森の中に入ったアイリスたち。彼女たちの道のりは険しいものであった。
草むらから飛び出すジャガー。息をするように首を刎ねるアキト。
空中から降ってくるスパイダー。息をするように足を斬り飛ばすアキト。
地面から飛び出すクイーン。息をするようにさいの目状に切断するアキト。
なぜだろう、何もしていないのに異様に疲れた。
「───にゃにゃっ!?ねえねえ、この香り……!」
しばらく歩いていると、何かに気づいたのだろう。キャトラが鼻を動かして忙しく動き始めた。
「どうしたの、キャトラ?」
「すんすん……こっちよ!早く!!」
キャトラはモンスターたちの死骸の山を飛び越えて、走り出す。
「え、ちょっと!?」
捕まえようと手をのばすも、その小柄な肉体と軽い身のこなしで避けられてしまう。
「キャ、キャトラ!どこへ行くの!?」
「あっちからいい香りがしてるの!人が住んでるんじゃない!?」
言いながらキャトラは森の奥へと消えてしまった。こういったキャトラは止められない。何度もスマホ越しで見てきた光景だが、いざやられるとなかなか腹ただしかったりする。
そこで気が短いアキトを見てみることにした。こういうことがあったら真っ先に怒り狂って追いかけそうだが。
アイリスは恐る恐るアキトの方を見やった。
「……」
アキトはと言うと、蹂躙し尽くしたモンスターが落としたルーンを拾い上げ、ポーチに捩じ込んでいた。思いの外収穫があったのか、機嫌がいい。
どこかの国の民謡だろうか、鼻歌を歌いながらルーンを集めるその姿はなかなか様になっている。
しばらく見惚れていると、見られていることに気づいたのかアキトは目線を細めてなんだよと呟く。
「アキト?」
「あ?」
「キャトラが……」
事情を話すとアキトは鼻を鳴らしながら、剣に着いた血を払った。
「はっ、生贄にはちょうどいいだろ」
「なんてこと言うんですか!?アキトに人の心はないの!?」
「んなもん知るか」
ああ、そういえばそういう人だったなと思い出す。
つくずく自分がこの少年に惚れた理由がわからなくなるが、こういうところを含めて好きになったのだろう。たぶんおそらく。
気を取り直してアイリスは咳払いをすると、憂いを含んだ表情をするアキトを見やる。
「もしかしたらルーンのお話が聞けるかもしれないわ」
「……ちっ」
舌打ちしたよこの人。喉まででかかったが何とか押さえ込み、アイリスはアキトの腕を掴んだ。
「さあ、いってみましょう!!」
意外にも、アキトはアイリスの手を振りほどくことなくキャトラが走っていった方向について行った。
おきにいりとか評価とか気にしなくなったらすごく心が軽くなりました。
これで減っても自分のやりたいことやってるんだから!
タカキも頑張ってるし、私も頑張らないと!!
とりあえず島クエまでなんとか終わらせたい。
他は知らない。茶熊は何となく書く気が起きないけど魔改造セイヤだけは書きたい。
極悪人面のセイヤが茶熊学園を暴れ回るというプロットまではできてる。
「神が恐れ……悪魔すら慄く!このセイヤ様がお前らを地獄の片道切符をやるよ!!」
までは。