遊戯王-黒炎の決闘者-   作:ケケマロ

4 / 5
ピエロの覚醒

そこは都市の中心。

活気が溢れていた広場にもう面影はない。

噴水には水が無く、ベンチは残らず折れていた。

 

遊悟「こいつはひでえや…」

 

広場のマンホールがガタリと開き、

 

「こっちだユーゴ」

 

男の招き声が聞こえた。

 

凛「誰?」

 

ダリオ「ユーノだ」

 

3人はマンホールの中へと入っていった。

 

 

 

凛「懐かしいなぁ…母さんに出会うまではマンホール生活だったよ」

 

遊悟「ああ…」

 

4人は下水道の中を進んでいった。

 

遊希「改めて自己紹介をしよう。僕の名前は「黒鉄遊希」。この次元の「因子」を持つ人間だ」

 

遊悟「「遊希」…か…俺は「風薙遊悟」だ。よろしくな遊希!」

 

凛「僕は凛!姓は遊悟と同じ「風薙」!」

 

遊希「僕達は戦力が足りなかったところだ。協力感謝する、凛」

 

そう言うと遊希はニコリと微笑んだ。

 

凛「へぇ~。遊悟と遊希ってそっくりだねぇ。

髪色とか服装とかは流石に違うけどさ」

 

遊悟「ところで…コレはどうする?」

 

担いでいた気絶した男、ティースは今も意識が無いままであった。

 

遊希「人質として捕らえる。僕もここへ来る前に一人捕らえた」

 

下水道の中に少し開けた場所がある。

噴水のあった場所の下のあたりだろうか。

それにしたって広すぎる場所ではあるが。

 

遊希「この場所は俺の『時空の因子』の力で別次元と繋がっている。

ユーリにも観測できない俺達の秘密基地さ」

 

そこにいたのは3人の少年と1人の少女がいた。

 

遊希「ここが俺達「レジスタンス」の基地…最後の本拠地だ」

 

「お前…!ユーリ…じゃない!…ダリオか!!」

 

憎しみの籠められた声がダリオに刺さる。

 

ダリオ「…」

 

遊希「やめておけ、魁」

 

魁と呼ばれる少年は顔を歪める。

 

魁「何をぬかしやがる…!そいつは俺達の敵だろうが!!」

 

ダリオ「確かに僕は…僕たちは「エクシーズ次元」の崩壊を目論み、

君達に近付いて…そして裏切った…謝ったところで許されるとは思わないさ…申し訳ない…」

 

魁「ダリオぉ!」

 

遊悟「…まぁ俺の世界だってコイツにボロボロにされたようなモンだから…

その怒りはよーく分かるよ…だけどよ…」

 

二人の間に遊悟が割って入る。

 

魁「なんなんだてめえは!!」

 

遊希「「シンクロ次元」の…僕と同じ『因子』の決闘者(デュエリスト)だ」

 

遊悟「だけど今はコイツを責めるより…奪われた人たちを取り返すのが先のハズだ」

 

魁「!…だがコイツは裏切り者だ…!後ろを任せても、またやられるだけだ!

ましてやコイツはユーリの双子の兄弟!

コイツはここで消してしまった方がはるかにマシだ!」

 

「私も同感ですね」

 

少女が割って入る。

 

遊希「リナ…」

 

少女の名はリナというらしい。

 

リナ「私たちは確かに人員が不足しています。

でもダリオがまた裏切りでもすれば…マイナス1。

結局いてもいなくても変わらないなら敵に回る前に仕留めた方がいいでしょう」

 

遊希「…」

 

遊悟「だけどよ…俺はコイツの言葉を信じてみたいんだ…

奪われた人を助けられるって言葉を…

ユーリを…兄弟を止めたいって言葉をよ…」

 

 

_______________________________

 

 

 

WRDCのエキシビジョンマッチの前日。

遊悟とダリオ、そして煉は言葉を交わしていた。

 

遊悟「鬼瓦煉…コイツを連れていくのか…?連れていって何かが分かるのか…?」

 

煉「…さぁな…少なくともユーリの弱点やらが分かれば儲けモノってところか」

 

ダリオ「…待って欲しい!僕は…ユーリを止めたいんだ!

ここで拘束されてはユーリの暴走は止められない!」

 

煉「喚くな…お前の為に何人いなくなったか分かるのか…?

富裕都市(トップス)の被害も多い…

廃墟都市(サテライト)の人材も腐っても資源だ…この街は致命傷を負った…」

 

ダリオ「でも!ユーリを倒せれば攫われた人々も元に戻れるんだ!」

 

煉「…確かにカード化技術はこの世界にも存在する…元に戻す技術も確立しつつある…」

 

遊悟「…止めるっていうのはどうやってするつもりだ?」

 

ユーリを騙った少年は遊悟を見つめた。

 

ダリオ「説得…なんていうのが通用する相手じゃないのは僕が一番知っている…

ユーリがあそこまで暴走してしまうのは…負けたことが無いからだ…

遊悟…!君がユーリに決闘(デュエル)で勝利すれば…

ユーリに隙が生まれるはずだ!そうすればユーリは止まる…はずだ!」

 

煉「…お前の話には根拠がねえ…そんなのに説得されるものか…」

 

遊悟「…だけど鬼瓦煉!お前は他に方法があるのか?」

 

煉「…ねえな…今のところ…な…」

 

遊悟「ならその話に乗るしかねえ…!決闘(デュエル)で勝てばいいだけの話なら簡単じゃねえか!」

 

少年はニカッと笑った。

警察はため息を一つ零す。

 

煉「…ならばその責任は風薙遊悟、お前が持て。

ソイツが裏切った時…あるいは障害になった時…ダリオの足を切る覚悟を決めろ」

 

遊悟「…ああ…必要ならな…」

 

 

_______________________________

 

 

 

遊悟「…そう…信じたいんだ…!」

 

少年の気迫に圧され、魁は少し怖気づく。

 

魁「だがな…コイツが信用できないってことに変わりは無いんだよ!」

 

遊希「ならば決闘(デュエル)でカタを付けるしかないな」

 

遊希はパチリと指を鳴らすと、広間がさらに大きく膨らんだ。

 

遊悟「なんだ!?」

 

遊希「言ったろう?ここは僕が作った空間だ。

ここで魁とダリオで決闘(デュエル)を行ってもらう!」

 

魁「そうこなくっちゃあなぁ…正直てめえとの決着を付けたかったところだしな!」

 

そう言うと魁は決闘盤(デュエル・ディスク)を構える。

 

ダリオ「魁!僕たちは闘ってる場合じゃあ…!」

 

遊悟「闘え、ダリオ!」

 

遊悟はダリオの背中をドンと押し、広間の中央へ押しやった。

 

凛「そうそう!疑われたままでこれから一緒にいられるとは思えないしね!」

 

ダリオ「…分かった」

 

そう言うとダリオは剣状のディスクを構えた。

 

  『デュエル!!』

 

ダリオ「僕のターン…僕は「捕食植物(プレデター・プランツ)セファロタスネイル」を召喚…ターンエンドだ」

 

凛「伏せカード無し…?」

 

遊悟「…」

 

俺と闘った時と同じ戦術…だが…

あの時の不敵な決闘(デュエル)戦術(タクティクス)を感じられない…

あれじゃあ負けに行ってるようなモンだ…!

 

魁「嘗めるなよ…!俺のターン!俺は「ギミック・パペット-死の木馬(デス・トロイ)」を召喚!

そして「からくりの宝札」を発動!死の木馬(デス・トロイ)を破壊し1枚ドローする!

死の木馬(デス・トロイ)」の効果!

このカードがカード効果で破壊された時、

手札から攻撃力1000以下の「ギミック・パペット」2体を特殊召喚する!

現れろ!2体の「ギミック・パペット-ネクロ・ドール」!」

 

魁の場にあっという間に2体の最上級モンスターが召喚された。

 

遊悟「すげえな…戦略に無駄がねえ…!」

 

遊希「魁は僕らの次元でもトップクラスの決闘者(デュエリスト)だからね…

…ダリオ…」

 

…ダリオ…何を躊躇している…?

 

魁「俺は!ネクロ・ドール2体でオーバーレイネットワークを構築!!」

 

     心なき騎士の(むくろ)!ここに運命の糸により立ち上がれ!

  エクシーズ召喚!出でよ、ギミック・パペット-ハートレス・ナイト!

 

心臓部に孔の開いた甲冑を着たからくり人形がかたかたと嗤う。

 

凛「これが…エクシーズ召喚…!」

 

魁「「ハートレス・ナイト」の効果!1ターンに1度、ORU(オーバーレイユニット)を1つ使い!

フィールドのモンスター1体を破壊する!『デステニー・デモリション』!」

 

孔の開いた騎士は腰の剣を構え、瞬く間にダリオのモンスターをバラバラにした。

 

魁「この瞬間「ハートレス・ナイト」のもう一つの効果を発動!

このカードが存在して、フィールドのモンスターが破壊された場合、

相手に1000のダメージを与える!『ライフ・カタストロフ』!」

 

騎士が剣を掲げると、赤い無数の糸がダリオに降り注いだ。

 

 ダリオ LP4000→3000

 

ダリオ「ぐうぅ」

 

魁「てめえの場はがら空き!ダイレクトアタック!『クラック・ダウン・スラッシュ』!」

 

騎士はかたかたと嗤いながらダリオに一閃を浴びせた。

 

 ダリオ LP3000→1000

 

ダリオ「うわあぁ!」

 

ダリオは衝撃に吹き飛ばされる。

 

魁「俺はカードを1枚伏せターンエンド…

ダリオ!やる気がねえならこのままサレンダーしな!!」

 

ダリオ「ぐぅ…僕は…」

 

遊悟「は~あ!つまんねえ決闘(デュエル)だぜ!」

 

わざとらしく大きなため息をついた。

 

リナ「同感ですね」

 

凛「一方的過ぎるよぉ!ハンデハンデ!」

 

ダリオは倒れたまま動かなかった。

 

ダリオ「僕…は…」

 

ユーリを止めようと、遊悟の『運命』を見てからそればかりが頭を支配していた。

 

僕は…強くなっていない…

「裏切り者のユーリ」…その偽物に過ぎないのか…

 

遊悟「立ちやがれダリオ!てめえなんでサレンダーを勧められたか分からねえのか!?」

 

ダリオは遊悟の言葉を気にも留めず天井を見ていた。

 

遊悟「魁がなんて言っているか分からないのかよ!?

「本気で決闘(デュエル)しようぜ」って言ってるんだ!

お前はそれにも応えられないような…心の無い決闘者(デュエリスト)なのか!?

あいつと同じ…人が苦しんで…恐怖させてばかりのユーリと同じ…

人の心が分からない決闘者(デュエリスト)なのかよ!」

 

ダリオ「…!」

 

そうだ…!僕は…

 

ダリオ「僕は…辛かった…!人をカードにしてエネルギーに変換することが…

恐かったんだ…恐怖で支配しようとするユーリに従うことが…!」

 

ダリオはグッと立ち上がった。

 

ダリオ「だから…僕は闘わなくちゃあいけない!みんなの仲間として…!

今までの贖罪をしなくちゃあいけない!

誰かの友達を…家族を…居場所を奪った罪から逃げたらいけないんだ…!」

 

意志を持った赤い瞳が熱く燃える。

 

ダリオ「だから…僕は本気で君にぶつかる!

逃げ出そうとする弱虫じゃなく…魁!君の仲間として!」

 

魁「ふん…ならばこんな気の抜けた決闘(デュエル)を熱く燃やして見せろ!」

 

ダリオ「任せてよ…僕は稀代のエンターテイナー…「ダリオ・シュメルツ」!

シラケた空気を華やかに変えて見せましょう!!僕の…ターン!!」

 

ダリオの手元から虹色の輝きが迸る。

 

遊悟「なんだぁ!?」

 

凛「この光…!」

 

遊希「アレは…!覚醒した『因子』の光…!?」

 

これは元々ユーリの力だった…

でも…「これ」を自分の力に変えて…ユーリをこの僕が倒す!

 

ダリオ「僕はカードを魔法(マジック)カード「カード・オブ・ファイバー」を発動!

墓地の植物族とデッキの植物族4体を除外し、除外した枚数分デッキからドローする!」

 

新たにカードをデッキから引く。

引いたカードを手元に加え、1番右のカードを使う。

 

ダリオ「僕は「融合」を発動!」

 

リナ「融合…!」

 

遊希「最初に会った時から…ダリオは融合使いだった…」

 

魁「引いたカードじゃない…元から手札にあったカード…!

最初から使っとけってんだよ…!バカがよ…!」

 

ダリオ「僕は手札の「Em(エンタメイジ)ハット・トリッカー」と、「Em(エンタメイジ)スティルツ・シューター」の2体を融合!」

 

凛「エンタ…?」

 

遊悟「メイジ…だと…!?」

 

デッキが変わっている!?

 

遊希「アレはダリオが僕たちと出会った時に使っていたカードか…」

 

あの時のお前は…「本物」だったということか…

 

   狂喜渦巻く舞台で華やかに駆け巡れ!稀代の奇術師よ!

  融合召喚!現れろ、Em(エンタメイジ)トラピーズ・フォース・マジシャン!

 

きゃははと無邪気な笑いを響かせ、天空の奇術師が舞う。

 

遊希「やはり…トラピーズ・フォース・マジシャン…!」

 

ダリオ「さらに僕は魔法(マジック)カード「トラピーズ・フュージョン」を発動!

このターン融合素材にして墓地に送られた「Em(エンタメイジ)」2体を特殊召喚し、

そのモンスターを素材に融合を行う!」

 

    狂喜渦巻く舞台で華やかに駆け巡れ!珍奇なる猛獣よ!

  融合召喚!現れろ、スターヴ・ヴェノム・フィリア・ドラゴン!

 

いつか遊悟と対峙した紫竜の面影は残っているが全くの別物のような印象を受ける。

その姿は派手に、そして毒々しく新星のように輝いていた。

 

魁「コイツは…!」

 

ダリオ「そう、ユーリの竜だ…!でも…今は僕の竜!僕が操ってみせる!

「スターヴ・ヴェノム・フィリア・ドラゴン」の効果!

場のモンスターを素材に融合した場合、

相手の特殊召喚モンスター全ての攻撃力を得る!『サーペント・ポイズン』!」

 

場が鮮やかな紫色に染まる。

 

 スターヴ・ヴェノム・フィリア・ドラゴン ATK2800→4800

 

魁「攻撃力4800…!」

 

ダリオ「バトル!スターヴ・ヴェノム!「『美のグレース・バニッシュ』!」

 

紫竜は口にエネルギーを溜め、騎士人形へ放出する。

 

魁「俺は「ガーディアン・パペット」発動!

「ギミック・パペット」の戦闘破壊を無効にし、ダメージを半分にする!」

 

 魁 LP4000→2600

 

魁「ぐあっ」

 

紫竜の攻撃が通った。

しかし騎士は破壊されず、変わらず不気味な嗤いを浮かべていた

 

ダリオ「トラピーズ・フォースの効果!フィールドのモンスター1体を対象にする!

そのモンスターはこのターン2回攻撃できる!『スポット・スターリング』!」

 

ダリオがパチリと指を鳴らすと紫竜がとぐろを巻いた。

尻尾による追撃が行われる。

 

魁「ハートレス・ナイトは破壊されない!ぐぅ!」

 

 魁 LP2600→1200

 

ダリオ「この効果で追撃した場合、トラピーズは攻撃できない!

バトル終了時、スターヴ・ヴェノムは破壊!

この瞬間、スターヴ・ヴェノムの効果が発動!

相手モンスターのコントロールを得る!『ハザート・リモート』!」

 

遊悟「コントロール奪取…!」

 

遊希「相手にすれば厄介な効果…だが…」

 

今は味方にいる…頼りになるカードだ…!

 

魁「くっ…!」

 

騎士は竜の毒香に誘われ、魁の場を離れた。

 

ダリオ「僕はカードを2枚伏せてターンエンド!」

 

魁「俺のターン、ドロー!俺は「オーバーレイ・ダーク・リンカーネーション」を発動!

相手の場のエクシーズモンスターのORU(オーバーレイユニット)をランダムに1つ墓地へ送り、

それが闇属性モンスターなら俺の場に特殊召喚する!ORU(オーバーレイユニット)は1つ!

「ネクロ・ドール」を特殊召喚し、さらに1枚ドローする!」

 

ORU(オーバーレイユニット)だった少女人形が元の姿に戻る。

 

魁「そして「ギミック・パペット-ギア・チェンジャー」を召喚!

「ギア・チェンジャー」は自分の「ギミック・パペット」と同じレベルになる!」

 

遊悟「これでまたレベル8のモンスターが2体…」

 

魁「2体の「ギミック・パペット」でオーバーレイネットワークを構築!」

 

     泣き止まぬ魂に捧げる不滅の旋律!彼方に轟け!

  エクシーズ召喚!現れろ、ギミック・パペット-キング・ホルン!

 

赤いマントを纏い、黄金のホルンを持つ王者人形が姿を現す。

 

ダリオ「相変わらずの迫力…!君のエースモンスターだね…!」

 

魁「俺は「キング・ホルン」の効果を発動!ORU(オーバーレイユニット)を1つ使い、

このカード以外のフィールドのモンスター全てに「ホルンカウンター」を1つずつ置く!

カウンターの乗ったモンスターは1ターン後に破壊され、

コントローラーは破壊されたカードの数かける1000のダメージを受ける!」

 

ダリオ「でも弱点も知っている…!発動からのタイムラグが弱点だ!」

 

魁「その通り…だがその弱点をいつまでもそのままにしておくはずが無いだろ?

俺は(トラップ)カード「デッドエンド・ホルン」を発動!

相手の「ホルンカウンター」の乗ったモンスターを全て破壊し、

その攻撃力の合計分のダメージを与える!」

 

黄金の笛が赤黒く染まり、断末魔の旋律を奏でる。

 

凛「凄い…!これが決まったらダリオの負け…」

 

ダリオ「そうはさせないけどね!(トラップ)カード「Em(エンタメイジ)トラブル・カバー」!

僕の場にEm(エンタメイジ)がいる時、カードを破壊する効果を無効にして、

Em(エンタメイジ)の攻撃力を500アップする!」

 

 Em(エンタメイジ)トラピーズ・フォース・マジシャン ATK2500→3000

 

これでトラピーズ・フォースの攻撃力は3000…

もう1枚の伏せカード「トリック・バリア」で相打ちに持ち込めば…

返しのターンの直接攻撃で勝てる…!

 

魁「…」

 

あれは間違いなく迎撃のための罠…

ならば俺のやるべき行動は!

 

魁「俺は「ブーギートラップ」を発動!手札を2枚捨てる!

そして墓地の(トラップ)を1枚、俺の場に伏せる!伏せるのは「デッドエンド・ホルン」!」

 

ダリオ「でも(トラップ)カードは伏せたターンには発動できない…!」

 

魁「ブーギートラップで伏せたカードはそのターンに発動できる!」

 

遊希「決着…だな」

 

魁「発動せよ!「デッドエンド・ホルン」!」

 

ダリオ「まだだ!僕は手札の「Em(エンタメイジ)ダメージ・ジャグラー」の効果発動!

このカードを捨てて、ダメージを無効にする!」

 

魁「ならばキング・ホルンでダイレクトアタック!」

 

ダリオ「僕は手札の「Em(エンタメイジ)ストリング・フィギュア」と、

墓地の「トラピーズ・フォース・マジシャン」の効果発動!

ダイレクトアタック時、「トラピーズ・フォース・マジシャン」は

墓地のEm(エンタメイジ)を1体除外することで特殊召喚できる!

そして「ストリング・フィギュア」の効果で攻撃対象をこのカードに移す!

そしてストリング・フィギュアの戦闘ダメージは0になる!」

 

魁「俺は…ターンを終了する!」

 

ダリオ「僕のターン、ドロー!このターンがクライマックス!」

 

魁「そう…このターンで終わりだ…!」

 

ダリオ「僕は「ストリング・フィギュア」の効果を発動!

このカードを含む融合素材を墓地へ送ることで融合召喚を行う!

僕が融合するのはトラピーズ・フォースとストリング・フィギュア!」

 

     狂喜渦巻く舞台で華やかに駆け巡れ!永遠の奇術師よ!

  融合召喚!現れろ、Em(エンタメイジ)トラピーズ・フォーエバー・マジシャン!

 

魁「…!新たなモンスター…!」

 

遊希「見たことのないEm(エンタメイジ)だな…まさか…!」

 

『渾融の因子』が生み出したモンスターか…?

だとしたらもうすでに僕や遊悟並みに使いこなせているということ…

…本当に頼もしい味方ができたものだ…

 

ダリオ「トラピーズ・フォーエバーでキング・ホルンを攻撃!」

 

凛「攻撃力は同じ3000…相打ち狙い…?」

 

魁「いや…違う…!」

 

ダリオ「トラピーズ・フォーエバーは破壊された場合、

墓地の「Em(エンタメイジ)」を1体除外して特殊召喚できる!

行けぇ!トラピーズ・フォーエバー!『フォーエバー・コンジュラー』!」

 

魁「…ここまでやるとは正直思わなかったぞ…!」

 

…だが…もう勝負はついている…

 

魁「…俺の勝ちでだ!

俺は「ギミック・パペット-ボム・プリング」の効果発動!

このカードの装備モンスターが破壊された時、その攻撃力分のダメージを相手に与える!」

 

ダリオ「何!?」

 

凛「いつの間にそんなモンスターが…?」

 

遊悟「「ブーギートラップ」の手札コスト…!」

 

ブーギートラップに必要な手札2枚のうちの1枚。

「ボム・プリング」は墓地に落ちた場合に1度だけ、

場のモンスター1体にとりつく効果があるのだ。

 

ダリオ「くっ…!」

 

ダリオに防ぐ手立ては無い。

キング・ホルンの死に際の旋律はダリオを思い切り吹き飛ばした。

 

 ダリオ LP1000→0

 

ダリオ「うわあぁ」

 

衝撃によって体が浮く。

しかし、ダリオの体は地面に叩かれることは無かった。

ダリオの体を人形が抱え、優しく地面に降ろした。

 

ダリオ「魁…」

 

魁「…ダリオ…へっ、こんなことでケガでもされたら困るだけだ!

…これだけ強ければ後ろを任すこともできるだろうよ!」

 

遊悟「いい決闘(デュエル)だったぜ!」

 

凛「うん!面白い決闘(デュエル)だったよ!」

 

遊希「…ダリオ」

 

ダリオは遊希のいる方向を向いた。

遊希は右手をダリオに差し伸べていた。

 

ダリオ「遊希…」

 

遊希「これから…打倒ユーリを協力しよう」

 

ダリオ「…すまなかった…そして…ありがとう…遊希…

…ありがとう…!」

 

ダリオはここでやっと、自分に居場所ができた気がした。

そして決戦への決心ができた。

ユーリと闘うのはユーリを救うためだけではない。

ここにいる人の…カードになった人々の信頼を得るためにも、

弟との闘いは避けては行けない道ができた。




6話制作に難航中。
2週間欲しい。

以下オリカ効果。



≪スターヴ・ヴェノム・フィリア・ドラゴン≫
レベル8/光属性/ドラゴン族/ATK2800/DEF2000
同じ属性のモンスター×2
①:このカードがフィールドのモンスターのみを素材として
融合召喚に成功したターンに発動できる。
このカードの攻撃力はターン終了時まで、
相手フィールドの特殊召喚されたモンスターの攻撃力の合計分アップする。
②:1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
ターン終了時まで、このカードはそのモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る。
③:このカードが破壊された場合に発動できる。
相手フィールド上のモンスター1体を選択してコントロールを得る。

F(フュージョン)F(フィリア)
フィリアは「嗜好」や「愛」といった意味があります。
兄弟愛は弟に伝わるのか?



Em(エンタメイジ)トラピーズ・フォース・マジシャン≫
レベル7/光属性/魔法使い族/ATK2500/DEF2000
Em(エンタメイジ)」モンスター×2
①:自分・相手のバトルフェイズ時に1度、
フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターはこのターン2回攻撃でき、
2回攻撃した場合、その対象のモンスターはバトルフェイズ終了時に破壊される。
この効果を使用した場合、このカードは攻撃できない。
②:このカードが墓地に存在する場合、
相手モンスターの直接攻撃宣言時に墓地から「Em(エンタメイジ)」モンスター1体を除外して発動できる。
このカードを墓地から守備表示で特殊召喚する。

ダリオのエースモンスター。
2回攻撃と自己再生を持つ。強そう。



Em(エンタメイジ)トラピーズ・フォーエバー・マジシャン≫
レベル8/光属性/魔法使い族/ATK3000/DEF2500
Em(エンタメイジ)トラピーズ・フォース・マジシャン」+「Em(エンタメイジ)」モンスター
①:このカードは相手モンスター全てに1回ずつ攻撃できる。
②:このカードが戦闘・効果で破壊され墓地に送られた場合、
墓地からこのカード以外の「Em(エンタメイジ)」モンスター1体を除外して発動できる。
このカードを墓地から特殊召喚する。
③:このカードが墓地に存在する場合に発動できる。
融合モンスターカードによって決められた、
このカードを含む融合素材モンスターを自分の墓地から除外し、
その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

ダリオのエースカードその2。
高水準でまとまった感じ。
③は後続を呼べる優秀でユニークな効果だと思う。



≪カード・オブ・ファイバー≫
通常魔法
①:墓地の植物族モンスター1体を対象に発動できる。
そのモンスターを除外し、除外したモンスターのレベルと
同じ枚数デッキから植物族モンスターを除外する。
その後、除外した植物族モンスターと同じ枚数ドローする。
このカードを発動するターン、植物族モンスターを召喚・特殊召喚できない。

ぶっ壊れカード。よくある手札調整用カード。
融合デッキは手札切れをよく起こすが、今後使われることはおそらく無い。



≪トラピーズ・フュージョン≫
通常魔法
①:このターン、融合素材に使用され墓地に送られた
Em(エンタメイジ)」モンスター2体を対象に発動できる。
そのモンスターを特殊召喚し、
融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターとして墓地へ送り、
その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

スターヴ・ヴェノムを使いやすくするサポートカード。
「増殖するG」に弱い。



≪ギミック・パペット-ハートレス・ナイト≫
ランク8/地属性/機械族/ATK2000/DEF2500
レベル8モンスター×2
①:1ターンに1度、このカードのX(エクシーズ)素材を1つ取り除き、
相手フィールドのモンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターを破壊する。
②:このカードが表側表示で存在し、
フィールドのカードが効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動する。
そのカードのコントローラーは1000ダメージを受ける。

ギミック・パペットエクシーズはNo.しかいないのでこうするしかなかった。
今後、魁がエクシーズしたらそれはオリカ。
進化時の名前が分かりやすいかもしれない。



≪ギミック・パペット-キング・ホルン≫
ランク8/闇属性/機械族/ATK3000/DEF2500
レベル8「ギミック・パペット」モンスター×2
①:1ターンに1度、このカードのX(エクシーズ)素材を1つ取り除いて発動できる。
このカード以外のフィールド上に表側表示で存在する
全てのモンスターにホルンカウンターを1つ置く。
次の相手のエンドフェイズ時、ホルンカウンターが乗っているモンスターを全て破壊し、
破壊したモンスターの数×1000ダメージを相手に与える。

分かりにくいかもしれないが、
OCGヘブンズ・ストリングスと違い、
次の相手エンド時にキング・ホルンがいなくても破壊ができる。
進化時の名前が分かりやすいかもしれない。



≪ギミック・パペット-ボム・プリング≫
レベル1/地属性/機械族/ATK100/DEF100
①:1ターンに1度、このカードが墓地へ送られた場合、
フィールドのモンスター1体を対象に発動できる。
このカードはそのモンスターの装備カードになる。
②:このカードの装備モンスターが戦闘、または相手のモンスター効果で破壊された場合、
装備モンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。

IV(フォー)のカードは手札コストが多く、実は使いやすい。
割とヤバい強さかもしれないが、戦闘を介する効果はどうなのだろう。使われない気がする。



≪ガーディアン・パペット≫
通常罠
自分フィールドに「ギミック・パペット」モンスターが存在する場合のみ発動できる。
①:このターン、自分フィールドの「ギミック・パペット」モンスターは
戦闘・効果では破壊されず、自分の受ける戦闘ダメージは半分になる。
この効果の適用後、相手は「ギミック・パペット」モンスターしか攻撃できない。

「ギミック・パペット」を守護持ちにする効果。
どうでもいいけど「ギミック・パペット」って名前長すぎる。



≪デッドエンド・ホルン≫
通常罠
①:フィールドのホルンカウンターが乗ったモンスターを全て破壊する。
その後、破壊したモンスターの攻撃力の合計分のダメージを相手に与える。

産廃。
きっとOCGで効果足されるやつ。

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