レンジャー1-2はとある市街地のモノレールの高架の下に展開していた。周囲を見渡すと、先日確認された新型の巨大生物がネットを張り巡らせている。こちらには気づいていないようだ。
田中司令《ウイングダイバーチームの救援要請はその近辺だ。探せ!》
葉山《了解しました》
葉山「行くぞ!」
結城&隊員達「「「了解!」」」
隊員(w)「こちら、ウイングダイバー11、動けません!急いで救援を!」
田中司令《ウイングダイバーを救出しろ!》
里見「.....ウイングダイバーは巨大生物の天敵だ!だが、ウイングダイバーの天敵となる巨大生物が現れた!」
隊員(w)「来ないでぇ!きゃあぁぁぁぁぁぁ!」
AF-14に取り付けられたレーザーサイトがネットを捉える。
葉山「撃て!」
耳をつんざく銃声がネット諸共刈り取っていく。
結城「敵を撃破!」
結城は、今回はショットガンを持ってきていた。
拡散した弾丸は、1発も外れることなく巨大蜘蛛の腹部に殺到する。
腹部を内部から掻き回された巨大蜘蛛が悲鳴に似た咆哮を上げる。
隊員「ネットを破壊!」
葉山「よくやった!」
隊員(w)「ありがとうございます!以後、指揮下に入ります!」
その後も捕らわれた人々を助けて回る。
助けると、何度も感謝をしてくる者、何も言わず逃げていく者、恐怖を紛らすためか怒りに任せて「もっと早く助けて」と言い放ち去っていく者様々だった。
ざっとウイングダイバーを3人程助けた頃だろうか。
隊員《こちらレンジャー6-3!動けるのは私だけです!巨大生物と交戦中!やつらは巣を作って人間を.....ああ、ぐあっ!糸が.....糸が取れない!うあぁ!引きずられています!誰か手を貸してくれ!助けて!》
田中司令《作戦司令本部よりストームチーム。孤立しているチームがいる。救援に向かえ!》
結城「隊長、どうされますか。」
葉山「決まっている。ストームチームに合流し、我々も参加する!」
結城&隊員達「「「Yes,sir!」」」
葉山《こちらレンジャー1-2。我々もストームチームに合流します》
田中司令《了解した。幸運を祈る。仲間を救出しろ!》
葉山《了解!》
進軍を開始し、交差点に差し掛かるとストームチームと合流した。
葉山「これよりストームチームの指揮下に入ります」
葉山の言葉に、彼は頷く。
無口なのは気にせず、共に進軍を開始する。
オハラ《こちらオハラ、兵士諸君、新たに現れた巨大生物を、レタリウスと命名したい。レタリウスはネットで獲物を絡めとる。十分に注意してほしい》
田中司令《巣に捕えられた者を救出しろ!絶対に見捨てるな!》
展開中の隊員(全)《了解!》
レーダーを確認すると、周囲に赤い点が増えていた。
里見「巨大生物どもがいるぞ!」
葉山「足を止めるな!撃て!」
隊員(w)「巨大生物は我々に任せてください。ストームチームとレンジャーチームは救援に向かってください」
葉山「了解した。この場は任せる!死ぬなよ!」
ウイングダイバーと別れ、街で一番広い通りに出ると、案の定ネットが張り巡らされていた。
そこで強烈な恐怖感がこみ上げ、足を止める。
数十に及ぶ死体が吊るされ、ネットが血色に染まっている。末端からは血が滴っていた。臓物が飛び出ている死体まである。
数メートル先で多数の市民を庇うように、遮蔽物をうまく使い奮戦する隊員がいた。だが、遮蔽物に関係無く頭上から降り注ぐ太い糸に絡め取られ、遮蔽物から無理やり引きずり出されると、今度は360度からの酸攻撃を受け、泡を立て溶けてゆく。原型を留めない死体に変わった。
警官隊は既に巣に捕らわれた者も地上に残っていた者も絶命している。
吐き気を抑え、目の前に現れた巨大生物に咄嗟に気づく。
葉山「はっ!総員攻撃開始!捕らわれた者を救出しろ!」
隊員達「「「りょ...了解!」」」
結城「くそっ!はっ!糸が来るぞ!避けろぉーーー!」
隊員「わあぁ!捕まった!解いてくれ!」
隊員の抵抗も虚しく更に巻き付かせてしまった。
隊員《こちらレンジャー7-1。3名やられました!いえ.....3名はまだ、生きています!網に....捕らわれて.....わあっ!逃げろ!逃げろー!》
葉山「くそ!レンジャー7-1を救出しろ!」
隊員《8名やられました!逃げられたのは、私だけです.....》
田中司令《なんて化け物なんだ.......》
隊員A(7-1)「誰か助けてくれ!あぁ!救援が来たぞ!」
隊員B(7-1)「本当か!?ここだーっ!」
隊員C(7-1)「やばいぞ!やつがくる!」
葉山「今助ける!総員レタリウスを撃てー!」
結城「撃破!ネットの破壊を急ぎましょう!」
ネットを破壊すると、破壊前の粘着性はどこへやら。
隊員他市民から解けると空気が抜けたようにしぼんでいった。
レンジャー7-1の隊員達はウイングダイバーのような飛行能力を持たないため、地面に叩きつけられる。
隊員A(7-1)「いだっ!?くそう...尻が痛いぜ.......救援感謝します!以後レンジャー1-2の指揮に従います」
オハラ《新種まで生まれているとなると、やつらの進化速度は想像を絶している。このままでは、地球は巨大生物の星になる。一刻も早く巣を破壊しなければならない!》
戦術士官《東京地下に巣穴を確認》
オハラ《一刻を争う!地底の巣を破壊し、やつらの進化を止めなければならない!レタリウスが生まれたということは、いずれさらなる新種.....ウイングダイバー以上の飛行型巨大生物が誕生する危険すらある。地球を巨大生物の星にしてはいけない!絶対に.....》
やがて周囲の巨大生物を殲滅し、言葉の通り生きていたウイングダイバーと合流した。
葉山「生きていて良かった」
本心から微笑む葉山にウイングダイバーの隊長は顔を赤面させ、言った。
隊員(w)「あの....ウイングダイバー11の
葉山「いや、名乗るほどでは....レンジャー1傘下レンジャー1-2隊長の葉山智です」
隊員(w)「葉山さんですか.....貴方は命の恩人です。ありがとうございます!.....その...良かったら非番の時にお食事でもいかがですか.....?」
葉山「えっ.....その....分かりました。非番日を確認しておきます...」
結城「ヒューヒュー」
里見「隊長、見せつけてくれますね」
葉山「あ...あほ。そんなわけないだろう!」
少し震えた声で反論する。
隊員「やっとお相手を見つけられましたか(ボソッ」
葉山はその隊員にゲンコツを食らわせた。
隊員「いでっ!隊長勘弁してくださいよー」
だがさっきのセリフが頭から離れないのか、ウイングダイバー隊員は更に顔を赤面させ俯く。葉山も俯いた。
田中司令《総員帰還しろ!よくやった!》
数分後到着した車両部隊に乗り込み一同は帰路についた。