巨大生物の出現から数日、レンジャー1-2は休む間もなく出動していた。
巨大生物の出現域は日本全域。いや、世界中に広がっていたが、EDFの連日の応戦により確実に数を減らしていた。そして今日、EDF総司令部は巨大生物殲滅作戦【Operation:Invader Annihilate】を発令。EDFは各国の防衛組織と連携し、殲滅作戦を展開していた。
葉山「逃がすな!」
隊員「1匹残らず始末するんだ!」
戦術士官《エリアJ-12の住宅地に巨大生物が確認されました。現地の部隊はそのまま進軍。その先に展開中の自衛隊中央即応集団特殊作戦群の部隊と合流して下さい》
田中司令《現地の部隊に告ぐ。巨大生物の生き残りが確認された。発見次第倒せ。敵は僅かな生き残りに過ぎない。怯むなよ!》
葉山《了解!》
葉山「前進するぞ!」
結城&隊員達「「「Yes,sir!」」」
数ブロック進むと、自衛隊中央即応集団特殊作戦群の小隊規模の部隊と合流し、並走して前進し始めた。
進む足を止めぬまま自己紹介を済ませる。
真田「自衛隊中央即応集団特殊作戦群第1中隊長の
葉山「宜しくお願いします。連合地球軍レンジャー1傘下レンジャー1-2隊長の葉山です」
真田「宜しくお願いします。葉山隊長。...少しお待ちを。......!?(部下に向かって)おい、たった今、待機から出動命令に変わった。行くぞ!1班と2班は左右に展開。3班は付いてこい!」
真田指揮下の部下達(以降隊員(自))「「「了解!」」」
その言葉の後、30名ほどの塊が10人ずつ、3班に分かれ大通りの交差点から進軍していく。
隊員(自)「くそぉ!いよいよの防衛出動の相手が巨大な昆虫だと!?ふざけるな!」
真田「自衛隊法などの余計な政治的判断に迫られることは無い!各員、躊躇はいらん!私の合図で射撃開始だ!」
隊員(自)達「「「了解!」」」
少し歩くとやがて巨大生物の大群が姿を現した。
隊員(自)《こちら2班。配置についた、送れ》
隊員(自)《同じく3班、配置についた、送れ》
真田《了解した。全班、攻撃開始!》
葉山「俺達も突撃する!続けー!」
結城&隊員達「「「Yes,sir!うおおぉぉぉぉぉぉ!」」」
都市から離れ、のどかで静かな住宅地が戦場と化し、巨大生物の肉片
や体液、空薬莢が地面で跳ね飛散する。
10分程度で殲滅が完了した。
そして、また少し先に巨大生物が出現する。地面からではなく、山岳方面から移動してきたようだ。
真田「巨大生物を発見!戦闘開始!」
そうこうしている間にも、無線で仲間の戦況が伺える。
隊員《こちらレンジャー9-5!巨大生物と交戦中!苦戦しています!ウイングダイバーの援護を要請します!》
田中司令《こちら本部、ウイングダイバーは現地へ向かっている。それまで巨大生物を食い止めろ!》
隊員《ウイングダイバーは巨大生物の天敵!到着すれば、巨大生物もおしまいだ!》
隊員《巨大生物は飛べない!一網打尽だ!》
隣では真田3等陸佐が、
「EDFに続け!我々も行くぞ!」
隊員(自)「「「前進ーっ!」」」
同じく10分程で、最後の個体の生命反応が消えた。
葉山「本部、応答願います。付近の巨大生物を殲滅しました」
田中司令《了解した。...なんだと!?レンジャー1-2、戦闘態勢維持!巨大生物の大群がそちらに向かっているぞ!ウイングダイバー3-6をそちらに向かわせる》
葉山《......了解》
真田「どうされました?」
葉山「巨大生物の大群がこちらへ侵攻中のようです。我々でそれを迎え撃てとの命令です」
真田「そんな...援軍は?」
葉山「こちらの精鋭部隊が一分隊向かっているそうですが、恐らく、巨大生物が到達する頃にはこちらは混戦になっています」
すると、無線越しに、
ウイングダイバー3-6隊長《こちら、ウイングダイバー3-6、敵と遭遇しました!かなりの数です。部隊を下げつつ迎撃!レンジャー1-2の元に急行します》
葉山「こりゃこちらが全滅する頃になるかもな...」
真田「そんなことにはなりませんよ。とにかく、我々だけで迎え撃てるように準備しましょう」
数分後...
隊員(自)「巨大生物を補足!市民に襲いかかっています!」
市民の中には、記者などが多く見られた。
真田「自衛隊の防衛出動は過去1度(前大戦)と今回。しかも今回はEDFだけではなく自衛隊も市街地戦に投入されてる。しかも相手が相手だ。マスコミが騒ぐのも無理はないが、気の毒だな.....」
真田「1班、支援に回れ!傘型隊形!交互躍進!GOGO!!」
隊員(自)&レンジャーチーム「「「うおぉぉぉぉぉぉ!」」」
彼の部隊と葉山達は一体となり、巨大生物への突撃を敢行した。
インカムからふとオハラ博士の声が聞こえる。
《これほどの数が生き残っているとは...巨大生物の生命力は我々の想像を超えている!地下で進化を続けているとすると、手に負えない事態になりかねない。調査が必要だ...》
結城は地底の奴らの穴に進軍する事になるのではと内心思っていたが、心の中に留めることにした。
隊員《ウイングダイバーは何故来ない!もう限界だ!はっ!弾切れだ!誰か弾を!》
隊員《こちらレンジャー8-2!ウイングダイバーの力が必要です!来るぞ!迎え撃て!援軍を要請します!》
田中司令《ウイングダイバーは、現在そちらへ向かっている》
隊員「殲滅!」
隊員(自)「クリア!」
真田「次のポイントに向かう!付いてこい!」
隊員(自)&レンジャー1-2「「「おおぉぉぉぉぉぉ!」」」
隊員《こちらレンジャー1-4、巨大生物の抵抗を受けている!もっと人手が欲しい!援軍を!》
真田《こちら真田。何ですって!?神奈川、埼玉に展開していた東部方面隊第1師団が壊滅!?蜘蛛型だと!?》
くそっ...どこもかしこも壊滅状態かよっ...!?
.....と結城が嘆いていると、無線でも聞こえたが直にその空間に響く声があった。
ウイングダイバー隊長(以降隊長)《こちら、ウイングダイバー。現地に到着しました》
田中司令《ウイングダイバー、巨大生物を殲滅しろ!》
隊長《了解!ハンティングの時間だ!獲物はどこにいる!》
ウイングダイバーが到着したようだ。高架線の向こうから飛行ユニットを使い建物の屋上を飛んでいる。
隊員「見ろ!ウイングダイバーだ!」
レンジャー1-2の1人が叫ぶ。
隊員「ウイングダイバーが来たぞ!」
隊員「勝利の女神の到着だ!」(回りの隊員が少し引いた)
「巨大生物は空を飛べない!一方的な戦いになるぞ!」
結城も叫ぶ。
隊長(W)「極限まで軽量化した我々は防御に劣る。アーマースーツを着用せず戦場にいるんだ。敵の攻撃には注意しろ!」
ウイングダイバーの到着で隊員達の士気も高くなる。
田中司令《ウイングダイバーが戦闘中だ。レンジャーチーム、今がチャンスだ。全ての巨大生物を殲滅するぞ!》
葉山「ウイングダイバーの支援に向かう!行くぞ!」
結城&隊員達「「「Yes,sir!」」」
真田&隊員(自)「「「了解!」」」
田中司令《ウイングダイバーが次々と巨大生物を撃破している。この戦い、勝てるぞ!》
優雅に舞い、光る弾道を描く武器を巨大生物に振るう。その光景を真田3等陸佐達は行進しながらも驚嘆していた。
隊員(自)「あれが、ウイングダイバー...」
真田「連合地球軍...EDFか...」
そうして間もなく、付近の巨大生物は一匹も残すことなく絶命した。
今回の戦闘では、軽傷者のみで幸い死者は出なかった。
今回の巨大生物再出現という騒動により、各国の防衛組織、そして連合地球軍は、無視出来ない被害を被った。
日本陸上自衛隊戦力・・・・・20%減少
連合地球軍日本支部属歩兵部隊戦力・・・・・10%減少
同日、首相官邸付近で起きた巨大生物襲撃により現政権は崩壊。