女剣闘士見参!   作:dokkakuhei

9 / 27
真面目回





第7話 Fight Fire With Fire

「むふふ、美味しいー!」

 

 リカオン達はアインザックと約束した高級レストランの料理を味わっていた。彼女は喜色満面の顔で、肉を、魚を、野菜を頬張っている。リカオンの周りは既に空の皿が山のように積まれており、小突くと雪崩でも起きそうだ。因みにガガーランは報酬だけ貰えればいいと王都に帰ってしまった。アダマンタイト級冒険者は色々忙しいこともあるのだろう。

 

 幸せいっぱいの笑みを浮かべるリカオンに対してアインザックは料理の代金を想像して顔を青くしていた。ふと、隣のパナソレイを見るとやはりアインザックと同じ顔をしている。

 

「…これは公共政策なんだ。…私は今、経済波及効果を齎しているのだ。」

 

 パナソレイは目の焦点を空中に放り投げたまま何やら訳のわからない事を呟いていた。確かに家の一軒や二軒は建てられそうなぐらいお金を使っている。まさか財源をこのような形で使う事になるとは、モンガに壊された壁も直さなければいけないのに、予想外の出費だ。

 

 これはいけない。パナソレイの心労を和らげるためにアインザックは助け舟を出す事にした。

 

「リカオン君、クレマンティーヌ君、折り入って頼みたいことがあるのだが。」

 

「何ですか?」

 

 リカオンは新しく出された仔牛肉のセージ葉巻き(サルティンボッカ)に手を伸ばしながら聞き返す。

 

「冒険者にならないか。エ・ランテル冒険者組合は君達を快く歓迎するよ。いや、是非入ってくれ!」

 

「その話さっきも聞きましたけど、ご飯の後じゃダメですか?」

 

 リカオンはアインザックの方を一瞥もせずバッサリ切り捨てる。今は料理しか目に入らないとでも言いたげだ。クレマンティーヌに至っては完全にアインザックを無視して肉を口に運んでいる。彼女の方を見ると意外にも完璧なテーブルマナーで食事をしている。もしかすると名家の出なのかも知れない。

 

「いやいや、大事な話だ。まあ聞いてくれ。」

 

 めげずに食い下がる。アインザックとしてもパナソレイのためにも何とか食事の手を止めなければ。それに今の和やかな雰囲気の方が勧誘も上手く行くと打算的な意味もあった。アインザックは冒険者になることのメリットをこれでもかと並べる。

 

「君ほどの実力があれば直ぐにトップクラスの冒険者になれる。依頼も沢山来るだろうし、能力を最大限活かして富と名声を築くことができるぞ。王国の冒険者になれば身分証明も出来て、王国中の関所は通り放題だ。パーマネントツアーリストのままではバカ高い通行税を取られるぞ。それに冒険者組合は国同士の政治抗争から身を守られているから、下らない戦争に巻き込まれなくて済むんだ。それに…」

 

「ちょっと待った。」

 

 徐にリカオンがアインザックの言葉を遮る。顔をアインザックの方に向け、あんなに忙しかった食事の手を休めていた。

 

(お。いけるか?)

 

 アインザックは何がリカオンの琴線に触れたのか必死に頭を回転させていた。続くリカオンの言葉を待つ。

 

「冒険者になったら戦争とは無関係になるの?」

 

(それか。)

 

「あ、ああ!そうだ。いけ好かない貴族連中の命令を聞いて、一銭にもならない無駄な争いをする事なんてしなくていいんだ。」

 

「じゃあ止めとく。」

 

「だか…、え?何て…。」

 

 アインザックはどうして断られたのか理解できず固まってしまった。聞き間違いではないかと自分の耳を疑った程だ。思わずリカオンを凝視する。

 

「面白そうなイベントを逃すわけにはいかないからね。」

 

 リカオンはそう言った後、再び食事を開始した。場に変な沈黙が流れ、アインザックは狐につままれたようにポカンと口を開けていた。

 

「フフッ。」

 

 クレマンティーヌは笑いを堪えきれなかった。やっぱりこの女はイカれだ。何故か法国からの追っ手の気配が消えたし、行く当てもなかったが、もう少しこの女と行動を共にした方が面白いかも知れない。

 

「ま、待ってくれ。」

 

 嬉しそうなクレマンティーヌを他所にパナソレイ達は焦っていた。この街で冒険者にならないならばこの土地に縛り付けておく理由がなくなるのだ。貴重な人材を流出させる訳にはいかない。

 

「この街はモンガという脅威にさらされているのだ。何らかの対策を講じることが出来るまで協力してはくれないだろうか。勿論報酬は出す!」

 

 凄い剣幕で迫るパナソレイ。それに対してリカオンは簡単に答える。

 

「それはいいですよ。」

 

 ふう、と息を吐く都市長と組合長。この奇妙な女は扱いやすいのか扱いにくいのか全くわからない。

 

「そうか、ではさっそくで悪いのだが…。奴が潜んでいそうな所を調査して欲しいのだ。現状適任者はモンガと渡り合える君達しかいないのだ。」

 

「オッケです。」

 

「詳しい事は後日に回そう。今日のところはこの辺りで…。」

 

「すいませーん。これおかわり。」

 

「ごふっ。」

 

 リカオンは店の食材を食い尽くすまで料理を注文し、遂には店のオーナーが出てきて帰って下さいと懇願する事態に陥った。

 

 

 ーーー

 

 

 夕刻、リカオンらと別れたパナソレイとアインザックはトボトボと帰路についていた。2人の背中からはいつもの威厳が消え去って、疲れた仕事帰りの中年のそれであった。

 

「アインザック君。」

 

「都市長、今回のお代は組合からも捻出します。」

 

「そうではなくて。いや、それもありがたいのだが、あーと。…彼女は一体何者なのだろうな?」

 

「…黒髪黒目の見た目からは南方の出の者としか。後は装備品が凄まじく価値のある物である事から、高貴な出自である可能性が有りますね。」

 

 アインザックの言葉に頷くパナソレイ。そしてさらに質問をつづける。

 

「報告によれば、あの豪奢な造りのレイピアがスケリトル・ドラゴンを溶断せしめたらしいが、あのレイピアを使えば君も可能かね?」

 

「はっきり言ってそんな芸当ができるのは私の知る限りいません。王国戦士長でも無理でしょう。純粋に彼女の実力かと。」

 

 パナソレイは深く考えた後、さらに口を開く。

 

「もう1人の、クレマンティーヌ君の方も瞬く間に敵を皆殺しにしたというが、どれ程の実力なのかね?」

 

「死体を検分しましたが、鮮やかな手口です。スティレットを用いた戦いでは速さと技術共に随一の使い手だと思います。」

 

「君にそこまで言わせるとはね。ふはは。」

 

 突然に笑い出すパナソレイを見て、アインザックはどうしたのかと不思議に思い顔を覗き込む。

 

「いや、失礼。彼女らが冒険者にならないというのはある意味王国にとって好都合かもしれんぞ。」

 

「都市長、それは…。」

 

 ニヤリと笑うパナソレイ。その顔は既にこの都市の最高責任者の面影を取り戻していた。

 

「帝国との戦争であれ程の戦力が内に加われば勝ちの目が見えてくる。リカオン君も乗り気のようだしな。あの憎っくき皇帝に一泡吹かせてやりたいと常々思っていたんだ。」

 

「本当貴方はタダでは転ばないお方だ。流石、都市長をしているだけはある。後は彼女らをどう戦列に組み込むかを考えなければいけませんね。根回しをしていかなければ。」

 

 その夜、2人の男は今後のエ・ランテルについて語り合った。

 

 

 ーーー

 

 

 ここはナザリック守護者統括事務室。その中に山のように積まれた書類に囲まれて忙しなく仕事をしている影がある。この部屋の主、アルベドである。

 

「失礼します。」

 

 コンコンコン、とノックの音が三度響き、橙色のスリーピース・スーツのよく似合う悪魔が入室して来た。第七階層守護者デミウルゴスだ。

 

「ご苦労様、時間通りね。」

 

 アルベドは部下に対して労いの言葉をかける。アインズが王国と接触する段階に入ったため、デミウルゴスに王国の内情を調査し、内容を取りまとめた最終報告をする様に命じておいたのだ。アルベドは渡された書類に目を通していく。概ね中間報告と大差なく、計画に修正を加えなければならないといったことは無さそうだ。

 

「素晴らしい働きねデミウルゴス。先程伺ったのだけどアインズ様もお褒めになっていたわ。」

 

 にこりと笑うアルベド。優秀な同僚に対して素直な賞賛の意味を込めた表情であった。

 

「光栄です。」

 

「ただ…。」

 

 アルベドの表情が曇る。デミウルゴスは自分の報告に何か問題があったかと心配になった。

 

「ただどうしたのです?アルベド。」

 

「いえ、貴方には全く問題はないのだけれど、アインズ様が決められた行動計画で少し。」

 

 アルベドは歯切れ悪く、王国侵略についてのアインズの計画を説明し出した。曰く、法国や評議国を警戒している事、今の勢力図を維持しつつパワーバランスを壊さぬよう王国内部に取り入る事をである。

 

「…これは、いけませんね。」

 

 デミウルゴスは顔を顰める。その表情はアルベドも予想していたらしく、同様に神妙な顔つきになる。

 

 2人の印象からすれば、この様な回りくどい方法を取らずとも、もっと簡単な世界征服の手段があるのではないかと感じていた。ナザリックとこの世界の戦力差や情報収集能力の差ではそれ程の開きがある。何故アインズが直接的手段を取らないのか、その答えは。

 

「我々が気が付いていない要素が他にもある。若しくは、我々はアインズ様の信頼を勝ち得る程に至っていない。」

 

「その通りよ。」

 

 デミウルゴスは歯噛みする。前者であれば手段を限定すべき危険を発見できなかったという無能を晒している事になる。後者であれば本当は直接的手段を取りたいが、シモベたちがアインズの計画を遂行する事が出来るかどうかに不安があり、仕方なくリスクの少ない手段に頼らざるを得ないという事に他ならない。

 

 この計画でアインズは心優しき宮廷魔術師と邪悪なモンスターという二足の草鞋を履く。その中で関係性を疑われない様に偽装や情報操作などシモベのバックアップは必要不可欠となっているのだ。その体制の中に我々が気が付いていないリスク、又は不安要素があるという事か。

 

「アルベド、このままではまずい。なんとかアインズ様に我々の有用性を示す手段を考えなければ。」

 

 デミウルゴスは焦る。このままでは万が一にも他のプレイヤーと同じ様にアインズがシモベ達に失望し、ナザリックを去ってしまうという事態になりかねない。

 

「ええ、早急に手を打つべきね。そこで私から1つ提案があるのだけれど。」

 

 アルベドは一呼吸区切って、重大なことを言う時の様に短く息を吐き呼吸を整える。

 

 

「私達だけで計画を立てましょう。」

 

「…なんだと?いや、理由を聞きましょうか。」

 

 デミウルゴスから明確な敵愾心が漏れ出る。それもそのはず、今のアルベドの発言はアインズの計画を無視するという意味にとられても仕方がないものであるからだ。見ると尻尾が逆立ち、翼を広げて戦闘態勢に入りつつあった。返答次第では攻撃も辞さない構えだ。しかしアルベドはデミウルゴスの威嚇を気にも止めずに淡々と説明をする。

 

「勿論実行するのはアインズ様の御計画よ。それとは別に模擬的に計画を作成するの。そうして計画を成していくうちにアインズ様の御計画と自分達の計画とを比べ、反省点を自分達で見つけるの。そうした地道な作業が次の任務に繋がって行くと思うわ。」

 

「…。」

 

 デミウルゴスはアルベドの意見を聞き、納得した様子で敵意を収める。

 

「なるほどそう言う趣旨ですか。確かに自分達の現状を見つめ、前向きに努力する姿勢は必要だと思います。それにアインズ様の思考プロセスに触れ、より理解を深めることにも繋がるでしょう。…しかし、私は反対です。」

 

 デミウルゴスは毅然として答えた。アルベドは驚いた様子も見せず、静かに頷いてデミウルゴスの説明を待つ。デミウルゴスは人差し指を立て1を作る。

 

「1つ、アインズ様に我々の有用性を示す手段として些か間接的な事。時間が待ってくれるかどうかは分かりません。そしてもう1つ。」

 

 続けて中指を隣に添えて2を作った。

 

「自分達で別に計画を立てるとします。その場合もし任務中に行動の岐路に立たされた時、"自分ならばこうする"という観念に縛られてしまうでしょう。その様な精神状態ではアインズ様の御指示を満足に遂行する事が出来ません。アインズ様の期待を更に裏切る結果になり得ます。」

 

「ならば貴方はアインズ様の命令された事以外はしないということかしら?それならばアインズ様の御負担は一向に減らないままね。」

 

「論点がずれていますよアルベド。私は我々の裁量外の所まで私情を挟むべきでは無いと言っているのです。」

 

 2人の視線が交差する。じっと見つめ合い、互いに相手が折れるのを待っている。微動だにしない両者。今この空間で動いているのは柱に掛けられたアインズ型の振り子時計だけだ。

 

 

「…失礼、少し神経質になり過ぎていました。それに何か手を打たなければならないと言ったのは私の方、建設的な意見を出さず、反対ばかりでは面目が立ちませんね。」

 

 先に白旗を挙げたのはデミウルゴスだった。アルベドも直ぐにフォローを入れる。

 

「いえ、どう思っているか意見を交わすのは重要だわ。それに少なからず貴方の言うリスクが存在する事も承知しています。」

 

 両者とも派手に諍いが起きて、今後に軋轢を生まなかったことに安堵していた。

 

「もっと軽く考えても良いのよ。そう、例えば今後アインズ様に意見具申をする時のためのプランを練る練習とでも思えば良いのではないかしら。」

 

「ええ、そうですね。どのようにすれば?」

 

「現場にいて状況をいち早く確認できるのは貴方の方だから、現状を加味した草案を作って私に寄越して頂戴。それに私が修正を加える形にしましょう。指揮命令権を明確にするために最終決定は統括の私が行うわ。」

 

「了解しました。」

 

「さて、話も一段落したところで休憩しようかしら。お茶でも飲んで行きなさい。」

 

「ええ、頂きます。」

 

 アルベドは机の上を片し、立ち上がって戸棚の中からティーカップを2つ取り出す。金の縁取りがされたシンプルなデザインの来客用ティーカップだ。デミウルゴスはその戸棚の奥に夫婦湯呑らしきものがあるのを見た。いつか使われる時が来るのだろうか。

 

 デミウルゴスは客用のソファに腰掛け、アルベドが紅茶を淹れるのを優雅に待つ。本当は無限の魔法瓶(ポット・オブ・エンドレス・ティー)を使えば速いのだが、アルベドは風情を楽しむため全ての手順を自ら行う。

 

「ああ、そうそう。もう1つ貴方に頼みたい事があって。」

 

「今後、計画作成をする時の大まかな処理期間を算定するために、情報収集をする時の作業手順を作成する事、でしょう?」

 

「流石、話が早いわね。はい、お茶。」

 

 渡されたティーカップを持ち上げ、香りを嗜むデミウルゴス。仄かに柑橘系の匂いがした。

 

「私は紅茶にはあまり詳しくないのですが、これはセイロンティーですか?」

 

「正解よ。貴方、香りがきついものは苦手でしょう?クセの少ないものを淹れてみたの。」

 

「とても飲みやすくて良いですね。読書でもしたい気分です。」

 

 

 その後、悪魔達のささやかな茶会でナザリック内外の近況報告が行われた。施設の維持費の事、スクロールの代替資源の事、ナザリックを脅かす危険分子の事。

 

「おや、もうこんな時間ですか。そろそろ業務に取り掛からなければ支障が出てきてしまう。」

 

 デミウルゴスが入室してから既に時計の長針が一周してしまっていた。

 

「忙しいのに引き止めて悪かったわね。」

 

「いえ、お気になさらず。草案は20時間後辺りに提出します。」

 

「ええ、お願いね。」

 

 バタンと扉が閉まり悪魔が退出したのを確認すると、アルベドはティーカップを片付け、執務机に戻った。そして大きく溜息を吐く。

 

 

 

 

 

「…くふ、ふふふ。」

 

 アルベドはデミウルゴスが去った扉を眺めながら含み笑いをした。それは自分の計画が上手く進んでいる時に出る愉悦の笑みであった。

 

 

 ーーー

 

 

 王国領のとある森林地帯。既に日が落ちて、魔物が闊歩する時間帯となっている。そんな夜更けだというのにポツンと街道に停泊している馬車が1つ。普通の馬車であれば忽ち魔物か盗賊に襲われて2度と朝陽を拝めないだろう。

 

 しかしこの馬車には高度な不可知の魔法がかかっており、並大抵のものでは存在を感じることはできない。その上、この馬車の持ち主はここいらの魔物よりよっぽど恐ろしい化け物なのだ。今、馬車の中では3人分の声で何やら話し合いをしているのが聞こえる。

 

「…わたしに関しては当初の計画のままということでありんすね?」

 

「はい、シャルティア様。この世界固有の戦闘技術を有する人間の調査及び捕獲の任は続行です。」

 

 シャルティアと呼ばれたこの少女。ナザリック地下大墳墓第1階層から第3階層守護者である、真祖(トゥルー・ヴァンパイア)だ。

 

「おんしらはどうするんでありんすか?王国調査の件はデミウルゴスが引き継いだのでありんしょう?」

 

 シャルティアから問いを投げられた2人、執事然とした格好の老人セバスと毛先を丸めた金髪でメイド服を着たソリュシャンは恭しく答える。

 

「アインズ様の命によれば、シャルティア様の補佐をするようにと仰せつかっております。どうやらこの世界にも我々と対抗できる存在がいるらしく、常に2人以上での行動を心がけるように、との事です。」

 

「ふーん、強い奴ね。雑魚しかいなくてちょっと退屈していたところでありんす。早く会いたいでありんす。」

 

 今までにこの3人が狩った人間の数は62人。いずれも人気の無いところを根城にする盗賊や浮浪者だったが、ナザリックの役に立つようなめぼしいものは無かった。この調子が続けば収穫無しでアインズに報告をしなければならなくなる。それだけは絶対に避けたい。

 

「焦っても仕方ありません。デミウルゴス様からの情報ではこの森林周辺にいくつか盗賊の拠点があると伺っております。地道にやっていきましょう。」

 

 セバスが気のはやるシャルティアを諌める。デミウルゴス、と言う単語を発する時にやや棘のある言い方になっていたが、2人の関係性を考えれば仕方ない事だろう。彼自身、自分の仕事をデミウルゴスに取られて内心不満を募らせているのだ。シャルティアはセバスの心境を考えて、これ以上心労を増やさないために我儘な態度を自重する。

 

「貴方もわたしもアインズ様にお褒めいただけるよう頑張っていきんしょう。もちろんソリュシャンも。」

 

シャルティアの言葉に2人は深々と頭を下げる。NPCとしての立ち位置は対等なのだが、設定を反映してなのか彼らはずっと臣下の礼を取っている。シャルティアはこれが偶にむず痒く感じる。控えめな苦笑いが漏れた。

 

「さて、そうと決まれば仕事をしんしょうかえ。」

 

今宵も不運な盗賊達が毒牙にかかるのか。

それとも…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。