『四凶と尻尾九つ』
「んじゃ、行ってきまーす。」
キュウキは週に一度、市場の外れにある小さな居酒屋に
必ずいく。
そこの餃子がキュウキの好みぴったりの餃子だからである。
ガラガラッ
「おーい。おやっさん!いつもの餃子一つ!」
「あいよっ!」
「たっく、トウコツのヤローまさか俺達の私物まで売ってたなんてなー。」
ガラガラッ
「てんちょーさん、きつねうどん一つくださいなぁ。」
「あいよっ!」
「ふぅ、おや?久しぶりだねぇキュウキの坊や。」
「ん?あ!キュウビの狐!?なんで!?」
「大きくなったねぇ。数百年ぶりかなぁ。」
「おい!今まで何してたんだよ!日本に行ってそれっきりで、日本の妖怪になっちまったとか噂されてたんだぞ!」
「おやおや?そんなに心配してくれてたなんて、やっぱり初恋の人は守りたいのかい?」
「ちげぇよ!それに初恋でもねえし!」
「だってキュウキの坊やがまだちびっこい頃は、よくあたいの後ろに付いてきては、きつ姉、きつ姉って「人の黒歴史を豪快にほじくり返してんじゃねえーー!!」
「ふふ、変わったねぇキュウキの坊や。ところで他の四凶の奴らは元気にしてるのかい?」
「ああ、トウコツがはらわた抜かれそうになったり、コントンが肉まん大人買いしたり、トウテツが俺のズボンをズタズタにしたりするぐらい元気だぜ。」
「相変わらずみたいだねぇ♪」
「で?いったい日本で何してたんだ?」
「んー、人間のお偉いさん騙して、正体ばれて、殺されかけたから傷を癒やしてたのさぁ。」
「まじか。」
「まぁ、傷が癒えた後は、日本の観光してたよ。」
「殺されかけた時点で帰ってこいよ。」
「そう?人間の方はあたいが死んだみたいに思ってたみたいだけどねぇ。」
「いや、でもさー「はい!餃子一丁!」あ、あざっす!」
「はい!きつねうどん一丁!」
「おぉ!これはなかなかうまそうじゃないかい!早速いただくよ。」
「「いただきます。」」
「「…………」」
「「うまい!」」テーテッテレー
ガラガラッ「ありがとよー!」
「さてと、帰るか。これからキュウビの狐はどうするんだ?」
「これからはこの国で生活してくよ。日本にも飽きてきたしねぇ。」
「そっか…あのさ、いらねえ心配かもしれないけどよ、この国の今の妖怪たちは、あんたの事を嫌ってる。だからいろいろ問題が起こるかもしれないぜ。」
「なぁに、あたいは元より意地悪で嘘つき。どっちにしろ嫌われるだろうさ。」
「………本当にきつい時は、言ってくれよ。あんたと俺の仲だろ。頼まれたら、四凶全員で助けてやるよ。」
「ふふ、そんな事が無いようにあたいも頑張るさ。じゃあね、キュウキの坊や。」
「あぁ、じゃあな…………きつ姉。」
「ところでおねしょの癖は治ったのかい?」
「ここに来て、また俺の黒歴史をえぐってくんじゃねぇーーーーー!!!」
五凶目 終
キュウビの狐 女 icv 遠藤綾
身長182cm
髪 金髪のポニーテール
肌 肌色
目 糸目、瞳は黒
服装 白のカットソーと黄色のロングスカート
好物 油揚げ
嫌いな物 パクチー