地球防衛軍 〜地球の守護戦士達〜   作:きぬたにすけ

14 / 44
07話 凶蟲噴出

レンジャー7小隊長「レンジャー7-3、右に展開しろ!レンジャー7-5は直進して、巨大生物を双方向から叩け!」

各隊長&隊員達「「「了解!」」」

レンジャー7-5隊長「小隊長、本部から通信です」

小隊長「了解した、繋げてくれ」

 

田中司令《レンジャー7に告ぐ。まず空軍が空爆を行う。巨大生物から離れるんだ!》

小隊長《了解!》

 

レンジャー7小隊長「下がれ!空爆が来るぞーっ!」

隊員「空爆!?友軍だ!空軍だぞ!」

レンジャー7-3隊長「一旦部隊を下げる!交差点前の大通りまで引くぞ!」

足止め程度に引き撃ちを行っていると、頭上を爆撃機が通過。

爆撃機は無誘導爆弾を1列に空中に残し去っていく。

無誘導爆弾が着弾し、周囲が爆炎に包まれ、蜘蛛型巨大生物の体が炎に焼かれ、爆弾の破片を体内に潜らせる。

先ほどまでレーダーを赤に染めていた赤丸の集合体は二つの半円に分かたれた。

ボマー4《空爆完了。地上部隊、生きてるか?》

そんな軽い口調で確認してくるパイロットに。

レンジャー7小隊長「もう少しで巻き込まれていたぞ、気をつけろ。支援感謝する」

感謝と笑いを交えて返す。

思わず笑みがこぼれ、周囲の隊員達も口元をにやつかせる。

レンジャー7中隊長「よし!作戦再開だ!空爆を逃れた敵を撃破するぞ!」

隊員達「「「Yes,sir!」」」

 

 

【レンジャー1-2作戦エリア到着】

 

結城「さて、行きますか」

と言ってAF14にマガジンを装填し、マガジンを下から叩く。

隊員「レーダーを見ろ!友軍だ!」

レーダー上に青い△が表示される。そしてレーダーを一直線に駆けた思うと正面の蜘蛛型巨大生物が密集していた所に巨大な爆発が起こる。

 

田中司令《よし!総員、攻撃再開。巨大生物を攻撃せよ!一体も残すな!》

 

葉山「この巨大生物も糸をはく。捕まるなよ!」

新人隊員達「「「りよ......了解!」」」

前回の犠牲を受け隊に隊員が配属されてくる。葉山の部隊に配属されてきたのは新人の隊員ばかりだった。SATでの訓練で好成績を残してきた実力はある隊員から一般入隊試験ののち配属された隊員、前大戦をシェルターで過ごし、巨大生物の恐ろしさを直接味わったことのないという隊員もいた。そんな隊員達に葉山は念を押して伝えた。

 

オハラ《この巨大生物は手強い。慎重に戦ってほしい!》

 

戦術士官《大型攻撃機ホエール、作戦エリア上空に到達》

ホエール《こちらホエール。作戦エリアに到着!》

田中司令《ホエール、上空を旋回して待て。エアレイダーが攻撃目標を指示する》

ホエール《ホエール、了解!》

 

結城「!?前方巨大生物多数!戦闘準備!」

一斉に隊員達は銃口を巨大生物の群れに向ける。

ギガンテスの搭乗員「ギガンテスが先導する!歩兵部隊は群がる巨大生物を倒してくれ!」

葉山「了解した。総員突撃!」

隊員達「「「おおぉぉぉぉ!」」」

逃げ遅れた市民の群に対して無数の糸を放ち、足の自由を奪い、転ばせて捕食する。葉山達は捕食に夢中になっている蜘蛛型巨大生物に銃弾を浴びせる。

そんな中、1匹の蜘蛛型巨大生物が吐いた糸がギガンテスを捉え、車体に絡まっていく。

搭乗員「はっ!?糸が車体に絡まった!操作が効かない!助けてくれ!うわあああ!」

ギガンテスが炎を周囲に撒き散らし爆散する。

新人の隊員が「ひぃ!?」と声を上げて狼狽える。

 

ホエール《こちらホエール、要請を受諾!巻き込まれるな!》

 

結城「なんだって!?」

 

ホエール《120ミリ砲、ファイア!》

 

葉山「まずい下がれー!後退だ!巻き込まれたくなかったら全速力で後ろに下がれ!」

その瞬間、全員が背を向けて走り出した。新人隊員の鈍い1人が糸に捕まり後ろに引っ張られて行く。耳を塞ぎたくなる悲鳴が頭に響き、その隊員は頭から蜘蛛型巨大生物の口の中に入っていった。

先程まで自分達がいた場所に蜘蛛型巨大生物が密集する。すると次の瞬間、空から閃光を放ちアスファルトの地面をズタズタにする砲弾が数発飛来した。そして蜘蛛型巨大生物の体もズタズタに引き裂き、紫色の鮮血が辺りに飛散した。

結城「すげぇ......」

隊員「なんて威力だ....蜘蛛型の群れを一網打尽にしやがったぞ.....」

隊員「......はっ!?空爆を逃れた敵がいるぞ!」

葉山「総員戦闘再開!蜘蛛型巨大生物を掃討しろ!」

隊員達「「「了解!」」」

もう数える程になった蜘蛛型巨大生物に対し、射撃を開始した。

 

ホエール《こちらホエール。現在作戦エリア上空を旋回中。地上の諸君、空に味方がいることを忘れないで欲しい!》

 

圧倒的な火力で蜘蛛型巨大生物の群れを完封してみせたそれに結城達はただただ魅入っていた。上空に小さく薄く見える群青色の機体。まるで要塞の様なそれは頭上を通過し別の戦いが起きているポイントへ向かったようだ。そして数ブロック先の蜘蛛型巨大生物の群れにまた撃つ。撃つ。その場で壊滅寸前まで追い込まれていた部隊は勢いを取り戻していった。

 

ホエール《ホエールより地上部隊。砲撃準備は出来ている。ホエールは空飛ぶ要塞。バルカン砲、ロケット砲、120ミリ砲、全てが揃っている。目標の指示を願う!》

 

隊員「隊長!レーダーに敵反応!すごい数です!」

葉山「よし!エアレイダーに繋げてくれ!」

 

エアレイダー《こちらストームチーム。砲兵隊に支援を要請した。もうすぐこちらへの火力支援が行われる》

田中司令《エアレイダー、続々とこのエリアに空軍が到着している。到着すれば、支援が受けられるぞ!》

戦術士官《大型輸送ヘリ・ヒドラの編隊を確認。輸送部隊ポーターズが到着したようです》

田中司令《来たか......!》

ポーターズ《こちらポーターズ9。最新鋭のビークルを輸送中。要請があれば、作戦エリアに投下します》

田中司令《よし。ポーターズ、上空で待機し支援要請を待て》

ポーターズ《了解》

田中司令《こちら本部。輸送部隊ポーターズが現地に到着した。要請があればビークルを投下可能だ》

 

1度深呼吸をするとマイクに向かって話す。

 

ストームチーム《こちらストームチーム。BM03ベガルタ ファイアーウォーリアの投下を要請します》

ポーターズ《了解。BM03ベガルタを輸送中です。投下地点の指示を願います》

 

発煙を投げ、合図を送ると、流石の操縦テクニックなのか発煙筒に被さるように投下され、巨大なコンテナが展開した。そして緑色に塗られた二足歩行のマシンがその姿を現した。

 

戦術士官《砲兵隊が到着しました》

田中司令《よし!》

砲兵《これより支援任務につきます。自走榴弾砲、ロケット砲、発射準備完了しています!》

田中司令《エアレイダーが目標を指示する。要請があり次第、発射しろ。敵を木っ端微塵にしてやれ》

砲兵《了解!》

砲兵《ストームチームより要請を受諾。榴弾砲、発射する!》

 

 

要請が受諾されたころ、結城達は補給を済ませていた。

 

ストームチーム《砲兵隊が砲撃を開始した。巨大生物の群れから離れるんだ》

葉山《!?...了解した》

 

葉山「部隊を下げる。砲撃範囲外に出るぞ」

隊員達「「「了解!」」」

レーダーを確認し、赤い丸の中から離脱する。

まもなく、自分達の向く方向からこちらへ目掛けて無数の砲弾が飛来した。弧を描いて飛来したそれは、蜘蛛型の群れの真ん中に着弾し、容赦なく蜘蛛型を木っ端微塵にした。

そして攻撃を再開したレンジャー1-2によって生き残った個体は倒された。

だが、こちらの戦力もすでに渡り合える数でなく、劣勢に追い込まれていた。

 

葉山《こちらレンジャー1-2!このままでは全滅です!援軍を!》

田中司令《了解した!すぐ近くにいたストームチームを向かわせる》

 

援軍の許可が降りた。しかもストームチームだ。

 

結城「隊長!避けて!」

 

葉山は蜘蛛型の糸をギリギリで交わすが、地面にうつ伏せになってしまった。前回同様死を覚悟した。だが、蜘蛛型巨大生物は突如発射された火炎により皮膚を焼かれ絶命した。日差しが眩しくよく見えなかったが、緑色の物体から火炎が持続的に発射される。

 

葉山「ストームチーム!援軍感謝する!」

正体は援軍のストームチームだった。ストームチームはここ8年で性能も外見も様変わりしたベガルタに搭乗しているようだった。

機体が旋回し、広範囲の蜘蛛型巨大生物を火炎で焼く。

火炎を浴びせ、怯ませる。怯ませ、焼けて柔らかくなった皮膚にAF-14の銃弾が殺到する。まもなく全滅した。

そして、レーダーに敵が写ってないことを確認すると、ベンチに座る者やその場に大の字になる者が現れた。

だが、その瞬間、レンジャー1-2の、否、全部隊の隊員達が耳を疑った。

 

オペレーター《これ見てください。情報が漏れてます》

戦術士官《これは......!》

戦術士官《例の情報がマスコミで発表されました》

田中司令《嗅ぎつけられたか......まあいい、いつかは知られることだ》

どこかの部隊の隊長《情報の開示を求めます、どうぞ》

田中司令《あー、コホン。先日、フォーリナーの船団が太陽系内で確認された。戦力は~~》

隊長《そんな......》

隊員《まじかよ......》

隊員《そんなことって!》

隊員《なんてことなの!?》

 

隊員「ウソ.....だろ.....?」

結城「くっ......」

結城の肩に葉山は手を置き肩を撫でた。

その日、世界は再度絶望に包まれていった。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。