「だからさぁ…、転生って最高だと思うのよ俺は!異世界でハーレム作って毎日良い思いしたいわ~。」
隣の机でキーボードに指を走らせながら転生の良さを1時間ほど話しているのは友人の山崎優斗だ。
ちなみに俺は如月真也だ。オタクであり優斗とともに毎日忙しく過ごしているごくごく普通のサラリーマンである。
「まあ、異世界転生いいよな。俺は魔法とか使ってみたいわ。」
…訂正しよう。毎日だらだら仕事をしているごくごく普通のサラリーマンだった。当然この後上司にこっぴどく叱られましたハイ。
「今日も疲れたなー、帰りにどっかよってくか?」
「いや、今日はまっすぐ帰りたいわ。腰痛いし。」
ええー。と優斗は文句を言いつつも一緒に帰路についてくれる。
しばらく歩いてあと少しで住んでいるアパートに着くといったところだっただろうか。
塾帰りの小学生が交差点を渡っている。
そこへトラックが猛スピードで迫っていた。俺は迷わず駆け出していた。小学生もトラックに気付いたが腰が抜けてしまったのかその場に座り込んでしまった。
「真也あああ。」
俺は小学生を持ち上げ優斗に向って小学生を投げた。
当然反動で俺はその場で尻もちをついてしまうわけで…、
トラックがもう目と鼻の先にあった。
こう死ぬ間際の瞬間って時間が止まったように感じるとかアニメとかでやってたけど、まさにその通りで最後に俺はいつも一緒に居た親友の顔を見ることができた。
そして、最後の言葉を口にする。
————「頼んだぜ、親ゆ———。」
そして俺の人生は終わった。
「ミーちゃん、ぼけっとしてるけどどうしたの?」
赤色の髪を両サイドで束ねた少女が俺の顔を覗き込んでくる。
「何でもないよ、アイシャ。」
俺は彼女の頭を優しくなでてあげる。そうすると彼女は気持ちよさそうに目をつむる。
そう!転生してしまったのである!異・世・界に!
俺はこの世界のカルデリア公国の端にある村シャーナで生まれた。シャーナは森に囲まれた村だ。
今俺と隣に座っている美少女アイシャは馬車に乗ってカルデリア公国首都ディナドラへ向かっている。
なぜ?冒険者になって世界を旅するためだ。俺とアイシャは今年で15になり成人したのでちっちゃいころからの夢である。冒険者になることを叶えに行く途中なのだ。
因みにこの世界についてもう少し詳しく説明しておくと、この世界には魔物や魔法などのファンタジーが存在している。そして俺は村でもずば抜けた魔力を持つ魔法使いなのだ。
…この世界の説明じゃなかったね…ごめん。テンション上がっちゃってさ。
俺たちみたいに冒険者になりたい奴はまず大きな町へと行って冒険者ギルドで冒険者登録をする必要がある。
冒険者はランクがEからSランクまである。Sランクとかは伝説の存在とかなんとか。よく昔話に出てきたりするほど強いやつらなのだ(小並感)。
「ミーちゃん、もっとぉ…」
いかんいかん、アイシャの頭を撫でるのを中断してしまっていた。アイシャが子猫のようにすり寄ってきて可愛い。この世界に転生できて本当に良かった。
…ただまあ、問題が一つあるんだけどね。まさかとは思ったよ、びっくりしたよ、今ではもう慣れたけどさ…。
俺は…
「
俺、ミーナ・シンシアは、
俗にいうTS転生をしてしまったのだ。
磯山ゲルです。
最近TS小説にはまって投稿しました。
いつまで続くかわかりませんですが今後もよろしくお願いします。