『四凶と朱雀』
「ウワァァァァン!!スザクちゃーん!!」
「どうしたんです?神様?」
「四凶にいじめられたよー!」
「ハイハイ、どうせいらない事してしっぺ返しを受けたんですね…私が謝ってきますから、朝ごはん食べといてください。」
「ハーイ!………あれ?やっぱり僕が悪いの?」
慰めを求めたはずが、やんわりとお叱りを受けた神を余所に、火のように赤く、しかし一部青、緑、黄、橙の色をした髪、パッチリとした青い瞳のスザクと呼ばれた女性は下界へと降りていった。
「この度は本当に内の神様が失礼いたしました。」
「あ、いや、こちらこそ…少しいじめ過ぎたかなーと…」
「そこは別に問題ありません。園児に悪口言われて泣くような方ですから。」
「それもう神なの?」
そして四凶の家。キュウキはそのスザクからの神が迷惑をかけた事を謝罪されていた。
ただ、ちょうどお昼時だったため…
「ね~キュ~ウ~キく~ん、お昼作ってよ~。」
「キュウキ、ハヨメシ、キュウキ、ハヨメシ。」
「私達が台所に立っても良いのかー!?」
「うるせー!!!!!」
バカ丸出しな三人が飯を催促してくるのでなかなか話が進まない。
「いや本当にすみません…お気になさらず。」アハハ
「いえいえ、私の所も似たような感じですから…」
そう言ってスザクは遠い目になる。
「ビャッコちゃんは仕事は出来るけどぶっちゃけそれ以外はポンコツでこの前なんか、牛乳と漂白剤を間違えてコーヒーに入れて、それを神様が飲んで大変な事になりました。」
「それ確信犯なんじゃね?」
「そしてセイリュウ…あ、私の同僚です、そいつはそいつですぐ刀を振り回すせいで色んな所が傷だらけに…私が毎度止めるのですが…私、不死身なんですけどそれでも死を覚悟する羽目になります。」
「刀取り上げちまえ。」
「また同僚のゲンブってのがいるんですが…ペンのインクを醤油と入れ替えてたり、シャンプーの匂いをシュールストレミングの匂いにしたり…一番被害に合うのは神様なんですけども…」
「あのクソ神の事だから嘗められてんだな…」
「まあ、その神様自身もいらない事しては自滅して、そして私が謝りに行くってのがもうテンプレですね。」
「なんであれが神なの?」
「確か、くじ引きで神になったって本人が。」
「ちゃんと話あえよ天界…」
「本当、大変ですよ…毎日…キュウキさんの所は…?」
「あぁ、そうだな…」
そしてキュウキは諦めたかなのような表情になる。
「コントン、緑の奴な、そいつは買い物行かせれば関係ない物を大量に買ってくる、掃除をさせれば逆に散らかる、料理を作らせたらコントン曰くお友達が出来る。」
「最後のが本当に分からないです。」
「トウテツ、白いのな、そいつは食費が一番かかる、洗濯させればゴミが増える、料理はする前に食材がなくなる。」
「食べちゃうんですね分かります。」
「トウテツは仕事はしねぇし、俺らの私物を勝手に売るし、薪割りさせればクレーターの出来上がりだ。」
「前半、ただのクズじゃ無いですか!」
「な~んも言えない…」←机に突っ伏してるコントン
「……トウミンシヨウ。」←涙目になってるトウテツ
「」←フリーズしているトウコツ
~神界~
「なんか、ディスられた気がします。」
「ビャッコちゃん!奇遇だね!僕もだ!」
「貴方は当然でしょう。」
「……」
結局、謝罪から横道にそれた身内の愚痴の言い合いはその日の晩まで続いたらしい…
「生ゴミを三角コーナーに捨てないのって何なんだ?」
「それは本当に謎ですよね!」
九凶目 終