──???side──
──俺はどうなった・・・
──アイツと相討ちになって死んだ筈なのになぜ意識がある・・・
──それとも、俺はまだ生きてるのか?・・・
──いや、身体の痛みを感じないんだ、生きてるわけないか・・・
「つーか目ぇ開ければなんか解るか。」
そして目を開けると、目の前に顔があった。鼻先3㎝のところに。見た目40代の男の顔があった。
目を開けたら至近距離に顔がありました。どうする?
1.悲鳴を上げる
2.驚きすぎて気絶する
3.幻覚と思い目を瞑る
4.夢かと思いキスをする
5.素で殴り飛ばす
たぶんあなたが思い浮かんだ解答はこの中のどれかではなかったかな?
俺?俺はもちろん
「キミは誰d「リアクション薄いよ〜〜〜!!!?」汚ッ!!」
6.誰か尋ねる
しかし鼻先3㎝のところで泣きながら叫ばれたらどうなると思う?
涙と唾で顔を汚された為気を纏わせた拳で頬を打ち抜きました(笑)
「ベポォ!!?」
殴り飛ばしたことで距離が開いたので袖で顔を拭きつつ周囲を見回すと、そこは真っ白な空間だった。上も、下も、右も、左も、前も、後ろも、真っ白だった。そのため、広いのか、狭いのか、部屋なのか、外なのか、その情報が一切入らなかった。仕方がないので殴り飛ばして床?で右に左にゴロゴロ転げ回っている男に尋ねた。
「ふぅー・・それで、キミは誰だ?」
「オぉオぉアおおオぉ」
「・・・いつまでそうしてるつもりだ?」
「ほぉおおぉあおぉ、ふおぉぉぉぅぅぅっ!」
「ふむ、・・・・次は(ボソッ)頭を蹴り飛ばそうか・・・」
シュタッ「ヤーヤー、御機嫌いかがでしょうか?」
「質問に答えてもらっていないからな、機嫌も気分も最悪だ。」
「おっと、そうだったね。僕はクゥ。まぁここでは一応神様をやらせてもらってるよ」(≧∇≦)b
へぇ、神様・・・
「それで、ここは?」
「ここは死者の魂の分岐点。いわゆる裁判所みたいなとこだよ。」
裁判所?
「生前、その者が善行を働いたのか、悪行を働いたのか、それとも全く別のことをしたのか、それによって人はそれぞれ別の道へ進むからね。それを区分けする場所と覚えてくれればいいよ。」
フムフム・・・・・・ン?
「善と悪で分けるのは解るが、全く別ってのはなんだ?」
「全く別と言うのは、その人が善行による悪行を働いたのか、それとも悪行による善行を働いたのか、と言うことだよ。」
え~っと・・・?
「あ~うん。ややこしいよね。例えば、人々を団結させてより良いほうへ進ませる為に、自分が悪になって討たせた人だったり、戦争で多くの命を奪って、より大勢の人々の命を救ったりした人のことさ。」
へぇー、それは区別されるんだ・・・
「まぁ、純粋に人のためにしたことだろうからね。ここも分けようってことになったのさ。でも前者はともかく、後者はまた区別されるんだけどね。」
まだあるの?・・・
「うん。後者の場合、始めは純粋に人のためと思って命を奪っていても段々と命を奪う事に悦びや快楽を感じてしまいただの悪行になってしまった人もいる。そうゆう人も別として分けてるんだ。」
結構大変なんだな・・・
「いい加減喋ってよ!キミの表情と会話するのも大変なんだよ!?」
ン?・・・
「なんだ、てっきり俺の心を読んで喋ってるのかと思ってたのに、違ったんだな。」
「心が読めるのは、もっと上の立場にいる人たちだけだよ。」
「・・・・神様・・・だよな・・・?」
「神様にも上下関係は有るよ!?僕はまだ下の立場に居るの!」
「あぁー判った判った。それで、俺はどっちに進めばいい?悪行はどっちの道だ?」
「あつかい雑っ!!?・・・って何で即悪行の道尋ねるの!?」
「俺の生前を振り返ると、それ以外選択肢無いからな。」
「いやキミの生前明らかに悪行による善行でしょ。しかも最期は、人とゆう種族全てを救うために戦って死んでるんだから。」
「それは違うぞ。あれは俺が自分のために行動した結果だ。人々を救うことになったのは偶々でしかない。」
そうだ。あれはけして人のために戦ったわけじゃない。ただの自己満足だ。アイツを倒せるのは俺しかいない、俺しかあの戦いを、早期終結させる事が出来る者が居なかっただけだ。
「あんなことは悪行による善行などとはとてm「で、キミの行く道なんだけど」聞けよ」
「キミの意見は聞かないよ?聞いても意味無いもん。キミの道は既に決まってるからね。変更する気無いし。」
「・・・いい性格してるよ。ほんと・・・」
「ありがと。で、キミの道なんだけど、異世界に転生ね」
「・・・・・・・・・・
「キミの人生全くと言って良い程幸せな事柄が無かったから。」
「・・・なら、別に異世界に転生しなくても、産まれ直せば良いんじゃないのか?」
「それだと、キミの意識も記憶も全てリセットされちゃうからね。
「なぜ、俺の幸せに拘る。と言うか、一個人にそこまでして良いのか?」
「大丈夫だよ。みんなやってることだし。」
・・・それで良いのか、神様・・・・
「キミにこだわってるのは、・・・まぁ同情的な?」
・・・今の間は嘘だな。あえて聞かないけど・・・
「分かった、転生する。で、どっちに行けば良い?」
「ありがとう。あの光を潜れば転生できるよ。」
そう言って、神様は左手を水平に伸ばし指を指した。
「分かった。じゃあな。」
「あっ!ちょっと待って!」
慌てて呼び止める神様。振り返ると──
「転生特典付けるの忘れてたよ~。これやらないと転生する意味無いもんね~。」
「・・・無いのか?」
「無いよ(キッパリ)。」
「テキt「自分で選んでね。」・・・ハァ。」
どんな特典にするか迷っていると、ふと気になることができたので聞いてみた。
「そういえば、特典ていくつも付くのか?」
「転生に携わる神様にもよるけどいくつも付くよ。因みに僕が付けるのは3つまでね。」
「3つか・・・。それと、俺が今から転生する世界ってどんなとこだ?」
「僕も詳しくは無いんだけど、魔法が神秘的でなくて科学的に使われてる世界だよ。」
「・・・俺s「幸せになってね♪」・・・・どうやって。」
「頑張って!」
「・・・ハァ。なら特典は『魔法が使えるようにしてくれ』だ。そんな世界なら使えないのはキツイ。」
「まぁ当然だよね。他は?」
「2つ目は、『俺が生前使っていた武器や道具を持ち込めるようにしてくれ』」
「それは、キミが生前拠点にしてた家を含めて?」
「そうだな。流石に家無き子は辛いしな。」
「じゃあ家の中に道具を置いてそれごと送るよ。」
「頼む。あぁ、俺が死んだ時に身に付けてた服や道具はそのまま持っていきたいんだが・・・。」
「それは大丈夫だよ。流石に裸で放り出したりしないよ。」
「助かる。で最後は『戸籍をくれ』」
「無いと困るもんねぇ。戸籍。」
「産まれ直すなら有るだろうが、このまま行って有るとは思えんからな。」
「うん。分かった。その3つは確かに用意しておくよ。じゃあ、良い人生を。」
「あぁ。じゃあな。」
そう言って俺は光を潜ろうとした、ところで──
「あっ!ちょっと待って!」
また呼び止められた。
「・・・今度はなんだ。」
「一番大事なことを聞いてなかった。」
「大事なこと?」
有ったか?そんなの。
「君の名は?」
あっ。
「そういえば名乗って無かったな。」
そう言って神様に振り返り、
「ミキだ。
「ミキ君か・・・じゃあミキ君、今度こそ、良い人生を」
そう言われながら俺は光をくぐった。後の大変さに気づかぬまま───
──傑side out──
──クゥside──
さて、ミキ君の特典の準備をしようか。家と道具、あと戸籍はミキ君を送った時代に置けば良いよね。装備は着ていったし、あっ。
「魔法、どうしよう。どうゆうのにするか全然聞いてなかった。」
不味いぞ。どうゆう魔法に適してるか解らない上にこの世界にどんな魔法が有るのかも分かってない。どんなの贈ろう。
僕があれこれ悩んでると、そこに、救世主が来てくれた。
「どうしたの?」
「・・・っ!?あっ、アロア~。」
そこには、僕と同じ世界から神様になったアロアが居た。アロアに事情を説明してどんな魔法にすれば良いか聞くと、
「私たちの世界の魔法で使えそうなのを贈れば良いんじゃない?私たちも知らない魔法を贈っても迷惑なだけよ。」
と、的確なアドバイスを頂きました。
「ありがとう。アロア。これでよし。じゃあミキ君。頑張って幸せになってね。」
「ねぇクゥ。」
「何?」
「そのミキ君って子、送った時代からだいぶ外れてるみたいだけど大丈夫?」
「へっ!?」
慌てて確認すると、送った時代から外れてどんどん過去に行ってるのがわかる。
「何で!!?どこ行くの!?ミキ君!?」
「クゥ、貴方、あの光の先の説明、したの?」
「・・・・・・・・・・あっ。」
「・・・忘れてたのね。」
「・・・うん。」
あの光、出口に着くまで、その世界の過去の出来事が映像として流れるんだ。だから途中で映像に触れるとその時代に跳ばされてしまう。その説明を忘れてしまった為にミキ君は、映像に触れてしまい、過去に跳ばされてしまったんだろう。
「どうしよう。」
「『ゴッドマシン』を使って時代調整させれば?」
「ミキ君は魔法の使い方を知らないから無理だよ。」
「じゃあ、後は、彼の運を天に任せるしか無いわね~。」
「それって神頼みって意味らしいけど、神様僕らだよ。」
「・・・・goodlack。」スタスタ・・・・
そう言い残して、アロアは去っていった。
「ミキ君、ホント頑張って。」
僕はただ祈ることしかできなかった。
ついに主人公原作入り。と言ってもまんま過去なんですけど。
とりあえずクゥとアロアを神様として出しました。何気に好きです。この二人。
他にも、マテパのキャラは出してく予定です。
次の話では劣等生のあの人を出します。
感の良い人は気づくかも。
ではまた。