幻想郷でまったり過ごす話。   作:夢見 双月

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地の文がない小話を書いてみました。
もしかしたらまたやるかもです。
やらないかも……?
ごめん、忘れて。

ギャグと砂糖多めとなっており、コーヒーを飲みながら見ると噴き出す可能性がございます。ご注意を(*´Д`*)


霊夢達と「好き」の小話。

「きゃー!!それってつまり、告白ですか!?」

 

「え、あ、まぁ、うん」

 

「まぁ、そうなる、のか?」

 

「お前らも人が悪いぜ!一年丁度で付き合い出すなんて……」

 

「ん?おい待て魔理沙。今なんて言った?」

 

「え?一年?」

 

「その次だ」

 

「付き合い出す?」

 

「それだ」

 

「どうかしたんですか霊魔さん?まさか付き合ってないとか……」

 

「え……」

 

「その……付き合うって……なんだ?」

 

「へ?」

 

「え?」

 

「え……」

 

「ん?」

 

 「「「えええええええええっ!!!」」」

 

「え!?何っ!?」

 

「え!?どういうことなんだぜ!?!?何を言ってるか全然分からないんだが!!」

 

「初めて聞く疑問ですよ!?どういう事ですかぁ!!」

 

「もしかして、あれはウソ……だったの?」

 

「ゲェッ!?霊夢がめっちゃ落ち込んでる!?」

 

「違うって!好きだってことは間違っちゃいない!でも、付き合うって言葉の意味がわからないと言っただけだ」

 

「////」

 

「こいつ地味に惚気たぞ」

 

「えーっと?霊魔さん?もしかして、『付き合う』って言葉自体知らないって事ですか?」

 

「そうだよ。なんなんだ、そんなに驚いて」

 

「好きは?」

 

「知ってるに決まってるだろ」

 

「付き合うは?」

 

「分からない」

 

「愛は?」

 

「なんとなくわかる」

 

「恋は?」

 

「なんで愛を一文字だけ変えたんだ?」

 

「結婚は?」

 

「ああ、それならわかるぞ。みんなに好きな人を紹介するんだろ?大事な事だ」

 

「なるほど〜。よーくわかりました」

 

「早苗、どういう事?」

 

「霊魔さんは好きという感情は分かっていても、好きな人たちが何をするのかを知らないんですよ。知識として少ししかないんです。だから、デートとか結婚ぐらいしか分からないのではないでしょうか」

 

(まぁ、結婚ですら怪しかったですが。本当は愛する事を誓う儀式のようなものなんですけど……)

 

「つまりあれか!イチャコラする事を知らないって事だな!?」

 

「イチャコラ?」

 

「そういうことです魔理沙さん!」

 

「あんた、よくそれでわたしに告白出来たわね」

 

「あ、復活した」

 

「面目ない。出来れば教えてもらいたいのだが、頼めるか?」

 

「任せとけ!」

 

「任せてください!」

 

「ねぇ、私不安なんだけど」

 

「…?気のせいじゃないか?」

 

 

「まず『付き合う』というのは、好きということを伝えて相手がそれを受け入れることから始まります!付き合いはじめとか、そんな言い方をしますね!」

 

「なるほどな。じゃあ今がそれに当たるんだな」

 

「そういうことですね」

 

「なら、具体的にはどうすればいい?」

 

「鉄板なのは、抱きつくことだぜ!」

 

「ブッ!?」

 

「なるほどな。あっ、確か前に霊夢から「ダメェ!」たわばっ!」

 

「れ、霊魔が死んだ!?」

 

「この人でなし!」

 

「いってえ……」

 

「ふん!」

 

「あっ、今ピンと来たぜ」

 

「どうしたんですか?」

 

「霊魔霊魔ー」

 

「なんだよ」

 

「実際にやってみようぜ」

 

「「はぁ!?」」

 

「恋愛初心者の霊魔くんじゃあきっと出来ないぜ。それなら練習した方がいいと思ってな」

 

(うわあ、黒い笑顔ですね……)

 

「そんなのやれるわけないじゃない!霊魔も何か言いなさいよ」

 

「……一理、あるか……?」

 

「霊魔ぁぁあ!?!?こんの、裏切り者がぁぁあ!!」

 

(ちょろいぜ)

 

(ちょろいですね)

 

「さぁ、実践あるのみだぜ霊魔!まずは単純に正面から抱きついてみるんだ!」

 

「お、おう。やけに張り切ってるな魔理沙」

 

「ちょっと、来るな」

 

「そういえば、俺からやった事はなかったよな。なら、やっておかないとダメだと思ってさ」

 

「いや、ホントにそういうのいいからいや嫌じゃないんだけどこういう事は二人きりのときにやりたいななんてちょっと近づいて来ないで霊魔こわいって話を聞いていやぁぁああ、あふん」

 

「秒で陥落したな」

 

「大丈夫ですかね?霊夢さんが一瞬で安らいでるようなとろけたような顔になりましたけど」

 

「全く問題ないぜ」

 

「おい、霊夢?大丈夫かー?」

 

「えへへー、あたたかーい」

 

「ダメだ、子供レベルの精神年齢になってるぞ」

 

「ぱぱー」

 

「!?!?」

 

「もうトキメキを通り越して家族みたいになってますね」

 

「ぱぱだぞー、よしよしー!」

 

「えへへー♪」

 

「かわいい」

 

「おとんだぜ」

 

「誰がおとんだ」←正気に戻った

 

「いやぁぁあ!」←正気とともに悶絶

 

 

 

「次だぜ」

 

「ねぇ、もうやめない?」

 

「見事に疲れ切った顔してますよ、霊夢さん」

 

「他にもあるのか?」

 

「もちろんだ!次はあすなろ抱きだぜ!」

 

「アス…ナロ?どういうものなんだ?」

 

「いわゆる後ろから抱きつくやり方ですね。一番女性がされたい抱かれ方とも言われていますよ」

 

「なるほど、では早速」

 

「ひゃひぃぃいい!」

 

「……!」(吹き出した)

 

(魔理沙さんもひどいですね〜。笑ってる私が言えることではないですけど)

 

「ふわぁああ!!わぁぁあ!!ああああ!!」

 

「あの、その、霊夢がかなりやばいことになっているんだが」

 

「大丈夫です、問題ありません」

 

「うにゃぁぁあああ!!!!」

 

 

 

「ぜー、はー、ぜー、おえっ」

 

「さて、次に行こうか」

 

「アッヒャッヒャッヒャッ!ヒィーー!」

 

「あっはい。次は1番メジャーであろう、お姫様抱っこです!さぁ、やって見ましょう!」

 

「早苗も元気だな。いいことあったか?」

 

「恋の手助けはいいものですよ(こんな可愛い霊夢さんは眼福なんです!)」

 

「そうなのか。とりあえずやり方を……」

 

「はぁ、はぁ、さすがに死ぬかと思ったわ……。ノドがやばいことになってるわね」

 

「大丈夫か?霊夢」

 

「元はと言えばあんたが……。はぁ、もういいわ。水持って来るから手を貸して」

 

「分かった」

 

「……?肩まで貸してとは言ってないけど……」

 

「こうやって、膝を、こうか!」

 

「へ」

 

「お姫様抱っこらしい。どうだ、霊夢?」

 

「え、あの、ちょ、顔、近、もにょもにょ……」

 

「運ぶにも良さそうだな……って霊夢?どうした?」

 

「きゅう」

 

「霊夢!?どうした!?」

 

「大丈夫です。問題ありません」

 

「それはさっきも言ったろう!一番いいのを頼む!」

 

「耳元でこう言えばいいぜ!ゴニョゴニョ……」

 

「ふむ、分かった。霊夢ー、起きろー。……ふぅ、『起きねぇとキスするぞ』」

 

「ひゃいッ!?」

 

「あだっ!?」

 

「あっはっはっは!!期待を裏切らないな!!」

 

「魔理沙さん、私が霊夢さんの水を持って来ますね」

 

「おう、頼んだぜ!さぁーて、次はどんな事をさせようか……ん?」

 

「魔理沙?ちょっといいかしら?」

 

「えっ!?おい、早苗って、あっ!あいつ逃げやがった!待て、霊夢!これは霊魔のためにやった事なんだから、責任は全てあいつに……」

 

「安心しなさい。折檻済みよ」

 

「あー、いつの間にぃ……」

 

「安心しなさい、早苗もすぐに後に続くわ」

 

「ぎゃああ!!」

 

 

「早苗?ちょっと来てくれる?」

 

「は、はい?あ、あの、霊夢さん?なんで二人とも倒れて……」

 

「問答無用」

 

「ぐえっ」

 

 

 

 

「あんたはもう少し気持ちを考えなさい!主に、私のとか私のとか私のとか!」

 

「わかったって。同じ事を何遍も言わなくてもいいから……」

 

「いいや、ぜんっぜんわかってないでしょ、このトンチンカン!私だって女らしくないとは自分で思うけど、羞恥心ぐらいは持ち合わせてんの!」

 

「なんだと!?お前が女らしくないワケがないだろう!お前は魅力的だろうが!」

 

「〜ッ!今、口説くんじゃなぁぁあああい!!!」

 

「いっだぁ!?ええい、恥ずかしくなると殴る癖をなんとかしろ!」

 

「うっさい、女たらし!」

 

「ごちそうさま、ですね」

 

「いてて、もらいたくないもんももらっちまったけどな。おーいてぇ、タンコブができちまってる」

 

「バーカ!」

 

「アホー!」

 

「バーカバーカバーカ!!」

 

「アホアホアホアホー!!」

 

「ってかさー、一つ聞いていいか?」

 

「どうした魔理沙?」

 

「お前らって、付き合ってから何か変わったか?」

 

「「…………。いや、何も」」

 

「むしろ、お前らいつも何やってんだ」

 

「ん?まず朝起きるだろ?」

 

「「うん」」

 

「そんで、俺の布団にいる霊夢を起こす」

 

「はぁ!?」

 

「えぇ!?」

 

「ちょ、あんた、舌の根の乾かぬうちに何言ってんのよ!?フォローを入れなさい!」

 

「ああ、分かった。別にいつも霊夢が潜り込んでいるというわけじゃないんだ」

 

「そうだよな!てっきり毎日かと思ったぜ」

 

「そうですよ!びっくりしたじゃないですか」

 

「2日に一回だ」

 

「「多いッ!」」

 

「十分じゃねぇか!」

 

「ベッタリじゃないですか!?」

 

「あんたそこは言わなくていいのよ!!」

 

「すまん。次に朝ごはんだな。基本俺が炊事係だから俺が作ってる」

 

「そうなのか。でもまぁ、男でも作るときはあるだろ」

 

「意外ですね。主夫って感じでいいと思います」

 

「その時に霊夢が寝ぼけてたら食べさせてる」

 

「「待ったぁ!!」」

 

「そうなの!?」

 

「霊夢が知らないってどういう事だ!?」

 

「これは違うのよ!えーっと、霊魔!フォローしなさい!」

 

「『あ〜ん』って言うと、『あ〜ん』って言いながら口開けてくれるんだよ」

 

「なんのフォローしてんのよあんたはあああ!!!」

 

「かわいいと思わないか早苗?」

 

「激しく同意です!」

 

「あーもうあんたら、Gaaaaaaa!!」

 

「霊夢が発狂した!?」

 

「やっばい、逃げろぉ!」

 

「もうピチュりたくないです!」

 

「霊夢落ち着けなんで真っ先に俺の方に来てんのちょっと待ってぎゃぁぁぁあああ!!!」

 

 

 

 

「あー、疲れた。やっとあいつら帰ったー」

 

「お疲れさん。色々すまなかったな」

 

「ホントよ。恥ずか死ぬかと思ったわ」

 

「でも、事実だろう?いいじゃないか、隠さなくて」

 

「あんたとは隠したい所までの線引きが違うの!みんなそうよ。あんたみたいにだだっ広くないの」

 

「そういうもんか?」

 

「そういうものよ」

 

「イマイチまだ分からないな。もう少し頑張ってみるよ」

 

「そうよ。頑張りなさい。まずは酒を用意しなさい。一杯やるわよ」

 

「いつも通り縁側で、だな。……そうだ」

 

「どうしたの?」

 

「聞きそびれてたことがあったんだ」

 

「……何よ?」

 

「いつもじゃあないけど、こうして」

 

 

「二人で風呂に入ってるのは、普通なのかなって」

 

 

「何よ、文句あるの?」

 

「文句はないけどさ、知りたいのさ。一般的なのか違うのか」

 

「絶対に聞かない事。いいわね」

 

「はいはい、そういう事か。先上がるな。酒の用意して待ってる」

 

「行ってらっしゃい〜」

 

「……」

 

「……もしかして、一緒に入るのって普通じゃないのかしら?」

 




霊魔「霊夢さん、知ったかはダメですよー」
霊夢「黙れ」
霊魔「解せぬ」

こんな二人が楽しくケンカするのは書いていて面白いです。

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