そういえば一回ランキング載りましたね、あうあう物語。驚きました。
永遠を称する者 -Eの暗号- に評価4個もつけてくださり誠にありがとうございます。
遺跡の目の前へとやって来ました。
遺跡の入口はジョジョよろしくゴゴゴ……といった擬音が目に見えるようです。見えません。
「……来たのか」
アキトくんの到着です。
振り向けばいつものアキトくんです。
「こんなところ好き好んで誰が入りたいと思うんだか……」
ブツブツと何か呟いています。
気に入りませんね。
「アキト!」
「ん?」
驚かないのかぁ……。
「なに」
「何でそんなに遺跡を嫌がるの?」
「あー、そういうことか」
アキトくんは考える仕草を数秒ほどしてから私に顔を向けると
「教えない」
転びかけました。期待させといて教えないパターンですか!?
「そんなに面白くない。俺がここを嫌がる理由を聞いてもな。それよりほら、金髪が来た」
何が何でも名前を呼ばないみたいです。アキトくん。
「悪ぃ!遅れた!!」
「お前から時間厳守と言ったよな……?」
「待て待て待て!それしまえ!!」
チュートリアルブレードをカイルさんに向ける。
「……ちっ」
舌打ちしましたよアキトくん!
中は薄暗いです。ここから出てくるモンスターたち、怖いんだろうな……
「ふん!」
飛び散る血飛沫。大剣に絡みつく血痕。そして爛々と輝く蒼い瞳。
前言撤回、怖いのはアキトくんです。
「でりゃ!」
カイルさんの自慢の槍で貫かれていく魔物たち。ただアキトくんよりも倒せる数が少ないのか、一撃では仕留められていないですね。
というかアキトくんがイレギュラーすぎるのか。
「切り開く!」
木っ端微塵にやられていく魔物たち。
モンスターの群れを雑草のように読んで字のごとく切り開いていきます。
私ここ少し苦戦したところなのにアキトくん疲れた様子も見せずに突破していきます。
モンスターたちが慌てて逃げようとしてもアキトくんはモンスターの群れを片っ端から斬っていきます。
「……可哀想だよ」
流石に同情せざるを負えない。なんだこの地獄。アキトくんの方が余程魔物ですよ。あれ、もしかして私魔物に惚れた?
あ、目の前にキャットシャドゥが。
「燃えて!」
バーンナップ。周りにいる魔物達は燃え盛る炎で苦しむ!
というかそんなことしたら私も悪魔じゃないですかやだぁ。
……かと思いきや。
「……元気になってない!?」
満身創痍だった体が回復してません?え、なんで?可笑しくないですか?
うわっ!飛びかかってきた!
「ふん!」
剣の一閃で周りのモンスターたちが次々とルーンに変わっていく。
アキトくんのお陰……
「……なにしてるんだよ」
……あれ?アキトくんの黒い髪の部分が広がってる気が……
「……アキト髪……」
「……ん?ああ、返り血か……通りで髪が重いと思った」
怖いこと言わないでくださいよ!?
それから数時間後。カイルさんに開けるなと言われた宝箱を開けようとしたらそれがモンスターで。
私は再び攫われたのでした。
どこへ連れていかれるのでしょう……あうあう……
アイリスさん?ああ、彼女は被害者ですよ。