絶剣を愛する転生者の物語   作:小木 琉山

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どうも、小木 琉山です。

やっとファントム・バレット編に入ることができました。

ここまで長かったです。特にフェアリィダンス編が意外と長引いたことに驚きましたw

ユウキの登場をお待ちの皆様、このファントム・バレット編が完結しましたら遂に登場致しますのでもうしばらくの辛抱とお付き合いお願いいたします。

では、本編をどうぞ


ファントム・バレット編
悪夢


 

ふと、気がつくと俺は暗闇の中にいた。

 

前後左右の感覚も曖昧で何も見えない。

 

辺りを見渡す。

 

すると視界の端に紫色の髪がなびいているのが見えた。

 

それは少女の髪だ。

 

その少女はどんどんと遠ざかって行く。

 

俺は慌てて曖昧な感覚の中追いかけようと駆け出した。

 

走っている内に感覚もはっきりしてきた。

 

はっきりしていくに連れて思考も進む。

 

紫色の髪の少女。俺はそんな子を一人しか知らない。

 

俺は走った。走って走って走り続けた。その子に会って話してその子か確認したい。そして、思いを伝えたいと。

 

どれだけ走っただろう。

 

紫色の髪の少女はいきなり止まった。

 

俺も当然それに合わせて止まる。

 

そしてその少女は口を開いた。

 

(・・・で、ボ・は・・・・・て・・・い!!)

 

その声はノイズが混じってほとんど聞き取れない。

 

だけど、何を表しているかは分かる。

 

それは明確な拒絶だ。

 

それを理解した途端、俺は胸に大きな穴が空いたかの様な錯覚に陥った。

 

何も考えたくない・・・何も感じたくない・・・何も知りたくない!

 

俺は何もかもに絶望した。

 

もう、何もかもどうでもいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「と、いう夢を見たんだ。どうしよう!正夢になったらどうしよう!?」

 

『うん、お前はそんな事で彼女とのデート前の俺に電話をかけたのか?・・・もしそうならお前をこの世で一番不幸な男になるまで全力を尽くす所存なんだが。』

 

電話の相手、キリトはとてつもなく不機嫌な声で応答していた。

 

まぁ、これからデートだという時に、電話がかかってきてこんな縁起の悪い話を聞かされればこうなる。それは分かる。・・・だが!

 

「俺、このままだと正直言ってどうにかなりそうなんだ。朝起きた時大声で叫んじまったせいで家追い出されちまってな。正直誰かをからかわないとやってられなくてな」

 

『そうかそうか、お前の気持ちはよく分かった。・・・取り敢えず大いに絶望してどうにかなれ』プツッ!

 

・・・切られた。それも凄い勢いで。

 

でも、一応からかって元気でたしあまり気にしないようにしよう。

 

というか、あんな夢見たのも菊岡さんがあんな物騒な話をしたからだ!そうだそうに違いない。暴論?知らない子ですね。

 

と、言うわけで

 

prrrr prrrr

 

「あ、もしもし菊岡さん?ちょっと前の話のせいで嫌な夢見たんでまた奢って下さいよ。」

 

『・・・君は公務員を何だと思っているんだい?』

 

財布です!とはもちろん言わないさ。これでもこの人には世話になってるからな。

 

例えば、ユウキがSAOにいたのかいなかったのか調べてもらったりもした。

 

この理由というのも、俺の残っている原作知識だとユウキが登場するのはALOからだった。そして、その際SAOにはいなかったとされる発言があった。

 

だが、俺はその原作内にはいない。いわば、イレギュラーだ。

 

俺が存在する事で原作とは違う世界になっている可能性もあるのだ。

 

だから、菊岡さんに頼んで調べてもらったのだ。

 

まぁ、何故調べて欲しいのかとか色々理由は聞かれたが上手い具合に誤魔化しておいた。誤魔化しきれてるかどうかはわからないが。

 

「さっきのは冗談ですよ。報酬の前払いという事でどうですか?その分頑張りますし。」

 

『頑張ってくれるのだったら僕としても助かるんだけど。シンヤ君、前みたいに食べないでよ?あの後僕が怒られたんだからね?』

 

「分かってるよ。次は50皿くらいに自重しますから」

 

『シンヤ君、それは自重ではなく僕へのイジメだよ。それ前回と5皿しか違わないじゃないか。君は取り敢えず自重の意味を調べなおしたほうがいい。』

 

菊岡さんはもはや絶望の入り混じった声でそういった。

 

ちなみに前回というのは『死銃』というプレイヤーが、ゲーム内で銃をプレイヤーに向けて撃ち、死亡させたという事件についてキリトと呼び出された時のことだ。

 

キリトと菊岡さんが議論に夢中になっている間、ちょくちょく話に参加しながら俺は次々と注文して議論がひと段落ついた時には軽く山ができていたのだ。

 

もちろん二人とも唖然としていた。

 

菊岡さんはそのあと皿の数を数えて

 

「あぁ、後で絶対どやされる。と言うか絶対減給だぁ」

 

と、膝をついて嘆いていた。

 

奢ると言われた以上俺は遠慮しない。(菊岡さんに限る)

 

ちなみに何故キリトだけではなく俺までも呼ばれたかと言うと、SAOで最強のプレイヤーだかららしい。

 

まぁ、剣技とかなら負ける自信は無いが、少し過大評価が過ぎるのでは?と思わなくも無い。

 

だが、キリトからそう聞いたと言われたからにはそうだと言っておいた方が都合が良さそうだという結論に至った。

 

何はともあれ政府などへのパイプはあるに越したことはない。

 

「じゃあ、菊岡さん前の店で良いっすか?」

 

『何故、もう僕が奢る事で話が進んでいるんだい?いや、報酬の前払いの事なら良いんだけどさ。・・・あまり僕の財布にダメージを与えないでくれよ?』

 

「もちろん、そのくらい心得てますよ。」

 

『・・・本当によく回る口だね』

 

よし、これで朝飯兼昼飯確保。言ってなかったけど追い出される際携帯は持ってかれたんだけど朝飯は当然のごとく抜かれたからな。

 

今も腹が鳴りまくってる。

 

と、いうわけで、菊岡さんの財布を空にするため。

 

 

シンヤ、行きまーす!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、店では菊岡の嘆きの声が轟いたという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





出来心だったんです。

少し調子に乗ってしまいました!申し訳ございません!!

前書きであんなこと書いてる癖に登場させかけるとか、もはや謝罪の言葉もございません!

きちんとユウキが登場するのはマザーズロザリオ編からです。

この度は誠に申し訳ございませんでした!!



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