connect -B-
その部屋にはありとあらゆる本や紙が大量に存在していた。
書類が乱雑に積み重なって本に埋もれるようにして背の低い少女の姿もあった。
少女が小さな手の平をかざすと、その手の下から写真がゆっくりと見えてくる。
写真は大海原、おそらく崖から撮ったのか海を一望しているものだ。
それをまるで眩しいものを見るかの様に見つめ、静かに懐に仕舞い込む。
我々は時代の波に取り残されつつある存在だ
何時だって時代を切り開くのは若い芽と相場が決まっている
故に我等はこのまま静かに座し
ゆっくりと老い、枯れていくのもまた必然
もし、我等が再び先陣を切る状況があるならば
それはきっと
『今この瞬間』のことを言うのであろうよ
ダブルクロス ~老練の気骨を鋼に乗せて~
オープニング①
そこはビル街の一角。
時刻は深夜、そこには倒れ伏した少年少女たちがいた。
一方的に叩かれたのか、ひと目でわかるほどの殴打痕が目立つ。
遠くから、この騒動の鎮圧にきたのだろう。
様々な人々の足音が聞こえてくる。
今に思えば、ここから始まっていた、そう言える事件の幕開けがこれだった。
オープニング②
UGNの支部長室にUGNのエージェントが集められている。
いや、正確にはエージェント”だった”者たちというべきだろうか。
壮年ともいえる顔ぶれを、UGN日本支部の長たる霧谷雄吾は見回して口を開いた。
「今日皆さんに集まってもらったのは極めて深刻な事件が起こっているからです」
「現在のUGNエージェント達では手に余る状況である、
と判断したため急遽招集させていただきました」
鼎は眉を不快そうに歪めながら辛辣言い放つ。
黒耀 鼎:「ふん、慢心してるんじゃないのか?」
風野 剛:「…鼎、私達が呼ばれるとは余程の事態と見る。
ひとまず、まずは話を聞こうじゃあないか」
ヴォルト:「…(少し下を向き歯噛みしている」
神埼 哲夫:「おいおいおい、おっさんしかいねーじゃねぇかむさくるしいにもほどがあるぞ」
黒耀 鼎:「・・・・・・ちっ」
ジェフ:「うーん、僕なんて呼んでも意味ないんじゃない?」
わざとらしく咳き込みながら霧谷が続ける。
「まずは詳しい説明から失礼します」
「今回の事件はどういった手段かまだ不明ですが、”オーヴァードの力を無効化する”という犯人の暴行事件です」
「狙われたのは若いUGNエージェントのグループ、そこのヴォルト君もその一人です」
風野 剛:「…ふむ。」
「君、失敗は誰にでもある。まずは、起きた事をそのまま話しては貰えないか?現場の話というものは貴重なものだからね」
ヴォルト:「…わからない…不意打ちを食らい、いつもなら対処可能なはずだった」
黒耀 鼎:「・・・・・・結局何も分からないってことなんだろ?」
ヴォルト:「しかし、いつものようにエフェクトを使用することができなかった。」
「えぇなので、オーヴァードの力に頼らずともある程度以上の力を持つ貴方がたに声がかかる次第となりました」
ジェフ:「まぁ、悩むことぁないさ そのための僕達だろう」
風野 剛:「違いない。して、敵はエフェクトを使ってきたのか?」
ヴォルト:「あぁ、相手は問題なく使っていた。」
風野 剛:「つまりこちらを一方的に無力化する装置、或いは能力か。確かに厄介極まりない」
「はい、なので若手には荷が重い事件となっています」
黒耀 鼎:「うん?たかだか無力化する程度なら他にも方法はあったんじゃないのか」
神埼 哲夫:「いや普通に無理だろ光より早く動く奴らにどうやって弾当てろってんだよ」
黒耀 鼎:「はっ、避けれないだけ撃てば良いんじゃないのか?」
風野 剛:「それを出来るのは君くらいだろう」
神埼 哲夫:「エフェクト使わないでどうやってその量連射すんだよ…」
ジェフ:「手でも増やせばいいんじゃないか?」
黒耀 鼎:「何も自分でやる必要ねぇだろ。」
神埼 哲夫:「エグザイルのエフェクトなんだよなぁ…」
風野 剛:「それこそレネゲイド抜きでどうやって増やすのだね。」
「失礼、話を戻してもよろしいでしょうか・・・?」
ヴォルト:(癖が強そうな人たちだ)
風野 剛:「あぁ失礼。続けたまえ」
黒耀 鼎:「ん、すまねぇ」
神埼 哲夫:「おうわりいな進めてくれ」
ジェフ:「ごめんねぇ」
「ありがとうございます」
「事件の内容はそうなっていますが、逆にわかることを整理すると極めて危険です」
「レネゲイドを封じてきたということは、襲う相手がオーヴァードだとわかった上であること」
「そして、それがUGNエージェントをピンポイントで狙ってきたこと」
「つまりこの事件は”UGNエージェントを狙った闇討ち”ということを意味します」
黒耀 鼎:「下手人は決まりだな、爺さん」
風野 剛:「しかしそれほど大規模な装置を開発したというのに、逆にそれだけの事しかしないのが解せないね」
「装置?いや、これは個人の能力かもしれないね。」
「はい、そこも含めて迅速な調査をお願いしたいです」
黒耀 鼎:「迅速、ね」
ジェフ:「あい、わかったよ」
ジェフ:「腐った木船に乗ったつもりで期待してくれたまえよ」
風野 剛:「私はUGNに50年以上給料を貰ってきた。今更、知らぬ顔を決め込むわけにはいくまいさ」
「この老骨、役に立つなら使いたまえ」
黒耀 鼎:「あのよ、それ沈むんじゃねぇの」
ジェフ:「HAHAHAHA!」
「ありがとうございます。ですが、肝心の調査方法の打つ手が現状極めて限られています」
「相手の情報もなく、わかるのが襲撃場所と時刻くらい」
風野 剛:「時刻が限られているのかね」
黒耀 鼎:「そんだけ分かれば十分だろ?」
「いえ、それも不明です。前回襲われたのが深夜であったことがわかるくらいです」
黒耀 鼎:「そこの若造を歩かせればいいだけじゃねぇか、な?」
風野 剛:「待ち伏せて敵を組み伏せるくらいしないと進まないだろうねぇ」
「……はい、囮捜査が現状の打つ手になります」
ヴォルト:「任せろ、奴らを捕まえるためなら囮にもなる」
黒耀 鼎:「ほぉ・・・」
ジェフ:「勇敢だねぇ、少年」
ヴォルト:「あいつらを…仲間たちのためにも一矢報わなければならないんだ」
風野 剛:「ほう」
ヴォルト:「やつらの顔を確認することはできなかったが、相手はそうじゃない」
「逃したならまた狙ってくるとも考えられる」
黒耀 鼎:「頭もそこそこ回ると・・・ふーん」
神埼 哲夫:「まぁ、お前らが狙いだったのかもしれねーしな」
風野 剛:「ふむ。」
「気骨はある。…いいだろう、君に任せるとしよう」
神埼 哲夫:「一矢報いてお前が死んじまったら元も子もねーからな、自分の身くらいは自分で守れよ」
ヴォルト:「…わかっている、死ぬつもりなんてない」
「また仲間のところで動かなきゃならないんだからな」
黒耀 鼎:「・・・・・・。」
神埼 哲夫:「んじゃまぁ襲撃場所にでもさっさと行きますか」
風野 剛:「仲間の事を大事に思うのは分かるが、気負う必要はない。いつも通り、と思うがいいさ」
神埼 哲夫:「エフェクト使えないと役に立たなくなっちゃう奴らは武器くらい持ってけよ」
「はい、そのことですが皆様に一点」
ジェフ:「現場を見ないと始まらないからネ」
風野 剛:「心配ない。『葬送の刃』はもう振るえんがこいつがあるさ」
ジェフ:「む?」
「今回、極めて迅速な対応が必要とのことで、資材調達部の方に話を通しておきました」
「もし、ご入り用でしたらご利用ください」
ヴォルト:「根回し感謝するよ、霧谷支部長」
神埼 哲夫:「っつってもろくなもんなさそうだよなぁ」
ジェフ:「ならいくつか拝借していくかねぇ」
「戦うのは嫌いなんだがね」
GM:霧谷からの根回しとして、今回の購入判定の達成値+10されます
黒耀 鼎:「あー、そうかい・・・血も駄目なんだな」
風野 剛:「ふむ。医療用のトランクでも拝借するかね。なにぶん、この足でな」
3dx+10
(3R10+10[10]) → 10[5,8,10]+10[10]+5[5]+10 → 35
ヴォルト:アームドスーツとろうかな
難易度15
1dx+13
(1R10+13[10]) → 6[6]+13 → 19
ヴォルト:よし、装着
黒耀 鼎:難易度15 大鎚
4dx+10
(4R10+10[10]) → 8[1,3,4,8]+10 → 18
※大振りの槍、と云う名の大鎚
神埼 哲夫:1dx10+10
(1R10+10[10]) → 6[6]+10 → 16
多機能ヘルメット
GM:ではそれぞれ装備を整え、事件の調査に乗り出します。