今回のひなたの話の中で登場する長谷川昴は、各キャラそれぞれがイメージした長谷川昴という形で登場しているため、本来のキャラと比べて著しいキャラ崩壊が起きている可能性があります。
お風呂場でのガールズトークは盛り上がりいつまでも終わりを迎える気配はなかった。
愛莉からの最重要情報を入手し、ほくほく笑顔の紗季がみんなをまとめる。
最高潮を超えて上がり過ぎてしまったテンションのクールダウンを兼ねて一度場所を移すことを提案していた。
「いい具合に盛り上がって来たけど、このままお風呂場で話に夢中になってるとみんな上せてちゃうし、続きは真帆の部屋でしない?」と、
提案した紗季自身はもちろん私達も羞恥心と入浴の二つの暑さから体の火照りが、かなり強くなっていることを感じていた。
中でも突然話題の中心とされていた愛莉はフラフラで、倒れてしまうんじゃないかと心配になるくらい真っ赤になってしまっている。
真帆の部屋に集まり、腰を下ろす頃にはみんなだいぶ落ち着いてきた様子だった。
みんなに配られたオレンジジュースが火照った体を心地よく冷やしてくれる。
「ふふふふふふ。さて、それじゃ一息ついたんだし、再開するわよ! トモも愛莉も覚悟は決めたわねっ」
アイスエイジってなんだっけ?と思わず言いたくなるような普段の紗季からは想像も付かないくらい興奮しているように見える。
もしかしてバスケの時以上に熱くなってるんじゃ?と思ったところで、さすがにそれは失礼だと心の中で謝る。
その紗季の熱気に同調するように、すっかり回復した真帆が会話に加わる。
「お、サキと気が合うなんてめずらしーな。それじゃヒナ! 今度こそイチバンヤリまかせたぞー」
「おーまってましたーひながみんなのとっぱこーひらくよー」
一度閉じられてしまったひなたの心の世界が再び解き放たれる。
*
「ひなたちゃーんお待たせーようやく準備ができたよ」
「おーいらっしゃーいっ」
お風呂場のドアを開けるとひなたちゃんが元気な声で迎えてくれた。
ついさっき同じ場面で裸ん坊のひなたちゃんに迎えられた気がしたが、決してそんなことはない。
しっかりと。とは言い難いが、それでも日ごろからみんなに注意されているためか、今回はおっぱい以外の女の子の特徴的な部分である、おまたやお尻が隠れる様にタオルが腰から膝元辺りまでを覆っていた。
かなり心もとなく、ほんの少し動いただけで、すぐにひなたちゃんの体から滑り落ちてしまいそうなくらい危うい状況ではあるが。
ひなたちゃん自身が気にしてないんだから、俺も気にしないことにする。今回の目的はひなたちゃんのおっぱいなんだから。
「それじゃ、ひなたちゃん。ひなたちゃんのおっぱいが大きくなるようマッサージするからね」
「おーどんとこーい。ひなもあいりみたいにおっきくなるぞー」
みんなの中では一番小柄なのに、おっぱいの大きさは2番目という可能性を秘めた存在。そんな、ひなたちゃんのおっぱいを揉み始めた。
サイズとしては年相応の大きさではあるが、ひなたちゃん自身が元々小柄なためか意外とぷにぷにとした、ふくらみを堪能できることに驚きだ。
「ひなたちゃん、どうかな? 痛いとかくすぐったいとかないかな? もしどこか変なところがあったら、遠慮なく言ってね」
「おーそのままでだいじょうぶーつづけてー」
意外な揉み心地の良さに思わず夢中になって揉み続けてしまいそうだが、おっぱいソムリエたるひなたちゃんに少しでもイヤな思いをさせてしまってはいけない。
少しでもひなたちゃんの気にそぐわない揉み方をしてしまえば、ひなたちゃんのおっぱいを大きくすることなんて夢のまた夢になってしまう。
誠心誠意丁寧に優しくひなたちゃんのおっぱいを揉み続けていると、突然ひなたちゃんが口を開く。
「おにーちゃん。あんまりこわいかおしちゃだめー! おっぱいは気持ちいーんだから、楽しくもまないとだめなのー」
ひなたちゃんの一言に衝撃を受けた。確かにその通りだ。俺はひなたちゃんに気に入られることにのみ集中しすぎてしまい、
俺自身がひなたちゃんのおっぱいを揉むという行為に対して、まったく楽しみを求めていなかった――揉み心地の良さは本当に気持ちよかったけど、そんなのこの場に限って言えば、些細なことだ!
そんなの俺におっぱいを差し出してくれたひなたちゃんに対して失礼すぎるだろ。
「ありがとうひなたちゃん。俺、ひなたちゃんのおかげで目が覚めたよ。せっかくひなたちゃんが俺におっぱいを揉ませてくれてるんだ。俺もいっぱい楽しませてもらうよ」
「おーさすがおにーちゃん。これはおにーちゃんもおっぱいソムリエにならざるをえないっ!」
心機一転しておっぱい揉みを再開した俺の様子にひなたちゃんも嬉しそうに無垢な笑顔を向けてくれた。俺もひなたちゃんの期待に応えないとな。
やがて事前に決めていたマッサージ時間が終わりを告げる。
幸いにもひなたちゃんの機嫌を損ねて途中で終わりを告げられてしまうという事態だけは避けることができた。
だが、実際にひなたちゃんの口から直接、判定結果を告げられなければ決して安心なんかできない。今だって不安でいっぱいだ。
「どうだったかな?ひなたちゃん。俺、ひなたちゃんのおっぱいをちゃんと揉むことができたかな?」
「おーごうかくーおにーちゃんもなかなかやりますなー」
ひなたちゃんの笑顔の合格判定に不安が一気に吹き飛んだ。
「やったーーー!! よかった。ひなたちゃんのおっぱいちゃんと揉むことができたんだね!」
「おーなかなか気持ちよかったーでも、一流のおっぱいソムリエはまだまだ道がきびしいんだよー」
喜びも束の間、改めて自分が目指している道の厳しい現実を師匠から直々に突きつけられてしまった。
「そっか。俺もっともっと上手くならないとダメなんだね。」
「うん。ひなもまだまだーでも、おにーちゃんのおかげで、ひなももっとうまくなれたかもー。だからお返しにひなもおにーちゃんのおっぱいが大きくなるようにマッサージしてあげるねー」
ひなたちゃんが俺のおっぱいを揉んでくれる。俺がさっきまでひなたちゃんにしていた揉み方とはまるで練度が違う、とても精錬された揉み方だ。
対象のおっぱいの大きさや形に合わせて優しすぎず強すぎず、それでいて、とても丁寧で一切の不快感を感じさせない。まさにおっぱいソムリエだ。
やはり今までに揉んできたおっぱいの数が絶対的に違いすぎるということなのか――よし、これからは俺ももっともっとたくさんのおっぱいを揉み続けなければ!
「ありがとうひなたちゃん。一緒に愛莉みたいな、いやそれ以上に大きなおっぱいになろうね」
「おー二人でいっぱいがんばるぞー」
そして、ひなとおにーちゃんはいつまでも笑顔で笑い合いました。おしまい。
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話し終わって満足している、にこにこ笑顔のひなた以外の全員の時間が止まっていた。
ダメだ。恥ずかしさに負けずに最後まで頑張ろうと思っていたけど、最初から挫けてしまいそうだ。
頭痛がしたわけでもないのに、頭を抱えてしまう。相変わらず自分の独特な世界観を持っている子だと言うことを痛感した。
「あーひな。わかってるとは思うけど、男の人はおっぱい大きくならないからな?」
この状況からいち早く復帰に成功した紗季が凍結した空間の解凍を試みる。
「おー知ってるー。でもおにーちゃんだったら、おっきくならないかなー?おっきくなったおにーちゃんのおっぱいもひな揉んでみたいなー」
「いや長谷川さんでも無理だろ。っていうか、長谷川さんが私たちよりおっきくなったら、色々とイヤだし、なによりトモが一番困るだろ」
「そこでなんで私に振るのっ!?」
「だってすばるんに、『悪いけど俺よりおっぱいが小さい奴とは付き合えないんだ』とか言われたらもっかん詰むだろ」
それはイヤだけど―――っていうか
「ねぇ……私の胸ってそんなに見込みないのかなぁ……みんなから見てそんなに成長しなさそうなの……」
「そ、そんなことないよ! 智花ちゃんだって絶対に大きくなるよ!!」
「さすがに男の人より小さいままなんてことはないだろ。真帆も悪乗りしすぎだ」
「もっかんごめんな。さすがにからかいすぎた」
すかさず愛莉がフォローし、紗季が真帆を窘め、罪悪感を感じた真帆も素直に謝ってくれた。
「私だってホントに心配してるんだから、あんまりいじめないでよぉ……」
情けないことに今にも泣きそうなくらい涙目になってるのが自分でもわかる。みんなが本気で私をいじめてるわけではないのはわかるんだけど、ここまで言われると本当に不安になる。
「おーここはひなの出番かもー?」
落ち込んでいた私のところへひなたが滑り込んでくると、いきなり私の胸を揉み始めた。
「ふぇ!? ちょっ……ひなた!?」
「ダメー! もう少しジッとしててー」
戸惑っている私のことをお構いなしにひなたが胸を揉み続ける。
ひなたの小さな手の中にすら、すっぽりと収まってしまう私の膨らみ……
最初は恥ずかしく身体を揺らしてなんとか逃れようと抵抗していたが、ひなたはお構いなしに私の胸を揉む。
手の平全体で包み込まれたり、指先一本一本で感触を確かめられるように丁寧に揉まれたりと、常に変化がある刺激を胸に送り込まれ続ける。
すると不思議なことに、次第にどんどんとマッサージが心地よくなってきてしまっていた。
「きっとこれでともかのおっぱいも大きくなるよー」
「……はぅぅ……なんかひなたに揉まれるの、すごく気持ちよかった……ひなたありがとう……もしかして本当にひなたがいつも触ってるから愛莉の胸も……」
さっきまで暗い表情だったのが嘘みたいに気持ちが高揚してしまっていた。そして私の変化を見ていた真帆が興奮気味に叫ぶ。
「ヒナ! あたしにもやってみてくれ! すっげぇ気になる!!」
「おーまかせろー」
もみもみもみもみもみもみもみもみもみもみ
「うぉぉぉ!? なんだこれ!? ホントにすっげぇぇぇぇ!!!! ヒナ! マジですげーぞ! さすがおっぱいソムリエだ!!」
「おーせんきゅー」
どうやら真帆もひなたのマッサージがとても気に入ったようで、ひなたを強く抱きしめ全身で喜びを伝えていた。
「なぁ、ひな……私にも試してみてくれないか?」
「いいよーさきのひかえめのふかふかもすきー」
真帆の反応に紗季も気になったのか、うずうずと悩んだ末にひなたにお願いしていた。
もみもみもみもみもみもみもみもみもみもみ
「くっ! まさか本当にこんなことが!? いや、これで確信した! ひなが愛莉の胸の成長を促進させているに違いない!!」
「えぇ!?……ひなちゃん、これからは私の胸、揉んじゃダメだよ!」
「えーひな、あいりのおっぱい好きなのに、もう揉んじゃだめなのー?」
ひなたがとても残念そうに、そしてどこか寂しそうに、上目づかいで愛莉を見つめている。
純粋に好意を向けてくれているひなたに対して愛莉も強く禁止などできるはずもなく、やっぱり優しく受け入れてしまっていた。
「え、えっと……その……絶対ダメってわけじゃなくて、たまになら……で、でも絶対にこれ以上私の胸を大きくしちゃだめだよ?」
「おーあいりありがとーこれからは少しひかえめに揉むねー」
先ほどの少ししょんぼりした顔からすっかり笑顔に変わったひなたと、少しだけ困り顔だけど嬉しそうな愛莉。
やっぱ二人とも仲いいなぁ~
真帆と紗季も幼馴染だけあって、たまにすごく息が合ってる時もあるし。
私ももっとみんなと仲良くなりたいな。
すごく恥ずかしいけど、みんなのお話をいっぱい聞けたら、みんなのことが、もっとよくわかって仲良くなれるんだから、頑張らないとっ!
「でも、ひなた。毎回言ってるけど、昴さんに胸を揉ませるのはもちろん見せるのも絶対にダメだからねっ!」
「おー。りょーかーい」
みんなの不安をよそにひなたは両手を上げて元気よく答える――本当に大丈夫だろうか?
「よっし。じゃー次にはっぴょーしたい人ー」
……あ、もしかして、これ、いつか私もみんなに話さないといけなくなっちゃうんだよね?
あまり気づきたくなかったけど、気づいてしまった事実に戸惑っている間に、真帆の呼び掛けに一つの手が上がっていた。
今回のひなた編から愛莉→真帆→紗季の順に続き、最後に智花編+エピローグが現時点での予定です。