東方記録媒体 ~記憶を取り戻す旅~   作:タマモワンコ

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犬城「さてさて、第7話です。」

お衣「今回は…、なんというか…、うん、なにこれ!」

犬城「なんとなくやった。後悔は少ししている。」

お衣「はあ。えー今回は微妙です。」

犬城「それが私だ!では第7話どうぞ!」


東方記録媒体 第7話 「狭間」

~白side~

 

さて、朝なのだが…。

 

どうして俺のベットに三人も女性が入っておられるのでしょうか。

 

いやうん、なんでですか。左に椛さん、右にパチェ、そして上にさとり。

 

やばい、色々とヤバイ。特にさとりの位置が不味い。俺のもさとりのも当たってるから!頼むから起きてぇぇぇ!

 

さとり「うむぅ…」

 

おお!さとりがおきた!頼む、退いて!

 

さとり「…」

ポフ

 

寝ちゃったぁぁぁ!

 

しかもなんか顔を埋めてるし!抱き付いてるし!

 

たのむ、誰か起きてくれ…。

 

椛「う、ううん…。」

 

白「おお、椛さん起きたか!」

 

椛「むにゃぁ…。…あれ?知らない天井…。…白さん!?なぜ私と同じ布団に!?」

 

白「お前が酔って入ってきてたんだよ!俺も起きて気づいた!」

 

椛「嘘ですね!酔った私とヤっちゃったんでしょう!?責任を取ってもらいますからね!」

 

白「不幸だわあぁぁ!」

 

椛「というかパチュリーさんとさとりさんまで!?4Pとか高度過ぎます!」

 

白「だから全員勝手に入ってきたんだって!俺はなにもしてねぇ!」

 

椛「嘘つけ!さとりさんとかもう今まさに繋がっちゃってるんでしょう!」

 

白「んなわけねぇだろ!それよりパチェ起こしてくれ!動けねえ!」

 

パチェ「…うっさいわね。起きたわよ。」

 

白「…いつのまに。」

 

パチェ「今よ。というか私以外も襲っていたなんて…。なんて人。」

 

椛「やっぱりヤっちゃったんですね!」

 

白「あぁぁぁぁ!もう!」

 

パチェ「…ふふ、冗談よ。椛も、体に違和感なんてないでしょ?大丈夫よ。そんな襲うような男じゃあないわ。」

 

椛「…ふふふ。知ってますよ。ちょっといじりたかっただけです♪」

 

白「あぁぁぁもう、なんなんだよ…。はぁ。んじゃ起きるか。」

 

パチェ「え、さとりはどうするの?」

 

白「…まあ、起きるまで抱えておくかな。」

 

椛「やっぱり繋がっちゃってるんですか?」

 

白「もういいよ…。」

 

さとり「うにゅぅ…。」

 

白「お、起きたかな?」

 

さとり「ううん…。あれ?ここは…。」

 

白「おう、おはよう。」

 

さとり「…///」カァァァァ

 

白「とりあえず離れてくれるか?動けない。」

 

さとり「は、はい。」

 

パチェ「…さて。朝ごはんつくるわね。」

 

椛「…ちょっと日に当たってきます。」

ガチャ バタン

 

 

さとり「…その、」

 

白「んー?」

 

さとり「…もうちょっと抱きついてて良いですか///」

 

白「え、うん、別にいいけど?」

 

さとり「じゃあ、失礼します。」

 

 

 

 

ちなみにこれはパチュリーが朝ごはんに呼びに来るまで続いた。

 

 

 

 

さてさて、さとり。話をしよう。

 

さとり「ええ、記憶についてですね。ですが…」

 

ああ、ここでは駄目だ。パチェがいるしな。

 

さとり「パチュリーはなにを白の寝室でしているのでしょう。」

 

さあ?ま、いいさ。では行こうか。

 

さとり「行く?何処へですか?」

 

まあまあついてきなさいな。

 

さとり「はあ。」

 

とててててて、がちゃ。

 

さとり「ここは?」

 

物置です。

 

さとり「…こんなところでなんですか?私でも襲うんですか?」

 

あほか。えーっと、ここらへんに、

 

ガチャン

 

あったあった。

 

さとり「…これは床下収納ですか。んで、これをどうしろと?」

 

入ってくれ。

 

さとり「…はあ、わかりました。」

 

…ていっ。

ドンッ

 

さとり「へ?いやぁぁぁぁぁ!?ちょっと!?落ちてる!落ちてるぅぅぅ!」

白「いやっほーう」

ヒュウゥゥゥゥ

 

 

 

~さとりside~

 

ああああああああ!

飛べない!落ちる!死んじゃううううう!

 

白「さとりー?落ち着けー。」

 

さとり「なんで落ち着いていられるんですか!死にますよこれ!」

 

白「大丈夫大丈夫ー。」

 

さとり「呪ってやる五霊白ぅぅぅぅ!」

 

ああ、地面が見えてきた。さようならこいし、お空、お燐、みんな。楽しかったわ…。

 

ボヨーン

 

さとり「へ?」

 

ボヨーンボヨーン

 

さとり「…トランポリン?」

 

白「はっはっはっは!そんな死ぬような所から入らんよ!」

 

さとり「は、ははは。はぁ。」

 

白「ま、そこまで驚いてくれたってことはサプライズ成功だな。」

 

さとり「こんな寿命の縮まるようなのはやめてください…。」

 

 

 

さとり「で、ここは何処なんですか?なんというか、よくあるメカメカしい基地のように見えますが。」

 

白「うーん、幻と現の狭間にある『幻想鎮守府』です。」

 

さとり「…もう少し具体的に。」

 

白「博麗大結界の中です。」

 

さとり「…は!?どういうことですか!?」

 

白「だから博麗大結界の中。幻想郷と外の世界の狭間。」

 

さとり「えぇ…。でもこれかなりの規模ののような?」

 

白「結界の中は次元が違うからな。 あの薄っぺらいなかでもめちゃくちゃな広さがある。利用できるかは別としてな。」

 

さとり「んで、どうやってこんなの作ったのですか。」

 

白「んー?妖力と霊力をフルで使って半年かけて術式組んだ。」

 

さとり「それどんな規模の術式ですか!?」

 

白「うーん、わからん。適当に組んだからな。」

 

さとり「…でも、博麗大結界になんかしたら八雲や博麗の巫女が黙っていないでしょう?」

 

白「それなら問題ない。結界自体には全く関係ないからな。ただ、二つの結界の隙間を間借りしているだけだから。」

 

さとり「え、二つの結界?結界は一枚ではないのですか?」

 

白「いいや、実際は幻想郷側に一枚と外の世界側に一枚の合計二枚なんだ。ただ、その隙間は普通は気付けないけどな。」

 

さとり「それでも、あの隙間妖怪なら…」

 

白「いや、それはないな。」

 

さとり「なんでですか。」

 

白「あいつの隙間は程度の能力だからだ。」

 

さとり「いや、説明になってないです。」

 

白「博麗大結界には、とある力がある。それは、『程度の能力』を無効化する力だ。現に、いま心を読めないだろ?」

 

さとり「…そういえばそうですね。つまり、程度の能力が無効化されるから八雲は来れないと。」

 

白「ああ。ちなみに、八雲は線で繋ぐからここに入るのは結界が邪魔で無理だが、点と点で繋いで移動するやつがいたら入ってこれるぞ。」

 

さとり「いるんですかそんなチート。いたら困りますよ。」

 

白「いないだろ。」

 

さとり「でしょうね。にしてもここには何があるんですか。」

 

白「んー、各種兵器の生産ラインとか、昨日使った戦闘機とかパイロットとか。各種艦艇からスーパーXシリーズまで大体ある。」

 

さとり「…は?」

 

白「ま、最後の手段だけどね。ちなみに魔方陣一つで幻想郷でならいつでもどこでも出てくる。」

 

さとり「なんてものを作ってるんですか…。」

 

白「弱いものは奥の手をいくつも作っておくものさ。」

 

さとり「さいですか。」

 

白「んじゃ、とりあえずブリーフィングルームに行こうか。そこなら能力も使えるからね。」

 

さとり「わかりました。」

 

とててててて。

 

《幻想鎮守府 ブリーフィングルーム》

 

白「さて。では話をしよう。」

 

さとり「ええ。昨日の宴会の終わりに、また『アルファ』の心の声と思われるものを聞きました。それによると、さっきのスーパーXシリーズとか、モルガンとかV2は外の世界に存在しないそうです。」

 

白「ほう。存在しないとな?」

 

さとり「ええ。『アルファ』は貴方の空想か、記憶かのどちらかだと予想していました。」

 

白「ふむ。それに関しては、俺の記憶にあったものだ。だから、少なくとも今の俺が考えた物ではない。封印前の俺は知らん。ただ、おそらく空想ではないな。」

 

さとり「なぜそう思うのですか?」

 

白「あるんだよ。記憶が。例えば、スーパーXは外の世界の『ゴジラ』という映画に出てきた兵器なんだ。つまり、」

 

さとり「『原作』が存在するはずだ、ということですか。」

 

白「ああ。」

 

さとり「なら、おそらく貴方は未来人か、それか別世界線の人間なんだと思います。」

 

白「そりゃまたSFチックな話だな。だがあり得なくはないか。」

 

さとり「あら?結構あっさりと受け入れますね。」

 

白「ああ。そもそも、博麗大結界の隙間は他の世界線の博麗大結界の隙間とも繋がっているからな。ひょんなことで移動してしまうこともあるかもしれない。」

 

さとり「では未来人説は?」

 

白「ううむ、それはわからん。未来技術はわからんからな。この鎮守府があれば未来に飛ばされても帰っては来れるが、無いときはわからんな。どちらかというと別世界な人間ってののほうが可能性は高そうだな。」

 

さとり「…?何故未来に飛ばされても帰ってこれるんですか?」

 

白「それはな、この鎮守府は、というかこの隙間はすべての時間と接しているからなんだ。だから、未来からでも過去からでも帰っては来れる。」

 

さとり「あれ?でもそれだと未来の白がいっぱいいてもおかしくないですよね、でも、いませんよ?」

 

白「ああ、それは簡単なことだ。『同じタイミングに同じものは存在できない』んだ。」

 

さとり「つまり、ここに未来の白は来れないと。」

 

白「ま、そういうことだ。」

 

さとり「そうですか…。あ、そういえば、『アルファ』は私に接触を計って来そうです。」

 

白「ふむ、なぜだ?」

 

さとり「貴方の記憶を調べるためですよ。私は記憶も見えますから。」

 

白「そういうことか。さとりはどうするんだ?」

 

さとり「そりゃあ断りますよ。私は貴方の仲間なんですから。」

 

白「そうか。そりゃよかった。」

 

さとり「そういえば、記憶が戻ったきっかけについて聞いていませんね。なにがきっかけだったんですか?」

 

白「ああ、それは外の世界の護衛艦だ。」

 

さとり「護衛艦?…ふむ、外の世界の戦闘艦ですか。すごいですね。あれなら鬼も殺せそうです。」

 

白「ただ護衛艦『みらい』を見たときは特になにもなかったんだが、みらいを封印したときにビリっと来た。んで、その辺りから少しずつ思い出せるようになった。」

 

さとり「その封印とは?」

 

白「ああ。このメモリに封印したんだ。」

 

さとり「メモリ…ですか?」

 

白の手には『f』と書いてある棒状のものが握られている。これがメモリらしい。

 

白「ああ。これは『future』メモリだ。これには『記憶』が封印されていて、この『ロストドライバー』を使うか自分の体に突き刺せば力を引き出せるんだ。」

 

さとり「つまり、その兵器である護衛艦の記憶を手に入れたときに、兵器についての記憶の封印がとけた、と。」

 

白「恐らくな。今のところメモリはこれともう一つしか持っていない。」

 

さとり「もう一つとは?」

 

白「これだ。」

 

白は『W』と書かれたメモリを取り出す。

 

さとり「…これは?」

 

白「『Wolf』メモリ。俺の力を封印してあるメモリだ。」

 

さとり「…そういうことですか。それは使わないのですか?貴方なら使いこなせるでしょう?」

 

白「…親が命を懸けて、人間として生きれるように封印したんだ。できれば使いたくない。」

 

さとり「…なら良いでしょう。ただ、抱えたまま死んでは意味がありませんからね。親の分も生きるために、ヤバイときには使ってくださいね。」

 

白「ああ。分かっている。」

 

さとり「では、記憶の封印を解くためにはメモリを集める必要がある、ということですかね。」

 

白「だな。しかしどうやって集めれば…?」

 

さとり「…私に抱きついたらできたりして。」

 

白「…ふむ、さとりが言うならそうなのかな?ま、やってみるか。」

 

さとり「へ?え、ちょっと、ま、待って!心の準備が!」

ギュ

 

白「…できたかな?」

 

ボフッ

さとり「きゅう…。」

 

ミョンミョンミョンミョン…

ポン

 

白「…できたぁ!?」

 

 

少女気絶中…。

 

 

さとり「…はっ!ここはだれ?わたしはどこ?」

 

白「なにいってんだ。ここは幻想鎮守府だよ。」

 

さとり「…あー、私気絶してました?」

 

白「ああ。」

 

さとり「白、冗談ぐらいわかるようになってください。私の身が持ちそうにないです。」

 

白「え、あれ冗談だったの?」

 

さとり「ええ。そもそもハグでできるわけないでしょう?」

 

白「できたんだけど…。」

 

さとり「…えぇ…。」

 

白「やっぱハグがトリガーかな?」

 

さとり「んな分けないでしょう。それなら朝の時点でできてます。」

 

白「それもそうだな。じゃあなんだ?」

 

さとり「わかりません。とりあえず出てきたメモリを調べましょう。」

 

白「わかった。ま、そこに置きっぱなしなんだが。」

 

さとり「ふむ、『m』の文字ですか。なんなんでしょうか。」

 

白「こういうのは押してみるに限る。」

 

さとり「押す?刺すのでなくて?」

 

白「ああ。ここのボタンを押すと名前を叫ぶんだよ。」

 

さとり「誰が?」

 

白「メモリが。」

 

さとり「なんか驚けなくなってきました。」

 

白「俺に毒されてきたな。とりあえず押してみるかね。」

 

 

 

『memory』!

 

 

白がメモリのボタンを押すと、メモリはそう叫んだ。そしてさらに、光だした。

 

白「うぉぉ!?なんだぁ!?」

 

さとり「え、これが普通じゃないんですか?」

 

白「ちがわい!うわっ!浮かんだ!?」

 

さとり「おお、すごいですね。私のメモリ。」

 

『memory』メモリは光りながら浮かび、白の方へと引き寄せられるように動いていく。

 

白「ちょ、こっち来たぁ!」

 

さとり「別に当たっても大丈夫でしょう?私のメモリですよ?」

 

白「さとりとは関係ないだろ!うわぁぁぁ!」

 

遂に白にメモリが当たり、メモリは光の粒子となって白に吸い込まれていく。

 

白「…あれ?なんともな…」

 

さとり「…?どうかしましたか?」

 

白「…うぁぁぁぁ…。」

 

急に白が頭を抱えて唸りだす。

 

さとり「ちょ、ちょっと!?どうしたんですか!?」

 

白「…ぁぁぁぁ…」

 

さとり「聞こえてませんね。ならば心を見るまでです!」

 

私は能力を使って心を見ようとする。だが、

 

さとり「い、いやぁぁぁぁぁ!」

 

一気に流れ込んできたすさまじい量の情報によって、私の意識は落ちた。




犬城「五霊白死亡確認!」

お衣「んなわけあるかい!はい、というわけで今回は記憶を取り戻、せませんでした。」

犬城「きっと次回は!」

お衣「ま、次回ね。だけど、さすがにこれはだめでしょ。」

犬城「?どれ?」

お衣「幻想鎮守府やら程度の能力無効とかスーパーXシリーズとか揃ってたり武器を生産してたり。あとさとりん弱すぎ。」

犬城「本当に、もうしわけない。」

お衣「どうなのよこれ。だめでしょ。絶対だめでしょ。チートや!チーターや!」

犬城「正直やり過ぎた気がする。」

お衣「でしょうね。」

犬城「ちゃんと活用するから…」

お衣「はぁ…。もういいわ。次回予告いくわよー。」

犬城「『遂に明かされるはメモリーの手に入れ方!そして、動き出す黒い影!』

お衣「んじゃ、ネタ解説いくわよー。」

犬城「『呪ってやる五霊白ぅぅぅぅ!』、アニメ『フィニアスとファーブ』より、トゥーフェンシュマーズ博士のお決まりの台詞。元は『呪ってやるカモノハシペリー!』。」

お衣「『幻想鎮守府』、幻想郷の鎮守府で幻想鎮守府。鎮守府とは旧日本海軍の海軍基地のこと。幻想鎮守府には、各種歩兵武器や航空機、戦車や艦船の生産ラインがあり、またスーパーXシリーズやMOGERAなんかが待機している。これらは魔方陣一つで幻想郷ならどこでも出現できる。もちろん艦娘のための施設もある。艦娘はいないが。」

犬城「『ゴジラ』、1954年公開の映画。核実験の影響で生まれた怪獣のゴジラが日本を荒らし回る。続編はいまだに出ている。ゴジラは、強い。」

お衣「『護衛艦 みらい』、アニメ『ジパング』に出てくる架空の護衛艦。過去の世界で猛威を振るった。アスロック米倉やトマホーク菊地は有名。」

犬城「『メモリ』、仮面ライダーWの『ガイアメモリ』が元ネタ。この世界では色々な記憶を内包した記録媒体である。仮面ライダーには、まだなれない。」

犬城「『ロストドライバー』、仮面ライダーWの変身ベルトの一つ。主人公達がメモリを二本使って二人で変身するダブルドライバーなのにたいして、ロストドライバーは一本のメモリで一人で変身する。原作では仮面ライダースカルや仮面ライダーエターナルが使用した。今作では白が主に使う。」

お衣「『memoryメモリ』、言いづらい。」


犬城「以上です。」

お衣「やっと記録媒体もといメモリが出てきたわね。」

犬城「うい。次回からは使っていく、はず!」

お衣「使えると良いね!ではまた次回!」

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