流れていく時間のなかで   作:なゆたとふかしぎ

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第四歩

灰色の世界に色をつけるとしたら、それは、その世界では不可能なことだ。

何せ、色は三色しかない。

他の、赤や青、黄と言った概念が存在しない。

その世界単体では不可能なのだ。

では、どうする?

課題は、その世界に色をつけること。

答えは・・・・

 

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覚束ない足取りは、さらに覚束なくなる。

ナオを連れてとうに二十分は経過している。知らない人との行動は誰でも疲れるものであるが、この二人は俗に言うコミュ症なので互いに余計に気を張ってしまっていた。

 

アホみたいに広いビーチでは場所が分からなくなると長時間迷うことになるとは、聞いていたのだがまさかここまでとは思っていなかった。

 

ナオの体力はすでに限界を見せていて、以外にもリュウジの体力もかなり削られていた。

 

(このままではまずい!手持ちのかき氷をあげきって、暑さはしのげてるけど、これ以上は精神的に無理!)

 

そう焦りは感じているが、その焦りは一行にプラスへは働いてくれない。(とはいえその焦りは、知らない幼女と一緒に歩いているという背徳感と、回りの視線というものでリュウジの意識のしすぎなだけであるのだが)

 

そんなこんなで、勝手に焦っているリュウジの後ろを歩いているナオはリュウジの感じている後ろめたさなどではなく、知らない人に付いていっている。といった罪悪感に否まされていた。

 

(うぅ。大丈夫だよね。えと、リュウジさんは、そのイイ人だから、かきごうり屋さんまで連れていってくれるよね?大丈夫だよねね?)

 

しかし、それでもかき氷屋さんは見えません。二人はまた歩き出していきます。

 

すると、リュウジの予期していたナオの体力の限界がついに迎えた。

 

リュウジがまたナオの方を見ると、完全に青くなった顔をして倒れそうになっていた。

 

(ッ!ヤバイよ!どうしよ?!もう、この子倒れそうじゃん!なんとか、なんとかしないと!でも、どうすれば?!どうすればいいッ?!)

 

普通に休憩すればいいのだが、焦っているリュウジにその発想はない。

 

顔を真青にした女の子に対し、声をかけることも踏み止まっていたリュウジに、必死になってあちこちを見渡すも、やはり人の壁以外何も見えない。

 

リュウジが、やったのことでナオに話しかけようとしたその時。

 

「ナオ?やっと見つけた!どこ行ってたの?!」

 

新しい人の声だった。その声は高校生ぐらいの女の人だった。

 

リュウジが反射的にそっちを見ると、やはり高校生くらいの女の子が、水着にパーカーを羽織った状態でナオを見つめてい




ヒロイン二人目登場!
出来れば、チョロインにしたい。(笑)

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