四凶の日常絵巻   作:ホネ星人

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※注意! パロディ回です。


外伝参凶目

「結構前の事だけど日本から帰ってすぐに頼んだマイホームが出来てる頃だねぇ、楽しみだよ♪」

 

彼女は九尾の狐。キュウキとは旧知の仲である。

そんな彼女は自身のマイホーム建設地に来たのだが…

 

「ひっ…酷くこざっぱりしてるー!?」

 

そこには大工が一人と所々木材が置かれている更地しか無かった…

 

 

 

『九尾の楽しい木造建築』

 

 

「ちょっとぉ!? 大工さん! 私の家全然出来てないよぉ!? というか全然出来ておまへんがな!?」

「そりゃ、九尾さん費用ケチって俺一人しか雇ってないじゃないですか」

「良いじゃないか」

「良いけど…完成まで後三十年かかりますよ?」

「えーっ!? 私もう出来てると思ってキュウキの坊やに招待状送っちゃったよぉ!」

 

 

~四凶の家~

 

「郵便でーす」

「誰からだ? うっわ…九尾からだ…」

 

『キュウキの坊やへ、マイホームが完成しました、お土産を持ってきなぁ、良いお土産を持ってきなぁ。psきつねうどんに狐は入ってない。』

 

「うぜえ…まぁ行ってやるか…二、三秒見てすぐさま帰ろう…」

 

 

「早く建ててくれない!? 小屋でいいからさぁ!」

「小屋で良いんすか!?」

「良いの! 明日まで作るのさぁ!」

 

 

~翌日~

 

 

「九尾の家ってどんなかな…あ、お土産忘れた、いいや雑草で、あと小石」

 

 

「地図によるとこの辺なんだけど…まさかこれじゃないよな…なんか『KYUUBI』とか書いてあるけど…ここに九尾がいない限り俺は信じねぇぞ」

「ルラララー♪」

「いたよ…なんか歌ってる…てかギターの位置低っ…」

「おぉ! 来たかい、キュウキ! 待ってたよぉ、弾き語りしながら♪」

「弾いてなかったぞ」

「実は弾けないのさぁ」

「じゃなんでそんなに誇らしげに首から下げてんだよ」

「なんだい…良いじゃないか…ギターなんか辞めてやるよぉ!」バキャアアアン!

「破壊したー!」

「それよりマイホーム! さぁ入って入って、ちょっと獣臭いけど入って入って!…と待った、お土産持ってきたかい?」

「あぁ…やっぱいる?」

「いるに決まってるじゃないか! 一種の礼儀ってものだろぉ?」

「じゃはい」

「ふふふ…楽しみだねぇどんななのか…おぅふ…」←雑草と小石

 

 

「悪かったって、そんなへこむなよ…」

「草って…石って…」

「それより良い部屋だな、落ち着いてて」

「本当かい!? キュウキ、家を見る目があるねぇ!」

「お、おう…そうか…」

「さ! お菓子食べなよぉ! 少し獣臭いけど」

「いらねぇよ」

「なんだい…美味しいのに…マッズ!」

「不味いんじゃねえかよ」

「タルギャル鬼神の中身みたいな味がする…」

※タルギャル鬼神とは中国に伝わる卵の姿をした妖怪。

「キュウキ、お茶入れてきてくれないかい?」

「しゃーねーな…」

 

 

 

「あー獣臭かった…台所としては致命的だろ床ギシギシいってんぞ…ん? 風呂…少し見てみるか」ガチャ

「…パトリオット」←キョンシーの格好をした中年男性

 

 

「きつ姉ー!!! 風呂に変な野郎が!」

「あぁ…あの子はキョンシー松本さんっていうのさ、キュウキのことも伝えてあるよ」

「伝えてないな! パトリオットって言われたぞ俺!」

「じゃあ後で訂正しとくよ、ペスでいいかい?」

「良いわけねえ、はいお茶」

「ありがとう…なんだかんだでキュウキは優しい子だねぇ…」

「じゃ、俺帰るから」

「えぇ、泊まっていきなよぉ、布団もあるよ? きつ…獣臭凄いけど」

「オメェの使い古しじゃねぇか…この家全部獣臭いじゃねぇかよ…」

「ねぇ? 昔みたいに枕投げして遊ぼうじゃないか…一生のお願い、ね?」

「…分かったよ…じゃその枕貸せ」

「はい」ポスッ

「じゃいくぜ、はい」ポスッ

 

「じゃ、そういう事で「逃がすか」デスヨネ」

「ワンスローだけとか…さすがにないよキュウキ…」

「でもよ、あんまり本気でいくと怪我すんぞ?」

「見くびらないでほしいねぇ! 私は九尾の狐だよ!? 枕でも石でも華麗に避けて「ok、じゃいくぜぇ!」…え」

「全力投球!!!」コイシブンナゲー

「危なっ!」コイシヨケー

 

ドスッ

 

「…ヒィ…」カタカタ

「おぉホントに避けた、じゃもう一発いくぜ」

「やめて! 私が悪かったから! 壁にぶっささったよ? ただの小石が!」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

「? 地震か?」

「あらぁ…今の衝撃で家が崩れるみたいだねぇ…」

「崩れるのかよ…」

「即席で作った掘っ立て小屋だからねぇ…」

「…だと思った…」

 

ズドオオオオオオン…

 

 

 

「キュウキ…私は諦めないよ…ギター頑張って続けてみるよぉ…」

(知らねぇ…)

 

 

 

外伝参凶目 終


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