この素晴らしい世界に黄色い閃光を!   作:新田トニー

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クリスマスですね。やはりクリスマスといえばクリスマスツリー。ツリーを見てると聖なる気分に浸れます。
それとクリスマス=恋人イチャコラおっせっせする日ではありませんよ。いや別に羨ましいとかそんなんじゃry


第12話 再会

 

「ここか……」

 

カズマを無実の罪から解放する為アルダープの屋敷に潜入した自来也とミナト。忍の中でもトップクラスの2人は当然見つかる事は無く、無事アルダープの部屋までたどり着いた。

 

「良し………ヤツが居ない今がチャンスだ。今のうちに探すぞ、ミナト」

 

「はい、自来也先生!」

 

そして部屋を漁り始めた2人。探し始めたのは良いのだが、疑わしい書類が一つも無い。もしや本当に自分のミスで失敗してしまったのかとミナトが思い始めた時、自来也がある本を見つけた。

 

「ミナト、ちょっとこっちに来てくれ。日記だ」

 

自来也が発見したのはアルダープの日々の行いが書き記された日記であった。

 

「もしかしたらここに何か重要な事が書いてあるかもしれん」

 

「流石自来也先生。もう見つけたんですね」

 

とミナトが褒めると自来也はふふんと笑いながら日記を開く。パチンとボタンを取る音がした。

 

『〇月△日。まったく、何故アイツはいつも言ったことを忘れるんだ。ワシはヤツにも分かるように言っているはずなんだが………ヤツはやっぱりおかしい……』

 

日記の内容はその日あったことを書いているというよりは半分愚痴のような内容だった。

 

『〇月△日。やっとヤツはワシが言ったことを聞いた。これで最近名を挙げている冒険者達から金を巻き上げる事が出来そうだ。クク、ヤツらは何故訴えられたかも分からんだろうな………』

 

とそこにはミナト達についての事が書かれていた。

 

「……先生これ………」

 

「ああ、間違い無いな」

 

やはりアルダープは俺達を嵌めた。とミナトは確信したがソレを証明する証拠が何処にも無い。一体どうやって?

そうミナトが思案している時、自来也は日記の続きを見ていた。

 

『あぁそうだ!今日は気分が良い。メイド達の風呂でも見てくるか。あの場所なら絶対見つかる事は無いからな。だが最近忘れっぽいから場所を書き記しておこう。場所はここを出て………』

 

 

「…………」

 

「…先生?どうかしましたか?」

 

「ミナト。ワシは他にも調べてくる。お前は先に帰ってて良いぞ」

 

と真剣な表情をしながらミナトに言った。それを聞いてミナトは

 

(流石先生だ……。ここまでカズマを心配しているとは……

しかも調査を怠らない………)

 

ミナトはその献身的な姿勢に感動していた。

 

「いえ、まだ続けます!証拠が見つかるまで探しますよ!」

 

とミナトが言うと自来也は

 

「いや、お前は戻って皆にこの日記を持って行ってくれ。ワシはまだシなければならない事がある」

 

そういって自来也は部屋から出て行った。

 

「先生にも何か考えがあるはず……今日は帰ろう」

 

 

 

 

 

そしてしばらくして。

 

「あっジライヤ!どうだった?カズマを無罪にする証拠とか見つかった!?」

 

「いや、ヤツは手強かった。まさかあんなものまで……ゴ、ゴホン、アイツは只者じゃあなかった」

 

「ジライヤがそこまで言うとは………やはりアルダープは見られたくないものがあるというわけか……」

 

「あ、ああ全くなんてヤツだ……」

 

自来也は罪悪感に苛まれながらもアクア達に報告していた。

 

「となると………証拠はこの日記くらいでしょうか?」

 

「めぐみんがアルダープの日記を持ちながら言った。

 

「ですがコレだけで攻めても無罪は勝ち取れ……あれ?なんでしょうか、ここだけ切り取られてますね」

 

「…………」

 

「あっ本当ね!ここだけ切り取られてるわ!もしかしたらこっそり忍び込んだ誰かがこの日記を見て自分の得になる事が書いてあったからここだけ破いて持ってったっていう可能性もあるわね!」

 

ギクッ。

 

「あの性悪領主の事ですからメイド達の入浴シーンが観れる部屋でも作ってあったんじゃないですかね」

 

「ああ、それを知った何者かがそこのページだけを盗って行ったという可能性もあるな」

 

「……………」

 

何故か喋らない自来也を不思議に思ったのかアクアが自来也をチラッと見ると

ダラダラダラと汗をかき目が泳いでいる自来也がいた。

 

「アンタまさか………」

 

とアクアが勘繰りを入れているとミナトが

 

「皆、明日がカズマの裁判の日だ。今日はもう寝て明日に備えよう」

 

ミナトがちょうどいいタイミングで来た事に自来也は安心した。

 

「もう明日!?早すぎるわね〜」

 

「そ、そんな悠長な事言ってる場合じゃありませんよ!もし私達の弁護が失敗すればカズマ首チョンパですよ!?」

 

「でも私のリザレクションでどうにかなるんじゃない?」

 

それを聞いためぐみんはあっそれもそうかも……と手をポンと置きながら納得していた。本人がいたらマジギレしてるだろう。

 

「まあとりあえず今日は遅いしもう寝よう。もしもピンチになったら、その時は私に任せて欲しい」

 

とダクネスが言った。彼女の言葉に決意が混じった気がしたミナトはどこか疑問に思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

そして裁判当日。

 

枷を付けて歩かされたカズマの顔は少し痩せ、どこか生気が抜けたような顔で立っていた。

 

「カ、カズマ………」

 

あの時カズマに黙って消えてしまった事にさらに罪悪感を覚えたミナトは顔を伏せた。

 

現在ミナトは監獄から脱獄したため、仮面を付け服装も変えた状態で人々に紛れながら裁判を見ていた。

 

耳障りなカラスの鳴き声聞こえ、カズマの周りを飛んでいる様は明らかに不吉な事が起きそうな雰囲気を醸し出していた。

 

「フーッフーッ……!」

 

「あっカズマが緊張で今にも嘔吐しそうに……」

 

「そ、そこまで追い詰められてたのか………」

 

「カズマ!大丈夫です任せてください!あの検察官が泣いて謝るくらいに論破してやりますよ!」

 

「カズマ、今回に関してはお前は何も悪くない」

 

「ダクネス…!めぐみん…!」

 

なんて頼もしい奴らなんだ…!だが、

 

「まぁ任せときなさいな!私達が絶対に無罪を勝ち取ってみせるわ!」

 

不安だ。………ん?そういえば自来也さんはいるけどミナトさんは……ってそうか脱獄したからここにはいないか。

いやでもいきなり何も言わずに出て行くのは酷いだろ。

あの時わりかしショックだったな。

 

「てゆーかなんかこっち見てる人いるんですけど!」

 

アクアが目線で示す先にはいかにも性格が悪そうなオッサンが居た。

 

「アレが領主のアルダープだ」

 

アイツが………

 

「これよりサトウカズマの裁判を開始する!」

 

そしてついに裁判が始まった。

 

「検察官は前へ!」

 

そう言われて前へ出てきたのはパリっとしたスーツを着た女性検察官セナ。

 

「領主という地位を脅かした事は、国家を揺るがしかねない事件です!よって被告人サトウカズマに国家転覆罪の適用を求めます!」

 

続けてセナが証人を連れてきた。

 

「クリス!?」

 

「アハハ……なんか呼び出されちゃった」

 

セナはクリスにズイと近づき

 

「貴方は公衆の面前でスティールで下着を剥がれたと……

間違い無いですね?」

 

「まぁ確かに間違いでは無いけど……」

 

クリスが言葉を濁していると

 

「私、見たんです!」

 

女性が傍聴席から手を挙げた。

 

「路地裏でパンツを振り回しているところを!」

 

「その男とは?」

 

そう言われると女性は目を逸らしながら俺にに指を……

 

「ヒィィ!!」

 

「事実だったという確定がとれただけで結構。ありがとうございました!」

 

続けてさらに証人を連れてきた。

 

「ミツルギキョウヤさん。貴方は被告人に魔剣を奪われ、売り払われたと?」

 

「ま、まあその通りです。ですがアレは元はといえば僕から挑んだ事で」

 

「ありがとうございました!」

 

「あのーちょっと僕まだ!?」

 

セナはマツルギをスルーし、次の証人を呼んだ。

 

出てきたのはムツルギの連れの女共だった。

 

「そしてそちらの2人は魔剣を取り返そうとした時に公衆の面前で下着を剥ぐぞと脅されたと?」

 

「そうそうそうなんです!俺は真の男女平等主義者だから女の子相手でもドロップキックを喰らわせられるぞって!この卑怯者ー!」

 

「そうなんです!この公衆の面前で俺のスティールが炸裂するぞーとか!」

 

やばい。元々不利だったものがどんどん不利に………

 

「み、見ました!確かにアレは怪しい手の動きで……アレは怪しい手の動きでしたー!!」

 

すると皆口々に俺の悪口を………

 

「酷いッ…」

 

「「最低ッ…」

 

「人間の屑がこの野郎……」

 

ただでさえヤバイ状況なのにどんどん追い込まれていってる。これは本当にマズイぞ!

 

「もういい。さっさと極刑にしろ。それにもう1人の逃亡者はまだ捕まらんのか!?」

 

オッサンが唐突にキレ始めた。

 

「逃げたという事はやましい事があったから逃げたんだろうが!冒険者風情がワシの家にコロナタイトなぞ転送しよって!」

 

ピキッ。

 

ん?ピキッ?

なんか今音がしたような……

 

「いくらデストロイヤーを破壊したからといってこればかりは許されん!今すぐ捕まえて極刑にしろ!ワシの家を破壊した事を泣いて謝ってもら………」

 

「私の……私の旦那様に口汚く罵るんじゃないってばねッ!!!」

 

「ブフォア!?」

 

オッサン目掛けて跳躍し、勢い良くパンチを繰り出した。

オッサンがありえないくらい吹き飛び壁に追突したんだが。ていうか今のホントに普通のパンチか?

 

「大丈夫?何日も無実なのに監獄に入れられて……」

 

そう言って女の人は俺に手を差し伸べてきた。

 

「あっはい大丈夫です。あのそういえばさっき私の旦那って………」

 

「そうよ。私はミナトの妻の、ミナトの妻の!うずまきクシナ。よろしくね!」

 

凄い綺麗な人だな。俺はしばらく見とれていたがあのオッサンが治療され意識が戻った事に気付いた。ヤバイ、このままじゃクシナさんも…!

 

「な、なんだ貴様は!?」

 

「ふん、アンタなんかに名乗る名前なんて無いわ!」

 

クシナさんはオッサンを余計に刺激した。いやそれ以上言ったらマズイと俺はクシナさんを制止させようとしたがその必要は無かった。

 

「ぐぬぬ……コイツも捕まえて目に物を」

 

「オイ」

 

カズマとクシナの前に現れたのは先程まで変装していた時とは違い、普段の格好で出てきたミナト。

 

「俺の妻に、手を出すな」

 

鋭い眼光で睨まれたアルダープや兵士達が冷や汗をかき蛇に睨まれた蛙のようにたじろぐ。

 

「来てくれると信じてた!」

 

「だからってこんな派手な事しなくても……」

 

ミナトさんとクシナさんがイチャラブしてる中ダクネスが前に出てきた。

 

「カズマ、お前はまだ言わなければならない事があるだろう?」

 

言わなきゃならない事?………あっ!

 

「そうだ……俺は………俺は魔王軍の手先でもなんでもなァァァァァい!!」

 

周囲は俺の発言により黙り込んだ。

 

「なっ……魔道具が反応しない!?」

 

「これでは検察側の主張が崩れてしまいますな……被告人サトウカズマを無罪とす……」

 

裁判長は木槌を振り下ろそうとした時アルダープが

 

「ダメだ裁判長。ワシに恥をかかせる気か?んん?」

 

そう言われた途端に裁判は慌てだした。そして苦渋の判断とでも言うように木槌を再び振り上げ

 

「被告人サトウカズマは死、死刑に……」

 

「ちょっと!そんなのおかしいじゃない!」

 

クシナさんは抗議の声を上げたが裁判長の耳には入らず

 

「こんなの………こんなのおかしいだろォォォ!?」

 

絶体絶命のピンチの時、ダクネスが待ったをかけた。

 

「裁判長。この裁判、私に預からせてはもらえないだろうか」

 

そう言ってダクネスは何かを全員に見せた。

 

「それは…!ダスティネス家の紋章!?」

 

周囲は唖然とする。今まで顔見知りだった奴がいきなり貴族だと言い出した。そりゃあ誰だって驚く。

 

「お前……良いのか?言わないで置いてやったのに」

 

「いや、こればっかりは仕方がない」

 

「時間を貰えれば、この男の身の潔白を必ず証明してみせる」

 

「いくらダスティネス家の威光があろうと…!」

 

「なにも無かったことにしてくれと言ってるわけではない。これは私から貴方への借りになる。だから私が出来ることなら、なんでも一つ言う事を聞いてやろう」

 

それを聞くなりアルダープは顔色を変え、邪悪な笑みを浮かべた。

 

「なんでもォ?」

 

「ああ。なんでもだ」

 

ダクネスが毅然とした態度で言うと周りから歓声が巻き起こった。

 

「ダクネスさん……」

 

「ダクネス……」

 

「そうだ!カズマは悪くねぇ!」

 

「「「「「カーズマ!カーズマ!カーズマ!」」」」」

 

「静粛に!静粛に!………静粛にって言ってんだろうがボケェ!!」

 

「アファ!?」

 

 

 

一連の騒ぎから一気に静かになり人々はカズマの判決を待つ。

 

 

 

「オホン、他ならぬダスティネス家の令嬢の頼みですからな、貴方の言葉を信じましょう。被告人サトウカズマの判決は保留とする!」

 

歓声が起こった。皆……そんなに俺の事を…!

 

どうにか俺の命は繋がれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁホントに大丈夫か?あのオッサン、お前を見る目がやばかったぞ……何か凄いこと要求されるんじゃないのか?」

 

「凄い事…!」

 

俺の心配を返せよ。

 

「まぁ今回ばかりは助かったよ。ありがとな。その……頑張れよ」

 

「ああ行ってくる」

 

「………ララティーナ」

 

「その名で呼ぶな!」

 

ダクネスが帰ってくるまで……踏ん張るしかないか……。

ここから新たに、俺達の冒険が始まるんだ!

 

「行け行け!高く売れそうな物はドンドン回収していけ!」

 

「やめてェェェ!!それだけは!それだけはァァァ!!」

 

「嫌だァァァァァ!!これはダメだ!!俺の故郷の唯一の服なんだよォォォ!!」

 

「ダメだ!!コレはワシの商売道具だ!絶対に渡さんぞォ!」

 

俺達の、俺達の冒険は、ここからだ…………。

そういえばあの2人元気かなぁ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか君もいるなんて。あの時どんな反応すればいいか分からなかったよ」

 

ミナトは苦笑いしながら言った。

 

「でもあの時こう言ったじゃない。『俺の妻に、手を出すな』って!」

 

「あの時は君が危なかったからね。そりゃあ必死にもなるよ」

 

「もーミナトったら!」

 

監獄の中でも構わずイチャイチャしてる2人の声を聞いて囚人達はウンザリしていた。

 

「でも、嬉しかったわ。あの時もまた颯爽と助けてくれて」

 

「俺も。君とまたこうやって話せる事が……凄く、嬉しいよ」

 

ミナトは普段は見せない表情で涙を流した。

 

「んもう、泣かないの。……ナルト、どうだった?」

 

クシナは優しく聞いた。ミナトは思い出すように天井を見上げ

 

「ナルトは、君の最期の言葉をちゃんと守ってるって言ってたよ。多分……いや、必ず立派な火影になるよ。なんだって俺達の子供だからね!」

 

「その通りだってばね!………あの子ならきっと大丈夫」

 

ミナトとクシナの会話に囚人達は号泣しながら聞いていた事に2人は知る由もなかった。

 

「あっ!そういえば近い将来その、孫も出来るわけよね?

その、どんな人と結婚すると思うってばね?誰かそれっぽい人いた?」

 

「んー。でもナルトだからなぁ、鈍感だし自分の気持ちに気づかなそうだね」

 

「確かに!九尾と戦ってる時も私のこと九尾だと思ってたのよ!」

 

「ハハ!それ本当かい!?そういえば俺も面白い事が…」

 

2人は朝が来るまで語り続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





やっとミナトとクシナくっつける事が出来た。私自身、2人の後日談が見たかったです。まぁ、自分が書くとは思いませんでしたが。でも2人をもう一度会わせる事が出来て本当に良かったです。

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