四凶の日常絵巻   作:ホネ星人

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十六凶目

『四凶と決戦』

 

 

 

前回までのあらすじ

 

人類を救う為にキュウキ達は人間界へと戻った。

 

 

トウコツを犠牲として…

 

 

 

「いや、生きてるからな!? 」

 

 

 

「ひでぇな…」

 

キュウキは人間界の惨状を見て、つぶやく。

 

「でも…それよりひでぇのは…」

 

キュウキは視線を上に向ける。

 

 

 

『Aaaa! ! ! Uuuu! ! ! Uaaa! ! !』

 

「想…」

 

そこには、膨大などす黒いオーラに包まれ悲痛な叫びを上げる想がいた。

 

 

 

「…」

「キュウキ君…覚悟は出来てる? 」

「…何のだ? 」

「最悪彼女を殺す覚悟は? 」

「…あぁ…」

 

「なにかかっこつけてる所悪いですけど!? 被害抑える為に私達がめちゃくちゃ苦労してるんですけど!? 」

 

暴風をトウテツとビャッコが打ち消し、

 

津波をコントンとセイリュウが吹き飛ばし、

 

地割れをトウコツとゲンブが押さえつける。

 

惨状による怪我人達を救出しているスザクが何もしてないキュウキと神にツッコむ。

 

ちなみに黄龍はめちゃくちゃ震えながら怪我人達に治療を施していた。

 

 

「悪ぃ悪ぃ、さてと…そろそろ行くか…」

「いってらっしゃいキュウキ君、彼女を止めていいのは…君だけだ」

 

 

キュウキは大きく空に飛び上がり、想の元に向かう。

 

 

「…兄者…」

 

ビャッコはそれを複雑な顔をしながら見送っていた。

 

 

 

 

 

「よぉ…想…ひでぇ面してんぞ…」

『Uaaa…』

「…なんだよ…言いたい事あんなら分かるように言えよ…」

『Aaaa…』

「…本当に俺が分からねえのかよ…」

『…Uuuu…Aaaa…Gaaa! ! ! 』

「…ちくしょうが…」

 

キュウキがどれだけ声をかけても想は叫び声を上げるだけで、まるでキュウキのことが分かってないようだった。

 

 

「悪いな…想…たとえお前を壊してでも…止める」

 

キュウキは頭の中である男…想の生みの親でもある男の言葉を思い出していた。

 

 

『タイセツナヲマモレナクナッタトキガタノシミデスネ』

 

 

「…ちくしょう、ちくしょうが…」

 

 

 

『Gaaa! ! ! Aaaa! ! ! 』

 

想は叫び声と共に大量の槍をキュウキに向かって放ってくる。

 

「ドラララララララララララララララララララ! 」

 

キュウキはその槍を全て殴り砕く。

 

『Aaaa! ! ! 』

 

今度は巨大な腕が現れ、キュウキを握るつぶさんと襲いかかる。

 

「ドラァ!」

 

キュウキはそれを押し返し、

 

「ドラララララララララララ! 」

 

高速の連打により粉砕する。

 

 

『Geee! ! ! Aaaa! ! ! 』

 

想はキュウキに攻撃が効かない事が腹立たしいのか、それとも体に走る激痛に苦しんでいるのか、再び悲痛な叫び声を上げる。

 

 

しかしその瞬間、キュウキは想の目の前へと一気に距離を詰め、

 

 

「…ゴメン…さよなら…想…」

 

 

 

想の腹を手刀で貫いた。

 

 

「…ありがとう…キュウキさん…」

 

想の弱々しい声と共に、恐ろしい惨状は収まり、人類滅亡の危機は幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

「…想」

「キュウキさん…ご迷惑を…」

「喋んなよ…」

「でも…」

「いいから…」

 

 

「キュウキさんは…あの人とはどこで…? 」

「…わかった…教えてやるよ…だから黙って聞いていろよ…」

 

 

 

こうしてキュウキは想に自身の昔話、そしてあの“悪魔”との出会いを語り始める…

 

 

続く


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