結構探索の話は長くなる予定なので、この鎮守府の日常をお楽しみください♪
今、私はとても困惑している。
何故かというと_
「うっさいわね一航戦! 黙ってなさいよ!」
「黙るのはそっちの方よ、五航戦。新入りの指導をするのは一航戦の仕事。」
「あぁーもう! 無表情の焼き鳥製造機が指導なんて出来る訳ないじゃない!」
「なっ・・・!? _頭に来ました。」
「上等じゃないの! やってやろうじゃん!」
「ま、まぁまぁ。誰が指導するかは分かりませんし・・・。」
_そう。
五航戦こと瑞鶴と、一航戦こと加賀が私の指導役について言い争いを始めたのだ。
今は大鷹が仲介してくれているが、状況は一触即発という有様。
(はぁ。どうしてこうなったんだか・・・。)
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「ここから先が正規空母のエリアになるの。」
「その寮に属する艦娘ならエリア関係なく自由なんだっけ?」
「そう。ただし各寮に決められた時間ごとに他寮からの艦娘の立ち入りが禁止されるし、他寮への訪問も禁止されるから気を付けてね。」
「例えば?」
「駆逐艦寮が8時以降。戦艦寮なら11時以降って所かしら。」
「へぇ。それなら空母寮は?」
「空母寮も11時以降からね。」
「あら。新入りへの施設紹介かしら? 大鷹。」
「ふぇ? ・・・あ、加賀さん。」
_加賀。
開戦からあのミッドウェー海戦まで日本帝国の誇る栄光の一航戦、その空母として活躍を果たしてきた当時世界的にも有数の空母。ただ、同時に色々な事情があり、改装を受けた艦でもあるという。また、艦これにおいては空母最大の搭載数を誇り火力もそれなりのものである、まさに艦隊の主力とも言える艦娘なのだ。
「・・・へぇ。この子が、ねぇ?」
「・・・?」
「決めました。 私がこの子を指導します。」
「え!? 私が、加賀さんから指導?」
「えぇ。もちろんです。 だって_なんか不安ですもの。」
加賀さん・・・そもそも私軽空母なのですが・・・
というかなんか不安って、やっぱりあれか? この姿なのか?
駆逐艦みたいだから? 頼りないってこと? えぇ・・・。
「ちょっと!待ちなさいよ一航戦! 指導ってどういうことよ!」
「貴女は・・・急に叫んで、何の用ですか瑞鶴。」
_瑞鶴。
こちらもまた、加賀達一航戦や二航戦達の戦没後において彼女の言葉どうり『最後の機動部隊が壊滅するその日まで』最前線を転々とした、まさに日本における最殊勲に数えられる空母でもある。しかもこの空母、とても幸運なことでも知られている。それは現在の艦娘としての瑞鶴においても健在なのだ。
だが、当時の一航戦・二航戦の艦載機搭乗員達の練度が無茶苦茶だった上瑞鶴達五航戦は開戦ギリギリの就役だったために一航戦_主に、というか加賀から下にみられている。
「だから、なんであんたが指導するのよ!」
「・・・話は聞いていたでしょう。五航戦。 大人しく引き下がりなさい。」
「そもそもこの子は護衛空母でしょう!なんで正規空母が指導するのよ!」
「それでも空母。空母である以上は一航戦としての技術が_」
「そんなのは求めてないわよ!」
「_っ!? ・・・御託はいいからここは私に任せなさい。」
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・・・で。
今に至るわけなのですよ。
そうして大鷹と共に困り果てていた所に訪れたのは_
「ほら、加賀さん。神鷹さんが困ってますよ。」
_赤城。
栄えある一航戦にして機動部隊旗艦。
巡洋戦艦から改装された空母で、かのミッドウェーまでの半年の間、加賀達と共に無敵とも評される航空隊を率いていた存在で巡洋戦艦としての赤城はもはや日本版Iowaともいえる怪物であったであろうとされた、文字通りの『日本の技術の粋を集めた最高傑作』と言ってもいいのではないのだろうかと言える空母。
艦これにして序盤からの入手、そして搭載数に火力と色々な意味で破格の存在でもある。
「_!? あ、赤城さん?いつから?」
「先ほどからです。 _瑞鶴も。翔鶴が待っていましたよ?」
「っ! わかりました。ありがとうです!」
「すみませんね。神鷹さん。鎮守府の施設紹介、頑張ってください♪」
「_! はい! ありがとうございます! 赤城さん!」
こうして、赤城の助け舟もあって無事に空母寮の探索を終えたのだった。
今回はお話が長くなってしまいましたが、どうだったでしょうか?
これにて神鷹たちは空母寮の探索を終えましたが、まだまだ鎮守府は広いのです。
というわけで、これから先の探索もご期待ください♪