彼も彼女たちも偽物を欲しない   作:風来のアスカ

18 / 39
久しぶりの八幡視点のお話。


16章・最近、部長のようすがちょっとおかしいんだが。

今日も今日とて便利機能付き目覚まし(携帯電話)のアラームによって目を覚ます。学生である以上仕方ないのだが、そもそも専業主夫を目指す俺が学校という社会の縮図へ行く理由はあるのか?いやない(反語)

朝から賢さを披露して疲労していると

「お兄ちゃんまたアホな事考えてたでしょ。小町はとっても悲しいです。」

「何で俺の考えてる事がわかるんだ。ニュータイプなのか。」

「訳がわからないよ。」

「まさかキュゥ○エだったのか。」

おかしいな。声はむしろ主人公の中の人のはず…。中の人ってなんだ。

 

「本当に訳がわからない事言ってないで早く支度してね。ご飯出来てるから。」

「おう。それにしても…」

…なんつーか自分が沢山いるとやはりキモいな。

「とりあえず今日も大人しくしてろよ。」

「「「「「「「おう。」」」」」」」

…やっぱキモい。いつになったら消えるんかね。

放課後、奉仕部。今日もいつものように雪ノ下が出した紅茶を飲みつつ、受験に向けての勉強をする。今日は金曜だから、由比ヶ浜は雪ノ下の家に泊まりで勉強を教えて貰うらしい。

「そういや、俺の分身なんだけど。」

雪ノ下と由比ヶ浜、何故かいる一色と小町が同時にこちらへ向く。そんなに見られたら八幡恥ずかしいっ!…おえっ。

「…大丈夫よ。今のところ順調に原因になったであろう要因は集まって来ているわ。…ただ、あなたに話すのは少し難しいの。…時期が来たら説明するから待っていてくれる?」

「…ああ、まあいいんだが。俺の事だから何か出来ねえかなって。」

「ひ、ヒッキーはいない方が良いから!」

なんだ。俺にはぼっちがお似合いだからですか。それともゆるゆりの邪魔だからですか。それなら仕方ないな、うん。誠に仕方ない。

「なにニヤニヤしてるんですか?キモいですよ先輩。」

そういうお前もさっきからこっち見てニヤニヤしてるじゃねえか。

「ニヤニヤなんてしてねえよ。雪ノ下と由比ヶ浜が仲いいなーって思ってただけだ。」

「わたしも先輩と仲良くしてあげますよー?」

「いらね。」

「ひどいですよせんぱーい!」

ぷく~っと頬を膨らます一色。あざといなぁ。

「そう言えばね、いろはちゃん!これ見て!昨日ゆきのんに貰ったんだけどね、これゆきのんが書いたんだよ!」

「ええーっ⁉雪ノ下先輩こ、これは…!」

「ちょっと由比ヶ浜さん、それは…。」

「ほほう、雪乃さんこれは凄いですね~!」

何か由比ヶ浜が一色に携帯を見せてそれから雪ノ下が凄く焦って隠そうとしている。小町に見られてるけど。…ゆるゆりが更に熱くなった。いいぞもっとやれ。

しかしどんな画像なんだか。

「…?」

雪ノ下がこっちをチラッと見て顔を真っ赤にして背ける。…なんだ?

「…雪ノ下先輩あとでわたしにもくださいね~!」

「…何でこうなるのかしら。」

雪ノ下が凄く困った様に溜め息をつく。…と。

コンコン。

「どうぞ。」

雪ノ下がそういうと入って来たのは…天使?いや、戸塚だった。

「さいちゃんやっはろー。」

「やっはろー。八幡ここにいたんだ。」

「おう、どうした戸塚。俺の膝に座るか?」

「もう、何言ってるの八幡。そんなことしないよ!」

可愛いな戸塚は。とつかわいいな。…周囲の女性陣の目付きが凄く冷たい気がするが気のせいだろう。

「ヒッキーキモい…。」

「キモいです先輩…。」

「気持ち悪いよお兄ちゃん…。」

「…。」

全員から罵られる。気のせいではありませんでした。というか、雪ノ下の無言の溜め息が一番キツいんですが。

「それでどうした?何かあったか?」

「ああうん。ちょっとだけなんだけど、テニスの練習に付き合って欲しいなって。僕じゃなくて新入部員のなんだけど。」

「そういうことか。まぁ少しならいいぞ。」

「そうね、息抜きにもなるし。由比ヶ浜さんも何だかパンクしそうになってるものね。」

「ちょ、ゆきのん!まだ大丈夫だよ!ちょっと悩んだだけ!」

あははうふふと二人はまたゆるゆりしていらっしゃる。目に毒である。

「こ、こんなところね…。」

雪ノ下は上手いんだが体力がない。なのですぐにバテる。まだ来て10分位だというのに息があがっている。

 

「相変わらず体力ねえな…。」

「体力なんていらないもの。」

「誰かに襲われたらどうすんだよ。」

「あら、心配してくれるの?でも大丈夫よ。護ってくれる人がいるもの。」

護ってくれる人?誰だそりゃ。

雪ノ下は顔を少し赤らめながらこちらをチラチラ見てくる。だからさっきから何なんだ。

「何か付いてるか?」

「えっ⁉いえ、あ、その…。別にそういうわけでは無いのだけれど…。えっと、明後日のデスティニーランドなのだけど、都合は大丈夫かしら?」

「ああ、残念ながら空いてるぞ。というか毎週暇まである。」

「ぷっ、ふふふ。そうだったわね。」

以前に比べて笑顔が増えた。それは凄く良いことなんだろうな。もう前の様な氷の女王という者はいないだろう。…相変わらず告ってきた奴は轟沈してるらしいが。無敵艦隊雪乃かな。艦こ○でも相当強そうだな。

「あー、ヒッキー!ゆきのんとイチャイチャしないでよ!」

「い、イチャ…⁉そ、そんなこちょしてないわにょ⁉」

落ち着け雪ノ下。噛みまくってるぞ。

「してねえよ。それよりどうだ?」

「うん、新入部員の子達も大分慣れてきてるよ。今はさいちゃんがゆきのんのたてた計画通りに練習手伝ってる。」

戸塚はやっぱ面倒見がいいなー。俺も面倒見てくれないだろうか。と戸塚を見て妄想していると

「…ひき肉くん。」

「ん?何で俺ミンチになってんだよ。」

「今からなるのよ?」

「何で⁉」

凄い笑顔で言ってくるのがめちゃくちゃ怖いんだが。俺が何をした。

「ヒッキーさいちゃん見すぎ、キモい!」

しっかし、何か今日の雪ノ下のテンションはおかしい。赤くなったり、笑顔で怒ったり、笑ったり、俺をチラチラ見たり。何か昨日あったんだろうか。

 

 




はるのん登場の翌日です。次回はデスティニーランドデート篇です。デスティニーランドってどんなアトラクションがあるんだろうか?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。