「白さん…、どうなんですか?」
そう彼女は聞いてくる。
俺は、彼女を愛している。だが、良いのだろうか。彼女は不幸になるのではないか。
「いいのか?その選択は阿求、お前を不幸にするかもしれないんだぞ?」
「不幸?不幸なものですか!貴方と一緒に居られるのなら、不幸な訳がないでしょう!私にとっては貴方に会えなくなることのほうがもっと不幸です!」
「本当に、俺で良いのか?」
「ええ、勿論です!貴方と一緒なら!」
「そう、か。」
「…。」
「阿求。俺は、君のことが好きだ。君のことを愛している。俺と、一緒に生きてくれないだろうか。」
「…ええ!ご一緒します!」
「阿求…。」
「白さん…。」
「…あー、良い雰囲気のところ悪いのだが、流石に血まみれの状態でそれをやるな。そしてこれどうするんだ?」
「そりゃあもちろん、誠心誠意しっかりと隅から隅まで説明します。ね。」
「ああ。」
「あー、うん。そうか。わかった!んじゃ、私も協力しよう。風見幽香にも手伝ってもらおう。」
「ええ。さあ!明日から頑張りますよー!」
「おー。」
こうして、二人での生活が始まったのだった。
あの騒動から1週間が経った。
説明は大変だったが、風見のおかげでなんとかわかってもらうことができた。風見の証言があったからなんとか乗り切れた感じはあったが、まあ良いのだ。大妖怪のちからってすげー。
んで、俺はいま新郎として阿求と同じ部屋にいる。そう、いまは俗に言う初夜ってやつだ。プロポーズから一週間で結婚ってすごいな。うん。
どうも、阿礼乙女は寿命が短いので、結婚とかも決まったらすぐにやってしまうそうだ。それでも一週間ははやい。
ただ、葬式だけは長々と大々的にやるそうだが。
そして、初夜っつーとやることはひとつだ。まあ、そういうことだ。
「あの…貴方?まだですか?」
「ああ。わかった。」
阿求に引かれて、俺は布団へ入る。
今日は長い夜になりそうだ。
騒動から一年後
二人、いや三人は三人の部屋にいた。
いや、正しくは"ある"。
阿求と白は向かい合って座り、笑いあっている。
阿求はその体の中に子を抱えて。
二人の姿は本当に幸せな夫婦を思い浮かべさせる。
だが、三人は動かない。まるで彫刻のように、色は抜け灰色になって。
二人の顔は幸せそうであり、事実二人は幸福だったのだろう。
いや、これも幸せなのだろう。
いつまでも、いつまでも三人で一緒に居られるのだから。
三人の時間は、止まった。
エンディング:A 『止まってしまった三人』
犬城「阿求ルートエンディング 『止まってしまった三人』でした。」
お衣「なにこれ。うん、なにこれ。急展開過ぎるでしょ!」
犬城「まあ、そうなるな。」
お衣「説明求む。」
犬城「断る。」
お衣「えぇ…。」
犬城「まあ、ご想像に以下略です。」
お衣「あっそう。ま、これは本編とは関係ないのでしょう?」
犬城「ああ。ただ、本編が進んでいったら分かることもあるかもな。」
お衣「ならまあいいわ。では、また次回!」