四凶の日常絵巻   作:ホネ星人

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十凶目

『四凶と絵』

 

 

「「「バウムテスト?」」」

「うん!面白そうだからやってみよ~!」

 

ある日の事、コントンが人数分の紙とペンを持ってきてそんな提案をしていた。

 

「バウムテストってアレだろ?木の絵を書いてそれで性格とか精神状態やらを診断するヤツ。」

「まあ、ヒマしているし、やってみようか。」

「オレモ、ヤル!」

 

~描き中~

 

「よ~し!皆出来た~?」

「出来たぞ。」

「オレモ!」

「なかなか上手く描けたぜ。」

「じゃ~!私からね~!」

「どんな絵なんだろうな。」

「タブン、カワイイ、エ、ダト、オモウ。」

「はい!これが私の木だよ~!」

 

そう言って出て来たのは写真かって位にリアルな木の絵だった。

 

「わーお。」

「上手すぎやしないか?」

「エ?シャシン?」

「えへへ~♪ちょっと張り切り過ぎちゃったかな~?」

「「「そ、そうか。」」」

 

「ツギハ、オレダ。」

「トウテツかー。下手だろうな。」

「紙が破られていないだけ奇跡だな。」

「トウテツの絵楽しみ~!」

「…オレノ、エ、コレダ。」

 

トウテツが多少心に傷を負いながらも出したのは、絵本に出て来そうな、木の絵だった。

 

「かわいい!以外~!」

「あれ?代役頼んだ?」

「それとも本のイラストを切って貼ったか。」

「キュウキ、トウコツ、アトデ、オモテ、デロ。」

「トウテツって絵上手だね~!」

「ソウイッテクレル、コントン、ダケ。」

 

「さて……私だ。」

「ああ…そうだな。」

「もうやな予感する~。」

「ミギニ、オナジ。」

「…これが私の絵だ。」

 

トウコツの絵は…驚くほどに可も無く不可も無い普通の絵だった。

 

「最後、俺だなー。」

「そうだね~。」

「キニナルナ!」

「………そうだな。」

 

「ふふふ、遂に真打ち登場だな!」

「キュウキくん自信たっぷりだね~!」

「タノシミダ!」

「ああ…そうだな…楽しみだな…。」

「さあ!刮目せよ!これが俺の『木』だ!」

そこには、

 

木と言うよりただ糸くずが絡まったような絵しか無かった。

 

「「「………………………え?」」」

「どうした?」

「………木?」

「木。」

「………糸くずじゃなくて~木?」

「うん、木。」

「………ホンキ?」

「本気で、木。」

 

 

 

『『『全然木に見えねぇ。』』』

「いやーこの幹の当たりがうまく描けてるよな!我ながら傑作だと思うぜ!」

『『『自覚無しかよ!』』』

 

「ところでコントン。バウムテストの結果は?」

「あ~分かんない!よく知らなかったし!」

「結果出せないだろキュウキの場合は。」

「ソウダナ。」

「なんでよ。」

 

結論、バウムテストは関係無くなってしまった。

 

そしてキュウキは無自覚で画伯だった。

 

 

 

十凶目 終


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