緋弾のアリア 〜Side Shuya〜   作:希望光

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どうも、毎日暑いですね。
さて今回は、いよいよ試合開始です。
前の部分の方が文章多いかもしれませんが、ご容赦下さい。


第01弾 〜Starting of battle(試合開始)

 気がつくと周りには何人かの生徒が集まって来ていた。

 その中のうちの一人に自然と目がいく。

 

 俺の視線の先にいるのは強襲科(アサルト)所属のEランク武偵であり、神崎の戦妹(アミカ)の間宮あかりである。おそらく呼ばれてきたのであろう。

 

 ていうか、なんでこんなに見物客がいるの?? 

 そう思いながら、うっかり聞くのを忘れていたことを聞いてみる。

 

「ところで訓練施設(ここ)の使用許可もらってるのか?」

「それなら安心していいわ。昨日のうちに蘭豹先生にも許可もらってるし———」

 

 今納得した。この見物客たちについて。蘭豹(あの教師)が広めたせいだ!! ていうかこの戦い昨日から企ててたのかよ!? 

 ぶつけようのない怒りを抑えながら俺は努めて冷静に振る舞う。俺の顔にその表情が現れていたのか、彼女は少しまってくれた。

 ある程度落ち着いたところで、

 

「さて、始めますか」

 

 俺がそう言うと彼女は、

 

「あかり! 試合開始の宣言よろしく!」

「はい!!」

 

 間宮が元気のいい大きな声で返事した後、

 

「レディー……ファイト!!」

 

 と叫び決闘が始まった。

 開始の宣言と同時に彼女は両手のガバメントの装弾を行った。

 

「お先にどうぞ」

 

 ポケットに手を入れた体勢でそう言う。

 

「何よ、怖気付いた訳?」

「いいや———レディーファーストだ」

「そう。なら遠慮なく行かせて貰うわ!」

 

 その言葉を発すると同時に左右のクロスした手に持ったガバメントから一気に.45ACP弾を放ってくる。

 俺はすかさず右前方に前転の容量で回転しながら避ける。なんて、正確な射撃なんだ。胸をしっかりと捉えるコースで撃ってきた。

 

 しかし、今の射撃コースは想定内。開幕攻撃の仕方をいくつか頭に浮かべてをいたのが正解だったみたいだ。

 体勢を立て直した俺はホルスターから、自ら改造を施した黒のデザートイーグルを取り出す。

 

 デザートイーグルは世界最強の自動式拳銃(オートマチック)と言われていて、.50AE弾という高威力の弾を使用することができる。

 だが、威力が高いのと引き換えに発砲した際の反動は凄まじく、狙いを定めて撃つには両手持ちが無難である。

 

 俺は右手に持ったDE(デザートイーグル)を左手で抑えるように構え、右方向へ跳びながら神崎目掛けて発砲した。

 彼女はそれを飛んで回避し、回避した方向から回り込むように走りこんで来る。

 

 それを迎え撃つために銃を向けるとすでに発砲していた。

 しまった……! 銃を撃った瞬間は全くといいほど分からなかった。

 反応が遅れた俺は、ギリギリのところで胸に向かって飛んできた銃弾を右肩の位置に当たるように避けた。ズッシリと重たく鈍い痛みが右肩を襲う。

 

「クッ……!」

 

 銃弾の痛みで軽く体勢を崩した。

 そんな俺を見て彼女は銃を弄びながらこう言った。

 

「変ね……。あんたはまだ本気を出して無いみたいね。早くあんたの本気を見せてちょうだい!」

 

 そう言い終わると同時に、彼女は銃を構え直した。

 

「これでも……本気出してんだよ……()()状態のだが……」

 

 俺は嫌なんだ……本気を出すのが。()()()()()()()()()()のが……! 

 だから決めたんだ。2度と、2度と()()には頼らないって。

 歯を食いしばって痛みをこらえながら立ち上がり、DEを低反動モードに切り替えた俺はホルスターから別のDEを取り出しこちらも低反動モードに切り替えた。もちろん色は黒。二挺拳銃である。

 

「そうこなくっちゃ!」

 

 俺が二挺拳銃にしたことで、彼女は俺が本気を出したと勘違いしたらしい。物凄く嬉しそうな顔をしている。

 両手に持ったDEを3点バーストに切り替え、込めた弾を一気に発射した。.50AE弾による牽制を兼ねた攻撃だ。

 

「狙いが甘いわ。そんな狙いじゃ当たらないわよ」

 

 彼女は、弾幕をものともせずに避けた。

 そして速行で弾倉(マガジン)を入れ替えるとこちらと同じく3点バーストに切り替えたガバメントで.45ACP弾をかましてきた。

 

「そこ!」

 

 彼女が叫びながら弾を放ってくる。俺は寸前の所でそれを避ける。

 

「クッ!」

 

 そして、向かってくる弾の数々を躱しつつ相手の懐へと飛び込みそこから、近接拳銃戦(アル=カタ)での勝負に移行する。

 近接拳銃戦とは、その名の通り拳銃を使った近接戦闘である。

 

 常に防弾服を着ている武偵同士の近接戦では、拳銃弾は一撃必殺の刺突武器になりえない。つまり、()()()()として扱うのだ。武偵同士の行う近接拳銃戦は、射撃線を避け、躱し、あるいは相手の腕を自ら弾いての戦いである。

 

「これで!」

 

 隙を見つけた俺は神崎に撃ち込む。

 

「遅い!!」

 

 俺と彼女の手が交差するその瞬間に、俺の手を流して射線を変更されてしまい攻撃が当たらなかった。

 

「今度はこっちの番よ!」

 

 瞬時に攻守を入れ替えた神崎が襲い掛かってくる。

 

「……ッ!!」

 

 今度は神崎の攻撃を俺がギリギリのところで逸らす。

 ここからお互いに一歩も引かない攻防戦が始まった。

 撃たれそうになっては流し、撃ち損ねては応戦し、の繰り返しである。

 だが、これもそう長くは続かない筈……。何故なら、明らかに俺の方が劣っているからである。

 

「……ッ!?」

「……弾切れッ!!」

 

 いつまで持つのかを考えて居た矢先、お互いの銃が同時に弾切れを起こした。

 弾が切れた瞬間間合いを開けようとした俺に対して彼女はこちらへ向かってきた。

 

「逃さない!!」

 

 そのまま素手の殺傷圏内(インレンジ)に入ってきた。

 

「?!」

 

 そして俺を掴んだ。こいつ徒手格闘(バリツ)もできるのか! しかもうまい! 

 そして俺のことを投げ飛ばした。とっさの判断で受け身をとったが、やはり遅かったようだ。

 

 俺は背中を強打して動けなくなった。同時に両手のDEも落としてしまった。

 まさに、絶体絶命の状態である。

 そして彼女はとどめを刺す為に背中から二本の小太刀を抜いた。

 

「見込み違いだったかしら……。まぁ、悪く思わないでね。約束は———守ってもらうわよ!!」

 

 そう言った彼女は、凄まじい勢いで右手の小太刀を振り下ろして来た。

 瞬間的に俺は脳裏にあることが浮かんだ———

 

 

 

 

 

 ———俺はここで死ぬのか?




次の話を書くのにまた時間がかかりそうです。はい。
まあ、頑張って書いていきたいと思います。
決着がつくのはもう二、三話後だと思います。
さて、次回シュウヤの運命は⁉︎

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