魔法科高校の劣等生〜魔法師達と魔法使い〜   作:破壊

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初めて小説書きました。拙い文面でしょうが頑張って行きたいなーと思います。


プロローグ

 男は走っていた

 

 あちこちで銃声や爆発音、逃げ惑う一般の人々の悲鳴を耳にしながら、男は走っていた

 

 逃げる為じゃない

 

 生きる為じゃない

 

 勝つ為に

 

 勝って笑う為に

 

「あの角を曲がって・・・突き当たりを右に・・・・・後はまっすぐ行けば居るはずだ・・・・・居たっ!」

 

 ──奴を倒せば勝ちだ──

 

 ──他の奴等とは明らかに違う体躯──

 

 ──知性を持ち、他を率いる姿勢──

 

 ──そして、他の奴等からは感じなかった重圧──

 

 ──奴が大将だ──

 

 男は右手にナイフを持ち、左手を握りしめ、一度深呼吸すると大将であろう存在目掛けて飛び出した。

 

 男の出現に取り巻きたちは奇声を上げ迎撃に向かう。

 

 男は冷静に向かってくる相手を視ながら構える。

 

 自分よりも大きな体、鋭く口から飛び出した2本の八重歯が目を引く牙、両腕は太く剛力で有ることが伺える。

 

 両手に曲刀を握り、足に鉤爪のような太く鋭い爪、腰の辺りには太く男の背丈ほどある尾が生えている。

 

 動きは速いが鋭くはない。

 

 身体能力に任せて動かしている感じだ。

 

 対処は難しくない。

 

 一体の取り巻きの降り下ろしを体を捻りながらナイフを曲刀の腹の部分に打ち付けることで軌道をずらし避け、無防備になったわき腹に拳を突き刺した。

 

 普通拳を握って振っても相手を殴り飛ばすのがせいぜいだと思うが、虐めぬき、鍛え上げた男の拳は相手の硬い筋肉を貫き、肋骨を折る事など容易かった。

 

 すぐに腕を引き抜きナイフで首筋を刺し絶命させると次の相手に意識を向ける。

 

 今度は二体同時に剣を水平に振るってきた、狙いは首と足首、避けるのは簡単だ。だが避けた後の体勢を考えると次の動作に移るのに隙ができる。ならここは。

 

 男は右手のナイフを振り上げ首を狙っていた剣を弾くと同時に足首を狙っていた剣を左足で踏みつけて叩き折った。

 

 避けると思っていた二人も、男の予想外の対処の仕方に、身体を硬直させてしまった。その隙を逃すはずもなく、男は体を回転させ、左右に居た二人の首を切り裂いた。二体は斬られた痛みに奇声を上げなおも剣を振り回すが既に男の姿は、自分たちの主に向かって行く背中が見えるだけだった。そのうちに流れ出た血が致死量に達し、二人は意識を手離し死を迎えた。

 

 男はナイフで、時に拳で、足で、敵を屠りながら敵大将と距離を徐々に縮めていった。しかし同時に男の体力も消耗していった。取り巻きを殺し終え、敵大将と対峙する頃には息が切れ、ナイフを持つ手の感覚も無い状態だった。

 

「マサカ、我ガ精鋭100人ヲ、タッタヒトリデ倒ストハ恐レイル。シカシココマデダ。体力モ消耗シ息モ絶エ絶エノ貴殿二敗レルホド、柔ナ鍛エ方ハシテイナイ。」

 

「・・・将・・とも・・なれば・・・・知能が・・・高いと・・・・・予想してた・・・が、人語を・・話せる・・・とはな。言い・・・回しか・・ら、俺を侮っ・・てる様子も無し・・・か。だがまだ甘い。」

 

「ナッ!!?」

 

「本当に油断しないのであれば、息を整える間を与えず俺を殺すべきだった、軍を率いる大将がこんな簡単なことに気付かないとは、慢心が過ぎたな。」

 

 武器を構えたまま疲弊した相手を前に称賛の言葉を口にするだけで掛かって来なかったことで息を整える事が出来たと言う男。だがその言葉がただの虚勢であることを大将の男は見抜き冷静さを取り戻し飛び掛かった。

 

「フンッ!強ガリハヨセ!如何二呼吸ヲ整エヨウトモ、痙攣シテイル腕ヲ隠セテイナイゾッ!!」

 

 剣を上段から降り下ろしながらそう断言する敵大将に内心舌打ちしながら大きく後ろに飛び回避する。指摘された事が正しく、近距離で避けると躱すことが困難になると判断し大きく避けたのだ。

 

 男は手に持つナイフを地面に落とし相手に向かって駆け出した。

 

「確かに、痙攣した腕で殴ってもたいしたダメージを与えられないだろう。だが拳が使えずとも蹴りは出せる!」

 

 敵大将が剣を水平に振るうと同時に跳躍し顔面に飛び膝蹴りを放った。

 

「グッ!?マダコンナ(チカラ)ガダセルノカ。貴殿ハココデ確実二息ノ根ヲ止メネバナランナ!!」

 

 男が地面に着地すると同時に頭上から剣を降り下ろすが、足を蹴り払い体勢を崩され簡単に受け流される敵大将。男はさらに追撃を掛け外腿(そともも)と脇腹に蹴りを放った。

 

 しかし放った足に伝わる衝撃に男は顔を(しか)めた。まるで鋼鉄を蹴ったような感触だった。

 

「フンッ!筋肉ヲ鋼ノヨウニ硬クスルコトガデキルノハ貴殿ノ種族ダケデハ無イ。イヤ、鍛練ヲ怠ラナケレバドノ種族デモ修得ハ可能カ。」

 

「・・・硬気功・・いや、気の発現を感じなかった・・・

 筋肉を収縮し密度が増すことにより肉体の強度を上げたか。」

 

 男は、足に伝わった衝撃から敵大将の防御手段を考え口にした。そしてあの瞬間にそれをやってのけた敵大将の技量の高さに冷や汗を流した。

 

「やはり貴様を討つことがこの戦での絶対条件のようだ、できなければこちらに勝利はない。」

 

「フッ。我ガ王デハ無ク一将兵二スギナイ私ガ戦ノ勝敗ヲ左右スルナドアルワケガ無カロウ。」

 

「・・・確かに王を討つことで戦を終わらせる事など歴史を紐解けば何度も有っただろう。・・・だが有能な将兵を討つことが戦を終わらせる切っ掛けを作ったことも少なからず存在する。」

 

 そう問答しながらも二人は剣を、蹴りを繰り出し相手の隙を突こうとしている。しかし互いに相手の攻撃を見切って躱すの繰り返し、しだいに体力を消耗していた男が避けきれず剣が掠り始めた。

 

「ソノ身体(カラダ)デココマデ持チコタエタコトニイタク感心スル。貴殿ガ全快デアッタナラバ立場ハ逆ダッタデアロウ。ダガ結果ガ全テ。貴殿ヲ殺シ、コノ戦、我等ノ勝利デ幕ヲ閉ジルトシヨウ。セメテモノ手向ケトシテ、私ノ秘技ヲ持ッテ貴殿ヲ葬ロウ。」

 

 そう言うと敵大将は男を蹴り飛ばし距離を開け剣を中段よりやや下に構えたまま男に突進した。男は片膝を着き敵大将の攻撃を防御、回避、両方出来るように備えた。すると敵大将の剣が光を放ち始めると男の表情が驚愕に変わった。

 

「気を纏わせたか。つくづく厄介な相手だ。」

 

  男は近くに落としたナイフを拾い敵大将に向かって投擲した(・・・・)。しかし敵大将に当たった瞬間キンッとゆう音とともに弾かれた。

 

「終ワリダッ!!流星剛弾撃(メテオ・スプレッド)!!」

 

 敵大将は男の膝を着いた場所から数歩手前の地面に剣を突き刺した。男は距離をとるために後方に跳んだが、直後突き刺した剣の前方の地面が爆発し土の塊が男に飛来した。

 

「くっ!」

 

 男は咄嗟に両腕に気を纏わせ顔の前で腕をクロスさせ防御の姿勢を取った。しかし、腕に土塊が当たった瞬間自分の意思に反して両腕が跳ね上がった。

 

「なっ!!」

 

 男が跳ね上がった両腕に意識が向いた隙に敵大将は男の(ふところ)に入り剣を突き刺した。

 

「ぐうっ!」

 

 剣が刺さる直前、男は咄嗟に両腕を下げ剣の軌道を右腕で(・・・)ずらし心臓に刺さることは避けたがそれでも致命的な一撃だった。脊髄(せきずい)も傷ついただろう。いまここで離れれば男に自分を殺す手立ては無い。敵大将が男から剣を引き抜こうとした瞬間、

 

 ズブッ

 

「グッ!?・・・ナ・・二・・・?」

 

 敵大将の身体を何かが貫いた。場所は右脇腹よりやや上の辺り、敵大将はその場所を見ようと顔を下に向けたが自分の右腕で隠れていた。敵大将は右手を剣から放し視ると、黒い棒のようなものが刺さっていた。

 

「コ・・レハ・・・ナイフ・・・ダト?・・・・・バカナ・・・ナイフナラソコニ・・・。」

 

 敵大将は自分がナイフを弾いた方向を見る。そこには柄の部分が無い(・・・・・・・)ナイフの刃の部分だけが地面に刺さっていた。

 

「このナイフは・・・特別製でな・・・柄の部分から刃を射出できるんだ・・・・・・そして・・気を流せば・・・何度でも、どの長さでも、刃を精製することが・・・できる。」

 

「刃ノ射出・・・ダト?デハ・・先程ノ投擲ハ・・・!」

 

 敵大将は剣を手から放し狼狽しながら後ずさる。身体を貫かれたままの男も一緒に地面に落下しうつ伏せに倒れた。

 

「ぐっ!・・・そうだ・・投げたと思わせ・・・刃を射出し・・・柄だけを懐にしまい・・・お前の意識を反らしたんだ。」

 

「自ラノ生命(イノチ)ヲ囮二・・・私ノ隙ヲ突キ・・・死角カラナイフヲ・・・カ。・・・シカシ哀シイカナ。貴殿ノナイフハ私ノ心臓ヲ貫クニハ(イタ)ラナカッタヨウダ。」

 

「・・・言った筈だ。」

 

「ムッ!?」

 

「慢心が過ぎると!!」

 

 男が叫ぶと同時に左手を突き出し拳大の気弾を高速で放った。敵大将は突然の事に体を硬直させ気弾の直撃を受けた。しかし、気弾の当たった場所は黒く煤けた程度で深刻なダメージを負ったとは言えなかった。

 

「ソノ程度ノ気弾デ私ヲ殺セルトデモ?イママデノ貴殿カラハ想像モツカナイオ粗末ナ『ボン!』ゴッ!?ガァアアアアア!!!?」

 

 敵大将が男の攻撃に落胆し、問おうとした直後、敵大将の体内で爆発音が響き男の前で絶叫しながら、血を吐き出し倒れた。

 

「ナ・・・ナニガ・・・・・!?」

 

 敵大将の疑問に男が答えた。

 

「今の・・・気弾はお前・・・・の体内・・・にあっ・・・たナイフの・・刃を・・・爆発させ・・るため・・・の起爆・・・・剤だ・・・・言ったろ・・刃は俺の・・・気で・・精・・製・・・したと・・それを・・気弾に・・・爆発性を・・込めて・・・柄の部分・・・・・を・・通して・・誘爆させたんだ。」

 

「ソ・・・ンナ・・緻密ナ・・・操作ヲ・・ソノ・・状態デ・・・。ハ・・・ハッ・ハッ・ハッ・・・貴殿ノ・・言ウ通・・・リ・・ダッタナ・・・ワタ・・シ・・ハ・・・ドウヤラ・・・マンシンガ・・スギ・・タ・・・ヨウ・・・ダ・・・・。」

 

 そう言い残し、敵大将は息を引き取った。そのことを確認した男は最後の力を振り絞り腰に巻いていた袋から筒状の物を取り出し空に向けて伸びていた紐を引っ張った。すると、筒から甲高い音とともに煙が上がり、空から大きな音が鳴った。男は音を聴くと、全身の力を抜き目を閉じた。

 

「これで・・・・永きにわたる・・・人と・・・豚頭族(オーク)の・・・戦いが・・・終わる・・・その瞬間に・・・・立ち会え・・・ないのは・・・残・・念・・だが・・・後の・・ことは・・・みん・・なに・・任すわ・・・・じゃあな・・。」

 

 そこで男は息を引き取った。その後、男の信号弾の合図を機に男の仲間たちが一気に攻勢に出た、将が討たれたことにより、豚頭族は連係が乱れ敗走を余儀なくされた。

 

 その三日後、豚頭族の王、豚頭帝王(オークロード)を討ち取り、人と豚頭族の永きにわたる戦いに終止符が打たれた。その功労者である男の仲間たちは人々から称賛や歓声が上がり称えられた。しかし男の仲間たちは誰一人として称賛に笑顔で応えることはなかった。男の死に仲間たちは痛く悲しみ、悔しんだ。

 

 男の亡骸は丁重に埋葬され、立派な墓が建てられ、墓には男の名と、戦いの際命を落とした者の名の他にこう彫られた。

 

 

 ─────偉大なる英雄 此処に眠る─────

 

 

 

 

 




初めまして、破壊と書いて(すぷらった)と読みます。初小説投稿です。なんか最後のほうグダグダになってしまいましたがなんとか書けました。これから頑張って行きたいなーと思います。

設定としては別世界の男が、神様転生して魔法科高校の劣等生の世界に行く話、だから原作知識無しで原作のキャラと交流(乱闘?)していきます。

主人公の世界の設定としては様々な種族がいてその中の人類とオークが戦争してたとゆう話、オークは人類を奴隷にしようと戦争を吹っ掛けた存在、人類はオークの頭を討ち取り平等な立場にしようと戦っただけ、しかし主人公の仲間には人の他に様々な種族がいたのでオーク対その他の種族になっていたかも。

長くなりましたがこれからよろしくお願いいたします。

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