ロウきゅーぶ!短編集   作:gajun

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前話の『お風呂会議プロローグ』で行われた『長谷川昴が各キャラに豊胸マッサージを行うとしたら』というテーマで行われた、みんなの妄想発表会の内容です。

今回の智花の話の中で登場する長谷川昴は、各キャラそれぞれがイメージした長谷川昴という形で登場しているため、本来のキャラと比べて著しいキャラ崩壊が起きている可能性があります。


みんなの長谷川昴コーチ。最高の智花(パートナー)のために。

「よーし! そんじゃ、みんなチューモークっ! ラストはもっかんだーーー!」

「ぱちぱちぱちー」

 何故かまだ落ち込んだままの紗季に代わり、私の番になったところで真帆がウキウキしながら場を仕切り出す。

 

「ぅぅ……そんな注目されたって、私は面白い話なんかできないよぉ……」

「そんなことないよ。智花ちゃんが一番長谷川さんのこと知ってるんだし、智花ちゃんにとっては普通のことなんだろうけど、私たちには素敵なお話になると思うよ。私は聞かせて欲しいなっ」

 ちょっと待って、愛莉にとって昴さんが私の胸を揉むことが普通だって思われちゃってるの!?

 そこだけはしっかり否定しておかないと。と思ったが、私が口を開くより早く、すでにみんなも愛莉の発言に乗っかるように、それぞれが私への期待を投げかけてくる。

 

「おーひなも、ともかのお話聞きたいな」

「安心しろもっかん。すでにサキが一番恥ずかしい思いをしてんだから、もっかんもすばるんへの熱い想いをBUCIMAKEちゃえよっ」

「くっ……今回ばかりは否定できないのが悔しい……まぁようやく落ち着いてきたわ……私たちが勝手にトモの話を楽しみにしてるだけなんだから、変に気負いしないで軽く話しちゃえばいいのよ」

 まだ自分の想いを話すことに戸惑いや恥ずかしさもあるけど、それでも大切な友人たちが私の話を楽しみだと言ってくれているなら……

 

「もぅ……わかったよぉ。上手く話せるかはわからないけど……よかったら私の想いを聴いてくださいっ」

 

                      *

 

「今日も智花が家に泊まりに来ることになったわけだが、なんか智花と一緒に寝るのがすっかり当たり前になってきたような気がするな」

――いや、あくまで俺の部屋で寝るのが一緒なだけで、それぞれが寝る場所は俺が布団で智花がベッドと、ちゃんと別々に別れて寝ている。

 たまに智花が寝ぼけて俺の布団に潜りこんでしまい、目が覚めて、朝最初に見るものが智花の可愛らしい寝顔。というのが日に日に増えてきている気がする。

 幸いなことに事故らしい事故は起きてないし、起こしてないと信じたい。

 万が一でも接触事故が起きてしまい智花の大切な初めてを奪ってしまうような事態になってしまったら、不可抗力だとしても多分、自分を許せなくなってしまう。

 きっと心優しい智花は許してくれるかもしれないし、その後も変わらずに今の関係のままでいてくれるだろう。

 でも、絶対に俺の見てないところで実は深く悲しんで、涙を流してしまっていることくらい容易に想像できる。

 

「本当なら、やっぱ智花の身の安全のためにも、一緒に寝るべきではないんだよなぁ~」

 智花だって、そんなことくらいわかってるはずなのに、それでも俺の家に泊まりたい。と言ってくれてるし、俺自身も少しでも彼女と一緒の時間を過ごしたいと思ってしまっているのも事実。

 何にしても、今後も今の関係を気兼ねなく続けていくためにも、彼女の信用を損なうことは絶対にできないな。

 

 

 そんなことを考えながら俺こと長谷川昴は現在自室で智花の風呂上りを待っている。

 普段はどんな状況だろうと智花に先に風呂に入ってもらっているのだが、今回だけは例外的に俺が先に風呂を入り智花を待つことになった。

 当然、これにはちゃんとした理由がある。

 それは入浴後の智花にマッサージをするためだ――かなり局地的な部位に対して。

 今回行うマッサージに限らず、基本的に入浴後の血行が良い状態の時の方がマッサージ効果も期待されているため、それらを考慮した結果、俺が先に風呂に入ることになったわけだが……

 

「いざ待ってみると。意外と長いものだな」

 朝の練習後も先に智花にシャワーを譲り、その間自分は追加練習をして時間を潰しているが、こうして何もすることがなく、ただ智花のお風呂が終わるのをじっくり待ってみると意外と長く感じてしまう。

 もしかしたら、時間が止まりその時が来ない方がお互い幸せなんじゃないかという考えも廻るが、すぐに否定する。

 智花自身が望み、それに俺が応えることを決意したんだ、それなのに今更俺だけ自分勝手に迷うなんて智花に失礼すぎるだろ。

 気持ちを引き締めるためにパソコンの前に座り、今までに得た知識の確認を兼ねて最後の情報収集を行うことにした。

 

――(豊胸マッサージ 小学生 小ぶり胸 方法etc)

 

 まさかこんなキーワードを調べるようになるとは夢にも思わなかったな。そう思いつつ検索を開始する。

 表示されるキーワード関連の文章や画像の数々に気恥しさと共に、俺はいったい何をしているんだろう? と自分の行動を冷静に考えてしまうこともあったが、大切な智花のためという大義名分がある以上、この程度の羞恥心に怯んでなんかいられない。そのまま作業を続行だ。

 さすが情報社会となったこの時代は気になったことは情報の真偽に関わらずいくらでも入手できる。

 数か所のサイトを確認し、それぞれで表示されている情報を比較し合い、各情報の精査を行う。

 

「ん~これは大人とか中高生向きじゃないのか? お、これはちょうど智花と同じくらいだし使えそうかな?」

 時折チラチラと表示される画像が視界に入る。たまに特定の画像を見た瞬間、反射的に智花と比較してしまい、まったく関係ない思考がよぎるも慌てて首を振る。

 あとは、どういう感じにやっていくかシミュレーションしていけば――というところで不意にドアを叩く音。

 

「昴さん、お待たせしました。失礼しますねっ」

 智花の声に慌ててパソコンの画面を閉じる。

 いくら智花のためとはいえ、あらぬ誤解を掛けられないためにも、今の俺のパソコンの画面を見られるわけにはいかない。

 

「あぁ。どうぞ」

 パソコンの電源を切ったのを確認してから、声を掛けつつドアの方へ視線を移す。

 控えめにドアを開きながら、恥ずかしそうにこちらを覗く智花の顔が見えてくる。

 そして、智花の全身が見えたところで、相変わらず智花の寝巻――薄桃色を基調にした薄手のキャミソールとショートパンツという姿を男の前で晒すのは自分の魅力に無関心すぎるのではないだろうかと心配になる。

 しかもお風呂上り直後で、顔も身体もほんのり赤くなっててすごく色っぽいことになっていた。

 そんな簡単に見慣れることができるわけもなく毎回ドキドキさせられているし、下手に俺と智花の立ち位置がかみ合ってしまうと、襟元や脇口の隙間から何かが見えてしまいそうな……とんでもない事故が起こりかねないため常に自分と彼女の動向に気をつけなければならない。

 もっとも今回はそれを思い切り見るどころか触らせてもらうことになってしまうんだが、

 

――絶対に智花に後悔させないようにしないとな。と智花に悟られない様に心の中で静かに決意を固める。

 

「何かお調べになっていらしたんですか?」

 パソコンの前に座っていた俺を見て、智花が不思議そうに尋ねながら部屋に一歩を踏み出した瞬間――ミルクと石鹸の甘い香り漂い、俺のむさくるしい部屋の匂いを一気に浄化されたような錯覚を覚える。

 直接智花に向かってすごくいい匂いだ。なんてことは智花が恥ずかしがってしまうため言えないが、これからマッサージするときに思う存分この匂いを堪能させてもらおうという野望が一つ生まれた。

 

「ちょっと言いづらいんだけど、智花のための調べ事をね。智花が俺を頼ってくれた以上、俺もできる限りベストを尽くしたいし」

「ふぇぇ!? ……そ、それって、その……」

「うん。今日のマッサージのために俺も調べられる範囲で色々調べてた。できることなら智花をいっぱい満足させてあげたいし」

「はぅぅぅぅ…………」

 言外に智花のおっぱいを智花が満足するまでしっかり揉ませてもらう。という発言とも取られかねないとは思ったが、案の定、あまりの羞恥心に言葉を失ってしまったようだ。

 俺としてはこの発言で智花が考えを改めて、このままいつも通り雑談をするだけのただのお泊りとなっても構わないと思っている。

 

 俺自身が智花の胸を揉みたいか揉みたくないかと問われれば、間違いなく『揉みたい』と即答できる。

 だが、それはあくまでも智花が俺に揉まれてもいい。もしくは今回みたいに揉んでほしいと思ってくれていることが前提だ。

 大切な存在を傷つけてまで、そんなことをする意味はないっていうのは俺も智花もわかっている。

 智花も俺にこんなことを頼むのに相当な引け目を感じていることくらいは容易に想像がつく。

 だから俺からも智花がそんな引け目を感じる必要は一切ない。ってことをしっかり伝えてあげないとな。

 

「俺の方はいつでも準備万端だ。それで……確かに最終的には智花の……そ、その……む、胸を揉ませてもらうわけだけど、いきなり触るわけじゃないから、少しでも嫌だと思ったらすぐに教えて欲しい」

「わ、わかりました。でしたら私からも昴さんにお願いしてもいいでしょうか?」

「あぁ、俺に智花を傷つけさせるようなこと以外ならね」

「はい。そう仰って頂けると思ってました……だから、もし私が怖そうにしてたり嫌なのを我慢していると思われたのでしたら止めて頂いて構いません――でも、その代わりそうじゃなかったら……さ、最後までお願いしますっ」

 良かった、お互いにパートナーとしてできることは頼ったり協力し合えるけど、無理なことに付き合わせたくはない。っていう想いは同じだった。

 

「えへへ。昴さんとちゃんと気持ちが通じ合えてたっていうのがわかってすごく嬉しいですっ」

「俺もだよ……智花」

 互いに自然と笑みが零れる。

 

 

「不束者ですが。よろしくお願いいたします……って、この挨拶は違うんでしたよね?」

 床に腰を下ろした智花が正座をしながら深々と頭を下げている途中で、軽く小首を傾げる。

 

「そこら辺は深く考えくてもいいんじゃないかな? とりあえず、体も温まってるうちに始めようか」

「あ、あの……正面から向き合っては少し恥ずかしいですので……後ろからして頂いてもよろしいでしょうか?」

「いいよ。おいで」

「し、失礼しますっ」

 ベッドの端に腰を下ろし、自分の膝を軽く叩きながら呼び寄せると、智花もそっと俺の膝の上に腰を下ろす。

 膝から太腿にかけてに感じる幽かな重さと火照った小さな体の淡い温かさ。そして彼女から発せられる甘い匂い。

 無意識に彼女の髪に頬を摺り寄せながら、お腹の下に両手を回し優しく抱きしめていた。

 

「あ、あの……昴さん?」

「あ、あぁごめん。それじゃ、ちょっとずつ慣らしていこうか」

 いかんいかん。智花を抱ける幸せを噛み締めるのに夢中になってしまったな。

 恥ずかしそうにしながらも肌の密着に嫌悪感を見せないでくれている智花に一安心。

 回していた腕を一度解くと、左手はわずかに捲れ上がったキャミソールの中に差し入れ智花のすべすべのお腹の上に手を置きながら、右手は指先で首筋から鎖骨へかけてのラインをそっとなぞる。

 

「ちょっとずつ他のところも触っていくよ」

「はい。お願いします……ん……すごくドキドキしますけど、昴さんに触って頂けるの全然嫌じゃないです」

 身体を撫でるたびに小さく可愛らしい声が漏れる。

 多分大丈夫だとは思うけど、まだ智花の胸には触れない様に。と細心の注意を払いながら、下からはお腹からろっ骨付近へ、上は首から胸元付近へと智花の身体のラインを確かめるように徐々に撫でていく範囲を広げていく。

 少しずつ大胆な触り方になってきているため、智花の表情を確認してみたが、心地よさそうに目を細めながら、俺に撫でられることを受け入れてくれている。

 そして、俺の視線に気づくと、照れたような微笑みと甘えるような上目づかいで続きを求めてきてくれた。

 手の力をわずかに強め、撫でるから本来の目的であるマッサージのための揉む動作へと変えていく。

 

「はふぅ……昴さんの手、ちょっとくすぐったいですけど暖かくて気持ちいいです」

 俺の手に温かい小さな手が重ねられる。

 

「昴さんには物足りないかもしれませんが……そ、そろそろ触って欲しいです……わ、私の……む、胸を」

「ごめんな。焦らしてたわけじゃないんだけど、やっぱり俺もどこかで智花に嫌われないかって不安に思ってたんだ」

「私が昴さんを嫌いになるなんて絶対にありえませんよ。今回のことも私が昴さんにご無理を言ってお願いしてしまったんですし」

「それじゃ、智花の胸触らせてもらうよ」

 キャミソールの裾を両手で掴み捲り上げようとしたところで、智花に止められる。

 どうやら脱がされるのは恥ずかしいらしく、自分で脱ぎたいようだ。

 智花は一度深呼吸をして気持ちを落ち着けると、ゆっくりキャミソールを脱ぐと、そっとベッドに置いた。

 実は撫でてる間に智花が体をよじったり前かがみになった時とか、胸元が大きく開いてしまった時にチラチラ見えてしまい、

 そのたびに何度か目をそらしていたが、智花が自分の意志で俺に見せてくれるのだから、ここから先はしっかり見ないと失礼だよな。

 智花の肩越しから覗き込むように、彼女のご神体を拝見させて頂く。

 かなり緩やかな曲線のラインだけど、確かにふくらみがあって、幽かなふくらみの頂点には小さいながらも、本人同様に決して主張してるわけではないが、それでも目立ってしまう淡いピンク色の先端部分。

 智花も俺の視線から俺が智花のおっぱいをマジマジと見てしまっているのはわかっていることだろう。

 

――ダメだ。申し訳なさを感じながらも智花の胸から目が離せない。

 

「ちょっと失礼しますね……んしょっ……と、えいっ」

「と、智花!?」

 智花が俺の膝の上で向き合う様に体勢を変えると背中に回した両手で強く体を密着させるように抱き着いてきた。

 上半身裸の少女が力いっぱい抱き着き肌を密着させてくる。というあまりにも刺激的な状況に思考が一瞬凍りつく。

 

「えへへ。こうすれば私の胸も気にならないですよね。嫌じゃないですけど、恥ずかしいんですから、あんまりおっぱいばかり見ちゃダメですよっ――私のは小さいですし……」

「さっきから本当にごめんな。あと少しで落ち着けそうだから、もうちょっとだけこのままでいさせてくれ」

 俺の胸に顔を埋めていたため智花の表情は見えなかったが、僅かに頷きながら小さく微笑んでくれたような気配を感じた。

 

 

「よし! 待たせたな智花」

「昴さん、もう確認はいらないですからね。いっぱいいーっぱい私のおっぱいを揉んで大きくしてくださいねっ」

 智花の両肩を抱き、密着していた二人の身体の距離をわずかに開けると、そのまま智花の胸へと手を伸ばし、優しく包み込むように胸を揉み始める。

 やや張りが強いが十分柔らかくプニプニとした弾力はいつまでも味わい続けたくなるほどの中毒性を秘めていた。

 智花の胸を揉む手から彼女の鼓動が伝わってくる。

 

「昴さんに私のドキドキが伝わってしまってますよね?」

「うん。すごくドキドキしてるのわかるよ。俺だって智花のおっぱい触らせてもらってすごいことになってるんだよ――ほら」

 智花の手を取り、俺の興奮が一番伝わるであろう場所へ智花の手を導く。

 智花は幽かに震えながらも、俺の誘導に導かれるままに俺の一点へ伸びていく。小さく繊細な手がそっとそこに触れた瞬間――

 

「!?」

 思わずビクリと俺の方が震えてしまった。

 

「ごめんなさい! もしかして痛かったですか! 私、変な触り方をしてしまったのでしょうか?」

 とっさに手を離し目元に涙を浮かべながら心配そうに俺に尋ねてくる。

 

「いや、驚かせてごめんね。自分で触らせたくせに俺の方が智花に触ってもらったとたん驚いちゃっただけだから――もう一回触って確認してみてよ」

「はい。そ、その……何か粗相がありましたら遠慮なく教えてくださいね――それでは失礼しますっ」

 再び智花の手が当てられる。

 最初はそのまま手を置くだけであったが、次第に俺の熱い生命の躍動を手で感じ取っている間に、その感触が愛おしくなってしまったのか、無意識に優しい手つきで智花がそこを撫で始めてしまっていた。

 智花に撫でられる度にどんどん緊張が高まり変な力が入ってしまうと、それがより熱く硬くなりながら、強く脈打っていくのが自分でもわかる。

 

「昴さんのどんどん熱く硬くなってきてます。私でこんなにドキドキして頂けるなんて嬉しいです!」

 俺の左胸に手を当てて俺の早く脈打っている鼓動を感じ、嬉しそうにしている。

 そんな彼女を見つめながら、俺も胸揉みを再開する。

 

 夢中になって揉み続けている間、刺激に耐えるためか智花が身をよじるのと俺の胸を揉む動作が絶妙なタイミングで合わさってしまい、偶然にも智花の胸の一番敏感な部分に指をこすりつけるように触れてしまった。

 

「ふぁぁぁぁぁん!! …………はぅぅぅ!!」

「ごめん智花!! 変なところ触っちゃった」

「い……いぇ……私も変に動いてしまっていたので……はしたない声を上げてしまって申し訳ありませんでした!」

 ほんの一瞬だけ味わうことができた感触は他の部分よりもちょっとだけ固くて、触れた瞬間の智花の顔がめちゃくちゃ可愛いことになっていた。

 思わず、もっとそこを重点的に攻めたいという欲望が湧き上がる。

 

「智花。俺が全部責任取るから、頼むからこのまま少しだけ激しくさせてもらっていいか」

 欲望を抑えきれず、そのまま自分の思いを口に出してしまっているが、止められない。

 大好きな智花の匂いを堪能させてもらっている首筋やうなじ。まだまだ揉み足りない柔らかい胸が、可愛らしいくぼみのあるお腹。まだ触れてはいないが、きっとすべすべした触り心地の良さそうな太腿やふくらはぎ。智花の全てが愛おしくなり、もはや理性のタガが外れる寸前だ。

 わずかな動揺と期待に小さくコクリと頷く智花を確認すると同時に唯一残った良心の欠片――絶対に大切な智花に優しくするという決意を残して全て弾け飛んだ。

 智花から言質を取れた瞬間、俺は彼女の肩を強く抱きしめながら、押し倒すように一緒にベッドに倒れ込んだ。

 そして智花の大切な初めてを奪い取るべく顔をどんどんと近づけていく。

 

                      *

 

「智花、俺がお前の初めてを全て奪いつくしてやる!!」

「あーだめぇーすばるん……じゃなかった。昴さん!! お願いだから優しくしてーーー!!」

「はぅぅぅぅ!! お願いだからもうやめてー!! 本当に恥ずかしすぎるよおぉぉぉっ!!」

 

 途中から紗季が脚色を始め、真帆も便乗して加わりだし、最終的に昴さんにベッドに押し倒されておっぱいどころか全身を撫で回されたり匂いを嗅がれてしまう話へと変わってしまっていた。

 

「もぅ~なんで真帆と紗季が話に加わってきちゃうの? 最後だって絶対に昴さんはそんな強引なことしないよぉ」

「だって、もっかんの話、いつまで経っても話すすまねーんだもーん」

「確かにトモと長谷川さんならこういう感じになるかな? って思うけど、延々と惚気話を聞かせられる身としてはね。お互いにもう少し積極的に求め合ってもいいんじゃないの?」

 真帆も紗季も上手く話せない私に協力してくれたのはわかるけど、こんなに恥ずかしい話にされるとは思わなかったよ。

 

「話聞いてて思ったけどやっぱもっかんはエースだな」

「そうね。やっぱ普段から長谷川さんを見てるだけあるわね」

「智花ちゃんと長谷川さん、やっぱいいなぁ」

「おーともかいっぱいおにーちゃんのこと知ってていいなーひなももっとおにーちゃんのこと知りたいー」

 みんなからの感想もすごく恥ずかしいことを言われてる。

 私だって全然昴さんのこと知らないのに。

 

「みんなっ絶対に今日の話は昴さんに内緒だよっ」

「にししーまさかすばるんも自分があたしらのおっぱい揉んでる話なんてされてるとは思わないだろうなー」

「もしかしたら今後何かの拍子に触られちゃうことはあるかもしれないけど、長谷川さんだしきっとエッチなことはしないと思うけどね」

「ひなちゃんも絶対に長谷川さんだけじゃなくて、他の人にも話しちゃダメだからねっ」

「おーみんなとのひみつのおはなしー」

 最後にみんなとしっかりと密約を交わしたところで、一番の問題に気づく。

 

――うぅ……明日からどんな顔して昴さんに会いにいけばいいんだろう?

 

「もっかん。すばるんはべんきょーちゅーなんだから、終わるまで誘惑してジャマしちゃダメだかんな」

「終わった後なら労いの意味を込めてたっぷり癒してあげるのもいいかもね」

「そんなことしませんからっ!!」

真帆と紗季の二人にからかわれながらも、最後にはみんなでいっぱい笑い合って五人だけの秘密の発表会は無事終了することとなった。

 

 




話としてはここでひと段落。
後ほど今回の話の後日談の様なものを追加予定です。

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