ロータス「ベル!!」
ベル「ロー…タス……」フラッ
ロータス「危ないっ!!」ガシッ
立ち上がり倒れそうになった私をロータスが受け止めてくれた。
ベル「ありが……とう…」
ロータス「どうして辛そうにしているのを黙っているの!?もう喋るのも辛そうなのに何で言ってくれないの!?」
そんなの言えるわけがない…!もうすぐ私は消えてしまう…なんて言えるわけがないじゃない!!
ベル「…………」
ロータス「……ごめん、ベルも言えないことってあるもんね……。わたし…無神経だったよ……」
ベル「ロータスは…悪くない……。こんな状態になったのは私の自己責任…だから……」
どくんっ…!どくんっ…!どくんっ…!どくんっ…!
どくんっ…!どくんっ…!どくんっ…!どくんっ…!
ベル「ぐうっ…!」
不味いな…。どんどん鼓動が多く、速く、大きくなっていく……。このまま消えるの…?よりによってロータスの…この世界で1番大切な家族の前で……?
ロータス「ベルっ!早く休んで!動いちゃダメ!!」
ベル「そう…させてもらう…よ……」
ロータスに言われて私は少し休むことにした。
……目を瞑ると瞼の裏に今までのことがまるで走馬灯のように見えてくる。
『オラッ!動きが甘いぞ!!』
『達者でな。精進せよ』
『ロータスっていうの…5歳』
『う~ん…あと10年…』
『オッス!』
『その豊満な胸をつつかせてくれんかの?』
『うう~ん…あと3年……』
『こ、このブリーザ様がこんなエテ公にやられるとは…!貴様…伝説の…超地球人…!』
『じゃあ死なないように頑張ってね~』
『う~ん…あと7年…』
『ベルは結婚とかしないの?』
『じいちゃん、ベルはどうだ?』
『よかろう!!』
『よっしゃ!!』
………あれ?途中から碌でもないことしか見えてこないんだけど……。
……ん?魔人ブウの気が完全に消えた?悟空が勝ったのかな?
ロータス「ベル…。悟空が魔人ブウを倒したよ。それもすごい威力の元気玉で……」
ベル「そう…」
じゃあ私もここでこの世界とはお別れかな…?
ロータス「ベル…?何か体が透けてきてるよ?」
鼓動がしなくなったと思ったらいよいよ消えてしまうのか……。
ベル「どうやらここでお別れのようだね……」
ロータス「お別れ……?どういうこと!?」
ベル「詳しくは言えない…。でも私はここで消えることになる……」
ロータス「そんな…!嫌だよ!何でベルが消える必要があるの!?」
ベル「これも本当は言えないんだけど……私はここにいてはいけない人間だから……」
ロータス「そんなの誰が決めたの!?ベルがいたらいけないわけがない!ベルがいないとわたしが嫌なの!!」ポロポロ
ロータスが泣きじゃくりながらそう言う。私はこんなにも好かれていたんだな……。
ベル「その気持ちはとても嬉しいよ…。だけどこれが私の運命なんだよね……」
ロータス「何とかならないの…!?ベルとお別れなんてわたしは絶対に認めない!!」
ベル「こればかりは…どうにもならないよ……」
???「いえ、何とかなるわよ」
この声は……あのとき頭の中で響いていた声と同じ…。
ロータス「誰…?」
???「私はその子の運命を導く者よ…」
声のする方を見てみると仮面を着けている女性がいた。導く?どういうことだろう…。
???「間に合ってよかった。あと少し遅かったら手遅れだったわ」
仮面の女性は私の元に近付き…。
???「はあっ!」ドスッ
いきなり腹パンをしてきた。……何でやねん。
ベル「うっ…!」フラッ
???「よっ…と」ガシッ
女性は私の体を抱えこの場を去ろうとする。
ロータス「ベルをどうするつもり!?」
???「この子がどうなるかはこの子次第よ。それにどうにかなってしまうのならあなた達はこの子のことを覚えてはいない…いえ、はじめからいなかったことになるから」
ロータス「どういうこと…?」
私次第…?どういうこと……?それに私次第でロータス達が私のことを…?そう考えてるうちに私の意識は遠くなった。
???「じゃあね♪」シュン
ロータス「待って…!」
~某所~
ベル「う…ん……」
???「気が付いたようね」
ベル「ここはどこ?あなたは誰?」
記憶喪失っぽく言ってみる。…なんか何か違うような。
???「ここはとある空間…とだけいっておくわ。それと私は……」
女性は仮面を外して素顔を見せた。嘘…何で……?
ベル「何でここにいるの………?」
黒髪をセミロングにして後頭部に白いリボンをした私にドラゴンボールを教えてくれた友達……。
ベル「未来……」
未来「久しぶりね……鈴音」
響未来(ひびきみらい)がこのドラゴンボールの世界にいた。
今回はここまでです。
次回はいよいよベルの末路。選ばなくちゃいけない…。元の世界に帰るかそれとも…。ベルの…鈴音の選択は如何に!?