中国のとある山奥、
邪悪な妖怪達の住処。
そこの住人だった邪悪な妖怪達は死体となり、転がっていた。
「さて…行くかの…」
「御意…老師殿…」
青く逆立った髪に蛇のような目をした刀を持った男と、亀の甲羅を模した帽子をかぶり、金色の杖をつく幼い子供はそこから立ち去っていった。
『青龍と玄武』
「セイリュウとゲンブねぇ…」
「はい…特にあの二人が…」
キュウキとスザクの愚痴の言い合いの会。以前互いの仲間に対する愚痴を言い合った際に割と気が合い、以来月十の頻度でおこなわれている。
ちなみにキュウキ意外の四凶は仕事(トウテツは探しに)行っている。
「ていうか、そんなヤバい奴らが神の使いで大丈夫なのか?クソ神とはいえ。」
「まあ…実力はありますからね…ただゲンブ様は…何というか…その…性格があれでして…」
「あれというのは性格が悪いということかの?」
「はい…ギャアー!ゲンブ様ー!?」
「そうじゃよーゲンブ様じゃよー♪」
そこにはゲンブであろう…幼い子供がいた。
「え?ゲンブ?これが?」
「初対面の相手を物品扱いとはなかなかの男よの♪」
「キサマ!老師殿を愚弄するとは!この不敬者が!」
「セイリュウも来てたんだ…」
今度はセイリュウと呼ばれた侍のような格好をした男が口を挟む。
「まあまあ、初めましてじゃの?キュウキくん、儂はゲンブ、こっちはそこで拾ってきたチンピラじゃよ。」
「老師殿、拙者はチンピラなどという低俗な者ではございません、侍でございます。」
「多分ツッコむ所そこじゃねぇぞ?」
「いや…そのセイリュウは真面目なんだけど頭が…そのあれでね…」
「バカなんだな?」
「はい。」
「キサマ…拙者を低能呼ばわりするとは…そこになおれ!たたっ切ってくれるわ!」
「ほう…やってみろよ、侍野郎!」
セイリュウは自身の刀を鞘から抜こうとする、しかし…
「ぐっ…ん?…あれ…おかしいな…」
「どうした?」
「…刀が抜けん。」
キュウキとスザクは思いっきりずっこけた。
その後ろでゲンブは爆笑しており、その手には接着剤が握られていた。
「いやーホントに気づかないとは♪」
「まさか!老師殿がこれを!?」
「そうじゃよ、儂がお主の刀に接着剤を塗ったくったのじゃ。」
「なぜ!なぜ拙者の刀に接着剤を塗ったくったのですか!?」
「修業じゃ。」
「なるほど!」
「いやなるほどじゃないだろ。」
キュウキの中ではすでにゲンブは外道、セイリュウはバカというイメージで固定されていた。
「そもそも何しに来たんだ?お前らは?」
「スザクを迎えに来たんじゃよ。」
「頼まれていたからな。」
「…様付けしている人に迎え頼むってどうなの…」
という事でゲンブとセイリュウはスザクを連れて天界に帰って行った。
「また来るからのー♪」
「…マジかよ…」
十二凶目 終
凄まじく間が開いたのにこんな出来ですまない。