彼も彼女たちも偽物を欲しない   作:風来のアスカ

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今回はあの子の過去も少しだけ触れます。サブタイもそうですが、八幡はもう絶対ぼっちじゃないし、むしろリア充まである!(笑)
ではではお目汚しになるかと思いますが是非見てって下さい。


1章・比企谷八幡はぼっちとして間違っている。

駅前に着くとそこは人で埋まっていた。何本もの大きな竹に沢山の短冊が括られ、人々の笑い声がそこかしこで聞こえる。…遠くの方でぱねえわー、ベーベーと聞こえるのは気のせいだろう。戸部自重しろ。

「凄い人だねー、あ、あそこで短冊貰えるみたいだよー!あたしもらって来るね!」

「小町も行きますよー結衣さん!」

二人は短冊を取りにトトトと走って行くと5枚の短冊とマジックを持ってくる。

「何書こうかなー?」

「小町はお兄ちゃんの為にお兄ちゃんにイイ人が出来るように書いてあげるよ!あ、今の小町的にポイント高い!」

「…いらねえし、ポイント高くもねーから。じゃあ俺は小町に悪い虫がつかねえように書くわ。あ、今の八幡的にポイント高いな。」

八万ポイント位だな、八幡だけに。

「うぇ、お兄ちゃん気持ち悪いよ。」

「うっわ先輩キモすぎです。わたしは先輩に好きになってもらうように書いちゃいますっ♪」

キャルンっと決めポーズでこっちに言ってくる一色。あざといなぁいろはす。やっぱあざとすだな。

「おお書け書け、葉山に好かれるといいな。」

「もうー先輩適当に対応しすぎですよう!」

軽く頬を膨らませる一色。あざと過ぎてそのまま告ってフラれて泣いちゃうレベル。泣いちゃうのかよ。

横では何やらぶつぶつやはり猫かしら、パンさんも捨てがたいわとか聞こえてくるが、聞こえなかったことにしよう。

「あたしは書き終わったから括ってきたよー!」

さてなに書くかね。…ま、適当に書くか。

「私も書き終えたわ。瀕死谷くんは書けたのかしら?」

「何で死にそうなんだよ、…ああ書き終わった。」

「小町も書き終えました!」

「わたしもです♪」

今日は晴れ。澄み渡る夜空には天の川がハッキリと見え、これなら願いも届くかも知れねーなと呟く。由比ヶ浜と雪ノ下が笑いあい、小町と一色が兄が、先輩がと騒ぐ。こういうのも悪くないとさっき短冊に書いた事を思い出す。

『俺の知りあい達の願いを叶えてくれ』

少し気恥ずかしいが、叶うかわからないもんだ、どうせならこのくらい願っても良いだろ。

帰り道サイゼに寄って飯を食べる。

「明日みんなでどっか行こーか!休みだし!」

「私は構わないけれど。」

「わたしもいいですよー♪」

「小町も大丈夫ですっ。」

「俺は行か」

「お兄ちゃんも大丈夫ですよっ!」

拒否権は無いようですね。ううっ、小町ちゃんひどいっ!…我ながらキモすぎだな。

「ヒッキー大丈夫?」

由比ヶ浜がこちらを心配そうに見てくる。

「…ああ大丈夫だ。どうせ暇だしな。暇すぎてカマクラみたいに猫じゃらしで遊んじゃうまである。」

「意味わかんないし。」

由比ヶ浜はそう言って笑う。他のみんなも同じく笑い、明日どこ行こーかー?と話し合っている。…こんなの数ヶ月前には考えられなかった事だが、やっぱ悪くない。

「私は…私は雪ノ下家の人形じゃない!」

雪ノ下は3ヶ月前、始業式の帰りに雪ノ下の家の前でそう母親に訴えた。何度も挫けかけた雪ノ下はようやく雪ノ下雪乃になれた。一度も雪ノ下家に逆らわなかった雪ノ下の訴えに雪ノ下の母親は折れ、あなたの好きなようにしなさいと優しく雪ノ下を抱いたあと、俺たちに微笑んで去っていった。

「私はディスティニーランドに行きたいわ。」

雪ノ下の声に我に返る。…もう自分の意志を持てるんだな。

「良いですね!小町も良いと思います!」

「じゃあそうしよー!ヒッキーも良いでしょ?」

「めんど」

「勿論ですよっ!ね、ごみいちゃん?」

「…おう。」

有無を言わせてくれないな、小町ちゃん。お兄ちゃんちょっぴり怖いんだが。

「せんぱーい、何でニヤニヤしてるんですかぁ?気持ち悪いですよぉ?はっ、もしかしてわたしを見てにやけてましたかわたしを見つめるのは付き合ったら沢山していいですけどまだ付き合ってないのでまずは告白してもらっていいですかごめんなさい!」

…いや何でフラれてんの?俺には微笑む権利も無いんですかね?後半聞いてないけど。

「一色さん、比企谷くんは元から気持ち悪い顔なのだからニヤニヤしていても特に変わらないわ。」

「言い過ぎじゃね?気持ち悪いのは否定しねーけど。」

「否定しないんだ⁉」

まぁ昔から言われて来てるしね、もう否定しても仕方ないしな。…なんか目から出てきたな。

みんなそれぞれ食べ終わり、帰る事になった。

「せーんぱいっ、奢ってください♪」

「いや何でだよ。」

SUN値も失ったのにお金も失っちゃうの俺。

「…しゃーねーな。」

どうせ小町の分も払うつもりだったし、サイゼは安いからいいか。庶民の味方サイゼリア△

「あれヒッキー、あたし達のは良いのに。でもありがとーヒッキー!」

「気にすんな、こいつにだけ奢るのも全員奢るのも大して変わらないし。」

「私の分まで…ありがとう比企谷くん。」

「先輩どうもですっ♪」

「…ま、いつか俺にも何かしてくれりゃいいよ。」

「お兄ちゃんさすがだよ、小町的にポイント高いよっ!」

何のポイントなんだろうなー。還元されるのかね?

 

 

「さようなら。比企谷くん、小町さん。」

「じゃあねヒッキー!小町ちゃん!」

「先輩またです!小町ちゃんも!」

「ああ、じゃあな。」

「また明日ですっ!」

3人と駅でわかれ、俺と小町は自転車で帰る。

「…楽しかったねー、お兄ちゃん。」

「…ああ悪くないな。」

「みんなやっぱりイイ人だねっ!」

「…ああ。」

風を受けながら明日もこういう風になるのもいいかもな、と囁いた。

 




いろはすの過去だと思った?残念、ゆきのんでした!…すいません。
ゆきのんの原作のあの後も少し書かせて頂きました。勿論原作とは多分違う展開だと思いますが、原作がなかなか出ないので勝手に(笑)ちょっと会話が多いような気もしますが、た、多分次回からは大丈夫。知らんけど。
次回からはいよいよこの話のメインへと突入予定です。

基本的に葉山やら何やらは出しません。物語上、出さなきゃいけなそうなら出しますが、余り葉山は好きじゃないので(笑)キラキライケメンとか偽物だ!あ、戸部は好きですよ。意外といい奴だし、使いやすいし(笑)

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