地球防衛軍 〜地球の守護戦士達〜   作:きぬたにすけ

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遂に先日EDF5の発売日が発表されましたね!
ですが、まだまだこちらは続けていきたいと思っています。

というか、PS4持ってないのですが......



11話 対空戦

田中司令《こちら作戦司令本部。敵マザーシップが市街地上空に展開している。そして、マザーシップの周囲には数機の飛行ドローンも確認されている。このまま放置するわけにはいかん。敵は半永久的に人間を襲い続ける一種の殺戮マシーン部隊だ。これより作戦を開始する》

沢見戦術士官《なお、現地には多数の逃げ遅れた市民や警官隊、自衛隊も出動要請がかかった模様です。彼らと協力して避難の時間を稼いでください》

八木《了解》

レンジャー6-2隊長《了解した》

レンジャー6-4隊長《了解!!》

ストームチーム2名とレンジャー2分隊を乗せた車両群が基地から出発した。

 

 

【市街地、自衛隊】

 

隊員A(自)「こっちです!皆さん、落ち着いて避難を!」

山崎(自)「.....今のところはアクションなしか....」

隊員B(自)「山崎(やまざき)分隊長、EDFの部隊から通信、こちらに向かってるとのことです」

山崎(自)「そうか。EDFが到着したら、我々は避難民誘導に回れと?」

隊員B(自)「いえ、協力して敵を殲滅すると」

斑目(自)「分隊長!何故EDFの到着を待たねばならないのですか」

山崎(自)「なに?」

斑目(自)「我々だけでも敵を殲滅できる力はあります。何故EDFの到着を.......屈辱です。何故日本を護る力を持つ我々が下に見られるような作戦なんですか!?」

山崎(自)「斑目(まだらめ)、口を慎め。我々は確かに日本を護る防衛組織という肩書きがある。だが、殉職者をだすなら話は別だ。8年前、自衛隊は再起不能になるまでにフォーリナーとの戦いに大敗を期した。残念ながら、我々にはフォーリナーを圧倒する火力は持っていない。だが、今の我々に必要なのは国よりこの地域の市民を護ることだ。自衛隊も護る力が与えられた立派な防衛組織。決して下に見られてはない。我々は今この場に必要な戦力だ。分かったか」

斑目(自)「......はい!」

山崎(自)「それでいい。それに、今の我々にはこいつがある。EDFより戦果を挙げるぞ!」

と言いながら87式自走高射機関砲を撫でる。

隊員(自)「「「はい!」」」

山崎(自)「ん?おお、到着したみたいだな」

山崎の言葉につられてEDF都市迷彩仕様のグレイプが自分達がいる公園の入口と反対側の入口に止まるのを見た。

中から一般に空爆誘導兵と言われている装備の人が降りてきた。その人が耳の辺りをヘルメットの上から押さえつける動作をすると、こちらの無線機から声が発された。

 

 

【EDF部隊、市街地到着】

 

八木《こちらアタッカー。作戦エリアに到着》

レンジャー6-2隊長《スナイパー、射撃準備よし》

レンジャー6-4隊長《ランチャー、射撃用意よし》

 

それぞれの部隊が武装装甲車両グレイプから降り立つ。

空は暗雲に呑まれていた。

ストームリーダー「翔一(しょういち)、指揮を頼む。俺は指揮に従う方が戦いやすい」

翔一「は....はい!」

翔一と呼ばれた男性は、対空インパルスを手に持ち、パワーポストを武装装甲車両グレイプから下ろし始めた。

腕時計型のレーダーに手を伸ばし、横に付いたボタンを押す。すると、青い背景はそのままに、レーダーが電子時計と変わる。現時刻は12:40だ。

翔一「作戦開始は13:00。それまでに自衛隊との合流を済ませる」

 

 

【EDF部隊】

 

翔一《こちらアタッカー、現地に到着した》

山崎(自)《了解した。合流地点はindex plaza向かいの公園入口とのことだ》

 

翔一「ここですね」

翔一が振り返ると、ストームリーダーが無言で頷いた。

ストームチームの隊長である彼は隊員として配属された俺達とも容易に会話をせず頷き返すだけだ。なので、指揮下の部隊への伝達は俺含めた他の隊員が担っている。隊員として、1人の人間として彼の事が気になるのだが、ストームチームの他の面々は特に気にしていないようで、自分も詮索はしないことにした。

レンジャー6-2隊員「翔一、どうした?」

そんなことを考えながらY10対空インパルス(Lv.13)をいじる俺に、入隊が一緒で同期でありレンジャー6-2の隊員である友人が声をかけてきた。

翔一「いや、なんでもない」

心配の問いに答え、指示を待つレンジャー部隊の隊長2名に向き直る。

翔一「自衛隊との合流地点が我々の現在地に決定しました」

翔一「自衛隊がこちらに到着するまで、各自準備をお願いします」

6-2隊長「了解」

6-4隊長「ああ、分かった」

後方のindex plaza(コンビニ)のトイレで用を足す者、スティングレイランチャーの点検を行う者、まだ店員が残っていたindex plazaでコンビニ弁当や〇ロリーメイトを購入しお腹に入れる者様々だ。

 

 

【10分後 合流】

 

12:54頃微小の揺れを起こしながら走行音を鳴らす自衛隊の部隊が到着した。

敬礼を交わすと、すぐに作戦の説明に入る。

作戦はまだ作戦エリア内に残された市民を救出、一度現在地に集め一塊にさせ迅速に避難させるというものだ。マザーシップへの攻撃は許可されず、周囲を飛ぶ飛行ドローンにのみ攻撃が許可された。

1人ため息をつく隊員が居たので目を向けると不格好な気を付けをした。

その後すぐに視線を山崎と名乗る隊長に戻し計画の算段を済ませる。

翔一「彼は体調が優れないのでしょうか」

山崎(自)「まあそれもあるでしょうが、日本に2つも巨大な防衛組織がいるという事実が気に入らないようです。まあ斑目はそこまで非協力的ではありません。素直になれないだけです。ですが、自衛隊にはこういった考えを持つ者が少なからずいるのですよ。手柄泥棒だとか、特に上層部では不必要思想を持つ者もいるそうです」

翔一「そうなんですか......我々もさらに尽力せねばなりませんね。」

翔一は裏のない意気込んだ声で応えた。

山崎(自)「おっと、無駄話が過ぎましたね。13:00(ひとさんまるまる)になりました」

翔一「ですね。よし、みな、作戦開始だ!」

 

そう言うと、EDFはその場で簡易的な補給地点を作り、自衛隊はビルが並ぶ地区へと移動を開始した。

山崎(自)「どうだった?」

96式装輪装甲車に揺られながら山崎は斑目に問いかけた。

斑目(自)「そう......ですね、実際にこう現場で会うと、彼らも我々と同じ目的を持っていて、同じ国を護る仲間。であることがよく分かりました」

本心から言っていることが容易に分かった。周りの隊員達も斑目をみて微笑んでいる。

 

数分後

山崎(自)《こちら山崎。民間人数名をトラックで輸送中。そして、数台を寄越すよう掛け合った。数分でそちらに着く》

翔一《了解。こちらにも既に50人あまりの民間人が集まっている》

 

少しして第一弾の自衛隊の3 1/2tトラック群が到着、続々と民間人を乗車させていく。

第一弾が去ったころ、新たに民間人が数名確保されてきた。

山崎に第二弾を寄越すよう頼むと、次の瞬間無線が入った。

 

沢見戦術士官《アタッカーに通達。重大な問題が発生しました。マザーシップがアクションをおこしました》

 

突然の事に空を見上げると、先程まで飛んでいた飛行ドローンが倍以上に増えていて、マザーシップが飛行ドローンの発進口を開いていた。飛行ドローン群はこちらめがけて降下してきていた。

 

田中司令《総員戦闘準備!フォーリナーの飛行ドローンが来るぞ!》

 

隊長はレンジャー2分隊を率い公園に逆三角形を作るように展開した。翔一はY10対空インパルスを設置し、すぐに後方の道路に止めていた武装装甲車両グレイプAP1に乗車する。

滑空砲の照準を合わせながら、常時点けているラジオから流れるニュースに耳を傾けていた。

 

アナウンサー《戦局報道です。降下したマザーシップは世界各地に分散。主要都市への同時攻撃を開始しました!また、現段階で敵輸送船は前回の確認した数を大きく上回っています。まさに厄災の再来でしょうか。さらに、今入った情報によりますとフォーリナーの飛行ドローンは現在東北地方での活動が確認された模様です。対象地域は仙台市、盛岡市、秋田市、新庄市、酒田市。対象地域及び周辺地域にお住まいの方は避難の準備を進めてください》

 

ついに戦争が始まる。地球外から来た敵との存亡をかけた駆け引きが。

飛行ドローンはEDFの展開する位置にも来たが、別の目標を見つけたかのようにビル群に入っていった。恐らく自衛隊だろうか。すると、バリバリと音が鳴り響き、ビルの隙間から自衛隊の87式自走高射機関砲から弾が上空に撃ち上げられる光景が目に映る。

スナイパーライフルの射撃音やスティングレイランチャーの重い1発1発の重低音も負けじと鳴り響く。

飛行ドローンが分散したおかげで味方に負傷者も無く駆逐しつつあると、また発進口が開き出した。

そこから、第二波となる飛行ドローン群が続々と姿を現した。

 

斑目(自)《飛行ドローンが来るぞ!》

 

1名の隊員がスティングレイランチャーを飛行ドローンの発進口に向けて撃つが、絶え間なく発進する飛行ドローンに遮られてしまった。

第二波も第一波と同じような量だったが、まだ第一波を殲滅し切れていない状況での増員は隊員達の疲労を誘うには充分であった。

1人また1人と飛行ドローンの攻撃の餌食となっていく。

隊員「くそ!トリガーに添える手が痛むぜ!」

6-2隊長「周りにも気を配れ!目の前だけに集中すれば奴らのいい的だぞ!」

隊員「ぐあっ!食らった!」

翔一「くそ!このレーザー、車体を貫通しやがる!」

グレイプの滑空砲での殲滅力が飛行ドローンの数に追いつかず車体へのダメージを許してしまう。

 

田中司令《ジェノサイド砲が来るぞ!退避しろ!》

 

翔一「なに!?」

グレイプに搭載されたカメラを見ると、今まさにジェノサイド砲台が禍々しい光を発していた。

 

 

【高架線、自衛隊】

 

山崎(自)「退避!退避ー!」

山崎達はより多くの市民をトラックに乗せるため移動を続けていた。だが、突如辺り一帯が赤く光り出した。

ビルや道路が赤に照らされる。何がくるのかは明白だ。

市民含め全員が身の危険を語った。

気が動転し、車内が騒がしくなる。

隊員(自)「この速度じゃ間に合わない!もっとスピードだせ!」

隊員(自)「これでも最良を尽くしてる!」

茶髪の男性「ちっ!こんなとこで死にたかなかったのによぉ!」

赤ん坊を抱く女性「ごめんね、ごめんね....」

隊員(自)「来るぞ!」

斑目(自)「くそ!くらえ!」

軽装甲機動車から身を乗り出した斑目は無駄な抵抗だと知りつつも01式軽対戦車誘導弾を構え発射した。

山崎達が真上を見上げると同時にとてつもない地響きと轟音と共に全身が焼けるような感覚に囚われ、山崎とその傘下の隊員達の意識はそこで途絶えた。

斑目の撃ったミサイルもジェノサイド砲台に届くことなく山崎達と同じ運命を辿った。

 

 

【EDF部隊】

 

翔一はジェノサイド砲が街を更地に変える瞬間、中型のビルを越してジェノサイド砲台へ向かわんとする1発のミサイルが途中で爆散したのを確認した。自衛隊へ何度も呼び掛けるが、案の定返事はなかった。

そして、更に最悪な事態が翔一達を襲ったのだった。

マザーシップの飛行ドローン発進口がまた開いたのだ。

第三波となる群勢が発進し始める。

隊員「敵です!」

隊員「まだ出てきやがるのか!」

6-4隊長「なんてことだ、キリがないぞ......」

 

既に隊員達の士気にも限界が生じていた。

隊員「ぐあああああ!」

 

隊員《くそ!レンジャー6-2が全滅した!》

 

翔一「エンジンがイカレやがった!」

翔一はグレイプを乗り捨て、レンジャー6-2が装備していたスナイパーライフルを拾い上げる。先程まで乗っていたグレイプは爆散し、後方からの熱風と轟音でアタッカー達は体勢を崩してしまう。耳に「キーン」という音が鳴り、膝をつく隊員が既に空が見えないほどに膨れ上がった大群の飛行ドローンの集中砲火を浴びる。

 

そんな中、小型のミサイルが3発、また時間が空いて3発と飛んでくる。隊長がME3エメロードを構えていた。

さらに近接近した個体の攻撃を前転で回避しすかさずショットガンを撃ち込むと飛行ドローンの機体がひしゃげ、飛行力を失い地面に墜ちる。そんな身のこなしに小さい感動を感じていると、予想もしない声が翔一に掛けられた。

隊長「翔一!パワーポストだ!」

翔一「!?......はい!」

言われた通りにパワーポストを道路の真ん中に置く。

すると、赤い光の帯が伸び隊員達の武器に繋がった。

帯に手を肘(ひじ)まで入れてみると手を避けるように二手に分かれ、すぐに合流する。入れた方の腕を見てみると戦闘着のひじの部分に綺麗に赤い直線が入っていて、湿っているのかその直線が横にじわじわと広がり始めた。

 

スティングレイランチャーとショットガン、スナイパーライフルの体に赤い水滴の様なものがつき始め、次第に全体をコーティングしていった。スティングレイランチャーの弾頭も赤くコーティングされていたのを確認し、試しにスナイパーライフルのボルトを操作、弾を1発排出させる。スナイパーライフルの弾も赤くコーティングされ、手に持つと弾丸から拭き取られた赤い液体が指に付着していた。

 

ほんとにコーティングしてあるだけのようだ。

 

なのだが、試しに飛行ドローンに向けて撃つ。すると、1発で飛行ドローンは光を失い地に墜ちた。

6-4隊長「これなら!よし!撃って撃って撃ちまくれ!」

隊員「「「おおぉぉぉぉ!」」」

隊員「撃破!」

隊員「いける!いけるぞ!」

隊員「敵を撃破!」

少しだが隊員達の士気も上がった。

翔一「扱ったことはないが、高倍率スコープの付いてないリムペットスナイプガンに比べれば狙撃しやすいぜ!」

たちまち空を埋め尽くしていたはずの飛行ドローンの壁に穴が空き光芒が隊員達を照らしだす。

 

だが、マザーシップが再度発進口を開いた。またそこから第4波が現れる。今度はこれまでの2倍ほどの数だ。

6-4 隊長「くそっ!まだきやがるのか!」

隊員「まだ足りないのかよ!」

隊員「レーダーを確認、敵およそ80機!」

隊員「駄目です!あんな数持ちこたえられません!」

発進した飛行ドローンは一斉に隊員達に向かってレーザーを撃ってきた

隊員「うわあああーっ!数が多過ぎる!」

 

既に集まらせていた民間人は皮膚を焼かれ、中には服が焼け落ちている死体もあった。

遂にこれまでかと隊員達は武器を持つ手を下ろす。

そんな時だった。

 

田中司令《ネグリング自走ロケット砲を投入する。ネグリング自走ロケット砲の到着まで持ちこたえろ!全滅は許さん!》

 

本部からの増援の通達だ。この言葉が流れた瞬間、静かにトリガーに掛ける指に力を込めた。

隊員「増援が来るぞ!」

隊員「くそが!生き残ってやる!」

6-4隊長「ああ!増援の到着まで耐えぬくんだ!」

翔一「ここからが我々のターンです!皆気を引き締めましょう!」

全員「「「了解!」」」

 

それからの行動は早かった。すかさず翔一が無線を通して案を出し、ビル街を目指す。既に周りに人はおらず、EDF部隊にのみターゲットが向いていた。一斉に向かってくる飛行ドローンは数が多すぎて密集し過ぎているのかぶつかり合い金属がかすれる音や機体を地面に強く叩きつける機体が交差する中、レンジャー6-4はスティングレイランチャーは自爆の危険もあるためとサブで持ってきていたAF-15SMGに持ち替え走りながら牽制する。

軽傷者が2名でたが移動するのに支障はないと言うのでそのまま牽制を挟みながらビルへビルへと移動する。

幸いレーザーは建物を貫通出来ないらしく、飛行ドローン群はビルの合間に隠れた敵に手も足も出せず撃墜されていく。

隊員「もはや一方的だぜ!」

隊員「仲間の分だ、くらえ!」

 

一方的に飛行ドローンを倒せる様になり数分後、レーダーを確認すると全てを埋めつくし蠢いていた赤い点がまばらになっていた。

そして走行音が遠くから聞こえるようになったかと思うと生きていると実感のできる声が無線から聴こえた。

 

搭乗員《こちらアンブッシュリーダー!敵を確認した!》

戦術士官《ネグリング自走ロケット砲、配置につきました》

田中司令《よし!歩兵部隊を援護しろ!》

田中司令《応答しろ。アタッカー、生きてるか!》

翔一《生きてます!現在ビルを利用し戦闘を続行しています!》

田中司令《了解した。よく耐えたな......》

 

数秒後、ミサイルの射出音が連続し、レーダーからたちまち赤い点が消失していった。そして、最後の点が消失した。

ネグリング自走ロケット砲と共に到着していた96式装輪装甲車から医療班が降り、レンジャー6-4の隊員達の元へと急ぐ。

その後また少し経って到着したCH-47 チヌークに乗り込み地獄を生き残った者達は本部へ帰還した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




より位置が掴めやすくなるようにとマップを対戦モードで歩き回りました。ちなみに自分はsteam版EDF4.1でプレイしてます。

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