この素晴らしい世界に黄色い閃光を!   作:新田トニー

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ミナトが最高にカッコよかったので書きたくなりました。



第1話 この英雄に異世界を!

「俺…母ちゃんに言われた事全然出来てねぇけど!そこそこ頑張ってんだ!」

 

ナルトは涙を流しながらそう言った。

 

「夢だってちゃんとある!父ちゃんを越す火影になる!ぜってぇなるからな!」

 

「あっちで母ちゃんに伝えてくれ!俺の事は全然心配なんかすんなって!しっかり、やってんだって!」

 

ナルトは涙を溢れさせながら父ミナトに言った。

 

「……分かった。全部しっかり伝えておくよ」

 

ミナトは天に昇り消えてゆく。どんどん高く昇りそして見えなくなった。

 

ーー???ーー

 

「ここは……どこだ?」

 

目を覚ましミナトが起きた場所はどこか神聖な雰囲気を思わせる場所であった。

 

「ようこそ波風ミナトさん。ここは死後の世界、貴方は死んだのです」

 

正確に言えばミナトは屍鬼封尽を使った代償として、死神の腹の中にいたのだ。やっと天国に逝けたというべきか。

 

「これから俺はどうなるんですか?」

 

ミナトはこれから自分がどうなるかある程度予想はしていた。

 

「貴方には3つの選択肢があります」

 

「まず1つ目は天国に逝くか、そして2つ目は生まれ変わるか」

 

ミナトは最初は天国に逝くつもりだった。だが次の女神の言った言葉がミナトの心を揺らした。

 

「そして3つ目……そこは魔王軍の軍勢によって窮地に陥っていた!」

 

「人々は魔王の略奪と殺戮に怯えていた!」

 

「結構ノリノリですね」

 

「あっすみません少し熱く語ってしまいました」

 

女神は少し照れながら言った。

 

「しかし本当なのですか?その世界が窮地に陥っているというのは」

 

「はい。私達女神は別の世界で死んだ人達をその世界に転生させているというわけです」

 

「ですがただ送っただけではすぐ死んでしまう人達がいるので私達が特典を送って転生させています」

 

転生かとミナトは思案していた。本来なら天界に行ってクシナとの再会を果たそうと思っていたが、

 

「わかりました。その世界に転生させて下さい」

 

「そうですよね、分かりました今天界に……ってええ!?いいんですか!?」

 

女神は酷く驚き狼狽えた。

 

「はい。本当なら天界に行きたかったですけど人々が苦しんでいるのにそれを無視して行ってしまったら俺、クシナに怒られちゃいます」

 

ミナトは少し困ったように言った。

 

「確か貴方の生前は火影という大役を担っていましたね」

 

「はい、ですがなぜ先代の火影様達は転生させないんですか?」

 

「転生する際は若い人でなければいけなかったんです」

 

「ですが俺はそれほど若くも無いですよ?」

 

ミナトは疑問に思った。なぜあまり若くない自分を転生させようと思ったのか。

 

「貴方は四人の中でも特に若い方でしたので」

 

それにと女神は続けた。

 

「先程言った通りその世界は魔王軍の進行により窮地に陥っています。なので転生者の中でもとびきり凄い人を転生させようと思ったのです」

 

「それが俺……ですか」

 

「世界を救った英雄、ナルトさんの父ですから」

 

だがミナトは不安だった。

 

(だが俺なんかで良いのだろうか……生前の世界でも俺は失敗した。そんな俺が世界を救うなんてーー)

 

「何より火影になった父ちゃんを……バカにすんじゃねぇ!!」

 

かつて共に戦った息子の声が聞こえた気がした。

 

(……そうだよな父親の俺がくよくよしてたらダメだよな)

 

「分かりました。転生させて下さい」

 

「特典はいいんですか?1つだけ持っていけるんですよ?」

 

「大丈夫です。自分の力で戦えます」

 

「……分かりました。では魔法陣の上に立って下さい」

 

女神は何か分かったかのように微笑んだ。

 

「女神様」

 

「はい」

 

「名前を教えてはもらえないでしょうか?名前が分からないまま送られてはもやもやしてしまうので」

 

ふふっと女神は笑った。

 

「こちらからも1つお願いがあるのですが、向こうの世界に私の先輩の女神アクア先輩を特典として持っていったサトウカズマという人とパーティを組んで頂けませんか?正直あの人達だけでは不安なんです」

 

なるほど女神にも先輩後輩はあるのかと思ったミナトは分かりましたと返事をした。

 

「私の名前はエリスです。では勇者よ!数多の勇者候補の中から魔王を討つ事を願っています。もし倒せたらどんな願いでも叶えてあげましょう」

 

そうしてミナトは異世界転生をした。

 

ーー駆け出しの街 アクセルーー

 

「ここが異世界なのか?」

 

辺りは木の葉の里と違い西洋風の街であった。異なる文化の違いに驚きしばらく街を見ていた。

 

「さてまずはどうするか……」

 

本来なら『ぎるど』という場所で職業を登録しなければいけないのだが、初めて来た場所なのでどこにあるのか分からなかった。

 

「よう!アンタもしかして冒険者になりに来たのか?」

 

声をかけたのはいかにも冒険者のような服を着た少年だった。

 

「ああここは初めて来たからどこに行けばいいか分からなくてね、出来ればギルドに案内してくれないかい?」

 

「ああいいぜ!じゃあ案内するからついて来てくれ!」

 

(……これは俺の勘だがこの服装からしてこの人は確実に転生した人だ!あの頭のおかしいパーティを少しでも改善する為に入ってもらわねぇと…!)

 

「そういえばまだ名前を教えて貰わなかったね。僕は波風ミナト。君の名前は?」

 

「俺?俺はサトウカズマ」

 

「君がサトウカズマ君かい?僕は女神エリス様に君のパーティに入ってくれと頼まれたんだ」

 

「本当か!?あの駄女神じゃない方の女神様がそう言ってたのか!?」

 

「駄女神?うん確かにそう言ってたよ」

 

「マジかよ!?いやー助かったぜアンタがあいつらみたいな奴じゃなくてホント助かったよ」

 

カズマは涙を流しながらそう言った。過去に何があったのだろうか。

 

「君のパーティって一体どんな人達なんだい?」

 

「え?ああそれはーー」

 

カズマがその事について話そうとするともう目的の場所にはついていた。

 

ーー冒険者ギルドーー

 

「今日はどうされましたか?」

 

「はい冒険者になりたいのですが」

 

「それでは登録手数料をお願い致します」

 

登録手数料?とミナトはポケットの中を漁ってみた。すると中にこの国の通貨らしき物が多数入っていた。

 

「これでお願いします」

 

「承りました。では手をこの水晶にかざしてください」

 

言われた通り手をかざすと水晶が機械音と酷似した音を立て、カードらしきものを作っていた。

 

「はい、ありがとうございます。波風ミナトさんですね…てえええええええええええええええええ!!??」

 

突然受付の人が驚き大声を上げたためミナトとカズマはびっくりしてしまった。

 

「ど、どうしましたか?」

 

「どうしたなんてものじゃないです!!ステータスは平均以上を遥かに超えています!!これだったらどんな職業にでも……てあれ?こんな職業見た事ないですね」

 

「どれですか?」

 

「あっはいこの職業なのですが…『忍』?こんなの見た事ありませんね」

 

『忍』、それはミナトが生前就いていた職業だった。木の葉の里を守れるのなら命を賭けてもいい、命を投げ捨ててもいい、そんな職業であった。ミナトはその中でも最も偉い火影だった。

 

「……忍でお願いします」

 

「えっ?はっはい分かりましたでは忍として登録致しますね」

 

「こほん、では冒険者ギルドへようこそ波風ミナト様、スタッフ一同今後の活躍を期待しております!」

 

ミナトが周りの冒険者達に取り囲まれている中、カズマは

 

「なーんかどっかで見た事ある光景だなー」

 

そう呟いた。

 

「それで登録したけど次はどうする?」

 

「次はーそうだなメンバー紹介と行こうか!」

 

「ちょっと集めてくるから待っててくれ」

 

「ああ分かった」

 

待つ事数十分…

 

「悪りぃ待たせた!じゃあお前ら、テキトーに座ってくれ」

 

カズマのパーティは個性豊かな面々がいた。

 

「ちょっとなになにー?あたしさっきまでバイトしててクタクタなんですけどー大事な用じゃなかったら即帰るからね!」

 

水色を基調とした服を着た少女がダルそうに言った。

 

「カズマ、この男は誰ですか?何やら珍しい格好をしていますね」

 

赤を基調とした服を着た少女が不思議そうに言った。

 

「まぁまぁ二人ともとりあえずカズマの話を聞こうではないか」

 

どこか怪しげな雰囲気を帯びた鎧を着た少女が言った。

 

「ああすまねぇなダクネス、今回集まってもらったのは他でもない…新しいメンバーを紹介するために来てもらった!」

 

「じゃあミナトさん自己紹介を頼む」

 

「ああ、俺は波風ミナト、今日職業を登録したばっかりでほとんど何も分からないけどよろしく頼むよ」

 

「あたしはアクアよ!水を司る女神の女神アクア様よ!」

 

アクアは自信たっぷりと言わんばかりに言った。

 

「自称している可哀想な人です」

 

「なんでよぉぉぉぉぉ!!」

 

カズマとアクアが取っ組み合いをしているのを見て呆れたクルセイダーの見た目をした少女が

 

「私の名前はダクネスだ。私達のパーティにようこそ、歓迎するぞ」

 

この子は普通みたいだなとミナトはホッとした。

 

「最後に私ですね……我が名はめぐみん!アークウィザードを生業とし、爆裂魔法を操りし者!」

 

「個性的な名前だね。よろしくめぐみん」

 

「おい私の名前に文句があるなら聞こうじゃないか」

 

一通り挨拶を終えたところでカズマは切り出した。

 

「それじゃあミナトさん、突然で悪いんだけどクエストを受けてくれないか?」

 

「クエスト?ああいいよ」

 

「いやーミナトさんがさっきのですごい奴っていうのは分かったんだけどさ、俺達まだミナトさんの実力見せてもらってないから確認しておきたくて」

 

それも当然かと思いミナト達はクエストを受けに行った。

 

「じゃあ今回はジャイアントトードっつーでかいカエルを5匹討伐してください」

 

「5匹だけで良いのかい?」

 

「えっそれってどういうーー」

 

「はい終わったよ」

 

(何言ってんだこの人?ていうか一瞬消えなかった?)

 

改めてジャイアントトードの方を見るといつの間にか倒れていた。

 

「………ん?お前ら今何が起きたか分かった?」

 

俺がそんな事をぼーっとしながら聞くと

 

「………いっ今起こった事をありのまま話すわ……ミナトが一瞬消えたらジャイアントトード達は倒れていた。なっ何を言ってるか分からないかもしれないけどあたしも何を言ってるか分からなかった。頭がどうにかなりそうだったわ」

 

頭がおかしいのはお前だろと言いたかったが余りの突然の出来事に俺達は困惑していた。

 

「あれっ?そうか君達にはまだ教えてなかったね。このクナイにマーキングしてこれが飛んだところに移動出来るんだ」

 

すげぇ!!!後で教えてもらおう。

 

「じゃあ終わった事だし帰って報告しようか」

 

「えっああそうですね行きましょうか。おーい帰るぞお前ら」

 

なんて事だ。俺もさっきぼーっとしてたけどこいつらまだ抜けきれてないな。あれがミナトさんがもらった特典なのか?にしてはやけに慣れすぎてたような…まぁいいか強ければ。

 

こうして俺達の新たな仲間が増えた。でもミナトさんにはまだまだ秘密が多そうだ。そうしてこれから俺達が魔王を倒す為の冒険が始まるんだ!なんて思ってたのに……

 

「毎日毎日!!俺の城に爆裂魔法をポンポンポンポン打ち込んでくる大馬鹿者は誰だァァァ!!!」

 

………どうしてこうなったぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

 

 

 

 

 





ノリと勢いだけで書いてしまった。でも楽しいからいいや!(適当)

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