ジリリリリ!
亀仙人「やれやれ…もう朝か…。こりゃクリリン、悟空、起きろ!修行じゃぞ!」
悟空「…う~ん」
クリリン「…武天老師様?まだ4時半じゃありませんか…」
亀仙人「つべこべ言わんでさっさと支度せいっ!!」
悟空「いよいよ修行するのか?」
亀仙人「そうじゃ。悟空も支度せい」
悟空「わかった!」
ベル「おはようございます。早いですね」
亀仙人「お主達も早いの…」
ロータス「わたし達はいつもこれくらいに起きてますので」
寝起きが悪いロータスが言っても説得力が感じられないよ…。
ベル「今日からロータスも付き添いますがいいですか?」
亀仙人「わしは構わんが…わしの修行は厳しいぞ?」
ベル「その点はご心配なく。ロータスも私と同じくらい体力には自信がありますので」
まぁ実際は私の方が強いはず…だよね?
~そして~
亀仙人「さて、とりあえず修行を始めるか!まずは軽くランニングじゃ。ついてこい」
クリリン「はいっ!!」
クリリンは張り切ってるね~。
しばらくランニングして到着したのが………牛乳屋さんかな?
亀仙人「よし、おまえたちこの箱を1つずつもつんじゃ。牛乳配達をするぞい!」
クリリン「え!?牛乳配達ですか?」
亀仙人「ええ運動になるぞ。まずは1番目の家までの約2㎞はスキップでレッツゴー!」
ロータス(ねぇベル、スキップで行く意味あるの?)
ベル(足腰を鍛えるためじゃないかな)
亀仙人「それっ!スキップスキップランラララン♪」
亀仙人「よし、空き瓶を回収したな!次の1㎞はこの並木道をジグザグに走るぞ!」
私達は並木道をジグザグに走る。
亀仙人「ジグザグジグザグ!よいやさよいやさ」
良い朝良い朝ってね。
亀仙人「遅いぞクリリン、のんびりしておると牛乳が腐ってしまうぞ」
クリリンは既にバテている。今日は陽射しが強いからね。早くしないとおいしい牛乳が飲めなくなるよ。
亀仙人「さて、次はこの階段をのぼる。まあここは別に走らんでもよい」
クリリン「ほっ…」
ロータス「でも結構ありますよ。この階段」
クリリン「ぎえええ~っ!!」
悟空「ひいっ、ひいっ」
ベル「流石に悟空もバテてきたね…」
ロータス「まぁのぼりはきついだろうね」
亀仙人「お主達は大丈夫のようじゃの」
ベル「はい、まだまだ余裕ですよ」
悟空「じいちゃん…これ、筋斗雲使って配ったらダメなのか?」
ベル「それじゃあ修行にならないよ…」
亀仙人「懐かしいのう…。孫悟飯や牛魔王もその昔ここでこうやって牛乳配達をしておったな…」
悟空「えっ!オラのじいちゃんもやってたのか!?」
ロータス(悟空のおじいさんってサイヤ人なの?)
ベル(いや、悟空は生まれたばかりの頃に地球に送られたから、そのおじいさんが悟空を拾って育てたんじゃないかな)
ロータス(じゃあわたしと一緒なんだ…)
ベル(悟空の場合おじいさんは大猿化した自分に踏み潰されて死んだみたいだよ)
ロータス(ふぅん。…それって悟空は知ってるの?)
ベル(いや、悟空は自分が大猿になって踏み潰したことは覚えてないから大猿の化物が自分のおじいさんを殺したってことになってる。まぁいずれ知ることになるだろうね)
クリリン「はひーーっ、はひーーーっ」
亀仙人「やっときたか」
クリリンが牛乳を入れると住職さん?がこちらにきて挨拶をした。悟空は相変わらずで「オッス!」と言ったら亀仙人に杖で頭を叩かれて注意されていた。……悟空はそういうの苦手だからね。
住職「修行ですか武天老師様?それにしてもお久し振りですな」
亀仙人「いやいや、こりゃしばらくじゃのう」
住職「お元気そうで何よりです。どうですか?修行ぶりは」
亀仙人「まだ始めたばかりじゃからのう…。しかし中々見所はあると思っておる」
亀仙人がそう言うと2人は嬉しそうだ。
亀仙人「ちゃんと修行さえすれば8ヶ月後の天下一武道会に出場できるようになるじゃろ」
住職「ほぅ!天下一武道会ですかな!」
クリリン「てっ、天下一武道会!?」
悟空「なんだ?それ」
ベル「世界中から武術の達人を集めてその中から天下一を決める大会だよ」
悟空「へえ!天下一か!!」
クリリン「ぼ、ボク達も出場できるようになるんですか!?」
ベル「それは君達の修行次第だよ。それに参加するのもいい修行になると思うよ」
亀仙人「ただし、おまえたちは天下一をとることが目的ではないし、世の中そんなに甘くない。天下一武道会に出場するという目標があればいっそう修行に身が入ると思ったまでじゃ」
クリリン「出場できたらいいなーっ!」
悟空「強い奴いっぱいくるんだろっ!?」
2人共すごくやる気だね。
ロータス(ねぇ、わたしも出たい!)
ベル(君が出たら勝負にならないと思うけど…)
ロータス(ちゃんと周りに合わせるようにするから!)
ベル(わかったよ、頑張ってね)
ロータス(うん!!)
亀仙人「では、牛乳配達の続きがあるんで」
住職「頑張ってくだされ」
~そして~
亀仙人「ほいほい、バランスバランス」
クリリン「うわわっ!」
亀仙人「ほれほれ、のんびり歩いておると砂にのまれるぞ!」
悟空「はあっはあっ」
クリリン「ひーっひーっ」
ロータス(随分深いね)
ベル(そうだね)
亀仙人「流されるなよ~。滝に落ちるぞ~」
悟空「いいーーっ!?」
ロータス(これもバランスかな?)
ベル(だと思うよ)
亀仙人「ほりゃ!!ここは全力で走らんと食われるぞっ」
悟空&クリリン「わわーーっ!!」
ロータス(最悪わたし達が食べるけどね♪)
ベル(ダメだよ。空気読んで)
ていうか修行のためとはいえよくこんなコース見つけるよね。恐竜とか普通にいるし、一体今は何時代なんだ?
~そして~
悟空「や、やっと終わった………」ハァハァ
亀仙人「この牛乳配達を8ヶ月間毎日すること!これが早朝の修行じゃ。では、続いて朝の修行…」
クリリン「ガ~ン……」
ロータス(クリリンさんが死にそうな顔してるよ)
ベル(まぁ大丈夫だと思うよ)
ガーンとか口に出してる人を初めて見たよ。
亀仙人「朝の修行は畑の耕しをお手伝いするのじゃ」
悟空「畑を?」
クリリン「うへぇ…!」
ベル「かなり大きい畑だね」
亀仙人「さあ始めろ!はやくせんといつまでたっても朝メシが食えんぞ」
クリリン「牛乳配達といい野良仕事といい、こんな修行多林寺じゃなかったな」
ベル「きっとこれが亀仙流の修行なんだろうね」
亀仙人「こりゃ、まてまて。くわを使っちゃいかん!」
悟空&クリリン「へ!?」
亀仙人「素手で耕すのじゃ!この修行は足腰や腕はもちろんのこと、手を鍛えるためじゃからの!」
クリリン「この広い畑を手でですかっ!?」
ベル「ロータス、私達は向こうに行って瞑想でもしようか」
ロータス「うん、わかった」
悟空「ベル達はやんねぇのか?」
ベル「私達はあくまで付き添いだからね。これは悟空とクリリンの修行だよ」
~そして~
悟空「お、終わったぞ……」
クリリン「手が、手が痛い…!」
ベル「お疲れ様、2人共」
亀仙人「えらい時間がかかったのう、朝メシがおそうなったじゃないか。明日からはどんどんと耕す畑が大きくなる!もっとはようせにゃいかんぞ」
ロータス(今日とはまた別の畑なのかな?)
ベル(そうだろうね。2人にとってはこれからが大変だと思うよ)
~そして~
亀仙人「さて、これから昼メシまではお勉強タイムじゃ!体だけを鍛えても一人前の武道家にはなれん。頭も修行せんとな」
悟空「げ~、オラ嫌いだな~」
クリリン「ふっふっふっ、これは完全にボクの勝ちだな」
ベル「頭を鍛えることはとても大事なことだよ。戦略の幅も広がるしね」
亀仙人「では、まずは国語からいく。悟空、12ページから読んで見ろ」
悟空「え~と…『うふん、くすぐったい。だめよ、もうすぐままがかえってくるんだから。とまーがれっとはいったのだがぼぶはごういんに…』」
……これ、本当に国語なの?
※『』は亀仙人が持ってきた国語の教材の内容です。
ベル(ん?また変な電波を受信したような…)
~そして~
亀仙人「これから1時間は昼寝をするぞい。よく動き、よく学び、よく遊び、よく食べて、よく休む、これが亀仙流の修行じゃ」
クリリン「はい!」
先生、悟空君とロータスさんが話を聞いていません。既に寝ています。
~そして~
亀仙人「次の修行は工事を手伝う。汗をかき、筋肉を鍛え、おまけにアルバイト料までもらえてしまう修行じゃ」
アルバイト料!?くっ…私もやりたい…。……けどこれは悟空とクリリンの修行だから私は手出ししないことにしてる。
…12歳と13歳ってアルバイトできるの?
亀仙人「さて、たっぷりと汗をかいたところで次は水泳じゃ」
クリリン「え!?ま、まだやるんですか!?」
亀仙人「当たり前じゃ!まだまだあるわい!!」
クリリン「そ、そんな…」
悟空「じいちゃん、こんなのより拳法教えてくれよ!」
亀仙人「ひよっこのくせになぁーーーに生意気言っとるか!体力作りもできとらんで武術が教えられるわけねえじゃろっ!!」
ベル「今はあくまで基礎の段階だからね」
亀仙人「その通りじゃ!それに武術を教えられるのはおまえたちにこれくらいの岩を動かせるほどの体力ができたときじゃ!!」
クリリン「そ、そんなばかでかい岩誰だって動かせっこありませんよっ!!」
ばかでかい岩「(*´∀`)ノ」
ベル「そうでもないよ。私とロータスは軽く動かせるよ」
亀仙人「ほほう、ではやってみせよ」
ベル「わかりました。ロータス、先にやっていいよ」
ロータス「わかった…よっ!」
ばかでかい岩「ズズズズズ…」
ロータス「これくらいでいい?」
ベル「うん、上出来。じゃあ次は私だね…よっ!」
ばかでかい岩「ズズズズズズズズ…」
悟空「ふ、2人共すげぇ……」
ベル「これくらいなら近いうちにできるようになるよ。…もちろんちゃんと亀仙人さんが言ったことに従ったらの話だけどね」
悟空「よーし、オラだって…」
亀仙人「こりゃ!ベルの話を聞いてなかったのか?修行しなければ無理じゃと言うのに…」
悟空「ぐおおお…!!」
ばかでかい岩「ズゾゾゾ…!!」
悟空「やった!動いたぞじいちゃん!!」
亀仙人「い、いや~わしとしたことが岩の大きさを間違えたわい!実はこの岩でしたー!」
さらにばかでかい岩「(*´∀`)ノ」
クリリン「げげっ!」
悟空「うぎぎぎぎ~っ!!!」
さらにばかでかい岩「( ̄q ̄)zzz」
ロータス「びくともしてないね…」
亀仙人「当然じゃ!全然修行が足りんからな」
ベル「とりあえず修行に戻った方がいいと思いますよ」
亀仙人「そうじゃな。のんびりしとる場合じゃないぞ!向こう岸まで泳いで帰ってくる!それを10往復するだけじゃ!」
クリリン「そ、それくらいならなんとか…」
亀仙人「ただし、この湖には何故かサメがおるから気を付けろよ」
悟空&クリリン「ほぎゃーーーーっ!!!」
ロータス(私達はやらなくていいの?)
ベル(水着持ってないしね。まぁ彼らなら早く終わると思うよ)
それから反射神経を鍛える修行で悟空とクリリンを縄で縛り、蜂をかわす修行をして、終わる頃には2人の顔はボコボコになっていた。
~そして~
亀仙人「よし、今日の修行はここまで!」
悟空「ふぅ~」
クリリン「きょ、今日のようなものすごい修行が毎日続くんですか……?」
亀仙人「今日のはまだ楽なほうじゃ!明日からの数ヶ月間は今日と同じ修行をすべて……この20㎏の甲羅を背負ってやるんじゃ!」
ベル「甲羅を背負って修行するから亀仙人って言うんですね……」
亀仙人「そうじゃ!」
あ、クリリンが倒れた。
ベル「まぁ私達も付き添うから頑張ってね」
それから数ヶ月が過ぎ、悟空とクリリンはあの岩を動かせるようになったが、亀仙人は既に教えることはほとんどない段階まで力がついてるそうなので、天下一武道会までの間は40㎏の重さの甲羅を背負って修行することになったようだ。
そして遂に天下一武道会当日を迎える……。
はい、ここで1度きります。
次回は天下一武道会編になります。
ロータスも出場することになった天下一武道会。果たして武道会の行方はどうなるのか?
では、次回もよろしくです。