『四凶と人間』
「………。」
いつもの宮殿の中庭、そこにキュウキが立っていた。
その顔にいつものツッコミ担当の雰囲気は微塵もない。
「キュウキ。」
声をかけてきたのは同じく深刻な表情のトウコツだった。
「トウコツ、人数わかるか?」
「あぁ、800人程だ。一応コントンとトウテツを起こすか?」
「いや…そんな暇はないみたいだぜ。」
その瞬間、中庭に武装した兵団が乗り込んできた。
その中のキュウキとトウコツの二人を見た十数人程がマシンガンを乱射してきた。
しかし、キュウキはその銃弾をすべてたたき落とし、トウコツに至っては、目を瞑ったまま、すべての銃弾を避けきった。
そして、キュウキはマシンガンを撃ってきた兵士達の一人に一瞬で接近し、その首をねじ切った。
トウコツはそのねじ切られた首が宙に浮いた瞬間、銃撃してきた兵士達の首を音も無く、流れるようにへし折っていく。そしてキュウキがねじ切った首が地面に落ちた時にはマシンガンを撃った兵士は全滅した。
「随分と威勢の良い挨拶だな。しかし挨拶する時は頭を下げないと失礼だぞ。」
「まぁ、俺達には下げててもアウトだけどな。」
「うるさい!この化け物どもg」
そう叫んだ兵士はその言葉を最後まで言う前に急に現れたトウテツによって無惨にも頭を粉砕された。
「ウルサイノ、オマエ。オレ、ネレナイ。」
明らかに機嫌が悪いトウテツは呆然としている他と兵士達を睨む。
「シカシ、ハラガ、ヘッタ。」
そう言うと、一番近くにいた兵士を捕まえると、
「オレノ、ヤショク、ナレ。」
その頭を食いちぎった。それだけではなく、その兵士の体も何の躊躇もなく食っていく。
そして残ったのは、肉の欠片も付いていない、所々噛み砕かれた人骨のみだった。
そしてトウテツが他の兵士達を睨むと、その兵士達は皆、我先にと逃げていく。しかし、
「鬼ごっこ~?やるやる!じゃあ私鬼やるね~!」
その言葉が聞こえると同時に、次から次へと兵士達の体が砕かれていく。
そして一番先頭にいた兵士が見た最後の光景は、
無邪気な、しかしどこか狂気をおびた笑顔を浮かべながら、両手と服を返り血で赤黒く染めた黄緑色の髪の少女が自身に触れようとしている所だった。
翌日の朝
「ちくしょー、こいつらが来ると毎度掃除が大変なんだよなー。」
「しょうがないだろ、飛び散る物は飛び散るんだから。」
モッシャモッシャ←残骸を食べて処理しているトウテツ。
「鬼ごっこ楽しかった~。でも次はもっと頑丈なのが良いな~♪」
「ハイハイ…っと、まだ残ってたのか。」
「ヒィ!」
「どしたの~?」
「んー?まだ残ってただけー。」
「お願いだ!命だけは…何でもしまs「お前らハエに命乞いされても殺すだろ。」
そうキュウキが言い放った瞬間、唯一生き残っていた兵士の首が落ちた。
これも彼らの日常の風景の一つ。
三凶目 終
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