彼(彼女)の世界になかった色は、急に、そして、突然に作られた。
いや、作られたと言うよりも、出現した。と言った表現の方がしっくり来る。
まぁ、実際は、灰色の世界に有色の色が出てきたのは、【他の世界から、他の誰かから入り込まれた】ことなんだけども。
真実がどうであれ、彼(彼女)の目の前に、それまで存在しなかった色《がいねん》が、急に出てきたことは彼(彼女)もさすがに驚いていたかな。
あっ、そうそう。
もちろん彼(彼女)には、その色が何色なのか解らないし、分からないことは、付け加えておこう。
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だいぶ前に作者が質問した答えのうち、2番と3番を実践した(実践させられたとも言う。)リュウジは、左ほほに思いっきり紅葉をつけていた。
「うーん。納得いかない。」
リュウジとしては、感謝こそされても、警察を呼ばれる寸前までいくことはない。と思っているのだが。
まぁ、シチュエーションがそうだったのだから、仕方ないと言えば仕方ない。
何はともあれ、ナオは、友人?であるユウヒが引き取る話になり、ナオもリュウジもそこまでは納得していた。
そう。そこまでは。
何が納得できないかと言うと、その後のユウヒの態度なのだ。
ユウヒは、ナオを受けとるとあからさまにリュウジを疑っていた。主に誘拐犯として。
そして、あろうことか警察まで呼び出そうとしたのだ。
さすがに警察を呼ばれる筋合いはないと思い立ったリュウジも慌ててユウヒのケータイを取り上げ、必死に説得し、ナオも弁明を手伝ってくれたので、結果として警察は呼ばれなかったのだが、ユウヒはそれでもリュウジを信用できないようで、妥協案としてリュウジが互いにケータイ番号の交換を出さなければかき氷がもう三つほど無駄になっていただろう。
結果として警察は呼ばれなかったのだが、やはりあそこまで疑われるのは納得が行っていない。
不満は残りつつも、ケータイを取り出し一緒に来た友人二人を呼び出す。
(prrrrr)
10回ほどコールが流れるが、反応しない。
もう、先に海に入ってしまったのか?
そんな不安を抱きつつも、さらにもう一度10回コールを待つ。
ガチャリ
電話が繋がる。
安堵しつつ、リュウジは繋がったケータイに呼び掛ける。
「もしもし。今、良太(リョウタ)どこら辺にいるの?と言うか、今のコールをわざと出なかっただろ。」
友人の1人、橘 良太(タチバナ リョウタ)は、以外とイタズラ好きなので、こういうちょっとしたときにイラッと来ることをしてくる。
「そうだよ。場所はー、そうだね。さっきのかき氷屋こら左に行ったら、バーベキューするところがあるからそこら辺にいるよ。にしても、遅かったねぇ。どうしたの?」
リョウタに先ほどの理不尽を話ながら場所が分かったリュウジは歩き出していた。
やっと1人男友達登場。