『キュウキとその仲間達』
「答えろ…答えろよ! サン=ジェルマン! ! ! 」
兄者の悲痛な叫びが空に響く。
兄者のそばには動かなくなった一人の少女。
兄者の近くに私以外の女がいるのはいつもなら納得いかない…
だけど…
「兄者…」
「安心してキュウキ君! 僕が命をもう一つ持ってきた! 」
そう言ったクソ神は兄者からのコークスクリューを顎にくらった。
~サイドキュウキ~
「何いきなり頭の沸いたこと言ってんだ? お望みなら文字通り沸かしてやってもいいんだぞ? 」
「キュウキくーん、僕を殺す事には何か抵抗は「あるわけ無いだろ? 」…ウッス…」
本当に…今はお前の戯言を聞けるような気分じゃ無いんだよ…
「何よりなんだ…命を持ってきたって…命は道具とかじゃ無いんだぞ? 」
「チッチッチッ、キュウキ君、あの光の国の炎上頭隊長だってほとんど同じ事を言ってんだよ? 」
「だとしても…お前が出来るってのかよ? あとやめてやれ炎上頭隊長は」
「え、出来るよ? だって僕、最高神だもん、そのぐらい簡単に」
「え? 今なんて…」
「んじゃいくよ! エイエーイ! ! ! 」
「掛け声」
神が奇声を上げながら想に手をかざすと、白い光が想を包み込んだ。
そして光が止むと同時に
「…あれ…私…確か…」
「嘘…だろ…」
想は再び目を開けた。
「黄龍くーん、治療と悪魔の支配とかの諸々解除お願ーい」
「か、噛まない? 」
「噛まないよ」
と、同時に黄龍による治療が始まった。
「さてと…クソ神、お前さっき何て言った? 」
「? 何のこと? 」
「とぼけんな…さっきお前は自分のことを最高神だと言った、違うか? 」
「違わないよ? 」
「なら…何で想のことを…」
「最高神にも出来ない事とかあるんだよ、僕に出来るのはやり直させるだけだからね」
「つまり…想の時間を巻き戻したのか? 」
神は無言で頷く。
「…黄龍がいないと想はまた…」
「死んでただろうね、怪我を治した訳じゃないし」
キュウキは神に向き合う。
「想の死を…無かったことにか…」
「気にくわない? 」
「…一つだけ言わせて貰うぞ…」
「…うん」
「命…持ってきてねぇじゃか」
「ごもっとも…あ、治療終わったみたいだね」
「他の皆も終わったようだな…」
「キュウキさーん!? この人なんかすっごい震えてるんですけど!? 」
「」ガクガクガクガクガクガクガクガク
「キュウキー! 終わったぞ! 」
「兄者ー! ご褒美にここじゃあ言えないような事を」
「キュウキく~ん! 私頑張ったよ~! 頭なでなでして~! 」
「キュウキ、ハラヘッタ、オレ、メシクイタイ」
「神様ー、大体終わりましたよー」
「老師…私は役に立てたでしょうか…」
「んーまぁ、よく竹輪で頑張ったの」
「さてと…帰るか…俺達の家に」
「だね…」
こうしてキュウキ達は…四凶達は自らの家に帰っていた…
「こうなっている事を考えておくべきだった…」
「ご、ごめんなさい…」
ただしその家は想が起こした災害により、倒壊していた。
「俺は…弱い! 」
「いや…また建てればいいだけだろ…」
「新しいお家~! 皆で建てよ~! 」
「ガンバッテ、ミンナデヤレバ、ハヤクデキル! 」
「…ま、確かに…」
「えー、何でしょーこの茶番感…」
こうして四凶(+想)による楽しい新居建築が始まったのである。
「サン=ジェルマン…俺はお前に言われた事を今でも覚えてる…確かに今回は俺は大切な物を守れなかった…だけど…
俺は一人じゃ無くなってた、無邪気な奴、大食いな奴、人の物勝手に売る奴、バカな奴、外道な奴、苦労人な奴…そして妹とクソ神…俺が守れきれない、そして守れなかった物を…守ってくれた…
悪いけど…俺はお前から見て弱くても構わない…その弱さを補ってくれる奴らがいた…クセぇ話だけどな…
でも…多少クサくても、虫のいいことでもさ…救われたんだ…俺も…想も…そしてこのせか「スターフィンガー! ! ! 」ドスッ
キュウキが振り返るとそこにはキュウキにカンチョーをしている神がいた。
「いやー隙だらけだよ? キュウキ君がそんなじゃ僕心配しちゃ「ドラァ! 」ギャム! 」
「てめぇが死ぬまで殴るのをやめねぇ! ! ! 」ズドドドドド
「ギャー! ! ! 」
「あれ…ほっといて大丈夫なんですか? 」
「「「「「「「うん」」」」」」」
「…そうですか…」
「待ちやがれクソ神! 最高神ってのはやっぱ嘘なんだろ! 」
「待ってそれは本当なの! 」
「うるせぇ! 今日こそその顔面地中に埋めてやる! 」
「ちょいちょいちょいちょい! それいつぞやのシャベルじゃない!? ねぇ、誰か、助けて、ちょっとー!? 」
これからも彼らはこの日常を描いていく…
『四凶の日常絵巻』を描いていく…
「ジャッジメント! 」ドスッ
「僕のおしりがー!? 」
四凶の日常絵巻 ~第一部、完~
もうちょっとだけ(と言いつつまだ全然)続くんじゃよ。