死霊のはらわたリターンズのシーズン1を見たんですが、まさかこっちでも『狼よさらば』ネタがあるとは、この海のリハクの目をもってしても(ry (狼よさらばネタ書いた時まだ第一話すら見てなかった)
あと、リターンズ見た影響で、ここまで書いてた話の一部が改変されてます。探してみよう!(激寒)
「や、やった……?」
「ああ。終わりだ。試合終了。33-4で立香チームの大勝利……で、いいんだよな?」
「……その数字の羅列にどことなく悪意を感じるが、まぁ、いい。お前達の、勝ちだ」
お手上げだ、とでも言わんばかりに、俺が切った手の無い右腕を掲げるアーサー。
「……何故」
何事かを問いかけようとするマシュ。なんだ、何か不満か? 俺ら勝ったんだぜ? 俺に関して言えば2勝目で勝ち越しだ。
「――フ。知らず、私も力が緩んでいたらしい。誇れ、未熟なる盾の騎士よ。その男は、中身こそアレだが――頼れる男だ」
「アレ?」
「兄貴、気にすんな。つまりその……最高にクールって事さ」
「どう聞いてもそういう風にゃ聞こえんが……」
「シャラップ」
俺がそうしてキャスターを黙らせていると、まだアーサーを警戒しているらしい所長が、微妙にびくびくしながらアーサーに歩み寄る。
「あ、貴方は負けを認めたって事で、いいのね?」
「ああ。……もっとも、雑魚一匹程度を屠る程度なら、まだ元気はあるがな」
アーサー、何ビビらせてんだ。ほら、所長チキンだから「ヒッ」って言っちゃってんじゃん。ちょっと男子ィー! ……あ、そういや女だっけ?
「そ、それよりも! どうして貴方が『
所長が何かをアーサーに問い詰めようとした、その時だった。
「――時間切れ、か。忘れるな、我が友、否――
唐突に、アーサーから光が溢れだす……というより、アーサーそのものが光になっていくような、とにかくそんな感じで、徐々に消え始めてやがる。
「人類最後のマスターだ? なんの事だよ、ちゃんと説明しやがれ!」
「……ではな。友よ。縁があれば、再び肩を並べる事もあろう」
聞けよ人の話を!
最後まで肝心な事を言わず、アーサーは光となって消えちまった。あとついでにキャスターも。
なんか「次があるんならランサーとして喚んでくれ!」とか言ってたが……。
そうして、この冬木に召喚されたっつぅサーヴァントが消え、後はこの異変を起こしていたらしい水晶体を回収すりゃ、作戦は無事終了――
「いや、まさか君たちがここまでやるとはね。計画の想定外にして、私の寛容さの許容外だ」
――だと思っていたら。俺達の前に、あの胡散臭い男……レフのとっつぁんが現れたのだ。
「特に、君だ。48人目のマスター適性者。あのセイバーとの会話を聞く限り、本当に時間移動を行ったとはね」
「……ケッ、頼まれたってやるつもりはなかったさ。そういうオタクは何だ? ……
そう言うと、レフの奴が鼻で笑いやがった。何がおかしい。おかしいのはテメェのその格好だけにしやがれ。
「まさか。あのような低俗なクズどもと一緒にされるなど、心外という言葉どころか、腹の中の何もかもを吐き戻してしまいそうになる」
「だったら勝手に吐いてな」
なんとなくだが、こいつはヤバい。死霊や悪霊も十分厄介極まりないが、コイツは――それ以上に、邪悪だ。
俺はレミントンをレフに向ける。だが、視界の端に動いた銀髪に、ついうっかり気を取られてしまう。
「レフ……ああ、レフ、レフ、生きていたのねレフ!」
「馬鹿! 戻って来い!」
「先輩下がって! 危険です! 所長も!」
俺達の呼び止める声などまるで聞こえてないかのように、所長はまるでゾンビみたいにフラフラとレフの方へ近づいていく。
思わず舌打ちをし、俺は先んじて、レフの脳天を撃つ。
「――全く、無駄な事をする」
……馬鹿な。レミントンの弾は確かに命中した! 散弾だからな! だが、脳漿ぶちまけるどころか、仰け反りもしねぇなんて、どうなってやがる!?
「ふん。人間の武器
ち、畜生! どういう理屈だ!?
もはや万事休すな俺達を他所に、所長とレフが会話を始める。
そこで明らかになったのは――所長が既に死んでいる、という事。
「予想外だったよ、オルガ。爆弾は君の足下に設置したというのに」
つまり、残留思念をトリスなんとかが此処に転移させたとか、そんなこんだで所長は既に死んでいるというのに、此処にいるという事、らしい。まるで意味がわからんぞ!
しかも、既に死んでいるから、カルデアに戻っても意識が消滅してしまう、だと?
そこまで所長に告げたレフは、手に持った金色の杯を掲げた。
すると、カルデアの管制室で見た、あのでけぇ球体が現れた。えーっと、なんつったっけ……カル、カルデ……。
「な……なによあれ。カルデアスが真っ赤になってる……?」
そうだ! カルデアスだ! スッキリ! ってそんな場合じゃねぇ!
手に持ってる黄金の杯、聖杯の力で時空を繋ぎ、カルデアスを呼び出したとほざくレフが、所長を更に挑発する。
「所長! そいつの言葉に耳を貸すな! オイ! 聞こえねぇのか!?」
駄目だ、まるで聞こえてねぇ。
そうこうしている内に、何故か所長の身体がイリュージョンみたいに浮かび上がった。畜生、今度はなんだ!?
「今のカルデアスは……まぁ、キミのような愚か者でも分かるように言えば、ブラックホールや太陽そのものでね――」
「い、嫌! 嫌よ! だって私、まだ――」
「よせェェ!!!」
――そして、彼女の身体は、太陽のように真っ赤なカルデアスに吸い込まれ、消えた。
「――ああ。折角説明してやろうと思っていたのに。カルデアスとは高密度の情報体。人間が触れれば分子レベルで分解される地獄の具現だ。つまり、触れれば最後――生きたまま、無間の死を味わう事になる」
「て、メェェェ!!!」
怒りのままに、レミントンをぶっ放す――が、やはり奴には通用しない。何でだクソッタレめ!
「全く。人類というクズの群れは愚かだという事は百も承知だったが……君は私の想像以上に愚かだな。私はただ、彼女の望みを叶えてあげただけだというのに」
「ハン、少なくとも、自殺志願者にゃ見えなかったぜ、このクソ下衆野郎が!」
罵声を浴びせるも、レフの野郎は偉そうにこちらを見下すばかり。畜生、畜生! 余裕ぶっこきやがって!
「では、改めて自己紹介をしようか。私はレフ・ライノール・フラウロス。貴様達人類を処理するために遣わされた、2015年担当者だ」
そして――と、レフはロマンの名を呼び、続ける。
「――カルデアは用済みになった。おまえ達人類は、この時点で滅んでいる」
そこから奴の口から語られた内容を、俺はほどんど理解できていない。
人類史による人類の否定だの、王の寵愛を失っただの、何の話だかさっぱりだ。
だが、それでも分かる事がある。それは――
「おっと。この特異点もそろそろ限界か。では――」
「レフ!」
「――なんだね、48人目の適性者」
――コイツは死霊どもと同じだ。二度と蘇る事がないように四肢をバラバラにしてやらねぇと。
「また会ったら、その時がテメェの最後だと思いな、クソ野郎」
「……期待はしないでおこう」
その言葉を最後に、レフはどこへともなく消えてしまった。チッ、そのムカつく面に一発でもお見舞いしてやりたかったぜ。
「地下空洞が崩れる……いえ、それ以前に空間が安定していません! ドクター! 至急レイシフトを! このままでは――!」
『分かっている! 後は天に運を任せる事しかできない! とにかく意識だけは強く――』
そこまで聞いて、俺は肝心な事を思い出す。
「やっべ、義手が!」
「あ――先輩!?」
さっき、アーサーとの戦いで吹っ飛ばされた義手を回収する為に駆け出す。ええと、確かこの辺りに――あった!
「……って、なんじゃこりゃ! ボロボロじゃねぇか!」
あの馬鹿力め、少しは手加減しろい! あーあー、色んなところが凹んじまってるし、中指が引っこ抜けてやがら……。
「……ん?」
悲惨な事になっている義手を見て落ち込む俺の視界に、気になるものが映り込む。
この地下空洞と不似合いなそれが、どうしようもなく気になって仕方がない。
思わず引っ掴んでみれば、それは確かに見覚えのあるものだった。
……こいつは、確かあの時――だけどなんで?
「先輩! 手を……!」
「え、あ――?」
それを掴んだまま、俺はマシュに手を取られて――
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「よーし、キミはずいぶん良い子でちゅねー。……それにしても、一体何の動物なのかイマイチ不明だね。でもいっか、可愛いから! ……ん?」
「……こいつぁすげぇ美人だ。でもどっかで見覚えのある気がするんだが、会った事あるか?」
「おや、目が覚めて早々なんだい。新手のナンパかい?」
――目の前に、美人がいた。美術館とか美術の教科書で見た気がする感じの。あとどことなく男くさい。
ちなみにマシュの疑問は、「アーサー王ほどのサーヴァントが、片腕やられたぐらいではやられないのでは?」という、型月ファンなら誰でも思う感じのやつです。
そら(一般人がサーヴァントぶっ倒したり腕チョンパしだしたら)そう(ツッコミもしたくなる)よ。