それでは始まります。
『四凶と家事分担』
中国の山岳地帯の奥深く、小さな宮殿(と言っても観光地とかの有名な宮殿より小さいだけでそこそこには大きい。)にある庭、そこで一人の青年がいた。その青年の肌はキレイな青色をしており、体全体に黒い縞模様がついている。そして背中からは青く大きな羽根が生えている。年の頃は16歳ぐらいで髪は青と黒の縞模様。目はまるで猫のようで、その瞳は赤い。そんな青年はいまたくさんの洗濯物を干していた。
「これで最後っと、たっく、自分が着るもんぐらい、自分で洗濯しろっつーの。特にトウテツの服は洗うの大変なんだからよ~。」
彼こそが、四凶が一角、《キュウキ》である。
「え~っと、次は皆の部屋の掃除。それが終われば、風呂掃除、トイレ掃除ときて、そんで風呂沸かすための薪を割って、風呂の準備をしたら、今日の晩飯作って………………………って」
「何で俺がここまで家事をやんなきゃいけねえんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「理不尽だ!」
「何が何が~?」
「一体何が理不尽なんだ?」
「ダブン、カジノコト、ダト、オレ、オモウ。」
宮殿の大広間、そこにここの住人達が集められていた。
「キュウキ君そんなに怒ってもどうしたの~?カップ焼きそばの湯切りに失敗したの~?」
なぜ集められたのか理解しておらず、的外れな事を言っている、黄緑色の長髪、ぱっちり目の女の子が四凶が一角、《コントン》。
「とにかく落ち着け。血圧が上がって早死にするぞ。」
こちらも集められた理由こそ分からないようだが、とりあえずキュウキをなだめている、黒髪長髪の切れ目長の女性が四凶が一角、《トウコツ》。
「キュウキ、オコル、ムリナイ。キュウキニ、カジ、ヤラセスギ。」
唯一理由を把握している、白髪のソフトモヒカンで筋肉質、きつめのつり目の男が四凶が一角《トウテツ》である。
「トウテツだけじゃねーか!まともに理由把握してんの!」
「なるほど、つまりキュウキはいまの家事分担に不満がある訳か。」
「嫌、それ以前に分担してなくね!?この家の家事九割八分俺がやってんじゃん!」
「カジ、ブンタン、ダイジ。」
「トウテツ!お前だからな洗濯大変にしている原因は!?さっきから自分関係ないみたいな態度とってんじゃねーよ!」
「ねぇねぇ、おやつまだ~?」
「コントンは話を聞けー!!」
~窮奇なだめ中~
「とにかくだ、いま俺が家事の約九割をやっているわけだ。これをせめて俺がやる家事を約五割ぐらいに減らしたいわけだ。」
「つまり、飯も自分で作った方がいいのか?」
「飯は俺がやる。また台所がお亡くなりになるのはきつい。」
「んじゃ~、私たちは何するの~?」
「とりあえず皆には、部屋の掃除と、洗濯物を頼みたい。」
「分かった!どこのお手伝いさんがいい~?」
「じ、ぶ、ん、で、や、れ。」
「オレ、ソウジ、ニガテ。ヨゴレタ、ヘヤ、ソレゴト、カタヅケルナラ、トクイ。」
「お前はこの家を倒壊させてぇのか?」
「分かった。努力しよう。しかしそれだけでいいのか?」
「出来る事なら、薪割りの仕事をローテーション制度にしたい。」
「ローション制度~?」
「一旦黙ろうか。コントン。」
「デモ、ソレダト、オレ、イチバンブロ、ハイレナイ。キュウキ、オレ、ローテーション、ハズシテクレ。」
「はっ倒すぞ。」
「なら、明日は私が薪割りをしよう。トウテツが洗濯物を、コントンが部屋の掃除を。それでいいな。」
「かしこま~!」
「ワカッタ、オレ、ガンバル!」
「………………………期待して……いいんだよな…………期待して…………。」
翌日
「期待した俺が馬鹿だった。」
薪割り場はガス爆発でも起きたかのぐらいのクレーターと化し、
洗濯物は修復不可能なレベルにズタズタに、
部屋は本人曰く掃除をする前の3倍は散らかっていた。
「すまん…。なかなか割れない物だから、つい力を込めすぎてしまって…。」
「マッシロ、シヨウト、オモッタ。ダカラ、オモイッキリ、コスッタ。キヅイタトキ、テオクレダッタ。」
「掃除って難しいね~。」
「もう、家事は全部…、俺やるわ…。」
ぼろ雑巾と化した愛用のズボンと、自分の部屋の惨状を見つめながら、キュウキは力無くそう呟いたのであった。
一凶目 終
キュウキ 一人称が俺 ツッコミ担当
コントン 一人称が私 台詞の中に必ず「~」
トウテツ 一人称が俺 台詞全部がカタカナ
トウコツ 一人称が私 特にはなし。