この素晴らしい世界に黄色い閃光を!   作:新田トニー

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戦闘描写は自信が……



第3話 異名の由来

「………おそぉぉい!!!」

 

「あいつら容赦なさすぎだろ!!なんで仲間が呪いかけられたのに助けに来ないの!?鬼畜なのあいつら!?」

 

ベルディアは一人腹を立てていた。それもそのはず仲間が死にかけているというのにそれを作った元凶を倒しに来ないのだ。当然元騎士だったベルディアも怒るだろう。

 

「全くなんなのだあいつらは!やはりもう一度俺が……」

 

ベルディアは何かに気づいたのか立ち上がるのをやめ、何かを待っていた。

 

「やはり来たか……さあ俺を倒し、仲間をってえええええええええええええええええ!?!?」

 

ベルディアは酷く声を荒げた。来たのは仲間の呪いを解こうとした奴らではなく呪いをかけられた本人だった。

 

「なっななななななななななんでぇ!?お前!お前は俺が呪いをかけた奴だろ!!なんでお前が来てんだよ!普通は仲間が来るところだろ!?なんでぇ!?」

 

「いや、俺はもう呪いはかかって無いよ」

 

「ふぇ?」

 

ベルディアは気の抜けた声を上げた。

 

「俺の仲間にすごいアークプリーストがいてね、その子に呪いを浄化して貰ったんだ」

 

「なん…だと……」

 

ベルディアは感無量とばかりに言葉を失った。

 

「で、では一体なんのために?」

 

「前あなたが呪いをかけようとしたアークウィザードの子はまたあなたの住んでいる廃城に撃ち込むつもりだからね、またあなたが来ると思ったからあなたには悪いけどここで倒れてもらうよ」

 

「名を聞かせてもらえぬか?貴様とはいい勝負が出来そうだ」

 

「波風ミナトだ」

 

「そうか……波風ミナトか。俺はベルディアだ」

 

「ここまで来たという事は我が配下を倒したという事か。面白い!このベルディア、全力を持ってお前の相手をしよう!」

 

「では参ります」

 

ミナトはクナイを飛ばした。ベルディアはただのクナイだと思い、それを躱した。だがそれがいけなかった。ミナトはなんの予備動作も見せずにベルディアの前まで迫った。ミナトは投げたクナイを手に取りベルディアの体まで迫った。が、ベルディアはすんでのところで手に持っていた己の剣でそれを弾いた。

 

「なんだ今のは!?消えたと思ったら一瞬でこちらに現れただと!?」

 

「あいにくだけど種明かしをする気は無いよ!」

 

ミナトは続けてクナイを投げた。だがベルディアは先程とは少し余裕を持った動きでそれを受け流した。

 

「大体だが貴様の能力が分かって来たぞ!貴様はその武器に何か術式を施し、その武器のところまで飛べるのだな」

 

「バレたか…だけど少し遅かったね」

 

何のことだ?とでもベルディアは言いたげで彼の言っていることが分からなかった。

 

「そろそろか…」

 

ミナトがそう呟くと、ミナトはまた飛んだ。ベルディアはどこから来るのかと辺りを見回したがミナトは現れなかった。だが次の瞬間

 

ドォォォォォォォォォン!!!

 

突然爆音がなった。だが鳴ったのは外では無く城の中だった。ベルディアは何が何だか分からず苦痛に耐えながら辺りを見回した。

 

「奴はどこにーー」

 

「ここだよ」

 

ミナトは思いきりクナイを振りかざした。

 

見事に当たり、ベルディアはよろめく。

 

「ぐぅ……貴様は一体何をした!?」

 

「言っただろ?爆裂魔法を撃つのが趣味の子だって」

 

「まさか貴様……爆裂魔法を瞬間移動させてこっちに持って来たのか!?」

 

「無事でしょうかミナトは」

 

「あれくらいで死なないよあの人は………多分」

 

「多分って何ですか!?」

 

カズマとめぐみんは廃城から離れた場所にいた。

 

「にしても驚いたよなぁ爆裂魔法を使うなじゃなくて使えなんて言われて」

 

「えぇ、でもまさか私の爆裂魔法を瞬間移動させるとは思いませんでした」

 

めぐみんはカズマにおぶられながら呟いた。

 

「でもただの実験だから良かったものの、もしベルディアに攻撃したらタダじゃ済まなかったもんな」

 

とカズマがため息を吐く。まさか本当にベルディアと戦ってるとは思わなかっただろう。

 

「俺も本気を出してやろう………行くぞ!!波風ミナトォォォォォォォォォ!!」

 

ベルディアは自ら己の頭を天高く上げた。ミナトはクナイをベルディアに向けて投げ、飛雷神の術を使った。だが

 

「見えているぞ!」

 

ベルディアはミナトが飛んで来た所をまるで分かっているかのようにミナトの攻撃を避けた。ミナトはベルディアの剣撃をクナイで弾く。そしてベルディアは上段の構えで剣を振り下ろすミナトはそれを白刃取りで剣を抑えた。

 

「貴様の力はそんなものか!?もっと俺を楽しませて見せろぉぉぉぉぉ!!」

 

ベルディアはミナトを蹴りで飛ばそうとしたが間一髪で飛雷神を使い別の場所に飛んだ。

 

「今度こそ、ここで終わらせるよ」

 

ミナトは手に力を集中した。それは彼が尾獣玉を参考に発案した彼の術、螺旋丸だった。

 

ミナトはベルディアの元に走り出した。

 

(おそらく近づいて来るのは直接相手にぶつけなければいけないと言うことだがなぜ奴はあれをしない?何か意味があるのか?)

 

「フハハハハハ!!血迷ったか!ここで貴様の命もーー」

 

ドォン!!

 

「は?」

 

気がつけば奴はいた。それがベルディアの率直な感想だった。

 

「螺旋丸!!」

 

ミナトは螺旋丸をぶつけるとそれを勢いよく上空へ飛ばし、それを飛雷神の術でベルディアの背後まで移動し、再び螺旋丸をぶつけた。するとさっきまで上空へ飛んでいたベルディアは一気に真下に落ちた。正確には落とされた。

 

「………ガハッ!!……何故だ………貴様……どうやって俺の前に………」

 

「簡単なことだよ。さっきあなたにマーキングしたんだ」

 

「マーキングだと………?俺はマーキングさせる隙など与えては………」

 

「さっきあなたが俺に剣を振りかざしただろ?その時剣にマーキングを施し、あなたの体に移動させたんだ」

 

「『黄色い閃光』これが俺の国にいた時の異名だよ」

 

「………………フフフ完敗だ。相手にとって不足なしといったところか…………」

 

ベルディアは満足そうに言った。もう彼はあと少しで死んでしまうだろう。

 

「満足だ………もうこの世に未練は無い…………最後にこんなに強い相手と戦えたんだからな………俺にはもったいないくら……いだ………」

 

ベルディアの兜の中の光が消えた。

 

「彼は強かった。少しでも気を抜いていれば俺もどうなっていたかわからなかったかもしれない……」

 

そしてミナトは城を去った。四代目火影ほ名が入ったマントをたなびかせて。

 

 

 

 

 




ねっ?だから言ったでしょ?(戦闘描写)

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