白猫あうあう物語   作:天野菊乃

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これ作るのに1時間かかりましたので何度か編集が入るかと。


遺跡探検 終局

(───それでいられるのは少しの間だけよ)

 

大丈夫ですよ。一時的だとしても私が今使っている武器が杖ではなく剣なら……

 

「たぁ!」

『ぐぁぁぁ!?』

 

私が勝てないのはアキトだけです!

 

「……私を甘く見ない事ね」

 

……口調が高圧的になってる気がしますが気にしません。

服装も微妙に変わってますね。ミニスカみたいになってますし、一部だけですが鎧もつけてますし。

まあ気にしませんけどね!

 

「負けない……」

 

ドラコンが怒り狂ってブレスを放ちますが、手を目の前にやり障壁を貼るとその攻撃を防ぐ。

ブレスが止むとすかさず剣を構え、ドラゴンの顔近くまで跳躍。剣を眉間へ突き刺す。ただの突き技ですけど。

 

『ギィャァァァァァ!!?』

 

効いているようですね。剣を眉間から取ると、顔、首、胴体、と次々に切り裂いていく。その度に青い血が辺り一面に飛び散る。

 

『グゥォォォ!!』

 

ドラゴンが尻尾を振るう。あれでも攻撃を喰らうのだから嫌なものですよ。

ですが……

 

「らぁ!」

 

新たに現れた第三者によって尻尾を切り落とされる。ドラゴンが絶叫を上げる。地獄絵図だ。

 

「……アイリスか」

「アキト……」

 

アキトくん、君臨です。格好は全体的に黒くなり───ってちょっと待ってください。なんでチュートリアルモードになってるんですか。少し外見違いますけど。イケメンに磨きがかかってますけど。

 

「詰めが甘い」

「……あうっ、酷いです」

 

言われた。いや、私だって頑張ってますよ?というかアキトくんが可笑しいんです。空間認識能力とか絶対にありますって。

 

「……説教は後にするとして。いけるか?」

 

アキトくんは金色の瞳を私に向ける。私はその答えに笑みで返す。

 

「ええ、勿論」

「そうか……ならついてこい!一気にカタをつける!!」

 

アキトくんはチュートリアルブレードに魔力を込める。すると剣から血のようなオーラが溢れ出る。

 

「……ん!」

 

私もレクス・ルークスに魔力を込める。すると、黄金のオーラが溢れ出る。

 

「いくぞ!」

「ええ!」

 

私とアキトくんは跳躍するとドラゴンの顔に目掛けて己の技を放つ!

 

「レティセンス───」

「アーク───」

 

私のこれについては名前を決めてません。なので、私のおばあちゃんがやっていたゲームの主人公の最終必殺技にします。

 

「リベリオン!」

「スラッシュ!」

 

黒と白、光と闇の斬撃がドラゴンを頭から両断した。

ドラゴンの肉体のみ残った。

……ちなみにアキトくんは両断した後に闇の光を纏った回転切りをさらにお見舞いしていました。

オーバーキルってあのことを言うんですね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ふぅ」

 

私が一息つくと、変身?みたいなのが解除されていつも通りに戻ります。

……いえ、いつも通りではないです。スカートそのままですし。

 

「きゃっ……!」

 

慌ててスカートを元に戻す。カイルさんはまず見ておらず、目の前にいたアキトくんは横へ視線をずらしていました。思いっきり目撃してましたよ、あれ。

 

「あうあう……」

 

……1度ではなく2度も見られるとは……淑女失格ですね。

ちなみにアキトくんも元に戻ってます。

それにしてもアキトくんのあの技───つまり、レティセンスリベリオンの事ですが寡黙な叛逆……って意味ですかね。私にはよくわかりません。

 

「……あれ?」

 

大切なことを忘れている気がする。

なんだっけ……あ、そうだ!確か……!

 

「カイルさん!避けて!!」

「……あん?……ってなんだ、こいつ体が溶けて……」

 

ドラゴンの肉片が溶け、闇となりカイルさんを飲み込む。

 

「……っ!?ぐっ……!?」

 

カイルさんを飲み込んだ闇は瞬く間に大きくなり───私をキャトラを、そしてアキトくんを飲み込む。

 

「わわわわ!?体が……!?」

「……っ!」

 

やがて完全な黒が訪れる。

 

……。

 

 

…………。

 

 

 

「……よう、アキト」

 

カイルさんがアキトくんの名前を呼ぶ。

 

「なんだ」

 

相変わらずですね、アキトくん。

 

「まったく、大変なことになっちまったな。どこまで続くんだかこの闇は……まあ仕方の無いことか。冒険にアクシデントは付き物だからな……」

「……」

「……なんてな。悪かったな巻き込んじまって」

 

……いけない!はやく明かりを照らさないと!

 

「カイルさん!アキト!私の声、聞こえますか!?」

「……その声、アイリスか。君こそ大丈夫か!?」

「少し待ってください!今光を……」

 

確か、呪文は……もう!あんなの覚えられるわけないですよ!!

 

「───カリダ・ルークス・プーラン・ルーチェンム……」

 

あれ、なんで覚えてるんですか……これってまさか、アイリスさまの記憶……?

 

「不思議な子だ。詠唱を聞いているだけなのにどこか安心するような……」

 

闇が晴れる。

 

「おかえりなさい!みなさん!!」

 

私は笑みを向ける。これからカイルさんが消えるかもしれないのに満面の笑みなんて無理です。

 

「ねえ、こっちこっち!外に繋がってるみたいよ!!」

 

キャトラは私たちを呼ぶ。

 

「行きましょう!みんなで、一緒に!!」

 

私はそう言うと駆ける。

……無理です。あの場所にいるなんて。

すると、ある一つの記憶が私の中を過ぎる。

 

 

 

 

 

 

 

 

───私の総ての力と引き換えに───この世界の均衡を取り戻します。

 

 

 

 

───〈カリダ・ルークス・プーラン・ルーチェンム〉───

 

 

 

 

───さようなら。()()()()

 

 

 

 

 

 

……え、なに?この記憶……分からない……わからないのですよ。でも……心が……苦しい。

……どうしてなのですか?なんで胸が苦しいんですか……?あうあう……




カリダ・ルークス・プーラン・ルーチェンム。
あの謎めいた詠唱の言葉らしいですよ。
ちなみに最後のアイリス様の描写は原作リスペクト。開発中の奴から引っ張ってきました。詳しくは『白猫 アイリス 詠唱』で調べたら出てくるかと。

やっと第1の島が終わりましたね。
アイリスさまの武器がレクス・ルークスとかいうキチガイ武器になりましたがこれからもフラグはバンバンと建てていくでしょう!いや建ててくれ!(懇願)

……さて、次はアイリスさま抜きの話かな?(カイルさんとアキトくんの描写)

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