。

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