女剣闘士見参!   作:dokkakuhei

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第13話 修羅場ラバンバ

 クレマンティーヌの朝は遅い。満足がいくまでひとしきり寝たあとに眼を覚まし、軽く飲み物を口に入れたら、流れるように寝具とのネクストラウンド(二度寝)に突入する。

 

 再び眼を覚ます時は太陽が遥か上に南中してしまってからだ。そのときは睡眠の過剰摂取による偏頭痛と一緒に不機嫌な顔で起き上がる。

 

 彼女は起きがけに同室のリカオンに声をかけようと思い、辺りを見渡すが部屋には自分1人しかいない。

 

「あー、今日からあいつとは別行動か。」

 

 彼女は朝に自分が開けて放置していた、もう気の抜けてしまった炭酸飲料を一気に飲み干し、頭をクリアにする。

 

 確か八本指の麻薬畑が見つかったのでチームを3つに分けて同時襲撃をかける事になっているんだった。

 

 組分けはラキュース&ティナ、ガガーラン&イビルアイ&リカオン、そしてクレマンティーヌ&ティアである。どうやらリカオンはチームメイトと出かけてしまったようだ。

 

「ティアか…。」

 

 クレマンティーヌは自分のペアの名前を呟く。他人とあまり喋らず、つかみどころのない暗殺者。かと思えばいつの間にか側に立っていて話しかけてくる。

 

 好きか嫌いかで言えば…微妙だ。

 

 彼女は服を着替えて出かける準備をする。着るのは一般的な王国民の服だ。リカオンと行動を共にするようになってからあの自慢の一張羅には袖を通していない。荷物の奥底に眠らせてある。

 

 今日の昼御飯をどうするか考えながら部屋の扉を開けた。

 

「や。」

 

 部屋の前にはティアがいた。親しげに片手を振り、挨拶をしてくる。

 

「明後日の事なんだけど。一応確認しておこうと思って。」

 

 明後日の事、つまり襲撃の作戦の事だろう。

 

「ん。」

 

 寝起き、空腹、機嫌が悪い、という意味を込めて短く応対し、その上で続きを話すように促した。相手も意図を汲み取ったようで簡潔に用件を伝える。

 

「決行は見張りが交代する11時に三箇所同時、私たちが受け持つところで判明している敵の数は16人。作戦は…。」

 

「外側から片付けて、なるべく静かに、一人も逃すな。でしょ?」

 

「そういうこと。出入り口は2つ。私は表、あなたは裏。」

 

「はいはい…あのさ、1つ聞いていい?」

 

「何?」

 

「近くない?」

 

 ティアとクレマンティーヌは息のかかる距離まで接近している。その上ティアは腕をクレマンティーヌの腰に回し、指先で衣服の継ぎ目をなぞっていた。

 

「ただのスキンシップ。」

 

 ぐいと顔を寄せるティア、小柄なティアとクレマンティーヌの身長差は頭半個分有り、クレマンティーヌの鼻先をティアのまとめた髪の束が掠める。香水なのだろうかくらくらするような甘ったるい匂いが漂った。寝起のせいなのか意識が判然としないクレマンティーヌを余所に、ティアは鼻梁をクレマンティーヌの首筋になぞらせて匂いを嗅ぎ、腰の外周から内腿に手を這わせて…。

 

「おい。いい加減にしろよ。」

 

 ティアを突き飛ばすクレマンティーヌ。

 

「あん、いけず。」

 

「お前、そっち系か!」

 

「チガウヨ。ところでこれから一緒に御飯行かない?」

 

 見え透いた嘘と共にいけしゃあしゃあと下心しかない提案をするティア。

 

「絶対やだ!」

 

 クレマンティーヌは踵を返し、一目散に部屋に入って鍵をかける。

 

「鍵なんて私の前では意味無いよ。」

 

 盗賊系ジョブ持ちのティアにとって錠破りは朝飯前なのだ。

 

「入ってきたらコロス!」

 

 明後日の晩にあんな奴と二人きりなんて、なんてついていないんだ。クレマンティーヌは悪夢を振り払うようにベッドに潜り込み、寝具とのネクストラウンド(三度寝)に入った。

 

 一人部屋の前に取り残されたティア。

 

「忍法催艶香、失敗。残念。次はリカオンでやるか。」

 

 何やら不吉なことを呟く。標的を変えるようだ。

 

 だが彼女はリカオンに毒が効かないことを失念していたのであった。

 

 

 ーーー

 

 

「ここでお前が突入してだな…。おい、聞いてるのか?」

 

 王国の一角にある酒場で昼間から席を陣取る3人組がいる。イビルアイ、ガガーラン、そしてリカオンだ。

 

「うん。聞いてるよ。」

 

「じゃあ私が説明したこと1から全部言ってみろ。」

 

 リカオンはそっと目を逸らした。イビルアイは机に拳を振り下ろしそうになるがなんとか自制する。

 

「あのな、いいか? 私たちのターゲットは他2班の所より大規模な基地だ。ちまちまやってたら時間がかかりすぎて三箇所同時攻撃の意味が薄くなる。だから派手にやって混乱させ、出来るだけ多く討取ることにしたんだ。」

 

 イビルアイの説明に笑顔でうんうんと頷くリカオン。本当にわかってるかどうかは…微妙だ。

 

「そこで選ばれたのが単純火力の高い私たち3人、基地の大きさに対していささか寡勢だが、効果的に包囲することでそれをカバーする。」

 

 イビルアイはチラリとリカオンの顔を伺う。ずっと変わらない笑顔のままだ。

 

「出入り口は5つ。畑に火をかけた後、機動力のある私とお前で裏側にある2つを破壊し通行不可能にする。そして左右に回り込み逃走を図る者から始末していく。折を見て突入し建物に残る敵をガガーランが固める正面入り口まで押し上げ殲滅。ざっくりとした流れはこうだ。」

 

 いいな、と念押ししてイビルアイは説明を続ける。

 

「ここからが重要だ。派手にやる分、3人の連携は緻密に行わなければならない。混乱によって予期せぬ事態も起こりうる。行動のタイミングと咄嗟の合図は特に気を配って完璧にしなければ。」

 

 話し合いにより司令塔は戦場を一番良く見渡せるガガーランが担当することになった。連絡のホットラインはイビルアイが使用する<伝言(メッセージ)>のスクロールにより、リカオンとの中継もイビルアイが行う。その他、色付きの狼煙が配られ、その使用用途も事細かに説明された。

 

「そんなカリカリしなくても俺たちでフォローすればいいじゃねえか。付け焼き刃の連携はかえって邪魔になるぜ。」

 

 神経質にあれこれ指示するイビルアイをガガーランが諌める。

 

「それもそうか。じゃあ最後に私が使える魔法を教えておこう。仲間の能力を知るのも必要だろう。」

 

「ああ、それなら。」

 

 リカオンがおもむろに立ち上がって自分の目の前で両手の親指と人差し指を立て、それを組み合わせ四角形を作る。そしてイビルアイに狙いをつけてファインダーを覗き込むように目を(すが)めた。

 

「何をしているんだ?」

 

 訝しげにリカオンを見るイビルアイ。

 

「いいから…と、<水晶(クリスタル)>シリーズに<砂の領域(サンド・フィールド)>?、<石化(ペトリフィケーション)>、それから補助に<飛行(フライ)>、<損傷移行(トランスロケーション・ダメージ)>…。」

 

 リカオンは魔法の名前を並べていく、驚くべきことにその名前は全てイビルアイが習得しているものだ。

 

 リカオンのスキル「藤井」は相手の魔法構成を走査(スキャン)するという代物だ。所要時間は距離で反比例し、この距離では2秒ほどで完了する。魔法構成からイビルアイは土のエレメンタリストだということがわかる。

 

 土属性魔法は乱数によるダメージ変動が少ないので乱数を最高値に固定する<魔法最強化(マキシマイズマジック)>との相性は悪いが、逆に抵抗判定を有利にする<魔法抵抗難度強化(ペネトレートマジック)>を併用すると安定したダメージが出る。瞬間火力は他属性に劣るが、燃費が良くて継戦能力が高い。土のエレメンタリストはユグドラシルでは慎重なプレイヤーが多い印象だ。

 

「へえ、面白いな。そんなこともできんのか。」

 

「ふん。どうせラキュースに聞いたんだろう?」

 

 リカオンの特技を珍しがるガガーランと信じていないイビルアイ。

 

「…それと<蟲殺し(ヴァーミン・ベイン)>?」

 

「なっ!?」

 

 イビルアイが机を叩き立ち上がった。今リカオンが口にしたのは自分が開発し、まだ誰にも見せていない魔法だ。

 

「何故それを知っている!」

 

 リカオンに詰め寄るイビルアイ。口調は詰問する時のそれだ。

 

「いや、だから今スキルで…。」

 

「どこまで見た! 私のどこまで知った!」

 

 イビルアイが突然鬼気迫った声を上げ、リカオンの襟首を掴む。

 

「魔法構成だけだよ〜。勝手にやったのは悪かった、ゆるして〜。」

 

「本当に?」

 

「ホント、ホント。」

 

「…そうか、悪かったな。」

 

 掴んだ手を放しイビルアイは席に戻る。リカオンもおずおずと席に着いた。

 

 どこかぎこちなく気まずい空気が流れる。

 

「あ、あの、私お花摘みに行ってくるね。」

 

 いたたまれなくなったリカオンがテーブルから離脱した。その姿を見届けてからガガーランがイビルアイに話しかける。

 

「別にあいつにバレてもいいじゃんか。」

 

「…。」

 

 イビルアイは実は人間ではない。イビルアイの先程の動揺はリカオンに自分の種族の事やタレントの事を知られてしまったのではないかという恐れから来たものだ。

 

「別に…別にあいつを信用していないって訳じゃないんだ。ただ私の事を知ってる人間はできるだけ増やしたくない。お前たちに話したのはもしお前たちから情報が漏れて私が危機に陥ったとしても構わないと私が判断したからであって、…リカオンにはそこまで気を許したわけではない。」

 

 平常心を保つ為かイビルアイはフーっと長く息を吐く。

 

「だが、さっきの行動は大人気なかった。あとで謝っておくよ。」

 

「ホント、子供大人め。」

 

「言ったな。」

 

 イビルアイはいつもの調子を取り戻す。後はリカオンを帰ってくるのを待つだけだ。

 

 しかしリカオンが戻る様子は無い。

 

「遅いな。15分ぐらい経ったんじゃないか?」

 

「あー、あのさ、化粧室って向こうだよな。」

 

 ガガーランが店の奥を指差す。

 

「ああ。」

 

「…あいつどっちに行ったっけ?」

 

「向こうだ。」

 

 イビルアイがガガーランが指した方向と逆向き、店の入り口の方を指差す。

 

 …。

 

「お花摘みって言ってたが、…どっちの意味だと思う?」

 

「賭けるか? 俺はマジの意味だと思う。」

 

「…私もだ。」

 

「おいおい、それじゃ賭けにならねえじゃねえか。」

 

 

 ーーー

 

 

 ナザリック地下大墳墓の廊下を足早に行くスーツの悪魔が1匹。目指すはナザリック守護者統括アルベドの執務室である。壁に控えるメイドに目もくれず悪魔は執務室の扉を乱暴に開け放つ。

 

「どうしたのデミウルゴス。ノックもしないで。」

 

 デミウルゴスは挨拶もしない。そのままアルベドのいる机の前に立って椅子に腰かけたアルベドを見下ろす。

 

「アインズ様の王都での顚末、聞きましたよ。」

 

 王都での顚末。つまりは王国戦士長に連れられて入った王宮での謁見と第一王子との会談の事だ。

 

「それがどうかして?」

 

 アルベドは机の書類を横に積み直しながら答えた。その気に留めない返事にデミウルゴスはぴくりと片眉を上げて、短く息を吸い込んだ。

 

「どうしたもこうしたもない!」

 

 檄を飛ばすデミウルゴス。その風圧が執務机を襲うが、アルベドが先んじて片しておいたので書類が撒き散らされるということはなかった。

 

「あの見下げ果てたクズの人間共がアインズ様を貶める発言をした…いや、奴らが愚かなのはこの際どうでもいい。問題なのはその報復をしていないという事だ!」

 

「落ち着いて。今アインズ様は一介の魔法詠唱者(マジックキャスター)という設定でしょう?」

 

「そんな事は関係ない! 例えどのような状態であっても、相手が誰であろうと至高の御方であらせられるアインズ様がこのような仕打ちを受けていいはずがない! 王国など即刻攻め滅ぼすべきだ!」

 

 ()()()()()ね…。ナザリックのものは自分の理想の崇拝対象に対して盲目的になり過ぎだわ。以前の私もそうだったのかしら。

 

「落ち着きなさい。これも()()()()()の計画のうちよ。我等は御心に従うまで。」

 

 アインズの計画という言葉にデミウルゴスは少し怯む。しかし気炎をすぐに取り戻し、アルベドに喰ってかかる。

 

「今の状況があるのは我々シモベが不甲斐ないせいだ。今こそ我々の有用性を示し、計画を変更なさるよう上申するのだ。アルベド、我々が独自に計画を練っているのはこんな時のためだろう?」

 

「それで、私からもアインズ様を説得するよう頼みに来たというわけね。」

 

「…。」

 

 肯定の沈黙。デミウルゴスは守護者統括の裁可を仰ぐ。

 

「計画に変更はありません。持ち場に戻りなさいデミウルゴス。」

 

「っ!」

 

 カッと目を見開くデミウルゴス。自分が耳にした言葉は何かの間違いではないかとアルベドを見据えるがアルベドは口を閉じたままだ。言うことは終わったということだろう。

 

「…デミウルゴス?」

 

 デミウルゴスは立ち去ろうとしない。歯を食いしばって拳をわなわなと震わせている。

 

「……承服しかねる…!」

 

「デミウルゴス、あなた…。」

 

「悪魔の諸相:大輪の血花!」

 

 瞬間、デミウルゴスの身体に縄のような血管が浮き上がった。そして見る見るうちに体全体が無軌道に膨れ上がり部屋を飲み込んでいく。その光景をアルベドはさして驚いた様子もなく成り行きを見守っている。

 

 一方、もはや原形をとどめない肉の塊と化したデミウルゴスがどんどん膨らんでいく。塊の表面には腕が、脚が、手が、足が、指が、無数に突き出してそれぞれ別の生き物のように蠢いていた。

 

「至高の御方が害されているのに動かないなど言語道断! 御心などという言葉は言い訳だ。停滞だぞ、アルベド!」

 

 喚き散らすような声を発し、際限なく大きくなるデミウルゴス。部屋の備品を飲み込んでいく。アルベドは一歩、また一歩と後退を余儀無くされる。

 

 そして肉の壁が部屋の隅にアルベドを追い詰めたと思うと、塊から一本の巨大な腕が、赤子が産道から出てくる時のように伸び出てアルベドを掴み上げる。アルベドは身じろぎしない。

 

「何故抵抗しない。」

 

 アルベドの態度を不審に思ったデミウルゴスが井戸の底から響いてくるようなくぐもった声で聞く。

 

「あなたがナザリックの仲間に手をあげるようなヒトでは無いと信じているからよ。」

 

「…。」

 

「デミウルゴス、あなた不安なんでしょう? アインズ様のお心がわからないのが。」

 

「…!」

 

 図星だ。デミウルゴスはアインズの行動の真意を捉えあぐねている。何故一気に王国を併呑せず、回りくどい方法をなさるのか。何故ご自分では評議国や法国に手を出すなと言っておきながら、法国の特殊部隊を襲ったのか。自分で計画を立てる作業をするようになってから余計に分からなくなった。

 

 大賢は愚なるが如しというが、やはりアインズ様はそれほどまでに隔絶した存在なのか。

 

「大丈夫よ。」

 

「は…?」

 

「アインズ様を信じなさい。このままアインズ様が現状に甘んじていると思う? きっと私たちの考えもつかないような結果をもたらしてくださるわ。」

 

 そうですよね、アインズ様。

 

 アルベドを持ち上げている腕が解け、部屋を埋め尽くしていた肉が萎んでいく。やがて元の悪魔の形に戻った。

 

「申し訳ありません、アルベド。」

 

「全くだわ、部屋が散らかってしまいました。」

 

 わざとらしく両手を広げるアルベド。

 

「それにしても魔法の服って凄いわね。あれほどの体積変化に耐え得るなんて。」

 

 アルベドは重ねて話を逸らす。これはデミウルゴスの行動に眼をつぶるという意味だろう。ナザリック内で同胞にスキルを使う事はアインズが最も嫌うことの1つだ。彼には恩を売っておく。

 

 デミウルゴスは何も言わず、礼をして部屋を後にした。

 

 アルベドは壁に掛けられたアインズ型の振り子時計を見る。モモンガ玉を模した赤い球が左右に揺れて時を刻んでいる。

 

「はぁ。」

 

 デミウルゴスの奴、本気だったわ。今回はなんとか諌めたけど、あれは目的のためなら強行的な手段も問わないという警告のつもりかしら。やはり至高の御方絡みの問題はデリケートに扱わないと。忠誠心が高すぎるというのも考えものね。

 

 次、デミウルゴスとこういった話をするときは誰か同席させようかしら。感情で動くタイプはデミウルゴスの思想に感化されやすい。シャルティア、双子はダメ。私の考えに近いのは…コキュートスあたりか。セバスはデミウルゴスには付かないでしょうけど、私に手放しで賛同する事は無いでしょうね。彼は結構自分の考えで動いたりするから。

 

 あまりやりたくないけど、デミウルゴスが完全に私と対立した時のために派閥を作っておいた方がいいかしら。あの調子だとまたいつ爆発するか分からないわ。このままだと私に守護者統括を降りろなどと言いかねない。

 

 つくづく下らないわ、至高の御方への忠誠なんて。今いらっしゃるのはアインズ様だけなのに、皆どこか幻影を追っている。

 

「アインズ様。本当に貴方を想えるのはナザリックに私しかおりませんわ。」

 

 アルベドは無残に散らばった書類の1つを拾いあげた。

 

 

 

 

 

 




大して描写する事もないだろうとアインズとバルブロの会談は書きませんでしたが、鼻を小指でほじりながら「まあ、せいぜい頑張れ」とハナクソのついた手で肩ポンされたぐらいだと思って下さい。


デミウルゴスのスキルは完全にAKIRAの鉄郎がモチーフ。

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