この素晴らしい世界に黄色い閃光を!   作:新田トニー

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今回はミナトとがカズマ達の修行をします。ミナトにやらせたかったんですよ………


第4話 先生再び

 

「おいっ!ダクネス!!援護してくれ!!」

 

「すまないこっちはこっちで手一杯だ!!」

 

「カズマ!私が爆裂魔法を撃って足止めさせましょうか!?」

 

「いやダメだ!規模がでかすぎる!」

 

「カズマー!私は何すればいいー?」

 

「お前はそこで遊んでろ」

 

「なんでよォォォォ!!」

 

あれ?なんで俺戦ってるんだ?というか誰と戦ってるんだっけ?ああそうだ。俺確かミナトさんと戦ってるんだ。

………ん?そもそもなんで俺達ミナトさんと戦ってるんだっけ?

 

ーー1日前ーー

 

「ええ!?ミナトさんあのベルディア倒したんすか!?」

 

「こらカズマ。ギルドの人達がびっくりしてるだろ、もう少し静かに」

 

ミナトはカズマに諭すように話す。

 

「あっすみませんってそんな事より!ホントですかベルディア倒したの!?」

 

「ああそうだよ」

 

「だが何故倒したんだ?別にあれから爆裂魔法を撃っていた訳でも無いのに…………ハッ!?まさかミナトも私と同じ趣向をーー」

 

「ハイハイ変態はお帰り下さいねー」

 

何故こいつはいつもミナトさんは自分の趣味と同じ趣味を持っていると思ってるんだ。カズマはそんな風に冷や汗をかきながらミナトの答えを待った。

 

「うん、実はめぐみんがアクアと一緒に爆裂魔法を毎度撃ち込んでいてね、またここにやってくるだろうと思って俺の方から行ったんだ」

 

途端冷や汗をかきながらロクに吹けない口笛を吹き出したアクアがいた。

 

「お前かァァァァァァァ!何ミナトさんに迷惑かけてんだよ!!お前がめぐみんと行かなきゃ!!ミナトさんにこんな事させずに済んだんだぞォォォ!?」

 

アクアは頬を思い切りつねられながら涙目になりながら言った。

 

「だってだって!他にやる事無かったしムカついてたからストレス発散したかったのよ!」

 

「お前なぁ!」

 

「まあまあ、落ち着いて。それよりもあの時君達は魔王軍幹部が来ても戦えなかった」

 

ミナトが真面目な表情をしながら言った。

 

「だから明日、俺が修行をつける」

 

修行?と4人は疑問を浮かべながらミナトを見る。

 

「修行は明日やるよ。4人共それぞれ準備をしておいてね」

 

ミナトさんはそういうと何かクエストを受けていた。あの人ベルディア倒したのになんでまたクエスト受けるんだろう。そんな事を考えていた俺は修行のため明日に備えていた。

 

「今日君達には俺から鈴取ってもらう」

 

「「「「は?」」」」

 

朝集まった4人の最初に放った言葉がそれだった。

 

「何故鈴を取る必要があるのですか?」

 

はじめに質問をしたのはめぐみんだった。ミナトはめぐみんによく言ったと言わんばかりに

 

「それはね、君達が連携して俺から鈴を取らせてチームワークを深めるっていう修行なんだ」

 

なるほどとめぐみんは納得した。

 

「まず俺からは手はなるべく出さない。でもそれなりにはやらせてもらうよ」

 

「それじゃあ前置きはこのくらいにして………始めようか!」

 

ミナトはクナイを構えた。カズマはハッと気がついた。

 

(そうだ……。もう修行は始まってるんだ………。何か作戦を練らないと!)

 

そうカズマが決意するとまずダクネスに指示を出した。

 

「ダクネス!ミナトさんの動きを抑えてくれ!」

 

「ああ分かった!」

 

ダクネスは己の剣を構え、ミナトに突撃した。

 

「ハアッ!」

 

ダクネスが思い切り剣を振るう。だが剣は当たらない。いや、当たらないと言うより当ててないのではというくらい剣が当たらなかった。

 

「………まず君は剣の振り方からだね」

 

「!!う、うるさい!!」

 

ダクネスは頬を赤らめながら剣を振った。だが当たらない。

 

「………あいつはダメだな。おいアクア!お前水の女神なんだろ?あっ宴会芸の女神だったか」

 

 

「なんですってぇぇぇぇぇ!?私は女神よ!?舐めないで頂戴!!」

 

そう言うとアクアは詠唱をし始めた。周りにはただならぬ神聖な雰囲気が漂っていた。これにはミナトも下手には動けず、様子を伺っていた。

 

「この世にある全ての眷属達よ。水の女神アクアが命ず。我が求め、我が願いに応えよ。その力を世界に示せ!」

 

(まずい!何か来る!?)

 

ミナトはクナイを持ち、別の場所に飛ぼうとしたが

 

「させるか!」

 

カズマとダクネスがミナトの周りを囲っていた。脱出するのは困難だ。

 

「セイクリッド・ウォーター!!」

 

アクアが魔法を発動した。辺りには洪水とも呼ぶべきレベルの水が流れ始めた。

 

「こんな量の水出せなんて言ってねーよ!!」

 

「うっさいわねヒキニート!私クラスだとこんくらい出せんのよ!すごいでしょ!」

 

まあ少し予想外だったがこれで少しは飛びづらくーー

 

「いやあ驚いたね。まさかこんな量の水を出せるなんて」

 

ん?あれ?あの人水の上に浮いてない?え?何あの人あんな事も出来んの!?

 

「あなたは水の上に浮く事もできるのですか!?」

 

「うん。あと他に壁にくっついたり」

 

「あなた何者ですか!?」

 

そうめぐみんが混乱しながら言った。そう言われるとミナトは自信たっぷりに答えた。

 

「忍だよ!」

 

アクアが唱えた水の魔法はようやく収まり、洪水の残りの水たまりが出来ていた。

 

「それで?まだ俺から鈴を取れて無いけど。一応言っておくけど、本気で鈴を取りたいのなら殺す気で来た方がいいよ」

 

(殺す気でかかって来いだって?それで本当に死んだらどうするんだ!?)

 

とカズマが悩んでいると

 

「カズマー!その事なら問題ないわー!私の蘇生魔法で生き返らせるからー!」

 

「えっ!?お前そんな事出来んの!?」

 

カズマはひどく驚いた。するとアクアは驚かれた事にキレまた口論が始まった。

 

「とにかくその心配はしなくていいからアンタはどんどんやっちゃいなさい!」

 

アクアに押されカズマは半信半疑ながらも皆を集め手短に作戦を伝えた。

 

「………つーわけでこんな感じだ。じゃあ頼むぞ!」

 

「分かったわ!」

 

「了解しました!」

 

「承知した!」

 

各々はカズマの言われた作戦を実行すべく配置についた。

 

「いよいよチームプレイが出来そうだね」

 

ミナトは嬉しながらも警戒を怠らない。そして

 

「ダクネス!突撃だ!アクアはさっきより小さい水魔法を!」

 

ダクネスがミナトに近づき剣を振りかざす。だがさっきと同じように剣は当たらず見当違いな所に当たっていた。ダクネスは頬を赤らめながら剣を振っている。対してアクアは水魔法を放っていた。だがミナトはダクネスの剣を躱しながらアクアの水魔法も躱していた。

 

「めぐみん!作戦通り頼むぞ!」

 

「分かってます!」

 

めぐみんは爆裂魔法の詠唱を始めていた。

 

(めぐみんの爆裂魔法は時間がかかり広範囲だが留まらせなければ意味がない。一体何をする気だ?)

 

ミナトがそう思案しているとカズマが

 

「今だダクネス!避けろ!」

 

カズマはダクネスに指示を出すと魔法フリーズを放った。放たれたフリーズはミナトに放ったのではなくミナトの足元の水たまりに放った。

 

(そういうことか!ダクネスとアクアに気をそらせて足元の水たまりを凍らせて動きを止めたのか!)

 

ミナトはすかさずクナイで飛ぼうとしたが少し遅かった。ちょうど詠唱を終えためぐみんがミナトの頭上に爆裂魔法を撃ち込んだ。

 

「エクスプロージョン!!」

 

ドォォォォォォォォォンッ!!!

 

地面にはクレーターが出来ており、ミナトの姿は何処にも無かった。

 

「お、おいホントに生き返らせる事が出来るんだよな?」

 

「も、も、も、もちろんよ!…………多分ね」

 

「お前ふざけんなよぉ!!??お前が心配すんなやれっつたから俺はやったんだぞォォォ!?」

 

「ハァァァァァァァ!!!?そんなのやったあんたが悪いんじゃない!?私は何もしてないわよ!?!?」

 

「皆!この勝負………ミナトの勝ちだ」

 

「「「は?」」」

 

ダクネスが突然訳がわからない事を言った。元々訳が分からない事を言っていたがこれはさらに訳が分からなかった。

 

「皆良いチームワークだったよ!」

 

「「「えええええええええええ!?」」」

 

ミナトはダクネスの背後を取りクナイを突きつけていた。

 

「な……どうやってあそこから?何処にもクナイは投げられてないしもし投げられてもさっきのアクアの魔法で流されてたはずじゃ………」

 

「それはね………」

 

ダクネスの鎧には何やら不思議な文字で書かれていた物があった。

 

「ダクネスの剣撃を躱していた時にダクネスの肩にマーキングをしたんだ。だからあの時クナイを投げて飛ぶ必要は無かったんだ」

 

「でももしそれをやってなかったらアレを使わなきゃいけなかったよ」

 

カズマはアレ?と何やら意味深な単語が聞こえたのでもう一度聞こうとしたがミナトが次に進んでしまったので聞くに聞けなかった。

 

「皆良くやったじゃないか。俺も少し焦ったよ。このまま連携がもっと深まればもっと強くなれる。日々の積み重ねを怠らないようにね!」

 

ミナトはそういうと服についた土を軽く落とし

 

「今日はこれで終わりだよ。それじゃあ帰ろうか」

 

皆に帰ろうと促した。

 

「やっぱりミナトさんには勝てねぇな………」

 

「ああ勝てるビジョンがまるで見えん」

 

「強すぎるのです」

 

「あの人ホントすごいわね〜」

 

皆が皆感嘆の声を上げていた。

 

(先生やったの久しぶりだな………)

 

ミナトはかつての部下達を思い出していた。オビト、カカシ、リン。

 

(もうあんな事は絶対に起こさせやしない!)

 

ミナトはかつて自分のせいで起こした失敗を思い出した。

 

(でも何だろうな………彼らなら絶対に間違わない気がするのは)

 

ミナトは何か安心感を覚えていた。彼らなら大丈夫だろうと、彼らなら乗り越えて行けるだろうと。

 

そしてミナトは歩を進めた。今度は大事な物を奪われない為に。

 

 

 

 

「ほ〜うミナトのやつ良くやっているようだな」

 




第4話書き終わりました!疲れましたー!そして最後の声の主は一体誰なのでしょうか?近いうちだす予定なので楽しみにしていて下さい!

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