東方記録媒体 ~記憶を取り戻す旅~   作:タマモワンコ

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犬城「はいはーい、第10話です!めでたいです。」

お衣「んで?なんで二日も開いたのかしら?」

犬城「すいません、忙しかったんです。」

お衣「はぁ…。いやまあ1日1話ってのも厳しかったのかもね。」

犬城「いやそもそも不定期更新のはずだったんですが、筆が進んだんです。ここまでは。」

お衣「遂に止まったと。」

犬城「はい。」

お衣「そう。ま、とりあえず第10話よ!どうぞ!」


第2章 「放浪者 五霊白」
東方記録媒体 第10話 「『I』は怒る・流体生物『B』・『S』は動く」


~白side~

 

あの騒動から三日がたった。俺はいま霧の湖でゆっくりしている。

 

「「ゆっくりしていってね!」」

 

なんだいまの。

 

…今頃里では俺の討伐の依頼が霊夢さんに出ているだろうか。それとも里の者たちが仇を取りに来るだろうか。いずれにせよ逃げるが。

 

にしても、wolfメモリの威力はかなりのものだったが、かなり負担がでかかった。まさか1日寝込むとは思ってもいなかった。

 

だが、これもそのうち慣れるだろう。少しづつならしていこうと思っている。

 

しかし、暇だ。

 

「暇だ…。」

 

口に出してしまうほどには。

 

…メモリの生成をやってみるか。

 

 

 

メモリの生成は簡単だ。

 

ただ、それに関する記憶や情報を並べていけば良い。

 

それが一定量を越えると、妖力等を消費してメモリを生成できる。

 

ただ、その記憶によって必要量は変わってくる。

 

さて、今回はどうしようか。風見の騒動の時に誰かに盗まれてしまった愛刀の『狼牙』の分として『sword』メモリを作ろうか。

 

…あ、だめだ。 必要な情報が多すぎる。

 

自分での生成はできてもひとつのものについてのメモリのみだな。あまり広範囲をカバーするものは厳しい。

 

ではどうしようか。次に欲しいものと言うと、やはり飛行能力だろうか。

 

飛行、飛行といえば飛行機。そして飛行機といえば戦闘機や爆撃機。

 

…なら、記念すべき一発目はあれにしよう。

 

 

『A-10 サンダーボルトⅡ』

 

アメリカ空軍の双発対地攻撃機である。1977年から運用を開始した対地攻撃機であり、なんといってもその特徴は機首に装備されている30mm機関砲『GAU-8 アヴェンジャー』である。この大口径砲によって、戦車を吹き飛ばすのだ。

また、11ヵ所ものハードポイントも備えており、通常爆弾からマーベリックミサイルやECMポッド、AIM-9サイドワインダーまで多種多様な武装を装備できる。

そして、なによりも特筆すべきはその耐久性だろう。理論上はエンジンひとつ、羽半分、垂直尾翼一枚が吹き飛んでも飛んでいられる。実際、エンジンが片方吹き飛んでも帰って来た機体があったそうだ。

 

 

 

おや、この程度で大丈夫なのか。もうできてしまった。

 

ま、早いに越したことはないか。というわけでA-10メモリゲットだぜ!

 

さてさて、次は何にしようかなー。やっぱ次は戦闘機かな?それならF-15かなぁ?

 

「白!」

 

おや、誰か来たようだ。

 

「はいはーい、はくですよー。」

 

振り向くとそこには、五人の妖精がいた。

 

「おう、チルノに大ちゃん、それに三妖精じゃねえか。なんか用か?」

 

「…なんで」

 

「ん?」

 

「なんでユータのやつを殺したんだ!あいつは、あいつは良い奴だったんだぞ!」

 

「そうですよ白さん!なんで貴方が殺人なんか!」

 

「…殺さざるを得なかった。それだけだ。」

 

「ふざけるな!そのせいでどれだけ里のみんなが悲しんだかわかってるのか!?」

 

「わからんよ。それを知る前に里を出たからな。」

 

「なら、あたいがお前を倒して、里につれてってわからせてやる!大ちゃん、サニー、スター、ルナ!手伝ってくれ!」

 

「ええ!任せて!」

 

「わかったわ!」

 

「いや無理でしょ…。」

 

「やるしか、ありません。いきます!」

 

「…まあ、仕方ないか。わかった。相手をしてやろう。これを試しても見たかったからな。」

 

「ごちゃごちゃ言ってる場合か!『アイシクルフォール』!」

 

「《降ってきたな》なんてな。」

 

ロストドライバーを装着。

 

『A-10』!

 

降り注ぐ氷の弾丸を避けながらメモリを挿入する。

 

「変身!」

 

ロストドライバーを起動する。

 

すると空中に沢山のパーツが召喚され、俺の体に張り付いていく。

 

そして完成したのは、A-10を模した艤装だった。

 

「な!なにそれ!」

 

「かっこいい!変身ヒーローみたい!」

 

「いや、いまは敵の怪人が正しいだろお前ら…。」

 

右手にガンポッドになったGAU-8 アヴェンジャー、左手に三つのハードポイント。そして、背中には、A-10の機体を模したエネルギーパックと、真っ直ぐに伸びた二枚の翼と八つの翼下ハードポイント。そして最後に、翼の上についた二つのエンジン。

 

これがA-10メモリのような機械などの記憶を装備する『艤装装着』のようだ。

 

飛行機なのに艤装ってどうなんだろうな。

 

「どんな姿になったって、あたい達には敵わないよ!」

 

「ま、俺だけならたしかにそうかもな。だが、残念ながら俺には仲間がいるのさ。」

 

「なに!?」

 

《こちらゴーストアイ。久しぶりだな、ウルフアイ。》

 

《よう、ウルフアイ。まだ落ちてないよな?》

 

「《もちろんだシャムロック。それに久しぶりだな、ゴーストアイ。では、空戦としゃれこみますかね。》」

 

《A-10でか?》

 

「《A-10でさ。アバランチ。さあいくぞ!》」

 

俺の後方から何十機もの航空機が飛んでくる。

 

《ああ!ガルーダ2、交戦!》

 

《さすがだな、A-10で空戦とは。さて!アバランチ交戦!》

 

《ウインドホバー、交戦!》

 

《スカイキッド、交戦!》

 

《こちらスネークピット。電子支援は任せておけ。》

 

「《よし!ガルーダ1エンゲージ!》」

 

「また飛行機か!面倒だな!」

 

《敵は速度はないが小回りが効く!一撃離脱で行け!》

 

《アバランチ Fox2!》

 

「残念だけど当たらないよ!そして見えなくもなる!」

 

《なに!?敵が見えなくなった!?どういうことだゴーストアイ!》

 

《待て!いま解析している!》

 

《…む?こちらスネークピット。レーダーに不自然なノイズが入っている。どうやら…レーダー波が曲げられているようだ。》

 

《レーダー波を曲げても目には見えるだろ!》

 

《…わかったぞ!光を曲げているんだ!》

 

《つまり光学迷彩か!》

 

「《なるほど。ならば、ノイズが出ているところへ遠距離から機関砲をばらまけ。そうすれば当たるだろう。》」

 

《了解した。》

 

《ウルフアイ、敵、ガンの射程内。》

 

「《ファイア!ファイア!》」

 

ブゥゥゥゥゥゥン

ガガガガガガガガガガ

 

「きゃあ!」

 

《よし!ビンゴだウルフアイ!ノイズが消えた!》

 

《こっちでも確認した!よっしゃあ!アバランチ、FOX2!》

 

「いやあぁぁぁぁぁ!」

 

「な!ルナ!?」

 

《ウインドホバーより各機、ぶっぱなせ!》

 

《FOX3!FOX3!》

 

「きゃぁぁぁぁ!?」

 

「スターまで!くっそぉー!『瞬間冷凍ビーム』!」

 

《レーザー兵器だと!?全機、ブレイク!ブレイク!》

 

《うぉぉぉぉ!》

ドカーン

 

《誰か落ちたぞ!?》

 

《他所のF-16だ!今は敵に集中しろ!》

 

「《レーダーロック、ガルーダ1FOX2!》」

 

「うわぁ!こっち来た!」

 

「!サニーちゃん、危ない!」

シュン

 

ガン

 

《なに!?こちらスカイキッド!敵が消えた!》

 

《こちらでも確認した。…どうやら、一瞬で移動したようだ。そいつは…ウルフアイの方にいる!》

 

「《こちらガルーダ1!敵が増えた!支援を要請する!》」

 

《ラジャー!》

 

「ありがと大ちゃん!よーし!『プリズムフラッシュ』!」

 

「《あぶねっ!こんにゃろ!お返しだ!FOX2!》」

 

「きゃあ!」

 

「サニーちゃん!」

 

《ガルーダ1、敵を撃墜!》

 

「うわーん!」

 

「もうやだ!帰る!」

 

「チルノちゃん、ごめんねー」

 

《敵が三人撤退していく。追撃するか?》

 

《いや、いい。いまは目の前の敵を倒せ!》

 

「《おおっと!急にメモリが降ってきた!》」

 

急に空から三本のメモリが落ちてくる。

 

《新しいメモリか?》

 

「《みたいだ。黄色の『S』と赤の『S』、それに『L』だな。後で確認しておこう。》」

 

「ち、チルノちゃん、どうしよう!白さん強いよ!」

 

「くそっ!もう自棄だ!喰らえ!『アイシクル…

 

チルノが技を放とうとするだが、急に湖から何かが飛び出してきた。

 

「ウガァァァァ!」

 

それは、水の鮫だった。そしてそいつはチルノと大ちゃんを食べようとしている。

 

「《まずい!まにあえぇぇぇ!》」

 

二人に向かってエンジンを最大まで回して突撃する。

 

「な!なに!?」

 

「《うおらぁ!》」

 

「きゃあ!?」

 

ガチンッ!

 

水の鮫…もう鮫でいいや。鮫の歯が空間を食べる。

 

「《間に合ったか。》」

 

《ナイスだウルフアイ!》

 

「何で助けた!あたいは敵だぞ!?」

 

「俺はお前らを殺す気なんざ無いからな。それより今はあの鮫を倒す。協力しろ。」

 

「…わかった。」

 

「《全機、帰還しろ。》」

 

《了解した。あとは頼んだぞ、ウルフアイ。》

 

「《解っている。》」

 

「で!どうすればいい!」

 

「大ちゃんはチルノの回復を頼む!チルノはとりあえず力をためておけ!」

 

「わかった!」

 

「了解です!」

 

「よし、スーパーX3発進!」

 

「了解。スーパーX3、テイクオフ。」

ゴオォォォォォ

 

「行けるぞ白!」

 

「わかったチルノ!『アイスフォース』!」

 

チルノに氷の力を纏わせる。

 

「うおおおおおお!『パーフェクトフリーズ』!」

 

「グオォォォォォ!」

パキ…パキ…

 

「駄目!あと一押し足りないよ!」

 

「あと一押しなら!黒木特佐!」

 

「了解。超低温レーザー、発射。」

 

「グオォォォォォ…」

パキパキパキパキ!

 

「これで来年の予算はゼロだな……来年があれば、だが。」トオイメ

 

「何変なこと言ってるんですか白さん!ほらチルノちゃん!とどめだよ!」

 

「よっしゃあ!喰らえ!『アイシクルソード』!」

ガキィィィィン!

 

「ナイスキル!」

 

「やったねチルノちゃん!でっかい鮫を倒せたよ!」

 

「ふふん!あたいは最強だからな!」

 

「ふいー。…んで、どうするんだ?」

 

「まだ戦うか、ってことか?」

 

「ああ。」

 

「…いや、戦わない。白はやっぱり人を殺すようなやつじゃないよ。」

 

「いやまあ殺したんだが。」

 

「わかってる。だから、何があったか教えてほしい。」

 

「…わかった。だが、俺の言葉を鵜呑みにはするなよ。あくまでも俺の視点での話だからな。真偽を判断するのはお前らだ。いいな?」

 

「ああ。」

 

「はい。」

 

「なら、説明してやろうかな。三日前にあった出来事を…」

 

 

 

少年説明中…

 

 

 

「というわけだ。だから、里の人が悲しむ前に終わらせた。」

 

「…白、それはダメだよ。チャンスも与えずに殺すなんて。」

 

「でも、いまの話を聞く限りだと、そのチャンスを与えたら裕太さんは確実にまた行動を起こしていたと思うよ。」

 

「たしかに白は間違ったことはしていないけど…」

 

「ま、ここは考えがわれるところよな。俺は、またあいつが行動をするというリスクを考えた。逆に慧音は、あいつが更正する可能性を考えたわけだ。ま、俺の場合私怨も入ったが。」

 

「私怨?」

 

「知り合いを人質にされたら怒るだろ?」

 

「そりゃそうだ!」

 

「だから少し感情的になってた節もある。正直今は少し後悔はしている。」

 

「じゃあ謝りにいこうよ。」

 

「駄目だ。」

 

「なんでさ!」

 

「俺を悪人にしてしまった方が色々と都合が良いんだ。」

 

「どういうことですか?」

 

「そうだな、いま俺が悪人ではないと主張したら、里の人はどう考えると思う?」

 

「…?わかってくれるでしょ?」

 

「いや、チルノちゃん、多分違うよ。大多数の人はそれを信じないと思うよ。」

 

「なんでさ。」

 

「例えてみようか。チルノは、昔から仲の良かった人と、いまあったばっかりの人と、どちらを信用する?」

 

「そりゃ仲の良い方だ。」

 

「だろ?里の人にとっては、俺は半年前に急に来た余所者。んであいつは昔から良い子で皆から慕われていると来た。すると?」

 

「裕太を悪とは認めず、白を悪人とし続ける。」

 

「そうだ。しかも俺はあいつを殺してしまっているからな。信じてなんざ、もらえない。」

 

「慧音先生と阿求さんに手伝ってもらうのは駄目なんですか?お二人なら里でもかなり発言力がありますし。」

 

「無理だ。今二人には俺のことを悪人として広めてもらっているからな。いまさらのこのこといくわけにもいかん。」

 

「…じゃあ、白はどうするのさ!」

 

「簡単なことだ。悪人として生きる。んで、適当に死ぬ。」

 

「適当って…良いのかよそれで!」

 

「ま、仕方ないさ。来世の俺はきっと平和に生きてくれるさ。それに、まだ死なんよ。のんびり生きるさ。」

 

「あら、残念だけどそれは無理な話ね。」

 

「…やっぱ貴女が来ますよね、霊夢さん。」

 

「霊夢!まさか、白を退治しに来たのか!?」

 

「いいえ、残念だけど退治ではないわ。殺すのよ。貴方を。」

 

「な!殺す!?」

 

「は、白さんはたしかに人を殺しはしましたけど、里を守るために…」

 

「里の人間を殺した以上仕方のないことよ。それも能力持ちの人間と来ればね。」

 

「でもあそこ里の外だろ?里の外なら妖怪は人間を『食って』もいいはずだが。」

 

「は?妖怪?」

 

「え、どういうことですか?」

 

「そーだそーだ!」

 

「ん?ああ、俺妖怪なんだよ。白狼妖怪。がおー。」

 

「「ええー!?」」

 

「…なら、余計に殺さなければならないわね。人から妖怪になったというのなら。」

 

「そうですか。なら仕方ないですね。」

 

「貴方を殺させてもらうわ。五霊白。」

「貴女を撃退します。霊夢さん。」




犬城「というわけで第10話でした!」

摩耶「…あー、なんであたしがここにいるんだ?」

犬城「お衣が胃痛で休暇を取りました。」

摩耶「おいおい…。」

犬城「とりあえず最初に、遅れてすいませんでした。」

摩耶「ま、それはしゃーないだろ。1日1話はきついし。」

犬城「うい。次にー次回予告ー。」

摩耶「えーっと、『博麗霊夢vs五霊白!そして現れる『F』の正体は!?』…適当だなおい!」

犬城「それが私だ。」

摩耶「にしてもFねぇ…。A-10が出たしF-22とかか?」

犬城「…ハハッ」

摩耶「そりゃ『M』だ。」

犬城「あ、そうそう。お衣がどっか行っちゃったので、これからは前書き後書きは艦娘で適当に回していこうとおもう。」

摩耶「つっても大抵うちの主力艦だろうけどな。」

犬城「まあ、そうなるな。」

摩耶「ほれ、解説行くぞ。」

犬城「メモリ生成については今度で。ネタ解説ー!」

摩耶「『ゆっくりしていってね!』、解説するまでもないな!」

犬城「『ブゥゥゥゥゥゥン ガガガガガガガガガガ』、A-10のアヴェンジャーの発砲音→着弾音。ニコニコとかで聞くとわかるが、地上からだと着弾音の後に発砲音がくる。発砲音が聞こえたら生きている。聞こえなかったら…お察しください。」

摩耶「『他所のF-16』、たぶんPJ。またやられ役か。普通にエースなのに…。」

犬城「『これで来年の予算はゼロだな……来年があれば、だが。』、映画『ゴジラvsデストロイア』にて、スーパーX3の全冷凍兵器積載完了報告を受けた黒木特佐が呟いた言葉。」

摩耶「多少はあったな。次はメモリ解説だ!」

犬城「『A-10』メモリ、A-10の艤装を装備する。」

摩耶「他のは使われたらな!使われるかはわからないが。」

犬城「はい、お疲れさまでした。」

摩耶「ああ。つかれた!」

犬城「それでは、犬走山城先生の次回作にご期待ください。」

摩耶「いや終わってねえよ!ではまた次回!さよなら!」

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