絶剣を愛する転生者の物語   作:小木 琉山

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どうも小木 琉山です。

この度も駄文だとは思いますがお付き合いのほどよろしくお願い致します。

では、本編をどうぞ。


決意と商談?

 

転送が終わり、光が収まって最初に目に付いたのは目の前に直立する東京タワーの様な大きな鉄塔だった。・・・いや、鉄塔というにはいささか横幅が広い気がするが。まぁ、それは良いとしよう。

 

取り敢えずはこの決勝に勝利することだけを考えよう。決勝まで進んだ以上、既にBoB本戦への出場は確定されてはいるが、やはり全てに勝利してから本戦に進みたい。

 

ここで勝利すれば少しくらいは注目が集まるだろう。そうすれば死銃の目にもつきやすくなるというものだ。

 

「と、そろそろ動かないとな。こんな所でぼーっと立ってたらまたにしてくださいって言ってるもんだし。」

 

そう言って俺は鉄塔の向かい側にあった高層ビル群に向かって走り出した。

 

「取り敢えず、・・・えっとスティーブンさん?を、見つけない事にはどうしようもないしな。・・・その辺にバギーでも転がっていたら最高なんだがな。」

 

やはり、乗り物があった方が何かと便利そうだし。スティーブンさんが持ってたら真逆の最悪だけどな。

 

「まぁ、そんな事そうそう起こるはずもないか!」

 

あれ?もしかしてフラグ建った?

 

そんな事を思っているとそれに反応したかのように後方からつい一時間前くらいに聞いたエンジン音が聞こえてきた。

 

「いやいや、まさかだよな?キリトでもあるまいし・・・」

 

フラグを無自覚で建てまくる友人を引き合いに出し、軽く現実逃避をしながら後ろを振り向くと、案の定バギーに乗っているフードを被ったプレイヤーがこちらに猛スピードで迫ってきていた。

 

迎え撃とうかとも考えたがどう攻めてもバギーに轢かれる未来しか見えない。

 

ふむ、つまりこれは

 

「押してダメなら引いてみよ。と、言うことで逃げる!!いや、戦略的撤退だ!!」

 

そう言い残して俺は全力疾走でそこから撤退した。断じて逃げたわけではない。これは戦略上仕方なく撤退しているのだ!

 

だが、人の走力とバギーでどちらが早いかというと当然バギーである。

 

呆気なく追いつかれた俺はそのまま跳ね飛ばされてしまい、その衝撃でHPが尽き、俺は予選決勝で黒星を飾る事となった

 

最後に見えたのはスティーブンの紅く光る目だった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「え、えっとお疲れシンヤ。な、ナイスファイトだったぞ。」

 

「あ、相手がバギーに乗ってたんだから仕方ないわよ。あの距離から照準を合わせようとしても間に合わないだろうし。」

 

先に決勝を終えて俺の試合を観ていたキリトとシノンさんが揃って労いの言葉を掛けてくれた。

 

だけど、

 

「傷に塩を塗りこまないでくれ!流石に何もせずにただバギーに轢かれただけだぞ!?あぁ、鬱だ・・・」

 

絶賛落ち込み中の俺にとってそれはどちらかというとトドメに近い。まさか銃の打ち合いがメインのゲームの予選決勝でバギーに轢かれて負けというのは恥ずかしすぎる。

 

「よし、決めた。本戦ではアイツだけは俺が倒す。いや倒してみせる!リベンジだリベンジ!次もバギーで轢こうとする奴がいたらバギーごと斬ってやる!」

 

「いやいや、流石にバギーごと斬るのは不可能でしょ。精々前のタイヤをパンクさせるのが関の山だわ。」

 

なに?無理だと?

 

「俺の辞書に不可能の文字はない・・・はず!」

 

「言い切れよ!そこは!」

 

「仕方ないだろ!やった事ないんだから!」

 

逆にやったことある奴なんているの?まず光剣使ってる人がほとんどいないからいるわけないか。と、そろそろ良い時間か。

 

「おい、キリト。そろそろ落ちた方が良いんじゃねーか?」

 

俺の呼びかけに反応したキリトは時間を確認した。

 

「あー確かに。じゃあシノンまた明日、本戦で会おう。」

 

「さっきも言ったけど。次に会うときは敵同士よ。」

 

「分かってるよ、手は抜かない。お互い全力でやろう。」

 

え、なに。俺の知らない内に何があったのさ。

 

疑問に思いつつも聞いたところでキリトはともかくシノンさんは教えてくれそうにないのでそのままログアウトする事にした。

 

〜〜〜〜

 

ログアウトした俺は病院でキリトと別れ家に帰った。

 

家に着いた俺はすぐさま特に変わったものの無い自分の部屋に入りパソコンでとある作業に入った。

 

「うーん、これは入れとかないとだし・・・これと、それと。あ、あとこれもだ。やっぱり戦闘シーンもいるかな?」

 

俺がやっているのは写真を厳選しデータをまとめ1つのファイルを作る事だ。ちなみにそのファイル名は、

 

『女装キリトの画像集』

 

これは、自分の為に作っているのでは断じてない。俺はユウキ一筋だ。これは、とある人たちのは為に作っているいわばボランティア活動の様なものだ。

 

アス・・・ゴホンッ、Aさんは恋人が別のゲームにコンバートしちゃって少し寂しがっているらしい。シリ・・・ゴホンッ、Sさんとそのペットのフェザーリドラとリズベ・・・ゴホンッ、Rさんは出番が少なくて少し鬱気味になっているらしい。

 

そんな方達に少しでも元気を出して貰おうとこのファイルを作っているのだ。

 

あとは、ネットのそれを必要とする方達にプレゼントも企画している。

 

ちなみに後者は有料だ。キリトのアバターの容姿は珍しいらしいから結構高値で売れる可能性大だ。

 

「さて、サンプルは出来上がったな。」

 

俺は携帯を取り出しAさんへ電話をかけた。

 

prrrr prrrr

 

『もしもし、シンヤくん?どうしたの?』

 

「もしもし、いきなりすみません。早速なんだけどキリトの女装姿に興味ない?」

 

『・・・詳しく。』

 

 

 

 

 

 

 





この度もこの様な駄文にお付き合い下さりありがとうございました。

久しぶりにアスナさんを登場させることができました。マザーズ・ロザリオ編はアスナが主人公なので今のうちにアスナの口調に慣れておきたいです。

次回からはBOB本戦に入ると思います。大幅なカットが続くと思いますがお付き合いのほどよろしくお願いします。

誠に有難うございました。

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