9月1日(火)ヒノ、ゴン達と再会→腕相撲競売、地下競売開幕!←今ここら辺
ヒノ「現状は多分こんな感じ!」
ミヅキ「原作だとマチがヒソカに伝えた集合時刻がが8/30なのに、8/31に皆集まったという妙な矛盾がある感じらしいから、ここじゃ8/31に合わせたよ」
ヒノ「その為こっちでもマチの伝令が8/30で描写していたので8/31に直しておきました」
ミヅキ「当然だね」
ヒノ「一応日付はどっちがどっちでも内容的には問題は無いから!」
ミヅキ「よろしく」
ヒノとミヅキの義兄であり、稀代の鍛冶師、
しかしジェイの様な一般人(?)がマフィアの主催するオークションにそう簡単に参加できるわけでも無いので、知り合いであるマフィアに頼ってここに居るという。
そしてその知り合いである、マフィアというよりヤクザと言いたくなるような見た目の男、アドニスは、オークション会場を見渡してやや気怠そうな表情をしていた。
「あー、正直面倒だ。誰かそこらで喧嘩でもおっぱじめねぇかな」
「物騒な事言うなよアド。ここは色んなマフィア合同の場なんだから、そんな事したら出禁になるじゃねぇかよ」
「つっても、俺はオークションには興味ねぇしよぉ、オメーの頼みじゃなきゃ面倒で来なかった所だぜ」
「その点はありがたいね」
マフィア主催のオークションと言っても、マフィアの全員がこぞって参加するというわけではない。それでも、ヨークシン在住のマフィアに限らず世界各国にいるマフィア達はこの日のオークションが目的でヨークシンに集結するのも事実。
会場内には既に多くの黒服のマフィア達が多くいるが、このオークションイベントは一つのマフィアにつき3名までが競売参加可能が条件。それを踏まえれば、このオークション会場だけで実に何十何百というマフィアが集まっている事だろう。
「みんなして目をぎらつかせて。マフィアってみんなこーなのか?」
「多方コミュニティーに名を売って株を上げたいんだろ。買った品物の5%が上納金として支払われるからな。それに周りにいるのは幹部やボスばかりだ。正直ご苦労なこったな」
「へー、あいつら幹部やボスなんだ。それなのにハルさんは来ないのか?」
「ハッハッハ!組長は競売なんかに興味なさそうだしな。それにオレ達のファミリーはたいして有名じゃねえからいいんだよ」
ハルと呼ばれる人物は、ジェイの顧客でもある、アドニス所属のヴィダルファミリーの
ただアドニスは無名と言うが、それは本人が名声に興味の無いだけで、ヴィダルというマフィア自体はそこそこ有名だ。穏健派、それにヴィダルのボスには、もう一つ顔がある。
「お、そろそろか」
しばらく待っていたが、前方のステージのマイクの前に、二人の男が現れた。マフィアのオークションの司会らしい、顔に無数の傷のある大男に、対照的に目つきの鋭い小さい男。二人は黒いスーツを着、その姿は只者で無いという印象を与える。
しかしそれも―――――――――当然だった。
「皆様ようこそお集まりくださいました。それでは堅苦しいあいさつはぬきにして――――――」
鋭い視線とは裏腹な柔らかい言葉。瞬間、後ろの大男の身に極大の念が纏われた。
「くたばるといいね」
【
大男、フランクリンから放たれた念弾が、参加者達を撃ち抜いた。
***
幻影旅団、フランクリンの念能力【
一発一発が人の頭を容易に吹き飛ばし、多少の念の防御など関係なしに貫通し、人々を絶命させる。オークションが始まり僅か十数秒で、この場にいた数百の人間は、見る影もない肉片と血の塊となり果ててしまった。
破裂音が収まる頃には、生者はは誰もいない。
それをステージの上から見届けた、フランクリンとフェイタンの二人だけとなった。
何人かの人間もなんとか念弾から逃げ延びたが、扉の向こうで追撃され命を落とした。会場内の人間の死体は全て、シズクの念能力で具現化した掃除機で全て吸い取り、わずかな生き残りを始末した今、会場内の人間は旅団を残して全ていなくなってしまった。
「あっけねぇな」
「………………!上に二人いるよ」
「「!!」」
フェイタンの言葉に反応して、少し驚いた様なフランクリンとシズクは天井を見上げた。
「おいおい、オークション楽しみにしてたの、どういう状況だよ」
「こりゃ予想外の自体だな。しゃーねえなぁ、ジェイ、今回は諦めるんだな」
一人は顔に傷のある、サングラスをかけた大柄な男。同様の黒いスーツを着崩しながら、天井に片腕をめり込ませて、天井からぶら下がっている男アドニス。そしてもう一人は少し若い青年。色素の薄い黒髪が天然パーマの様にくせっ毛となっている男、ジェイ。こちらは異常にも、天井に脚裏をしっかりとつけて、平然と逆さに立っていた。
「へぇ、意外だな。マフィアの中に、俺の念弾を避けるやつがいるとはな」
「よかたよ。ワタシの出番ないと思てたね」
「いや、すぐ終わる」
フェイタンが飛び出すよりも早く、フランクリンが片手を掲げたと同時に、大量の念だが放出された。まともにぶつかれば肉片確実な連撃。その連撃に対して、ジェイは逆さの状態のまま天井を疾走し、アドニスもくるりと反転して天井を蹴り、その場をすぐに移動した。
「逃がすか!」
念弾で再び追撃するが、霞の様に縦横無尽に天井を駆け抜ける二人の足跡に当たるのみ。いくら一発一発が大砲の如きフランクリンの念弾と言えど、当たらなければ意味が無い。
走り出して避ける二人を追撃する様に両手で念弾を放出するが、悉く躱される。しかし同じ旅団級の猛者であるならば、それもできなくは無い。少し楽しく感じてきたのか、口角を上げるフランクリンは、念弾の嵐の中にきらりと何かが光った様な気がした。
(なんだ、あれは――――――「フラン!」――――!?)
目の前で仲間の手が見えた。
【凝】によりオーラを纏うフェイタンの手が素早く、フランの眼前に迫る〝何か〟を弾いた。甲高い金属音を一瞬出しながら弾かれたそれを目の端に捉え、フランクリンは驚き目を見開く。
(あれは――――――念の刃!?)
すぐに大気中で霧散してしまったが、確かにあれは、オーラを変化して作られた刃の様な物。だが、それだけじゃなかった。
「フェイタン!前!」
「!?」
もう一人、シズクの言葉で咄嗟に、迫る
「大丈夫か、フェイタン!」
「問題無いね。少し腹立つだけよ」
それってやばくない?
そんな事を考えるシズクだが、それもしょうが無いと言えるだろう。
フェイタンの念能力は、彼が深手を負って激怒した時に発動するという、色んな意味でエマージェンシーな能力。しかも怒髪天を突いた状態の能力発動に、加減という文字は一切存在しない。しかも無駄に広範囲に大打撃を与えるので、近場にいれば仲間だろうと眼中に無いというはた迷惑ぶり。
嘗て旅団のメンバーは、フェイタンの能力を間近で見学しようとして死にかけた事があるという程だった。
しかし、今回はまだそこまでじゃないという事なので、シズクとフランクリンは内心ほっとしたのは内緒である。
体内の念容量が割りとあるフランクリンだが、相手の反撃もあった事もあり慎重を少し重ね一度手を止めた。
不可解とは言わないが、思っていたよりも相手を舐め切っていた事は否定しない。しかし念弾の隙間を縫うようにして放たれた二刃は、並みの念能力者にはできない芸当だろう。一矢報いる、なんてレベルでは無く、確実にこちらを行動不能に追い込もうとする一撃……いや二撃だった
立ち込め粉塵。もしかしたら肉片になっているかもしれないと僅かに考えたがその可能性はすぐに捨てる。ピリピリとこちらを突き刺す様な、気配が立ち込める。粉塵が、僅かに揺らぐ………………瞬間、粉塵の中から跳び出す様にして迫る相手の一人アドニスは、壁を蹴って一足で肉薄。手近にいたフェイタンに向かって、拳を振り下ろした。
「おらぁ!」
ドゴオオォ!
その攻撃を、フェイタンは紙一重で躱し、飛び跳ねる様に速度を上げて一瞬で距離を取る。めり込んだ拳は床を凹ませ穴を空け、当たらなかった事にアドニスは残念そうに、手をばきりと鳴らした。
「大丈夫?フェイタン」
「一瞬、ウボォーと似た匂い感じたよ。多分強化系ね、あいつ。まともに喰らうのは得策じゃないよ」
「じゃあウボォーに任せるか?そろそろ戻ってくるだろうし」
「まぁ、それもありね………」
旅団内では一応非戦闘員枠に入るシズクを自分達の後ろに下がらせつつ、フェイタンとフランクリンの二人は自分達の攻撃を躱して尚且つ反撃して来た男達と相対した。
「で、お前達は何者だ?別のマフィア………てわけじゃなさそうだな」
「幻影旅団だよ」
「いや、はっきり肯定し過ぎだろ………………」
別段隠すような事なので構わないが、特に躊躇いなく即答するシズクに対して、フランクリンもフェイタンも若干呆れた空気を出す。しかしその言葉に、アドニスもジェイもぴくりと反応した。アドニスは兎も角、ハンターであるジェイは無論聞き覚えのある名前。
「旅団って言えば、噂のA級賞金首集団か。マフィア狙うとは、イカれてるとしか言いようが無いな」
この地下競売を狙うという事は、ここに関わる全マフィアを敵に回すと言う事。ヨークシンだけでなく、世界に根を張るマフィア達相手に自殺行為とも等しい行いだが、それをするだけの実力と、歯向かう奴らを叩き伏せるだけの暴威を持つ集団、それが幻影旅団。この者達の前に、マフィアの報復という言葉は、道端を歩く蟻より興味の無い言葉だろう。
「アド、どうする?このままトンズラこいたほうが楽なんだけど」
「皆殺しの命令だから、てめぇらは逃がさねえぜ」
「だ、そうだ。あちらさんはそう言ってるからな。さてどーしようかねぇ」
そう言っているが、アドニスは実に楽しそうに笑っている。獰猛な獣の様な笑み。戦う事が楽しくて仕方が無いという、典型的な
そしてそんな思いが通じたのか、入り口から声がかかった。
「おーい!3人共撤収!戻って来てくれ。もう準備の方は済ませてるから」
会場内に響く大声。その方向を向けば、優男の様な風体をした青年が手を振りながら3人を呼んでいる。十中八区旅団の仲間であろう青年の言葉に、フランクリンは訝し気に声を上げる。
「2人残ってるがどうする、シャル!」
呼ばれた青年、シャルナークは、その言葉に3人と相対する2人の男を見て、驚いた風に少し目を見開いた。まさか、少し大雑把な作戦だけど旅団の攻撃に対して生き残る者がいるとは思わなかったのだろう。確かに一斉に数百の人数を攻撃した事により、多少の〝穴〟から数人会場を脱出できた者もいるが、取りこぼしもうまく
「ほっといていいよ!どうせ俺達の事は後でバレる予定だ。それよりそろそろ異変に気付いたマフィア達が集まってくるから、一旦移動するよ」
今回の作戦は全員参加ではなく、何人かはアジトに残り、クロロもその中に入る。その為、現場指揮に関して一任されているシャルナークは、今後の予定を頭の中で再編成しつつ、すぐに引き上げる旨を伝えた。
好戦的な方であるフランクリンやフェイタンはやや不服そうだったが、シズクがすぐに出口に向かうのを見て、自分達も同様に会場から出ていく。
後に残ったのは、何も無い会場に立つアドニスとジェイの二人だけだった。
「で、どうするアド?」
「そうだな………………ちょっとあいつら追いかけようぜ」
にやりと笑う、悪どい笑みを浮かべるアドニスの顔には、ジェイにはあっさりと看破できる〝戦いたい〟という言葉が張り付いていた。その顔を見てジェイは止めるのは無駄と思い、嘆息して事の成り行きを身に任せた。
***
♪~♪~
「あ、電話だ。ちょっと出てくる」
「わかった」
ミヅキにそう言って、今だ腕相撲大会をやっているゴン達を置いて少し離れる。ここは今人ごみがやがやだから少し騒々しいしね。そんなわけで適当な路地裏に入って、携帯の画面を見てみると………クロロ?今まさにミッションインポッシブル中じゃなかったっけ?さっきシズク達もいたし、旅団の仕事って本当に毎回成功してるのかな?
「あ、もしもしクロロー?」
『やあ、ヒノ。今いいか?』
「別にいいよ。友達の金策手伝ってただけだし。それでどうしたの?指揮系統が破綻したから吊るし上げ回避に隠れ家でも提供して欲しいの?」
『どこの誰の事情だよ。そんな理不尽な状況は一切存在しない。聞きたい事があるんだ』
なんだ違うのか。旅団メンバーならいざという時にクロロ吊るし上げだって容赦無く(ほぼ悪ノリで)やりそうだと思ったのに。基本クロロの命令絶対だけど
「聞きたい事って?」
『ミヅキは、俺達の情報を売る様な奴か?』
「――――――!」
その言葉に、思わず次に言おうとした言葉を止めてしまう。
わざわざ電話で聞いてくる、しかも仕事中。その真意は何か?
「もしかして旅団的にピンチ?例えば罠が張られていた、予定の場所にお宝が無かった、待ち構えられていた、とか」
『中々察しがいいな。詳しい事は省くが、確かに狙った場所にお宝が無かったのは事実だ。それを踏まえた上でもう一度、問いたい。ミヅキは、俺達の情報を売る様な奴か?』
クロロの言いたい事も分かる。
旅団とミヅキは、ほんの昨日初めて会ったばかり。自分と他人が出会えば、たった一日で何もかも信頼できる、なんて言えるわけが無い。他人から信頼を得るのは難しい。人によっては他人とでも直に信頼する事もあるけど、それは人による信頼の得方があるから。
初めてミヅキに会い、次の日の仕事で予定外の事態が入る。予定外とは言ってたけど、それ自体は旅団的に多少の変更だけでそこまで重用する事じゃないらしい。けど、作戦にの進行予定がズレたのは事実。
確かに、この状況でミヅキに疑いの目を向けるのは分かる。
けどそれは裏を返せば、私の事は信頼してくれてるって事かな。それは素直に嬉しい。
そしてミヅキの事だけど、確かに場合によってはお金と戦う事が好きな場合が結構ある。………これだけ書いたらとんでも無い兄だね。いや、実際は別にそこまで執着しているわけじゃないよ?あ、本とか新聞とか情報集めるのも結構好きだった。
で、結局の所ミヅキが旅団の情報を売るかと言えば――――――、
「ていうかそもそも私もミヅキもクロロ達がどこ襲うとか知ら無くない?」
『………………………』
割とシリアスな雰囲気で言った手前、クロロ返答が黙ってしまった。
よく考えたら私達ヒソカが来る前に帰ったしね。精々今日の夜競売襲うって事くらい。それだけで情報リークしようと思ったら、はっきり言ってキリが無い。夕方以降にヨークシン都市内でやってる
しかも作戦計画書とか分かるならまだしも、知らない一般人から「旅団襲いますよ」って言われてどうしろって言うの?
結論………………どうしようも無いです。
『というわけで、何をしているか知らないがそっちも頑張れ。じゃ』
「ちょ、クロロー」
プツリ!
言うだけ言って切れてしまった。子供かあの人。
「おかえりヒノ。誰からだった?」
「クロロからだった。なんか妙な事口走ってたよ」
さりげなくいきなり切られた仕返しに少し事実を曲解して伝えておこう。
「あとは明日会いに行く時はお菓子作って持って行ってあげようと思ったけど、クロロの分は半分にしてやろうっと!」
「半分は持って行ってあげるんだ」
そうこうしていると、ゴンとキルアとレオリオもこっちに来た。時間も時間だし、そろそろお開きにするらしい。もう少しすれば、日付も変わりそうだしね。明日は………とりあえず結果でも聞いておこうかなっと。
今頃ウボォーが暴れているはず。