私、これでも空母なんですっ!   作:テディア

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なんだかんだで今回は多くなりました!
・・・文字数がね!



新しい装備

あれから私は提督に言われたとおりに工廠に向かった。

 

かつ かつ かつ。

足音を鳴らしながら工廠に近づいていく。

 

ドアの向こうに見える工場のようなものが工廠・・・らしい。

扉を抜けてコンクリートの地面を歩いていく。

涼やかな潮風とお日様を浴びながら今は空いている入り口の前に立った。

 

「んんぅ~っ!」

 

深呼吸がてらまずは背伸び。

両手をいっぱいに伸ばしながら体をほぐして向き直る。

 

「さて・・・と。」

 

うん、重々しい。

あとなんか色々と兵器できてそう。 

・・・使えないものも含めて。

 

「んじゃあ失礼しますよー・・・。」

 

恐る恐る開けると、そこには_

 

「あぁ!待ってましたよ! ささっ、こっちこっち!」

 

レンチを片手でくるくる回しながら手招きをする赤髪の艦娘。

 

工作艦『明石』。

まぁ言わずと知れた当時の日本が誇る工作艦。

これが本物ねぇ・・・。 まさに工作艦って感じだわ。 

 

「提督から話は聞いてます! まずはあなたのスロットを確認しても?」

 

「了解っと。えぇっと・・・。 こうだっけ・・・。」

 

やったの結構前だから覚えてるかな・・・?

 

まずは艤装を展開。

青白い、ポリゴンともガラスの破片ともとれるものが一瞬艤装の形を作ったかと思うと_

砕けるような音と共に艤装が現れた。

 

そこから、指で何もないところに何かを呼び出すように、

 ぽんっ とたたいてあげる。

すると、思い描いたように青白い画面が映し出される。

 

ぱっと見は艦これに普通にありそうな見た目・・・なのだが。

すこしばかり様子が違うことに今初めて気が付いた。

・・・多分、あまり見ていなかったのが原因だと思う。

 

艦これの母港の画面に似ているが、細かいところが違う。

 

まず任務やアイテムといった欄が無線や羅針盤といったものになっている。

次に司令部Lvが単純に練度となっていて、提督の名前があったところは_

特設航空母艦『神鷹』 つまり、私の名前になっていた。

あとはなぜか執務室に艦娘ではなく妖精さんがいて、色々と動き回ったり遊んだりしている。

その他にも、色々あるが・・・。 とりあえず自分の詳細に変更しようか。

 

あぁそうそう。ちなみに詳細とは言ってもステータスとか載ってるわけじゃない。

艤装の不備があるところだったり点検や整備が必要だったりする場所が載ってたりする。

決して火力だの対空だのとかの項目はないし数値化もされてない。そこ大事ね。

 

「どれどれー? ふむ、ふむふむ。 3スロットですか・・・。」

 

こちらをのぞき込むと、ぶつぶつとなにかを呟き始める明石。

自分の世界に入ってしまってる奴には何もしないのが一番だと思う。

だって反応しないし。あと人によっては言ってること怖かったり、恨まれたりするし。

 

「・・・わかりました! これの中から選んじゃってください!」

 

「え?そんなに来てたの・・・?」

 

おかげで大本営への疑惑が再浮上する。

で、明石の後ろにあったのは_

 

いくつかの艦載機だけに収まらず。

電探、ソナー、機銃・・・と。

それ相応の装備がいくつか揃っていた。

・・・よく見ると普通に開発できそうなのが多いのには触れない。

 

「・・・わかりました。 いいでしょう。」

 

というわけで、しばし考えることに。

____________________________________________

 

_で、結果的に。

 

零戦52型・零戦62型(爆戦)・九七艦攻にすることに。

 

はぁ・・・天山とか彗星とかあったけど残念なことに装備できないのよね。

まぁ多分当時の神鷹が天山や彗星の運用が出来なかったからかな・・・。

 

青白い窓のようなものを操作して、装備の欄を開く。

そしてそのまま爆雷と初めての艦載機である九六艦戦を選んで実体化させる。

目の前に少し小さい爆雷と九六艦戦が現れたと同時に全ての装備が外された。

 

あとは同様に少し小さい艦載機を一つづつ装備していく。

一つ、また一つと艦載機が青いポリゴンのようになり、砕けて消えていく。

・・・まぁ、消えるとはいっても消えると同時に装備できているのだけども。

あ、妖精さんが艦載機のお手入れや補給をしてくれてる。  

うん、可愛い。 羊羹あげて食べてるところ見てみたいわぁ。

 

「じゃああとはこっちで片づけておきますねー?」

 

「え? あぁ、お願いします。でもその装備って_」

 

明石さんに後を頼む。

で、ふと不意を突いて出た質問に帰ってきた答えは_

 

「これですか? 廃棄予定の装備を初めて確認された艦娘のあなたに、だそうです。」

 

特別なにかあったわけではないらしい。 杞憂だった。

というか表向きはそれだけど実のところは装備のリサイクルかよ。

どうりでなんか多いわけだ。 必要ないのまであるのも納得だわ。

7.7㎜機銃なんてスロット使ってまで装備しないでしょ。常識的に考えて。ねぇ?

・・・まぁ、リサイクルはいいことだしね。 なかったことにしてやろう大本営。

あとその『もったいない』の姿勢は褒めてやる。

 

「じゃあ演習で速度とか色々図るのでついて来てくださいねー。」

 

「・・・え?」

 

あぁ、そうやって調べるんだ。

そんなことを思いながら仕方なくついていった。

_いまだに嫌な予感が拭えないままに。

 




今回は史実ネタが入ってます!
そして次回は久しぶりの戦闘回!
前回の戦闘、見返してみると雑だなぁと我ながら…w
次回はできるだけ頑張ってみます。・・・はい。

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