さて、見るのは地獄か楽園か・・・
「・・さて・・・・」
砂浜で廃工廠を寂しそうに、しかし覚悟したその目で見るのはこの私。
何を隠そう、ここは資源はおろか衣食住すら確保できない場所なのだ。
そんな場所で生活を・・・などと言う方がおかしいだろう。
「行きますか、ね。」
振り返り、お世話になった廃工廠を後にして海面に足を踏みだす。
そして一言。
「航空母艦『
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さてさて、あれからというもの艦娘や陸地どころか深海棲艦にすら合わない現状。
「も、もうそろそろ見えてもいいんじゃないかな・・・」
時間がおかしくなっていくような感覚。
今ならあの『金曜カレー』の大事さがわかるなどと考えながら暇を潰している最中。
「・・・ん?」
普通の人間だった頃なら聞き逃していたであろう微かな『
それが何を意味するかというと・・・
「・・・まさか!」
燃費の為に下げていた速度を上げて全速力で戦場とみられる場所に行く。
・・・そして、空母だからこその芸当。その十八番である_
「『神鷹』航空隊、発艦!」
艦載機の発艦。
紐によって放たれた10機の九六式艦戦がその方向に向かっていく。
唯一の艦載機が捉えたそれは_
ヌ改エリートを中核とした機動部隊と、
北上や大井を始めとした水雷戦隊。
敵機動部隊の方は軽巡フラグシップなどが主だが、空母がいない北上達は苦戦して・・・というか、敗北相当の状態になっている。
そして再び放たれる敵の艦載機。
・・・であるならば。 やることは一つ!
「神鷹航空隊、航空戦はじめ!」
旧式ながらあくまでも艦戦。敵の艦載機を落としていく・・・が。
少しずつ、確実に減らされている。 ・・・長くは持たないだろう。
だからこそ。
残り8機の艦戦に爆雷を全て括り付けて艦爆のように無理矢理使う!
「ゲガァアアアアア!??」
「誰!?」
だれも予想しなかった艦載機に何故か投下される爆雷。
ヌ級達は混乱、北上達は茫然としていて互いに砲を向け忘れている。
・・・なのだが、神鷹の最大航行速度は21-22ノット。
かろうじて戦場が見えるようになってきた程度の為に私を見ることはできないだろう。
そのために大破・中破や轟沈寸前の艦娘達に無線を送る。
ワレ、航空母艦『神鷹』ナリ。撤退セヨ。繰リ返ス、撤退セヨ。
「・・これでよし、あとは・・・」
逃げる。
だってそもそもあちらは軽巡とかいるのに低速の軽空母が逃げ切れるわけないじゃん。
だったら早めに逃げないとだよ。ねぇ? 沈む訳にはいかないし。
残った艦戦を北上達の護衛につけつつ大回りで撤退。 もちろん全速力。
あちらのヌ級たちはどちらも見失ったのか、撤退を始めているようで奇襲作戦が成功したことを示していた。
あとは北上達を追いかけるだけ・・・なのだが。
「やばい・・・見失った。」
よくよく考えたら北上達も軽巡級や駆逐級。しかもいつの間にか艦戦は全滅。
どこにいるのかも分からないのに追いつけるわけもなく・・・
見失ったのはこちらも同じようだった・・・
現在状況
・九六式艦戦:全機撃滅 ←new!
航空戦できない空母とは一体・・・