四凶の日常絵巻   作:ホネ星人

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六凶目

『四凶と日記』

 

 

ある日の昼間。キュウキはいつも通り掃除をしていた。ちなみに他のメンバー達は仕事に(トウコツのみ探しに)行っている。

 

「よし!トウテツの部屋終わり!次いくぞ!」

そう言ってキュウキはコントンの部屋に行く。

「失礼しまーす。……ホント前から疑問なんだけど、コントンに掃除させると地獄絵図なのに、なんで本人の部屋はこんなにキレイなんだろうか…。ん?なんだこれ?」

キュウキは机の上に置いてあるノートを見つける。

「何々…『コントンのにっき』?あいつ日記なんて、書いてたのか。………非常識かもしれないが、あのコントンがどんな日記を書いているのか気になる、少し見てみるか。どれ…」

 

○月1日

今日は皆に人間の姿になる方法を教えてもらった~!とっても不思議な気分!人間みたいに物をつかんだり、仰向けで寝ころがれたりできるなんて夢にも思わなかった~。そして今日一番嬉しかったのはキュウキ君にカワイイって言ってもらえた事~!これからはこの姿で皆で暮らすんだって~!

 

○月2日

今日、私たちの新しい家に人間がたくさん来た~!遊んでくれると思ったのに、皆で痛い事してくるからちょっとお返ししたら、皆死んじゃった~。でもキュウキ君もトウコツもトウテツも気にする事じゃないって~。次人間たちが来たら今度は仲良く遊べるかな?

 

○月3日

キュウキ君がひどい意地悪してきた~!嫌いなニンジン食べなきゃおやつ抜きなんて~!しかも残したらホントにおやつ抜きにしたし~!キュウキ君だって自分の嫌いなセロリ料理に使わないくせに~!

 

○月4日

今日、キュウキ君にひどい事言っちゃった…。本当の家族でもないのに偉そうにしないでよって言ったら、凄く怒ってそのままどっかに出かけてちゃった…。帰ってきたらちゃんと謝ろう…。

 

○月5日

キュウキ君まだ帰って来ない。さみしい…。

 

○月6日

キュウキ君がボロボロになって帰ってきた。人間が一人のキュウキ君にたくさんの数で襲いかかってきたんだって。人間ってひどい奴らだったんだね。

 

○月7日

今日はキュウキ君にひどい事した人間たちで遊んだ~!皆泣きながら走っていくから、追いかけて思いっきりタッチ~!それだけで面白いくらい簡単に壊れちゃう~!人間って面白いね~!

 

○月8日

キュウキ君にひどい事言ってゴメンねって、言った。そしたら反省したならもう良いよって言ってくれた。キュウキ君はなにがあっても私の大切な、家族だよ~!

でもセロリは食べれるようになった方が良いと思う~。

 

○月9日

今日h「キュウキ君ただいま~!私の部屋で何してるの~?」

「あ!コントン!やべっ!」

「なにが~?あ!それ私の日記~!勝手に読むなんてひどい~!」

「ゴメンゴメン!悪かった!許して!」

「む~!許さない~!こうしてやる~!」

「ギャー!痛い痛い!卍固めはやめてー!」

 

その日の夜

キュウキ君は一人、台所にいた。

「あいつ…………まだあの日の事………引きずってんのか…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「セロリ、食えるようになんねぇとな……ハハハ。」

 

 

六凶目 終


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